中川ただあき|富山県議会議員|自民党

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6月13日、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

2024年06月24日 更新

6月13日、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

 

ここ30年余り、経済の停滞、災害、不登校、自殺、不正事件などが続いていますが、原因は何か。

キャッチアップ時代が終わり、目標が定まらない経済対策、救える命も救えない災害対応体制、増え続ける不登校と激減する教員志望者がでる教育体制、薬や自動車産業などの不正事件対応など、どれをとっても、情報通信技術などの発達によって社会状況が大きく変化しているのに、制度の目的と実状がずれ、うまく機能しなくなった状況、つまり「制度疲労」が大きな原因だと思う。

このため、我が会派では、これまで、データ分析による課題解決を図り、前例踏襲から決別し、思い切って「変える」ことを前提に多くのことを提言してきましたことを踏まえ、、今年度も会派一丸となって取り組んで行く思いで、代表質問に立ちました。

 

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質問要旨

問1 災害からの復旧・復興と県民を取り巻く危機への対応について

(1)復旧・復興ロードマップについて、着手状況や進度を随時数値で公表し、状況を点検して、ロードマップを随時改定していくほか、県内被災自治体のロードマップと整合を図ったうえで、液状化対策含め、連携・協力して取り組むべきだが、所見を問う。

(知 事)

(2)災害対応検証会議において、避難所の開設・運営に加えて、避難所の在り方や質の改善も検証し、今後の大規模災害に備えていく必要があると考えるが、所見を問う。

珠洲市や氷見市の避難所を視察したが、間仕切りが段ボールで作られた避難所も見られた。プライバシーの確保や衛生対策、快適性の確保など災害関連死を防ぐ観点からも、避難所の質を上げていく必要性を強く感じた。避難所はひと昔前からその環境が変わっていない。

(危機管理局長)

(3)災害時における危機管理の体制について、これまで以上に県内市町村や国の機関などとの連携を今から一層密にすべきと考えるが、所見を問う。

今回のような大きな地震を経験したことのなかった県や市町村などにおいてはどう対応したらよいか判断できない事例もあったと考える。今年も台風や線状降水帯の発生などの大きな自然災害に対し、その予測や予報を事前に把握しておくはもちろんのこと、迅速な対応のために県内市町村や国の機関などの間で情報を共有し連携した行動をとることが重要。

(危機管理局長)

問2 自立した社会経済システムの確立について

(1)食料・農業・農村基本法改正について

ア 本県農業に対する課題をどのように認識しているのか。また、特に若い農業者の支援を積極的に行うことにより世代交代を促す取組みや、全庁的そして市町村と一体となった取組みが必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか。

今回の改正基本法を踏まえ、みどりの食料システム戦略を進めるため、まずは本県農業の現状をデータで深く分析したうえで、10年後、20年後の本県農業の姿を示すとともに、農業サイドのみならず、学校給食を含めた取組みも必要。

(佐藤副知事)

イ 県産農林水産物等の輸出拡大について、計画の目標達成に向けて、昨年度までの輸出実績をどう分析し、今後どのように取り組んでいくのか。

海外の日本食レストラン数の調査結果によれば、県が輸出先として注力している欧州・アジア地域などで日本食レストラン数が増加しており、輸出拡大に向けて追い風が吹いている状況にある。海外の日本食レストランに向け販路を開拓するなど一層の努力が必要。

(佐藤副知事)

(2)物価高騰及び価格転嫁について

ア 県内中小企業・小規模事業者の適正な価格転嫁と生産性の向上に向け、どのような支援に取り組んでいくのか、これまでの支援による価格転嫁の現状と併せて問う。

中小企業・小規模事業者にあっては物価上昇に賃金が追いついていない状況にあり、労働生産性の向上ができていないことが原因。県ではDX等による生産性向上のための支援をしているが、実効性を高めるには、業種ごとの実態を調査し、データ分析のうえ、実態に応じた効果的な支援が必要。

(商工労働部長)

イ 本県産の農産物価格決定について、現状をどう認識し、機運醸成に具体的にどのように取り組んでいくのか。

先の2月定例会では、農業分野における価格転嫁が十分に進んでいない状況を指摘したところ、県民全体で農林水産業を応援する機運の醸成に努めるとの答弁があった。大半の農産物の価格は小売価格ありきで決まっているところに問題がある。この問題は、国においても議論されてきたが、「合理的な価格の形成に向けた関係者の合意の醸成」には難航も予想される。

(農林水産部長)

(3)公共工事の施工について

ア 公共工事に携わる者のワーク・ライフ・バランスや健康を守ることを前提としながらも、働く意欲を尊重のうえ、賃金水準を確保しつつ、県民生活を支える公共工事の進ちょくが遅れることのないようにすべきと考えるが、どのように対応していくのか。

時間外労働の上限規制が建設業にも適用された。本県の公共工事は、出水期のみならず降雪期も避ける必要があるなど、他の地域に比べて比較的短い工期で対応しなければならない特徴があり、公共工事の施工に影響がでるのではないかとの懸念がある。

(知 事)

イ 農業農村整備事業等について、債務負担行為を設定することで、速やかに工事着手の体制を整え、受注者が十分な工期を確保できるようにすべきと考えるが、所見を問う。

単年度の工期での発注では、受注者にとって十分な工期が確保できず工事の品質低下が懸念され、そのしわ寄せが農業者に及ぶことが考えられる。例えば、国への計画申請または国の採択と併せて、事業地区全体を対象に債務負担行為を設定することはできないか。

(農林水産部長)

問3 持続可能な社会の実現と地域の活性化について

(1)人口減少問題について

ア 人口減少問題について、新しく前向きな取組みを起こすためには、これまでとは異なる視点により創造的で新しい施策を打ち出していく必要があると考えるが、所見を問う。

「過度に悲観的になることなく、新しく前向きな取組みを起こすきっかけとしていくことが重要」との見解を示しているが、我が会派も大いに賛同する。例えば、県有施設を単純に合併や統合するのではなく、官民が連携し県民にとって利便性の高い施設を作ることで、若い世代に受け入れられ、将来担っていきたくなる環境を作っていくなど創造的に考えなければ、この人口減少時代をチャンスに変えることができない。

(知 事)

イ 県の人口未来構想本部において、客観的かつ詳細なデータをもとに議論が行われるべきと考えるがどうか、また、今後どのように人口減少問題について議論していくのか、所見を問う。

将来にわたって人口が減少していくという現実をしっかりと受け止め、希望的観測を排し、客観的なデータをもって議論すべきと考える。さらに、県としての明確なビジョンを示し、わかりやすいゴールを設定するだけでなく、県民と共有するところまで行わなければならない。

(地方創生局長)

(2)北陸新幹線について

ア 北陸新幹線の敦賀開業を踏まえ、観光振興の観点から、本県に対する敦賀開業の効果や、旅行者の変化を分析し、各種施策を展開することが本県の発展につながると考えるが、所見を問う。

福井県内各地で観光客が増加しているが、ゴールデンウィーク期間中には京都・敦賀間の「サンダーバード」や米原・敦賀間の「しらさぎ」の利用者が減少するなど変化もみられる。関西・中京方面から北陸新幹線の利用者は必ず乗り換えが発生することになることが影響しているのではないか。

(知 事)

イ 北陸新幹線の敦賀以西のルートについて、米原ルートへの見直しの声をどう受け止め、今後、どのような姿勢で大阪までの早期の全線整備に向けて取り組んでいくのか、所見を問う。

小浜京都ルートについては、着工の見通しが立たないことや、建設費が物価高騰等により2兆1,000億円を上回る見通しであることから、米原ルートの再考を求める声が上がっている。特に、京都においては、トンネル工事による残土処理の問題や地下水への影響が危惧されることなどから、反対の声もあがっており、問題が本当に解決できるか懸念されている。

(知 事)

(3)富山県武道館の整備について、県総合運動公園の魅力向上や周辺地域の活性化だけでなく、県内スポーツのさらなる振興につなげることで関係人口の拡大を目指すことも考慮して進めていくべきと考えるが、基本設計の進捗状況と併せて所見を問う。

富山県武道館の整備にあたっては、必要な機能を十分精査し、利用する県民や関係団体等の意見を十分聞いたうえで、真に県民に必要とされる施設とするだけではなく、県外・国外からも誘客できるような周辺の環境づくりにも考慮することで、県民が誇ることができる武道館にすべき。

(知 事)

(4)医療提供体制の整備について

ア 公立・公的医療機関の再編について、これまでの施策からもっと踏み込み、将来必要な医療ニーズを正確に把握したうえで、再編を県が先導していく必要があると考えるが、所見を問う。

人口減少において、公立・公的医療機関の果たす役割は重要であるが、医師の働き方が変化せざるを得ないことや、医師の確保が難しくなってきていることから、県民の命を守る観点でみると医療機関の統合・再編は避けて通れない大きな課題であると認識している。

(知 事)

イ 外国人患者の受診について、受診にあたっての課題をどう認識しており、今後どのように対応していくのか、県内の救命救急センター等における実態と体制の現状と併せて問う。

本県を訪れる外国人の増加に伴い、急な体調不良や事故などが原因で県内の医療機関を受診する外国人の数も増加するものと思われる。特に、救命救急センター等を受診する外国人については、必ずしも平日や昼間の受診とは限らないため、医療技術者の確保だけでなく通訳など特別な準備が必要となることから、対応が困難な場合も多いと考える。

(厚生部長)

(5)富山空港における混合型コンセッションの導入に関して、空港の活性化につなげるための施策の方向性と、新規の国内・国際路線の開拓などの取組みをはじめとした各種の具体的施策を今後どのように展開していくのか、所見を問う。

富山空港の役割を持続的に発揮させるため、空港そのものの整備だけでなく、近隣施設との連携強化のほか、チャーター便の活用による国内・国際路線の開拓など、空港の「稼ぐ力」を伸ばす取組みをこれまで以上に強化することが必要。

(交通政策局長)

問4 未来を担うひとづくりについて

(1)教育改革に向け、今後、単なる意見集約ではなく、客観的なデータの収集や詳細な分析を行ったうえで総合教育会議の場などにおいて議論を進めていく必要があると考えるが、所見を問う。

これまでの県立高校教育振興検討会議などでの議論を見ると、前例踏襲ではないかと感じられる。例えば、地元の高校あるいは県外の高校への進学状況やその理由などの分析や、高校に進学した生徒に対する調査でどのような学校が生徒に必要とされているかなどの分析ができるが、これまで客観的なデータに基づく分析が十分に行われていない。

(知 事)

(2)若い世代や県外で活躍している本県出身者の意見を総合教育会議での議論に反映することが、今後の生徒のニーズに応えた教育改革につながると考えるが、所見を問う。

若者が本県を選ぶことにつながるよう、教育を受ける側の若い世代の直接参加や、県外で活躍している本県出身者からの意見は欠かせないと考える。今後、例えば、若い世代や県外で活躍している本県出身者の意見を聴取するワーキングチームなどの場を設定してはどうか。

(教育長)

(3)県立高校について、単に地域バランスを考慮した配置ではなく、市町村や地元と連携しながら、それぞれの特色を活かした多様な学校づくりを進めていくべきと考えるが、所見を問う。

各学区に同じパターンの学校を一律に配置することは疑問である。例えば、生徒の少ない地域では地域の問題として捉え、地域の特色を活かした抜本的な取組みが必要である。また、生徒の多い地域には国際バカロレア校や中高一貫教育校など特色あるタイプの学校の設置や、ICTを活用した遠隔教育の実施など通学事情に配慮した上で、職業科については拠点校を1校設置し、地域にはキャンパス校を設けるなどの取組みが必要と考える。

(知 事)

(4)多くの子どもが海外へ行く機会を拡充するため、研修や留学への経済的な支援や単位の認定、姉妹校提携による交流などを拡大していく必要があると考えるが、所見を問う。

若いうちに異文化を体験し、異なる価値観を持つ人たちと交流をすることは、海外に向けてチャレンジできる人材を育成するためにも重要であり、高校生が海外での経験を積むことのできる施策の意義は極めて大きい。県内の県立高校の同窓会や私立高校における独自の取組みを横展開することも効果的ではないか。

(教育長)

問5 新田県政のこれまでの成果と決意について

今任期の成果と、県政の様々な課題を踏まえ今後どのように取り組んでいくのか、また、秋の知事選挙に向けて、引き続き県政を担う決意と抱負を問う。

豪雪や鳥インフルエンザ、豪雨、能登半島地震などの各種災害対応をこなすなか、新しい富山のさらなる発展のため成長戦略ビジョンを策定したことや、市町村長とワンチームとなって課題解決していく姿は大いに評価している。

(知 事)

代表質問 全文

私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。

質問に先立ちまして、一言申し上げます。

ここ30年間は、経済の停滞、災害、不登校、自殺、不正事件などが続いていますが、原因は何か。

キャッチアップ時代が終わり、目標が定まらない経済対策、救える命も救えない災害対応体制、増え続ける不登校と激減する教員志望者がでる教育体制、薬や自動車産業などの不正事件対応など、どれをとっても、情報通信技術などの発達によって社会状況が大きく変化しているのに、制度の目的と実状がずれ、うまく機能しなくなった状況、つまり「制度疲労」が大きな原因だと思うのであります。

このため、我が会派では、これまで、データ分析による課題解決を図り、前例踏襲から決別し、思い切って「変える」ことを前提に多くのことを提言してきました。実現させるためには発信力に加え、突破力を期待し、以下質問に入ります。

最初に災害からの復旧・復興と県民を取り巻く危機への対応について3点伺います。

まず、能登半島地震による被害のロードマップに基づく復旧・復興の進捗について伺います。

このたびの地震では、人的な被害、家屋の倒壊などほか、道路や水道などの公共インフラ、農地・農業用施設まで幅広い範囲で被害が発生しています。

これらの被害からの一刻も早い復旧・復興に向けて、県では「富山県復旧・復興ロードマップ」を3月にとりまとめ、

取組みの全体像や時間軸を「見える化」することなどに取組んでいます。

そこで、このロードマップに基づく現時点での復旧・復興はどれだけ進んでいるのか、

着手状況に加えてその進度を随時数値で公表するほか、今後、復旧・復興の状況を随時点検し、このロードマップを随時改定していくことが必要だと考えますが、新田知事の所見をお伺いいたします。

さらに県内の被災自治体においても同様のロードマップを作成していますが、それらのロードマップとの整合を図ったうえで、

液状化被害に対する支援を含め、被災自治体と連携・協力して復旧・復興に取組むべきと考えますが、この点も併せて伺います。

次に、能登半島地震に係る

災害対応検証会議について伺います。

県は能登半島地震における対応を検証するため、先月第1回目の災害対応検証会議を開催されました。

今後、14項目にわたる課題を検証し、その結果を各種計画・マニュアルに 反映されると聞いております。

被災した方々が最初に必要とするのは、避難所でありますが、その避難所については、ひと昔前からその環境は変わっていないように見受けられます。

我が会派は珠洲市や氷見市の避難所を視察しましたが、未だに、間仕切りが段ボールでありました。プライバシーの確保や

衛生対策、快適性の確保など、災害関連死を防ぐ観点からも、避難所の質を上げていく必要性を強く感じたところです。

そこで、検証会議における避難所の開設・運営の検証にあわせて、避難所の在り方や質の改善も検証し、今後の大規模災害に備えていく必要があると考えますが、武隈危機管理局長に伺います。

次に、能登半島地震を契機とした危機管理体制の見直しについて伺います。

今回の地震がきっかけで県民の防災意識は格段に高まったことは確実でありますが、その反面、県を含め今回のような大きな地震を経験したことのなかった県内市町村や国の機関などにおいても、どう対応したらよいか判断ができない事例もあったと思われます。

これらの事例については、先ほど取り上げました検証会議においても当然議論されるものではありますが、一方で、今年も警戒を発せられている大型で強い台風と猛暑、線状降水帯の発生など、大きな被害が予想される自然災害に対して、本県におけるその予測や予報を事前に把握しておくことが必要であり、さらに迅速な対応のためには、それらの情報を県内市町村や国の機関などの間で共有したうえで、連携した行動をとることは特に重要であると考えます。

そこで、災害時における危機管理の体制について、これまで以上に県内市町村や国の機関などとの連携を、今から一層密にすべきと考えますが、危機管理局長に伺います。

次に、自立した社会経済システムの確立について、6点伺います。

まず、食料・農業・農村基本法をめぐる諸課題についてであります。

今国会においては、四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法が改正され、食料安全保障の確保をはじめとした3本柱に基づいた基本的施策が定められました。

これまでも「農は国の基(もとい)」と言われてきましたが、対照的に農林水産省予算は四半世紀で25%減少していることは非常に残念なことでありますが、

農業所得を向上させ、安定した食料供給を続けていくには、限られた予算が意欲ある農業者に届くよう

「集中投資」していく必要があります。

改正基本法に明記された目標を本県で達成していくには、まずは本県農業の現状をデータで深く分析したうえで、10年後、20年後の本県農業の姿を示し、意欲ある若い農業者への支援を積極的に行い、世代交代を促していくべきと考えますが、本県農業に対する認識と今後の取組みについて佐藤副知事に伺います。

さらに、みどりの食料システム戦略を進めるには、農業サイドだけでなく学校給食を含め全庁的な取り組みと市町村と一体となった取り組みが必要でありますが、どのように取り組むのか伺います。

次に、県内農林水産物の輸出拡大について伺います。

人口減少に伴う国内市場の縮小があらゆる産業で懸念されているところであり、農林水産業もその例外ではありません。

県では、国内市場の縮小も見据えて「とやま輸出ジャンプアップ計画」を策定し、海外販路の拡大に取り組んでいるところですが、持続可能な食料供給基盤の確立を図るためには、県産農林水産物の輸出拡大に一層努力しなければなりません。

一方、海外における日本食レストラン数の調査結果によれば、県が輸出先として注力している欧州・アジア地域などで日本食レストラン数が増加しており、

輸出拡大に向けて追い風が吹いている状況もあります。

そこで、令和5年度までの県産農林水産の輸出実績をどのように分析しているのか、また、目標年次まで残り3年となった「とやま輸出ジャンプアップ計画」達成に向けては、海外進出している日本食レストランと連携して販路を開拓するなど一層の努力が必要でありますが、どのように取り組んでいくのか、佐藤副知事に伺います。

次に、昨今の物価高騰及び事業者の価格転嫁について伺います。

大企業の決算発表を見ますと、業界などにより濃淡はあるものの、業績は概ね好調であり、過去最高益というものもかなりみられます。

このような中にあって、中小企業・小規模事業者では、物価上昇に賃金が追い付いてない状況が続いており、その原因は労働時間の減少や労働配分率の低下と言われていますが、その背景には労働生産性の向上ができていないところに、大きな原因があると考えます。

それゆえに、円安による原材料費などの経費の増高にもかかわらず、依然として価格転嫁ができていないのが現状であります。

県では、DX等による生産性向上のための支援を展開していますが、実効性を高めるには、業種ごとの実態を調査し、

データ分析のうえ、実態に応じた効果的な支援が必要と考えます。

そこで、これまでの県の支援により県内の中小企業・小規模事業者は適正な価格転嫁ができているのか、また、引き続きどのような支援に取り組んでいくのか、山室商工労働部長に伺います。

次に、農産物の適正な価格の形成について伺います。

先の2月定例会では、農業分野における価格転嫁が十分に進んでいない状況を指摘したところです。

県内では生産者が農林水産物の価格を決め販売している売り場もありますが、大半の農産物の価格は小売価格ありきで決められてしまっているところに問題があると考えます。

この問題は、国においても食料・農業・農村基本法改正の中で議論されてきましたが、「合理的な価格の形成に向けた関係者の合意の醸成」には難航も予想されます。

令和6年度において、県は県民全体で農林水産業を応援する機運の醸成に努めるとしていますが、その前提として本県産の農産物価格決定の現状についてどのように認識しているのか、そのうえで機運醸成に具体的にはどのように取り組むのか、津田農林水産部長に伺います。

次に、公共工事の施工について伺います。

この4月から、働き方改革関連法が全ての業種に対して適用されました。

今般の改革は、「働き過ぎ」を防ぎながら、「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」を実現するものとされています。

一方で、時間外労働の上限規制が建設事業にも適用されたことで、公共工事の施工に影響が出るのでは

ないかとの懸念があります。

特に本県の公共工事は、出水期と降雪期を避ける必要があるなど、他地域よりも比較的短い工期で集中施工しなければならないという特徴があります。

そこで、公共工事に携わる方々のワーク・ライフ・バランスや健康を守ることは大前提でありながらも、

公共工事に携わる方々の「働きたい」という意欲を尊重し、賃金水準を確保しつつ、県民生活を支える公共工事の進捗が遅れることのないようにしていくべきと考えますが、

県はどのように対応していくのか、知事にお伺いいたします。

次に、債務負担行為の設定による工期確保の取組みについてお伺いします。

農地や農業施設等を整備する農業農村整備事業等は、当然のことながら 農作物の作付期間は施工できないうえに、冬期に積雪があることから施工可能な期間はさらに短くなります。

県の会計年度独立の原則の意義は 十分承知しているところでありますが、

単年度の工期での発注では、受注者にとって十分な工期が確保できず、工事の品質低下が懸念され、

そのしわ寄せが農業者に及ぶことは、避けなければなりません。

そこで、農業農村整備事業等について、例えば国への計画認定申請、または国の採択と併せて、事業地区全体を対象に債務負担行為を設定することにより、速やかな工事着手の体制を整え、受注者が十分な工期を確保できるようにすべきと考えますが、農林水産部長に伺います。

次に、持続可能な社会の実現と地域の活性化について8点伺います。

まず、人口減少問題についてこれまでとは異なる視点に基づく施策の推進について伺います。

本年5月に発表された人口推計によると本県の人口は100万人を割り込み、知事は「過度に悲観的になることなく、

新しく前向きな取組みを起こすきっかけとしていくことが重要」との見解を示されましたが、この考えについては我が会派も大いに賛同するところであります。

そのためには、これまでとは異なる視点で新しいものを生み出す考えと、施策が必要であります。

たとえば県有施設をただ単に合併や統合するのではなく、官民が連携し県民にとって利便性の高い施設を作ることにより、

若い世代に受け入れられ、将来、担っていきたくなる環境を作るなど、創造的に考えなければ、この人口減少時代をチャンスに変えることができません。

そこで、知事のおっしゃる新しく前向きな取組みを起こすためには、このように、これまでとは異なる視点により、創造的で新しい施策を打ち出していく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

次に客観的なデータに基づく施策の推進について伺います。

本県では平成の時代より少子高齢化の問題が叫ばれ、人口減少問題に関する 会議などが立ち上げられ、計画が策定され、各種の施策が展開されてきましたが、目に見えた成果があがってきませんでした。

先ほど、これまでとは異なる視点を持つことの重要性について申し上げましたが、そのためには、将来にわたって人口が減少していくという現実をしっかりと受け止め、希望的観測を排し、客観的なデータをもって議論すべきだと考えます。

さらに、県として明確なビジョンを示し、わかりやすいゴールを設定するだけでなく、それらを県民と共有することまで行わなければならないと考えます。

そこで、過日、県に設置された「人口未来構想本部」において、今後どのように人口減少問題について議論していくのか、田中地方創生局長に伺います。

さらに、その議論は客観的かつ詳細なデータをもとに行われるべきと考えますが、この点ついても併せて伺います。

次に、北陸新幹線の敦賀開業が本県に及ぼした効果等について伺います。

本年3月の敦賀開業後、福井県内においては福井駅や敦賀駅周辺だけでなく、新幹線駅から離れた場所に存在する

東尋坊やレインボーライン、県立恐竜博物館など福井県内各地で観光客が増加したとのことです。

その一方で、本年のゴールデンウィーク期間中における利用状況についてJR西日本が公表したところでは、例えば京都・敦賀間の「サンダーバード」は前年度の90パーセント、そして米原・敦賀間の「しらさぎ」については、前年度の51パーセントにとどまっているなどの変化もみられます。

そして、関西方面または中京方面から北陸新幹線を利用される方については、必ず乗換えが発生することが影響しているのではないかと考えられます。

そこで、本県に対する敦賀開業の効果を分析するとともに、旅行者の変化を分析し、各種施策を展開することが、

よりいっそうの本県の発展につながると考えますが、これらの点について知事の所見をお伺いいたします。

次に、北陸新幹線の敦賀以西のルートについて伺います。

今ほど、在来線特急の利用状況について述べたところですが、特急と新幹線との乗換駅である敦賀より先のルートについては、平成28年に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおいて、敦賀・大阪間のルートが小浜京都ルートに決定されたところです。

しかし、最近、小浜京都ルートの着工の見通しが立たないことや、建設費が物価高騰などによりルート決定時の国の試算額である およそ2兆1,000億円を上回る見通しであることから、一部の国会議員のほか、石川県内の県議会議員や市長を中心に、米原ルートの再考を求める声も上がってきております。

特に、京都においては、以前からトンネル工事により生じた残土処理の問題や地下水への影響が危惧されることなどから、

反対の声が上がっており、それらの問題が本当に解決できるのかが懸念されます。

そこで、米原ルートへの見直しの声を県としてどのように受け止め、今後、どのような姿勢で大阪までの早期の全線整備に向けて取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。

次に、富山県武道館について伺います。

県武道館については、令和9年度の開館を目指し、県総合運動公園内に整備することとなっており、昨年度の9月補正予算においては、整備にかかる基本設計に要する経費が盛り込まれたところです。

県武道館の整備にあたっては、必要な機能を十分精査し、利用する関係団体等の意見を十分聞いたうえで、真に県民に必要とされる施設となるよう、併せて、県外・国外からも誘客できるような周辺の環境づくりにも考慮することにより、県民が誇ることができる武道館にすべきであると考えます。

さらには、この県武道館の整備を契機として、県運動総合公園の魅力向上や周辺地域の活性化だけでなく、県内スポーツのさらなる振興につなげることにより、いわゆる関係人口の拡大を目指すことも極めて重要です。

そこで、今回の富山県武道館の整備にあたっては、これらの点を考慮して進めていくべきと考えますが、基本設計の進捗と併せて知事の所見をお伺いいたします。

次に、公立・公的医療機関の再編について伺います。

人口減少において、公立・公的医療機関の果たす役割は極めて重要でありますが、

医師の働き方が変化せざるを得ないことや、医師の確保が難しくなってきていることから、県民の命を守る観点でみると医療機関の統合再編は避けて通れない

大きな課題であると認識しています。

本県ではこれまで、医療提供体制の確保にあたっては、医学部の特別枠設定など

医師の確保・育成等のほか、各医療圏での医療機関の機能や役割分担について継続的に協議されています。

そこで、これまでの施策からもっと踏み込み、将来必要な医療ニーズを正確に把握したうえで、公立・公的医療機関の再編を県が先導していく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

次に、外国人の救急受入れ体制について伺います。

本年3月の県の発表によれば、本県で生活する外国人はおよそ2万2千人であり過去最高となりました。

また、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより本県を訪れる外国人の数も増加傾向にあることから、急な体調不良や事故などが原因で県内の医療機関を受診する外国人の数も増加するものと思われます。

特に救命救急センター等を受診する外国人については、必ずしも平日や昼間の受診とは限らないため、医療技術者の確保だけでなく、通訳など特別な準備が必要となることから、対応が困難な場合も多いと思われます。

そこで、外国人患者の受診について、県内の救命救急センター等における実態と体制は現状どのようになっているのか、

また、外国人患者の受診にあたっての課題と今後の対応について有賀厚生部長に伺います。

次に、富山空港の混合型コンセッションついて伺います。

富山空港については、かねてより混合型コンセッションを導入する方向で準備が進められており、今後の運営事業者選定の実施を見据えて、その事業内容等について意見を伺うことを目的とした民間ヒアリングが行われたと聞いております。

富山空港の役割を持続的に発揮させるため、空港そのものの整備だけでなく、近隣施設との連携強化のほか、チャーター便の活用による国内・国際路線の開拓など、空港の「稼ぐ力」を伸ばす取組みをこれまで以上に強化することが必要と考えます。

そこで、富山空港における混合型コンセッションの導入に関して、空港の活性化につなげるための施策の方向性と、新規の国内・国際路線の開拓などの取り組みをはじめとした各種の具体的施策を今後どのように展開していくのか、田中交通政策局長の所見を伺います。

次に、教育改革など、未来を担う人づくりについて、4点伺います。

はじめに、客観的なデータの分析に基づいた教育改革の取組みについて伺います。

去る4月に「県立高校教育振興の基本的な方針について」の提言がとりまとめられましたが、これまでの県立高校教育振興検討会議などでの議論を見ると、これは前例踏襲ではないかと感じられます。

例えば、地元の高校、あるいは県外の高校へどれだけ進学していて、その理由などの分析や、高校に進学した生徒に対する調査により、どのような学校が真に生徒に必要とされているかなどの分析が可能ですが、これまでそうした客観的なデータに基づく分析が十分になされていません。

そこで今後、単なる意見集約ではなく、客観的なデータの収集やそれらに基づく詳細な分析を行った上で、総合教育会議の場などにおいて議論を進めていく必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

次に、若い世代や県外で活躍している者からの意見聴取について伺います。

これまで高校教育に関する議論については、教育を受ける側の若い世代、いわゆる「Z世代」が直接参加していません。

Z世代の考え方は、議論を行っている世代のものとは全く違うため、彼らの考えを置き去りにした議論を進めても、果たして知事の言う「こどもまんなか」の視点に立った、生徒のニーズに応えた議論ができるのか、疑問に感じます。

さらに県内でも活躍できる環境を整えることにより、若者が本県を選ぶことにつながるという認識を示していますが、県外で活躍している県内出身の方からの意見を聴取することは、欠かせないと思います。

そこで、今後、たとえばワーキングチームなどの場を設定し、このような若者世代の意見を総合教育会議での議論に反映することが、今後の生徒のニーズに応えた教育改革につながると考えますが、廣島教育長の所見を伺います。

次に、地域バランスではなく地域の特色を活かした取組みについて伺います。

県立高校教育振興検討会議の提言によれば、県立高校配置の考え方として「生徒が一定の通学時間内にある高校から多様な選択ができるよう、様々な学科構成や規模の学校をバランスよく配置することが望ましい」とされていますが、これでは各学区に同じパターンの学校を一律に配置することになり、はなはだ疑問であります。

例えば、生徒の少ない地域では地域の問題として捉え、地域の特色を活かした抜本的な取組みが必要であると考えます。

また、生徒の多い地域には国際バカロレア校や中高一貫教育校など特色あるタイプの学校を設けたり、さらに、ICTを活用した遠隔教育の実施など通学事情に配慮した上で、職業科については拠点校を1校設置し、地域にはキャンパス校を設けるなどの取組みが必要ではないかと考えます。

そこで、県立高校について単に地域バランスを考慮した配置ではなく、市町村や地元と連携しながら、それぞれの特色を活かした多様な学校づくりを進めていくべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

次に、子どもの海外経験につながる施策の推進について伺います。

若いうちに異文化を体験し、異なる価値観を持つ人たちと交流をすることは、海外に向けてチャレンジできる人材を育成するためにも重要であり、高校生が海外での経験を積むことのできる施策の意義は極めて大きいものと考えます。

県では富山県高等学校生徒海外派遣事業や、とやま型スーパーグローバルハイスクール事業、とやまの高校生留学促進事業を推進していますが、一方、県内の私立高校においては、独自に海外に複数の姉妹校を持ち、相互に訪問・交流を行う取組みや、留学を推奨し、その留学期間中の単位認定を行う取組み、さらには、県立高校においてふるさと納税を活用した海外研修事業の実施や同窓会での基金を活用した海外研修の支援などの取組みがあり、こうした独自の取組みを横展開することが効果的ではないかと考えます。

そこで、今後、多くの子どもが海外へ行く機会を拡充するため、研修や留学への経済的な支援や単位の認定、姉妹校提携による交流などを拡大していく必要があると考えますが、教育長の所見を伺います。

最後に、知事の今任期4年間の成果と今後の課題と決意についてであります。

新田知事におかれては、去る3月に秋の知事選に出馬することを表明され、自民党県連に対し推薦依頼があったことから、常任総務会で推薦を決定し、5月26日の県連大会で承認されました。

その際、新田知事からはその決意を伺ったところであり、我が会派は引き続きしっかりと支援していく所存であります。

「変えていこう、新しい富山へ」のスローガンを掲げ当選された新田知事には民間出身でコロナ禍や1期目であったことから、期待と不安もありましたが、豪雪、鳥インフルエンザ、豪雨、地震などの各種災害対応をしっかりとこなす中、新しい富山のさらなる発展のため、突き抜けた議論を経て成長戦略ビジョンを策定するなど、また市町村長とワンチームとなって課題解決していく姿は大いに評価しているところであります。

そこで、今任期の成果と県政の様々な課題に向け、今後どのように取り組んでいくのか、また秋の知事選挙に臨み、引き続き県政を担う決意と抱負を知事にお伺いいたしまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

   

令和6年2月定例会 予算特別委員会にて質問に立つ

2024年06月24日 更新

令和6年2月定例会 予算特別委員会にて質問に立つ

 

質問要旨

問1 能登半島地震について

(1)命を守り被害を最小限にするため、今、県民が取り組むべきこととして、地震が起きたら早急に家屋から飛び出すことや家財の転倒・落下防止、食料など生活必需品の備蓄(3日分)で備えることを即刻繰り返し広報すべきと考えるがどうか。

能登地方では、数年前からの群発地震で、家屋に繰り返し圧力が加わったことで倒壊しやすい状況となっていた。今回の激しい揺れで、これまで耐えてきた家屋が崩壊し、圧死者が多くなったと聞く。県内でも木造家屋は大きく揺れ、弱っていると考えられることから、今回は大丈夫だったから、次も大丈夫という考えはやめるべき。

(危機管理局長)

(2)地域防災計画において、「自助、共助、公助」の考えを根本に据え、災害時の備えは県民自らが主体的に取り組むことからはじめるべきであり、次に町内会、自治振興会、市町村、消防局、県などの順で対応すべきこと、民間の力も結集することを基本に見直すべきと考えるがどうか。

例えば、自衛隊の活動にしても、給食支援や入浴支援、給水支援を行っているが、本来の救助支援要請は緊急かつ自衛隊しか出来ない人命救助に限るべき。人命救助以外の給食・入浴・給水などは行政や地域で準備対応すべき。「自助、共助、公助」の考えは、万が一の場合の復旧復興には、コミュニティ、絆が大事であり、その力となると考える。

(知 事)

(3)技術職員不足への対応について

ア 職員の定員管理計画において、令和7年目標を令和4年に比べ32人増の3,243人、災害派遣枠を含めては41人増の3,258人としているが、技術職員増を何人見込んでいるのか。

土木技師や農業土木技師は補正が恒常化するなど予算規模が変わらない中で、人数が大幅に減っている状況にある。さらに6、7月の豪雨災害に加え、能登半島地震において災害現場での調査・復旧工事への対応もあり、技術職員が不足している。

(経営管理部長)

イ 今後の社会資本の整備・維持管理、さらに災害対応は、県職員と市町村職員が平時から一体となって取り組む体制が求められるが、どのように取り組んでいくのか。

今後は新規職員を募集しても少子化の影響で期待できる状況にない。県と市町村が連携と言っている場合ではない。

(蔵堀副知事)

問2 まちづくり戦略について

(1)まちづくり戦略に掲げる居心地がよく個性的な市街地・田園づくりに向けて、市街地や田園地域の地域別、集落ごとでの人口・世帯数の変化などの状況把握と分析が必要であると考えるが、どのように捉えているのか。

東京に人口が集まり、地方、とりわけ農山村の荒廃が進み、美しい国土は荒廃を辿っている。県では、「風の谷構想」も据えて個性的なまちづくりを目指し、移住や二地域居住促進も視野に入れ、多様な主体によるボトムアップのまちづくりや、田園地域の地域資源の発掘等に取り組むが、現状を知ることが大事。市街地といっても広域都市計画区域とそれ以外、田園地域でも平地と中山間地、市街化調整区域内の農村集落とそれ以外の農村集落と様々である。

(蔵堀副知事)

(2)農村地域におけるまちづくりについて

ア 農業集落は農業用水路や農地、農道など維持管理してきたが、人口減少により機能しなくなってきている。集落内に新たな家を建てるためには、まずは集落内の農地転用が必要となるが第一種農地の場合は難しい。空き家だけではなく、移住者などが住みやすい環境を作るために、農地転用に係る農地区分を実際の農地の状況等を踏まえ、見直す必要があると考えるがどうか。

農村集落に農家以外の方に住んでもらわないと機能しなくなってきている。しかし、家を建てようと思っても、特に、市街化調整区域内にある集落は農地転用のほか、開発行為の許可基準において、農業を営む者または分家住宅しか認められていない。人口増があるときには対応できたが、今は逆である。また、現地調査すると、どう見ても第一種農地として営農ができる農地でないと思われるものが多いと考える。

(農林水産部長)

イ 開発行為の観点から、規制のあり方をどのように考えているのか、問う。

いったん開発行為が認められた、道路沿線にあるガソリンスタンドやパチンコ店などの廃業による空き店舗が増えており、環境上問題がある。こうした施設に対して再整備する考え方や基準を変えていく必要がある。

(土木部長)

(3)県庁周辺県有地等有効活用基本構想検討事業に取り組むこととしている。対象地域が県庁前公園、NHK跡地並びに県庁舎敷地となっているが、もっと広げたエリアで富山市ともグランドデザインを共有しながら、構想をまとめていく必要があると考えるがロードマップも含めどのように進めていくのか、民間投資を促すためにも構想とロードマップは公表すべきとも考えるがどうか。

総曲輪・西町から環水公園、セントラム全周辺と高志の国文学館界隈など繋がりのあるもっと広げたエリアで考えるべき。また、街中に公園を作る発想はやめ、公園の中に街を作って人が住むことを取り入れていくべき。

(知 事)

(4)令和6年度当初予算案に計上されている富山県人会世界大会開催準備事業はどのような内容なのか。

令和4年11月議会において、横田副知事から、「世界大会はより多くの方々に富山を訪れるきっかけ、それから愛着を深めるきっかけ、県人会の横のつながりをつくるきっかけとなり得るものであり、また関係人口の拡大につながると考えられるとし、世界各地の富山県人会にまずは意見を聞き、検討を進める」との旨の答弁があり、大変期待していた。

(横田副知事)

問3 高校再編について

(1)県立高校教育振興検討会議からまもなく提言が示され、その後、富山県総合教育会議で方針を決めることになるが、今後のロードマップはどうなるのか。

(教育長)

(2)毎年の欠員が年々増加しており、その背景に県外高校に進学する生徒の増加もある。欠員の増加や進学先の県外高校についてどのように分析しているのか。

欠員は平成31年に74人であったものが、令和2年以降、92人、145人、192人、令和5年には248人と年々増加している。また、県外高校に進学する者が平成31年に218人、令和2年以降290人、248人、306人、令和5年には352人と増加している。これまでの再編統合のやり方では生徒の県外流出がますます進んでいく。新たな視点で考えなければならない。

(教育長)

(3)これまで学科・コースの見直しが中心であったが、こどもまんなかで考えるのであれば、こどもにとってどのような学び方が最良かを大いに議論すべき。自らが選んで、将来を考えることができる、まさに楽しい学校でなければならない。これまでの踏襲してきた体制を思い切って変え、生徒が自ら学びたい学科を選んで学べる教育体制(生徒が動く)にすることが必要と考えるがどうか。

必要な視点は、客観的なデータを分析し県民や市町村に広く公表すること、ICTの積極的活用、不登校や外国人など多様な子どもたちを受け入れること、行動範囲を広げたい動きを受け入れることである。また、新たな視点も必要で、例えば、県内全てに富山型中高一貫校制度の導入(高校入学選抜の廃止、学区ごとの学園新設と現在の高校のキャンパスとしての活用など)や、様々な形での単位取得を認めること(スポーツ・芸術などの分野、体験・ボランティアの必須化、海外留学)、市町村の考えと負担に基づく学科の設置、通学費の無料化。さらに、世の中が激変するなか、教師がついていっていない実態もある。教師のあり方を変えなければならず、資質向上を目指してもらいたい。

(知 事)

 

6月13日、7期目、最初の6月議会、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

2023年06月27日 更新

6月13日、7期目、最初の6月議会、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

自民党新令和の基本方針は、国家観をもった人づくりのための教育改革を進める、また、あらゆる分野で不易流行の精神で変えなければならないところは、変えていく、こうした思いで、代表質問に臨みました。

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質問要旨

問1 富山県の教育改革等について

 

(1)突き抜けた人材育成を実現する教育環境の充実について

ア 産前産後にわたる伴走型相談支援や子どもを産み育てるための働き方改革など、妊娠期から3歳までの期間における子ども関連施策を企業や地域を巻き込み、県民ぐるみで集中的に実施することが問題の根源を断つことにつながると考えるが、所見を問う。

いじめ、虐待、不登校、引きこもりなどは、心の不安定から生じるものであり、その原因は3歳までの環境が大きく左右すると言われている。妊娠期から3歳までの期間、両親がどれだけ深く愛情を注いだか、心の絆を作れたかが重要とされ、そうした環境を企業も含め社会全体で整えることが最も大事と考える。

(知 事)

 

イ 社会に役立つ人材を送り出すため、子どもを中心に各段階が連携し、道徳観、倫理観を養う一貫した教育体制を構築すべきと考えるが、所見を問う。

4歳から17歳の時期は、社会で活躍するための模擬訓練の期間である。昨今の情報通信機器の発展により、幼少時から学習能力の高い子どもも多く、家庭や幼稚園・保育所、小中学校など、これまで以上に早い段階から道徳観・倫理観を身につける必要がある。

(知 事)

 

ウ 子どもたちの職業観を醸成するため、教員の意識改革を行うとともに、民間企業で豊富な経験を持つ人材を採用するなど、優秀な教育人材を確保し、より実践的な職業教育に取り組むべきと考えるが、所見を問う。

高校の職業系専門学科の役割は、子どもが将来就きたい仕事への理解を深め、夢を叶えるための技能や技術を身につけることと考えるが、職業系専門学科を卒業しても、その道に進む者は極めて少ないのが実態である。これまでの「14歳の挑戦」や「17歳の挑戦」の取組みではまだまだ不十分。

(蔵堀副知事)

 

エ 社会が求める人材を把握し、そのための職業科のあり方を見直し、子どもたちが自ら選んだ道で能力を発揮できるシステムが必要と考えるが、農業教育をはじめとした教育制度の抜本改革について、どのように取り組んでいくのか。

例えば、農業系高校の充実として、中央農業高校をはじめとする県内農業科の再編やとやま農業未来カレッジと統合した農業大学校の設置などを検討してはどうか。

(知 事)

(2)G7教育大臣会合の成果と今後の活用について

ア G7教育大臣会合の成果をどのように捉え、今後の児童・生徒の成長、本県教育の未来に向けてどのように活用していくのか。

会合では、生成AIの教育への影響や学校の意義、子どもたち一人ひとりのウェルビーイングを実現するための教育の重要性が再認識されたが、今後の教育現場に大いに活用すべき。また、富山・石川両県の子どもたちが参加した「こどもサミット」、各国大臣との意見交換の経験は、今後、多くの子どもたちに広めていくべき。

(知 事)

イ ウェルビーイングの発信については、前例に捉われず思い切った工夫が必要と考えるが、G7教育大臣会合の成果も踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか。

今回採択された「富山・金沢宣言」に、ウェルビーイングの考えが随所に盛り込まれたところ。環境大臣会合の際には本県のレジ袋の無料配布廃止の取組みを国内外に向けて発表し、全国に展開されたように、今回も本県が目指すウェルビーイングを県内市町村、石川県や金沢市とも連携しながら、全国さらには世界に発信していくべき。

(知 事)

(3)不登校児童・生徒対策について、増加傾向にある不登校の根本的な原因を把握し、必要な支援が重要と考えるが、今後どのように対応していくのか、また、本県での「不登校特例校」の設置についてどのように考えているのか。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等、児童生徒や保護者が専門家に相談できる体制を整備しているが、不十分。不登校の要因が複雑化する中、本県でも、全ての児童生徒が安心して学べるよう、学習指導要領に縛られず授業時間を削減できる「不登校特例校」の設置を検討すべき。

(教育長)

(4)国の施策を待つことなく、本県こども施策を一元化し、こども家庭支援監の強力なリーダーシップのもと、前例踏襲から脱却し取り組むべきと考えるが、こども施策にどのように取り組むのか、その意気込みも併せて問う。

県の人口が毎年1万人減少時代に突入し、100万人割れが目前に迫る状況で、常に子どもの視点に立ち、「こどもまんなか」社会の実現に向けてラストチャンスとの強い危機感を持って取り組むべき。

(こども家庭支援監)

(5)富山県武道館が武道の殿堂として、必要な機能を備えた県民が誇れる武道館となるよう、予定通り令和9年度中の完成を目指して進めていくべきと考えるが、所見を問う。

現在、検討委員会で議論されているが、武道館機能に特化した施設であること、平素の稽古や大会参加者の実態を踏まえた交通の利便性、駐車場や清閑な環境などを考慮すると、県総合運動公園に建設するのがふさわしいと考える。また、情報通信技術が急速に進化している今こそ、武道を通した相手を敬い、道徳心を高める人づくりが必要。

(知 事)

問2 富山から日本を変える「地方創生」について

(1)食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展に向け、個々の農林水産業者が将来にわたって存分に活躍できるよう、支援体制を構築すべきと考えるが、所見を問う。

気候変動や世界情勢の変化など国際的なリスクが顕在化している今こそ、みどりの食料システム戦略を実践しながら、食料自給率の向上を目指し、食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展へ、大きく舵を切る時である。

(知 事)

(2)「行政伴走型のモデルプロジェクト」の進捗状況と、今後の県内農業への展開について、問う。

我が会派では、国営農地再編整備事業「水橋地区」の着実な促進、スマート農業の推進と合わせて、高収益作物の栽培から販路に至るまで農業者を支援する「行政伴走型のモデルプロジェクト」構築を要望してきたところ。先の2月定例会で、横田副知事から、このプロジェクトの構築・推進に積極的に取り組んでいくとの答弁があった。

(横田副知事)

(3)回復しつつあるインバウンド需要を確実に取り込むためにも、国際定期便の再開も視野に入れつつ、しっかりとした観光戦略を持って取り組むべきと考えるがどうか、コロナ禍での県内の受入環境整備の進捗状況と併せて問う。

外国人観光客の大幅な増加が見込まれ、観光事業者等から大きな期待が寄せられる一方、メニューの多言語表記や外国人観光客に対応できる人材の育成などは進んでいない。観光客の満足度を高めることが観光客の増加やリピーターの確保につながることから、今後も受入環境の充実など、観光戦略をアップデートしていくことが必要。

(地方創生局長)

(4)新型コロナが5類となり、徐々に平時へと向かっている今こそ、地域に根差した音楽、芸道、伝統文化などの文化活動を継続的に支援することを検討すべきと考えるが、所見を問う。

コロナ禍において、文化は生活に欠かせない、切っても切り離せない一体的なものと再認識した。文化が日常生活に溶け込み、一人ひとりが心の豊かさを求めていくことが、ひいては県民のウェルビーイングの向上にもつながると考える。

(生活環境文化部長)

(5)寿司を突破口にして、今後ブランディング戦略をどのように展開していくのか、「一点突破ブランディング推進事業」の見直し内容と併せて問う。

今年度当初予算には、「寿司と言えば富山」の創出に向け、国の「観光再始動事業」を活用した海外向けの特別な体験事業の実施経費を計上したが、国事業への不採択という結果を受け、今回の補正予算案では、当初予算を減額し、実施内容を見直した。

(知事政策局長)

問3 県民の命と暮らしを守る施策の推進について

(1)アフターコロナの県政運営について

ア アフターコロナに向け、コロナとの闘いで何を教訓として学び、今後の県民のウェルビーイングの向上や成長戦略をはじめとした県政運営にどのように活かしていくのか、所見を問う。

DXの推進など今後も進めるべき点はさらに進めていく一方で、平時からの医療体制整備や国と地方の役割分担など課題が浮き彫りになった点は解決していくべき。

(知 事)

イ これまで公的病院を中心に病床を確保してきたが、今後は再流行等に備え、民間病院も含めた地域医療全体で対応力を高め、平時から医療提供体制を整えておく必要があると考えるが、所見を問う。

新型コロナの感染拡大により、医療機関の間の役割分担や連携体制の構築、病床や医療人材不足など、地域医療体制に係る課題が浮き彫りになった。

(厚生部長)

(2)賃上げの実現に向けた県独自の価格転嫁の取組みなどについて

ア 「パートナーシップ構築宣言」で終わらせるのではなく、より実効性のある取組みを県独自で実施すべきと考えるがどうか、本県の賃金上昇と価格転嫁の実態に対する認識と併せて問う。

エネルギー価格や物価高騰が続く中、特に県内中小企業等が継続的な賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁が図られることが必要不可欠。

(商工労働部長)

イ 中小企業の経営の下支えや生産性向上、新しい環境に適応した事業へ変革する事業承継の支援などに今後どのように取り組むのか、県内の中小企業等の現状と課題に対する認識と併せて問う。

県内の中小企業等は、借入金の返済や賃上げ要請、経営者の高齢化と事業承継難に加えて、デジタル化やグローバル化への対応、生産性の向上など様々な課題に直面し、物価高や人件費の増加などその経営環境は一層厳しさを増している。

(知 事)

(3)先月発生した石川県珠洲市での地震に際して、関係職員の参集状況、消防防災ヘリや市町村関係機関等からの情報収集は適切に行われたのか、県内の自主防災組織の組織率の状況と併せて問う。

今回の地震による本県への影響は小さいものであったが、こうした時こそ、平時からの「備え」を見つめ直す必要がある。また、災害発生後は、何よりも初動対応が重要。

(危機管理局長)

(4)G7教育大臣会合での警備をどのように総括し、今後の「日本一安全で安心して暮らせる富山県の実現」につなげていくのか、先月、長野で警察官が発砲を受けた事件等を踏まえた警察官の安全管理に対する考えと併せて所見を問う。

(警察本部長)

(5)チャットGPTなど生成AIの活用と働き方改革について

ア チャットGPTなど生成AIの活用について、どのように取り組んでいくのか。

県では、職員が極力付加価値の高い業務に注力し、行政サービスの向上を図れるよう、「DX働き方改革推進委員会」の下にワーキングチームを設置し、チャットGPTなど生成AIの課題整理や活用方策の検討を行うと聞く。

(知事政策局長)

イ 「勤務間インターバル試行制度」の実効性を高めるためには、制度の趣旨を職員に浸透させていく必要があるが、どのように取り組むのか、制度導入により期待される効果と併せて問う。

県庁のDX・働き方改革を推進していくことが、県庁組織の活性化はもとより、時間外勤務の縮減、職員の心と身体の健康維持にもつながると考える。

(経営管理部長)

(6)先の5月補正予算の効果を最大限発揮するため、県の予算化の状況を受けて、その後市町村ではどのような対応がされたのか、また、県と市町村で具体的にどのような事業で連携することになったのか。

先の5月臨時会では、県と市町村がワンチームとなって取り組むべきと提案したところ。

(知 事)地方創生局

質問全文

私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。

質問に先立ちまして、一言申し上げます。

我が国は急速に進む人口減少の中、30年も続いている経済の停滞、ロシアのウクライナへの軍事侵攻など不安定な国際状況、台湾海峡をめぐる安全保障問題に加え、新型コロナ感染症の発症、さらに自然災害の頻発と、今まさに国難とも言える危機的な状況に直面し、自立した独立国として存続できるかどうかという岐路に立っていることを、認識しなければなりません。

一方、情報通信技術の急速な進化はめざましく、あらゆる分野に及びその対応が大きな課題となっております。

情報通信技術を司るのは人であり、心身共に健全で、倫理観、国家観を持った人づくりが急務であります。

このような中、先月G7教育大臣会合が開催されたことは、今後の次代を担う若者の教育・人づくりにとって非常に意義あることでした。

問題は、それをどのように実現できるかであります。

今こそ、教育環境を大きく見直さなければならないのであります。

県政の重要課題の解決のためには、常に国家観を持ち、前例踏襲から決別し、伝統を守りつつ、「変えなければならないことは、思い切って変える」という、不易流行の精神で、取り組まなければならないということを、肝に銘じつつ、以下質問に入ります。

初めに、富山県の教育改革等について9点伺います。

まず、突き抜けた人材育成を実現する教育環境の充実について伺います。

生まれた子どもは、両親や家族、そして地域に見守られながら、保育、小中学校の義務教育を受け、希望によっては高校、大学で学び、それぞれの段階から、人のため、世の中に役立つ人材として社会へと巣立っていきます。

もちろん、「叶えたい夢、実現したいことに向かって自分らしく生きたい」、「結婚して、子どもを授かりたい」、「幸せな人生を送りたい」、と願うのは、人として自然なことです。

一方で、人間の欲望は常に新しいものを求め、科学技術を進歩させることで満たしてきましたが、果てることのない情報通信技術の深化によってプライバシーが侵されるなど、悪質な事件も顕在化しており、情報倫理の必要性が強く求められています。

いじめ、虐待、不登校、引きこもりなど、その全てが心の不安定から生じるものであり、

その原因は3歳までの環境が大きく左右していると言われています。

妊娠期から3歳までの期間、両親がどれだけ深く愛情を注いだか、心の絆を作れたかが重要と言われており、そうした環境を企業も含め社会全体で整えることが最も大事であると考えます。

そこで、産前産後にわたる伴走型の相談支援や子どもを産み育てるための働き方改革など、この時期の関連施策を企業や地域を巻き込み、県民ぐるみで集中的に実施することが、問題の根源を断つことにつながると考えますが、新田知事に所見をお伺いいたします。

また、4歳~17歳、この時期は、大人社会で活躍するための模擬訓練の期間であります。昨今の情報通信機器の発展により、幼少時から学習能力の高い子どもも多く、家庭や幼稚園・保育所、小中学校など、これまで以上に早い段階から道徳観・倫理観を身につける必要があります。

そこで、社会に役立つ人材を送り出すため、子どもを中心に各段階が連携し、道徳観、倫理観を養う一貫した教育体制を構築すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

また、少子化の時代において、少ない若者でどのようにして富山県や日本を担っていくのか。

あらゆる分野で担い手が不足しており、特に生命と生活基盤に直結する農業、医療・福祉、建設業などは顕著であり、早い段階から職業意識を持ち、得意分野の能力を引き出し、活躍できる教育が求められます。

学校では、これまで「14歳の挑戦」や「17歳の挑戦」など、生徒が職場体験を通じて様々な経験を積む取組みがなされていますが、私は、まだまだ不十分だと感じています。

高校の職業科の役割は、言うまでもなく、子どもが将来就きたい仕事への理解を深め、夢を叶えるための技能や技術を身につけることと考えますが、職業系の学科を卒業しても、その道に進む者は極めて少ないのが実態です。

そこで、子どもたちに「何のために働き、何のためにその仕事をするのか」という職業観を醸成するため、教員の意識改革を行うとともに、民間企業で豊富な経験を持つ人材を採用するなど、優秀な教育人材を確保し、より実践的な職業教育に取り組むべきと考えますが、蔵堀副知事にお伺いします。

また、現在、高校のあるべき姿についての議論が進められています。

ここで大切なのは、子どもたちが学びたいと考えている学科を優先した、思い切った改革を行うことであり、中学生時の成績と内申書のみで振り分け、とりあえず高校へ行くという考えを払拭することです。

社会が今、どのような人材を求めているのかを把握し、そのための職業科のあり方を見直し、子どもたちが自ら選んだ道において能力を発揮できるシステムが必要なのです。

例えば、農業系高校の充実。農業は我々が生きていくための食料生産、環境の保全や管理を担い、自信と誇りを持つことのできる最も重要な仕事の一つであります。

そこで、中央農業高校をはじめとする県内農業科の再編、とやま農業未来カレッジと統合した農業大学校の設置などを検討してはどうかと考えますが、農業教育をはじめとした教育制度の抜本改革について、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。

次に、G7教育大臣会合の成果と今後の活用について伺います。

先月、国内では史上初の複数自治体による共同開催となった教育大臣会合が閉幕しました。

誘致開始から1年余り、共催決定から約8か月にわたり、準備にあたられた富山・石川両県はじめ富山市、金沢市、そして全ての関係の皆さんのご尽力に対し、心から敬意を表するものであります。

会合では、「チャットGPT」に代表される生成AIの教育への影響について議論が交わされるとともに、子どもが安心して過ごせる居場所としての「学校の意義」や、子どもたち一人ひとりのウェルビーイングを実現するための「教育の重要性」が再確認されましたが、今後の教育現場に大いに活かすべきであります。

また、両県の子どもたちが参加した「こどもサミット」、各国大臣との意見交換は、子どもたちにとって何事にも代え難い経験であり、今後、多くの子どもたちに広めていくべきと考えます。

そこで、G7教育大臣会合の成果をどのように捉え、今後の児童・生徒の成長、本県教育の未来に向けてどのように活用していくのか、知事にお伺いいたします。

また、今回採択された「富山・金沢宣言」に、本県が成長戦略の中心に位置付けている「ウェルビーイング」の言葉や考えが随所に盛り込まれたことは、大変意義深いことであったと考えます。

7年前のG7富山環境大臣会合の際、本県のレジ袋の無料配布廃止の取組みを国内外に向けて発表し、それが全国に展開されたように、今回も本県が目指す「ウェルビーイング」を富山市はじめ県内市町村、また石川県や金沢市とも連携しながら、全国さらには世界に発信していくべきです。

しかし、県内においては、その認知度がまだまだ低い現状にあると言わざるを得ないことから、「ウェルビーイング」の発信については、前例に捉われず思い切った工夫が必要であると考えますが、G7の成果も踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、増え続ける不登校児童・生徒対策について伺います。

 国の調査によれば、2021年度における県内小中高校で30日以上欠席した不登校の児童・生徒の数は、前年度より391人増加し2,256人となっています。 

 本県では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等、児童生徒や保護者が専門家に相談できる体制が整備されてきましたが、まだまだ不十分であります。

社会情勢の変化が激しく、不登校の要因が複雑化する中、本県でも、全ての児童生徒が

安心して学べるよう、学習指導要領に縛られず授業時間を削減できる「不登校特例校」の設置について検討すべきであります。

そこで、増加傾向にある不登校の根本的な原因を把握し、必要とされる支援を行うことが重要と考えますが、教育委員会として今後どのように対応していくのか、また、国では「不登校特例校」の設置を進めていますが、本県での設置についてどのように考えているのか、荻布教育長に伺います。

 

次に、こども施策の効果検証と今後の取組みについて伺います。

4月に「こども家庭庁」が発足し、これまで厚生労働省や内閣府などにまたがっていた少子化対策や子育て支援を一体で担うことになりました。

本県でも4月から「こども家庭支援監」を専任とし、こども家庭室を支援監の直下に置き、権限強化と部局間連携の強化を図ることとされています。

県の人口が毎年1万人減少時代に突入し、100万人割れが目前に迫る状況で、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」社会の実現に向けて、少子化対策はラストチャンスとの強い危機感を持って取り組んでいかねばなりません。

国の施策を待つことなく、本県こども施策を一元化し、松井こども家庭支援監の強力なリーダーシップのもと、前例踏襲から脱却してしっかりと取り組むべきと考えますが、どのように取り組むのか、その意気込みも併せて伺います。

 

次に、富山県武道館整備について伺います。

我が会派ではこれまで、令和9年度中の武道館開館の必要性について、議会はもとよりあらゆる機会を通じて、知事はじめ当局に求めてきました。

現在、見直し検討委員会で議論されていますが、武道館機能に特化した施設であること、平素の稽古や大会参加者の実態を踏まえた交通の利便性、駐車場や清閑な環境などを考慮すると、自ずと県総合運動公園に建設するのがふさわしいと思うのであります。

これまで、十数年にわたり、何度も申しあげてきましたが、情報通信技術が急速に進化している今こそ、武道を通した、相手を敬い、道徳心を高める人づくりが必要であります。

そこで改めて、そのシンボルとなる富山県武道館が武道の殿堂として、必要な機能を備えた県民が誇れる「武道館」となるよう、予定通り令和9年度中の完成を目指して進めていくべきと考えますが、知事にお伺いいたします。

 

次に、富山から日本を変える「地方創生」について5点伺います。

まず、食料安全保障を支える持続的農林水産業の発展について伺います。

4月のG7宮崎農業大臣会合で採択された声明には、食料安全保障の重要性が盛り込まれ、また現在、農林水産省で検討が進められている食料・農業・農村基本法の見直しにおいても、その確立を取り入れる方向で議論されるなど、食料安全保障は国を挙げて対応すべき課題と言えます。

非常時に食料の輸入確保に努めるのは当然ですが、最低限これに頼らなくても良い環境、

平時から食料自給率の向上を目指すべきです。

主食であるコメの他、小麦などの作付、輸入肥料や飼料からの転換、自然エネルギーを活用した農機具の開発など、平時から取り組むことは多くあります。

気候変動や世界情勢の変化など国際的なリスクが顕在化している今こそ、みどりの食料システム戦略を実践しながら、食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展へ、大きく舵を切る時であります。

このことを明確にして、個々の農林水産業者が将来にわたって存分に活躍できるよう、支援体制を構築すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、農業人材育成拠点と稼げる生産モデルの構築について伺います。

我が会派では、新年度予算重点要望項目として、北陸初の大型圃場整備事業となる国営農地再編整備事業「水橋地区」の着実な促進、スマート農業の推進と合わせて、高収益作物の栽培から販路に至るまで農業者を支援する「行政伴走型のモデルプロジェクト」構築を要望してまいりました。

本県農業の持続可能性を高めていくためには、意欲を持って農業に取り組む方を支援する人材育成に加え、農業者がしっかりと収入を得て農業を続けることができる仕組みづくりが必要であり、これら「人づくり」と「収入の確保」はまさに地方創生の具体化の一つと言えます。

先の2月定例会では、横田副知事から、このプロジェクトの構築・推進に積極的に取り組んでいくとのご答弁もいただきました。

そこで、「行政伴走型のモデルプロジェクト」の進捗状況と、今後の県内農業への展開について、横田副知事に伺います。

次に、インバウンド需要を見込んだ観光戦略について伺います。

4月の訪日外国人数は194万9100人で、コロナ禍前の66.6%まで回復しました。

本県でも台湾や韓国からのチャーター便の就航、国際クルーズ船の寄港など、外国人観光客の大幅な増加が見込まれており、観光事業者や交通事業者から大きな期待が寄せられています。

一方で最近、街中に多くの外国人観光客を見かけるようになりましたが、案内看板や飲食店のメニューの多言語表記、外国人観光客に対応できる人材の育成などはあまり進んでいません。

各国からお越しの観光客の満足度を高めることが、さらなる観光客の増加や、本県を何度も訪れるリピーター獲得につながることから、今後も受入環境の充実や新たな観光素材の発掘を図るなど、本県の観光戦略も常にアップデートしていくことが肝要であります。

そこで、3年余りにわたるコロナ禍で県内の受入環境の整備の進捗はどのようになっているのか、また、この回復しつつあるインバウンド需要を確実に取り込むためにも、国際定期便の再開も視野に入れつつ、しっかりとした観光戦略を持って取り組むべきと考えますが、竹内地方創生局長に伺います。

 

次に、地域の絆を再構築するための文化振興について伺います。

コロナ禍において、私たちは外出自粛や施設の使用制限など様々な行動制限に直面しました。中でも文化活動やイベント、伝統的な祭り等は真っ先に中止に追い込まれ、発表の場が無くなり、文化の継承や心の豊かさの醸成などが置き去りとなりましたが、私たちは改めて、文化は生活に欠かせない、切っても切り離せない一体のものであるということを再認識しました。

新型コロナの分類が5類に移行となり、徐々に平時へと向かっている今こそ、文化が日常生活に溶け込み、一人ひとりが心の豊かさを求めていくことが、ひいては県民のウェルビーイングの向上にもつながるという認識のもと、地域に根差した伝統文化、音楽、芸道などの文化活動を継続的に支援することを検討すべきと考えますが、廣島生活環境文化部長に伺います。

 

 次に、ブランディング戦略の展開について伺います。

県では、昨年「ブランディング推進本部」を立ち上げ、4月には知事政策局内に「広報・ブランディング推進室」を設置するなど、ブランディングに係る企画立案・情報発信を行う体制を強化されています。

今年度当初予算には、「寿司と言えば富山」の創出に向け、国の「観光再始動事業」を活用した海外向けの特別な体験事業の実施経費が計上されていました。

しかし、国事業が不採択となり、今回の補正予算案では、当初予算を減額し、実施内容を見直したうえで、「一点突破ブランディング推進事業」を計上していますが、事業内容をどのように見直したのか、また、寿司を突破口にして、今後ブランディング戦略をどのように展開していくのか、川津(かわつ)知事政策局長に伺います。

 

最後に、県民の命と暮らしを守る施策の推進について9点伺います。

まず、アフターコロナの県政運営について伺います。

先月から、コロナ対応は「有事」から「平時」の体制に移行しました。

ただ、決してコロナは収束したわけではなく、流行の第9波も懸念されていることから、社会経済活動の正常化を進めつつ、今後の感染状況を注視していかねばなりません。

また、感染の再流行や未知の感染症への対応に備えて、これまでのコロナ対策の検証が必要と考えます。

教育現場ではICT環境が整備され、またDXの推進により企業の生産性向上が図られるなど、今後も進めるべき点はさらに進めていく一方で、国と地方の役割分担や責任の所在、平時からの医療体制整備など、課題が浮き彫りになった点は解決すべきであります。

そこで、3年余にわたるコロナとの闘いで何を教訓として学び、今後の県民のウェルビーイングの向上や成長戦略をはじめとした県政運営にどのように活かしていくのか、知事にお伺いいたします。

 

また、5類移行後、国では新型コロナの診療実績がない施設も含めて患者を診る、幅広い医療体制への移行を目指しています。今まで診療していなかった医療機関は、感染対策やノウハウが無いため、診療しない可能性も指摘されています。

新型コロナの感染拡大により、医療機関の役割分担や連携体制の構築、病床や医療人材不足など、地域医療体制に係る課題が浮き彫りになりました。

これまで公的病院を中心に病床を確保してきましたが、今後は再流行等に備え、民間病院も含めた地域医療全体で対応力を高め、平時から医療提供体制を整えておく必要があると考えますが、

有賀(あるが)厚生部長に伺います。

 

次に、賃上げの実現に向けた県独自の価格転嫁の取組み等について伺います。

我が国は、デフレが30年続く異常な事態にあります。これを脱するためには、国内での投資を喚起し、賃金の引上げを促す国内需要拡大策が必要であります。

家計純資産500万円未満の階層は、2000年頃は25%でしたが、2021年には35%に上昇しており、働いて所得を得て、一部を貯蓄に回すという中間層が細っていることは明らかであり、国民所得が増えなければ家計は楽になりません。

その原因は、この30年間、G7を構成する日本以外の国の賃金がいずれも右肩上がりである中、日本の賃金がほぼ横ばいだからです。エネルギー価格や物価高騰が続く中、特に県内中小企業等が継続的な賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁が図られることが必要不可欠であります。

県では、適切な価格転嫁に向けて、経済界等と連携し「パートナーシップ構築宣言」の普及に取り組んでいますが、本県の賃金上昇と価格転嫁の実態をどのように認識しているのか、また、宣言で終わらせるのではなく、より実効性のある取組みを県独自で実施すべきと考えますが、中谷商工労働部長に伺います。

 

また、コロナ禍に導入されたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、「業績が上向かず返済の見通しが立たない」、「借り換えを断られた」、あるいは「世代交代したいが、個人保証が足枷となって事業継承できない」などといった切実な声が聞こえてきます。

東京商工リサーチがまとめた昨年度の倒産発生率調査では、富山県がワースト1位となるなど衝撃が走りましたが、コロナ禍で影響を受けた倒産が多く、公的支援が薄れたことも要因とされています。

また、昨年の後継者不在率調査では、後継者が決まっていない県内企業の比率は55.2%で全国23位となっています。

県内の中小企業等は、借入金の返済や賃上げ要請、経営者の高齢化と事業承継難に加えて、デジタル化やグローバル化への対応、生産性の向上など様々な課題に直面しています。

そこで、物価高や人件費の増加など経営環境は一層厳しさを増していますが、県内の中小企業等の現状と課題をどのように認識しているのか、また、経営の下支えや生産性の向上、新しい環境に適応した事業への変革を行う事業承継の支援などに今後どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、災害に対する平時からの備えについて伺います。

先月、石川県珠洲市で震度6強の地震が発生しました。建物への被害、また怪我をされた方々に心よりお見舞い申し上げます。

昨年10月の県防災危機管理センターの完成以来、今回が初めての地震対応となりましたが、その後も県内で大雨被害が発生するなど、いつ何時、自然災害や原子力災害、国民保護などの危機管理事案が発生するかは予測がつきません。

このたびの地震による本県への影響は小さいものでしたが、こうした時こそ、平時からの「備え」を見つめ直す必要があります。

そこで、大規模災害時の避難住民の誘導や被災者の救援等での協力が期待される県内の自主防災組織の組織率の状況はどうか、また、災害発生後は、何よりも初動対応が重要ですが、今回の地震に際して、関係職員の参集状況、消防防災ヘリや市町村関係機関等からの情報収集は適切に行われたのか、武隈危機管理局長に伺います。

 

次に、警護態勢等のあり方と警察力強化について伺います。

G7教育大臣会合での警備にあたっては、県境をまたぐ移動が伴うなど、共同開催であるがゆえの難しさに加えて、開催前には、中央省庁や自治体へのサイバー攻撃や能登地方を震源とする地震が相次いで発生するなど、少なからず警護態勢にも影響があったのではないかと思います。

こうした中、しっかりと無事に任務を果たされたことは、大いに評価したいと思います。

石井警察本部長には、3月の着任以降、任務の完遂のため全力で取り組んでこられたと思いますが、このたびの警備をどのように総括し、今後の「日本一安全で安心して暮らせる富山県の実現」につなげていくのか、先月、長野で警察官が発砲を受けた事件等を踏まえた警察官の安全管理に対する考えと併せて、所見を伺います。

 

次に、チャットGPTなど生成AIの活用と働き方改革について伺います。

教育大臣会合では、各国の教育のデジタル化の進展について議論がなされ、対面での学びの重要性に関する意見が出されたほか、チャットGPT等の活用については、メリットと課題のバランスを考慮することの重要性が共有されました。

知事は教育現場での活用に慎重な姿勢を示されましたが、他の自治体ではその活用を模索する動きもあるようです。

県では、職員が極力付加価値の高い業務に注力し、行政サービスの向上を図れるよう、「DX働き方改革推進委員会」にワーキングチームを設置し、チャットGPTなど生成AIの課題整理や活用方策の検討を行うとされていますが、どのように取り組んでいくのか、知事政策局長に伺います。

 

また、こうした県庁のDX・働き方改革を推進していくことが、県庁組織の活性化はもとより、時間外勤務の縮減、職員の心と身体の健康維持にもつながると思います。

そうした中、知事の肝煎りで「勤務間インターバル制度」が6月から試行的に導入されました。この制度の実効性を高めるためには、制度の趣旨を職員に浸透させていく必要がありますが、どのように取り組むのか、制度導入により期待される効果と併せて、南里経営管理部長に伺います。

 

最後に、市町村とのさらなる連携の深化によるワンチームの行財政運営について伺います。

県では、これまで補正予算や新年度予算編成により、県民の暮らしと事業活動を守るためのエネルギー価格・物価高騰対策や新型コロナ対策をはじめ、少子化対策・子育て環境の充実、スタートアップ支援など経済の活性化や、DXの推進、人への投資などの事業に優先的に予算を配分するなど、スピード感を持って対応されてきたことに対し、会派として高く評価をしております。

 先の5月臨時会では、補正予算の効果を最大限に発揮するため、県と市町村がワンチームとなって取り組むべきと提案したところですが、県の予算化の状況を受けて、その後市町村ではどのような対応がなされたのか、また、県と市町村で具体的にどのような事業で連携することになったのか、知事にお伺いしまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

4月5日(水) 21時より、今日までの中川ただあきの活動をメタバース内とFacebook Liveで皆様と共に振り返ります。

2023年04月04日 更新

メタバース中間報告会

日頃、 格別のご支援ご協力賜り心から厚く御礼申し上げます。

富山県議会議員選挙も折り返しを迎え残りわずかとなってきました、4月5日(水) 21時より、今日までの中川ただあきの活動をメタバース内とFacebook Liveで皆様と共に振り返りたいと思います。
是非皆様ご参加よろしくお願いいたします。

Facebook LIVE

https://www.facebook.com/events/767762545018300

 

是非、4月5日(水) 21時よりメタバース内に遊びに来てください。

これからスマートフォンとパソコンで中川ただあきメタバース中間報告会の参加方法を説明させていただきます。

こちらのURLから参加することができます。
https://is.gd/1nTjGt

パソコンからの参加方法はこちら

一部のスマートフォンでは画像が表示されない場合がございます。
その際はお手数ですが下記のPDFをご覧ください。
中川ただあきメタバースマニュアル

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スマートフォンからの参加方法はこちら

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ご不明点などがありましたら下記の事務局までお電話ください。

事務局電話番号
09013942769

中川ただあきメタバース事務所のご案内

2023年03月26日 更新

日頃、 格別のご支援ご協力賜り心から厚く御礼申し上げます。

3月27日(月) 20時より、
中川ただあきによる、地域DXを進めていくためにも中川ただあき自身が、最先端技術を利用した メタバース空間内での県政報告会を行わせていただきます。

メタバースとは、インターネット上に存在する 「3次元仮想空間」を指します。ネット上に自分の分身を作り、実際に話をしたり、ビジネスを行ったりすることができる空間のことです。

是非、3月27日(月) 20時よりメタバース内に遊びに来てください。

これからスマートフォンとパソコンで中川ただあきメタバース県政報告会の参加方法を説明させていただきます。

こちらのURLから参加することができます。
https://is.gd/1nTjGt

パソコンからの参加方法はこちら

一部のスマートフォンでは画像が表示されない場合がございます。
その際はお手数ですが下記のPDFをご覧ください。
中川ただあきメタバースマニュアル

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ご不明点などがありましたら下記の事務局までお電話ください。

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09013942769

3月1日、6期目、最後の2月議会、一般質問に立ちました。

2023年03月06日 更新

主な質問要旨は以下の通りです。※( )は答弁者
また、質問全文も掲載しましたので、よろしくお願いします。

質問

問1 IT化、DXの推進について

 

(1)日本全体のIT投資水準は、米国など諸外国が投資を拡大している一方で、30年間、横ばいが続いている。これが、我が国経済の停滞の原因である。この状況と原因を直視し、企業、行政、教育、県民が認識を共有することが、本県のIT化、DXを推進する原動力となると考えるが、どのように取り組むのか。

米国やドイツなど各国企業がITをベースにビジネスモデルの再構築を進めたことで、ビジネス環境は大きく変化したが、日本企業は見誤り、一気に国際競争力を低下させた。今、重要なのは、労働力と資本をつぎ込むことではなく、ソフトウェア、イノベーションが関わることであり、創造性を発揮する、前例踏襲を断ち切ること、変えることである。本県の状況をみると、産業界と教育界の方向性、認識が一致しておらず、創造性のある人を組織や社会が受け入れず、才能を開花できる仕組みがないと考える。

(知 事)

 

(2)行政のIT化、DXの推進について

ア 県職員が、業務の効率化をはじめ、県民目線、現場主義で課題解決に取り組めるよう、県庁の業務のIT化、DXを推進していくべきと考えるが、どのように取り組むのか。

前例踏襲型から脱却するため、管理職をはじめとする職員の意識改革が重要。外注してソフトを作ってもらうのではなく、職員自らソフトを作って事務効率化や課題解決ができるよう、若手職員の想像力、理系職員の活用など人材の育成にも傾注すべき。また、住民サービスの向上を目指して、目標年次を公表したうえで、実現させていかないと県民に伝わらない。

(知事政策局長)

 

イ 県職員及び教員の人事管理や異動作業をIT化、DX化すべきと考えるが、現状と今後の方針を問う。

職員の経歴や資格などのデータに、本人の希望と、人事当局の方針などの条件を加えれば、自動で異動作業が行えるようIT化を図れないか。また、例えば、「ある人材を数年後にある分野のエキスパートに育てるためには、どこの部署を経験させることが適切か」などのシミュレーション機能を持たせれば、先を見据えた効果的な人材育成が可能となるのではないか。

(経営管理部長)県職員について

(教育長)教員について

 

 

 

ウ 公共事業等の請負工事に係る提出書類の簡素化と電子化を求める声を聞くが、改善に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を問う。

公共事業等の請負工事に係る提出書類が非常に多く、現場の業務より、書類づくりに疲弊するとの苦情がある。建設業界の担い手確保を目指す観点からも、若い技術者にとって魅力ある環境づくりを進めなければならない。現状を見る限り、進んでいるとは思えず、一刻も早く改善すべき。

(土木部長)

 

 

問2 「発信力」の強化について

 

(1)令和5年度当初予算案では、発信力強化に係る事業が増えていると感じるが、県の施策を県民にわかりやすく伝えるため、どのように取り組むのか。

成長戦略の実現に向けては、県が進める施策を県民に理解してもらい一体感を醸成することが重要。そのために「発信力」を高め、県民や事業者、関係団体等の現場の声を情報収集し、互いに意思疎通を図り、目標を実現させていくことが必要。

(知 事)

 

(2)「ウェルビーイング指標」が公表されたが、県民に「自分ごと」として共感してもらい、ウェルビーイング指標を活用した取組みを進めるためにも、まずは「なないろ」の指標(花)の露出を増やし、認知度を高める必要があると考えるが、どのように取り組むのか。

指標の説明から入るのではなく、例えば、CICビル壁面や大型商業施設、駅構内などへの掲出や県広報誌やHPでの掲載など、「あれはなんだ」と興味関心を引くことから始めるべき。民間にも大いに活用してもらえるよう、例えば、県HPから自由にダウンロードできるようにするなど工夫することで、SDGsのように、浸透が図られるのではないか。興味関心を引き、その後、七色の花の説明を聞くことで、県民が「自分ごと」として共感できるのではないか。

(知事政策局長)

 

(3)幸せ人口1000万の実現に向け、関係人口を増やすため、本県の魅力を一層PRする必要があると考えるが、どのように取り組むのか。

本県への関心が高くない層をターゲットに本県の認知度を高める取組みや、県HPの閲覧者などには、SNSを活用したプッシュ型のPRを充実させるべき。さらに、県民ひとりひとりが、発信したい魅力をPRできるよう、PRしやすいコンテンツの充実に努めるなど、サポートすることも重要と考える。

(知事政策局長)

 

 

 

 

 

(4)11月議会において、富山県人会世界大会の開催について、検討を進めるとの答弁があったが、その検討状況について問う。また、東南アジアなど県内企業が多く進出している地域で、県人会を立ち上げるよう促してはどうか。

関係人口の増加に向けて、世界にも目を向けるべき。

(横田副知事)

 

 

問3 持続可能な社会の実現に向けて

 

(1)建設業の技術者、技能者が不足する中、現状をどのように認識し、担い手確保に向けてどのように取り組むのか、所見を問う。

本県の建設業の求人倍率は、技術者で11倍、技能者で7倍と、どの職種よりも高い危機的な状況にある。技術者については、県立高校に土木・建設系の学科の一層の充実や定員増などを検討すべき。技能者については、これまで、外国人実習生に頼ってきたが、海外での賃金の上昇もあり、今後は確保することが困難となる中、日本人技能者をどのように育てるかが喫緊の課題。建設関係の技能士制度には、型枠、鉄筋、建築大工など31種類あるが、県内では、中学卒業後、その資格を取るための進学先(教育機関)がない。例えば、県技術専門学院にそのような機能を持たせることはできないか。あるいは、定時制高校を設けてはどうか。(高校課程において専門分野を重点化して学ぶことで、不足する一般課程があるとすれば、必要な時に学び直しができる体制があればいいのではないか。)

(知 事)

 

(2)県庁周辺の県有施設の再編統合は、富山市のまちづくりと大きく関わってくるため、富山市と連携し、公共施設、商業施設、公園などの配置について、グランドデザインを示して進めるべきと考えるが、どのように取り組むのか。

グランドデザインを描き、公表することで、民間投資を促すことになり、官民連携のまちづくりの整備が可能となると考える。

(知 事)

 

(3)富山-台北便の定期便復活に向けたこれまでの取組みと、今後の方針について問う。

富山空港から、北陸新幹線富山駅や北陸自動車道へのアクセスの良さを活かし、搭乗者を増やす努力をすべき。立山黒部アルペンルートや飛騨高山、白馬などには、オーストラリアをはじめ海外からの観光客、スキー客が多い。成田空港からは5~6時間かかるが、富山空港から北陸自動車道を使えば2時間で行けることから、定期便があれば、台湾桃園国際空港で乗り継ぐことが可能。また台湾桃園国際空港は、イタリア、ドイツ、オランダ、カナダ、アメリカなどの主要都市路線が充実しており、さらに東南アジア路線もあるため、ビジネス客の需要もあると考える。定期便復活のためには、観光客だけではなく、ビジネス客の利用が肝要。

(知 事)

 

(4)富山インター出口付近の渋滞解消のため、流杉スマートインターへのアクセス改良と、セミトレーラー等の大型車も利用できるようインターを改良すべきと考えるが、所見を問う。

富山インター出口は、朝夕渋滞し、市内へのアクセスに時間がかかっている。富山市内にある富山、西、流杉の3インターで分散して市内に入ることが重要。流杉スマートインターは、現在においても(コロナ前の令和元年度と同様に)、3インターの利用台数の15%を占めるが、この台数を増やすことで、富山インターの渋滞を緩和できると考える。しかし、アクセス道路の整備不足や12mまでの車両しか通行できない現状では、渋滞緩和につながらないため、改良が必要。

(土木部長)

 

(5)県内各地域で、大区画ほ場整備事業が進められているが、整備後の栽培、水管理、土壌、肥料、農薬管理などについて、ICT技術を活用して効果的に行えるよう、工事前後のほ場の状況をデータ化し、農業経営者に提供できるようにすべきと考えるが、どのように取り組むのか。

正確なGPS情報に加え、整備前の地盤が道路や水路だったのか、土壌や地下水の状況はどうであったのか、また、どのような施工を行い整備したのかなどの情報がデータで引き継がれることが重要。

(農林水産部長)

 

(6)ほ場整備にあたっては、天候のよい状況での施工が重要であるため、春から秋にかけて工事が行えるよう発注時期や工期設定について、債務負担行為の設定なども含め検討してはどうか。また、工事の精度を上げるため、ICT技術を活用した施工に取り組むべきと考えるがどうか。

ICT技術を活用した施工を取り入れることで、国営の整備の場合は、県・市町及び地元負担が減ると聞いており、積極的に取り組むべき。また、県営の整備の場合も、同様の支援が受けられるよう国に対し要望すべき。さらに、県単独の整備事業についても同様の制度を設けてはどうか。

(農林水産部長)

 

(7)「富富富」について、生産者、販売業者、消費者の声をしっかり聴いて、戦略を練り直し、生産拡大等の目標を次期戦略で、わかりやすく発信すべきと考えるが、所見を問う。

販売開始から5年が経ち、あらゆる面で戦略を見直す必要があると考える。2023年産の作付面積が1,632haで、2025年までに2,000haまでに増やすとしているが、目標が小さすぎるうえに、スピードが遅い。コシヒカリからの切替えを進める方針とともに、具体的な目標を生産者や販売業者に示すべき。このままでは、「富山の米」全体の評価が下がってしまうのではと懸念している。

(農林水産部長)

 

 

 

(8)富山県武道館については、基本設計等の見直しを含めた議論を進めているとのことだが、令和9年度中の開館に向けての意気込みを問う。

武道館機能を持った施設ではなく、武道の殿堂として相応しい、武道の魂が入った武道館を目指し、富山県武道館を建設することとなった当初の意義や趣旨、方針に今一度立ち返り、一日も早い開館に向けて、しっかり取り組んでほしい。

(知 事)

 

 

質問全文

今日は、朝乃山関の誕生日で、

私の誕生日でもあり、昨年に引き続き3月1日に質問できることは、ありがたいことです。「どうする、朝乃山」

再入幕はなりませんでしたが、稽古・努力は決して裏切りません。

武道である相撲道の道をしっかり歩んで、横綱めざして頑張れ!とエールを送り、早速、質問に入ります。

我が国経済は過去30年間、諸外国が経済規模を倍ぐらいに増やしているにもかかわらず、ほぼゼロ成長が続き、賃金も殆ど上昇しておらず、貧しい国になりつつあります。

その最も大きな原因は、日本企業がIT投資を増やしてこなかったこと。

米国やドイツなど各国企業がITをベースにビジネスモデルの再構築を進めたことで、ビジネス環境が大きく変化しましたが、日本企業は見誤り、

一気に国際競争力を低下させたのです。

今は、EV車、ドローン、大規模データセンターなどは、分かりやすく言えば、超精度の高い部品を使うのではなく、汎用性のある部品を使い、機能やレベルを上げるのをソフトウエアでカバーしていく方法をとっています。

それにより、課題を解決し、高い信頼性を必要とするサービスを低価格で実現しているのです。

今、重要なのは、単に労働力と資本をつぎ込むことではなく、ソフトウエア、イノベーションが関わることが、最も大切なこと、つまり、創造性を発揮するということ、前例踏襲を断ち切ること、変えることなのです。

我が国には、創造性のある人は多くいますが、海外へ流出しているのです。本県も同じことが言えます。本県の状況をみると、産業界と教育界の方向性、認識が一致しておらず、創造性のある人を組織や社会が受け入れず、才能を開花できる仕組みがないと考えるのであります。

変えるためには、キッカケをつかむ必要があります。まず、我が国と本県経済の停滞原因と現状認識を企業、行政、教育、県民が共有することが、

IT化、DXを進めるキッカケ、原動力になると考えるのでありますが、

どのように取り組んで行くのか、新田知事に所見をお伺いします。

 

「どうする、行政のIT化、DXの推進」

先ず、前例踏襲型の代名詞である、行政サービス、それを担っている県職員から取り組むことが、最も必要であると考えるのであります。

30年間の遅れを県あげて取り戻すためには、管理職の意識改革を含め前例踏襲型との決別宣言をすることです。

外注してソフトを作ってもらうのではなく、職員自らソフトを作って事務効率化や課題解決ができるよう、若手職員の想像力、理系職員の活用など人材育成にも傾注すべきであり、また、行政サービスの向上を目指して、目標年次を公表したうえで、実現させていかないと県民に伝わらないと考えます。

そこで、県職員が、業務の効率化をはじめ、県民目線、現場主義で課題解決に取り組めるよう、県庁の業務のIT化、DXを推進していくべきと考えますが、どのように取り組むのか、三牧知事政策局長に伺います。

 

また、今この時期、人事異動の担当部署では、頭を悩ませて作業されているのではないでしょうか。職員の経歴や資格などのデータに、本人の希望と、人事当局の方針などの条件を加えれば、自動で異動作業が行えるようIT化を図れないかと考えます。また、例えば、「ある人材を数年後に、ある分野のエキスパートに育てるためには、どこの部署を経験させることが適切か」などのシミュレーション機能を持たせれば、先を見据えた人材育成が可能となると考えます。

そこで、県職員及び教員の人事管理や異動作業のIT化、DX化について、現状と今後の方針について、岡本経営管理部長と荻布教育長に伺います。

 

また、土木部、農林水産部所管のいわゆる公共事業等の請負工事に係る提出書類が非常に多く、現場の業務より、書類づくりに疲弊するとの苦情を良く聞いています。建設業界の担い手確保を目指す観点からも、若い技術者にとって魅力ある環境づくりを進めなければなりません。

そこで、公共事業等の請負工事に係る提出書類の簡素化と電子化を、どのように進め、改善していくのか、市井土木部長に伺います。

 

次に、発信力の強化について、4問伺います。

成長戦略の実現には、県が進める施策を県民に理解してもらい、一体感を醸成することが重要であります。そのためには「発信力」を高め、県民や事業者、関係団体等の現場の声を情報収集し、互いに意思疎通を図り、目標を実現させていくことが重要であると、

これまでも言い続けて来ました。

そうすることによって、全ての県民や事業者が主役となってチャレンジできる環境を作ることに繋がり、

県が後押し、成長戦略の実現に繋がると思うのであります。

そこで、令和5年度当初予算案では、発信力強化に係る事業が増えていると感じていますが、県の施策を県民にわかりやすく伝えるため、どのように取り組んで行くのか、知事の所見をお伺いします。

 

つぎに、ウエルビーイングの発信についてであります

真の幸せ(ウエルビーイング)戦略では、ウエルビーイング先進地域の創出が掲げられているものの、認知度が低い現状を、課題と認めつつ、

「自分ごと」として共感できるよう、ウエルビーイング指標を活用した普及の取組みを進め、自らのウエルビーイングが高まる県民の行動を後押しするとしています。

今年1月には「富山県ウエルビーイング指標」が公表され、県民意識の可視化、政策形成に活用したいとして、色々と工夫されていますが、ここで、提案したいことは、指標の説明から入るのではなく、七色の花を掲示して認識を深めること、まずそこからの

出発でないかと思うのであります。

例えば、CICビル壁面や、大型商業施設、駅構内などへの掲出、あるいは、

県広報誌やHPで掲載して、露出度を高め「あれはなんだ」と興味関心を引くことから始めるべきと思います。

また、民間にも大いに活用してもらえるよう、例えば県HPから自由にダウンロードできるようにするなど工夫することで、SDGsのように、浸透が図られるのではないでしょうか。

このように、興味関心を引いた後、七色の花の説明を聞くことで、県民が「自分ごと」として共感できるのではないでしょうか。

そこで、「ウエルビーイング指標」の認知度向上に、どのように取り組むのか、知事政策局長に伺います。

 

次に、関係人口創出についてであります。

社会的つながりが本県のウエルビーイングの向上や新たなビジネスの創出につながることを考えれば、関係人口をさらに増やす努力が必要であります。

本県への関心が高くない層をターゲットに、本県の認知度を高める取り組みや、県HPの閲覧者などには、SNSを活用したプッシュ型のPRを充実させるべきであります。

さらに、県民ひとり一人が、発信したい魅力をPRできるよう、PRしやすいコンテンツの充実に努めるなど、サポートすることも重要と考えるのでありますが、

関係人口を増やすため、本県の魅力の一層のPRに、どのように取り組むのか、知事政策局長に伺います。

 

また、昨年11月議会で、関係人口の増加に向けて、世界に目を向けるべきと申し上げました。南米訪問した際、富山県人会の3世、4世の日本語離れと富山県に来たことがないという課題に対して、

例えば、本県で富山県人会世界大会の開催について、提案したところ、検討を進めると、答弁がありました。

その検討状況はどのようになっているのか、また、東南アジアなど県内企業が多く進出している地域で、県人会を立ち上げるよう促してはどうかと考えますが、横田副知事に所見を伺います。

 

次に、持続可能な社会の実現に向けて、8問伺います。

はじめに、建設業の担い手不足対策についてであります。

私たちが、社会経済活動ができるのは、道路や河川、上下水道などの社会インフラが土木技術者と建設技能者によって維持管理されているからですが、

現場で働く者、技術者、技能者が不足しているのです。はっきりと表れています。本県の建設業関係の求人倍率が技術者で11倍、技能者で7倍と、どの職種よりも高く、まさに、危機的な状況と言わざるを得ません。

技術者については、県立高校に土木・建設系の学科の一層の充実や定員増などを検討すべきであります。

また、技能者については、これまで、外国人実習生に頼ってきましたが、

今後、海外での賃金上昇もあり、確保することが非常に困難になることが確実であり、日本人技能者をどのように育てるのか、喫緊の課題であります。

建設関係の技能士制度には、型枠、鉄筋、建築大工など建設関係31種類がありますが、その資格を取るための進学先(教育機関)が無く、あっても高校卒業していないと受講できません。

中学校卒業後、すぐに技能士を目指す教育機関があっても良いのではないか。例えば、県技術専門学院にそのような機能を持たせることや、定時制高校に設けても良いのではないか。

高校課程において、専門分野を重点化して学ぶことで、不足する一般課程があるとすれば、必要な時に、学び直しができる体制があればいいのではないか。と考えるのであります。

そこで、建設業の技術者、技能者が危機的に不足する中、現状をどのように認識し、担い手確保に向けてどのように取り組むのか、知事に所見をお伺いします。

 

次に、まちづくりについて伺います。

県では、成長戦略とまちづくりについては、「富山らしい個性的で居心地のよいまちづくりを推進」するとしています。

これまで、何回も取り上げてきましたが、県の公共施設が多くある県庁周辺、富山総合庁舎、教育文化会館、森林水産会館、周辺の多くの駐車場、NHK跡地、旧職員研修所跡地、教育記念館などは、老朽化も進み、再編統合の時期が来ております。再編統合の際には、まちづくりを担う富山市と連携して、公共施設、商業施設、公園などの配置について、グランドデザインを描き、公表することです。そうすることによって、民間投資を促すことになり、

あるいは官民連携のまちづくり整備が可能となるのでありますが、

どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。

 

つぎに、富山台北便の定期便復活についてであります。

富山空港コンセッション導入へ動きだすようでありますが、何よりも航空路線と便数を増やすことが肝要であります。特に富山台北便の定期便復活に重点的に取り組むべきです。

立山黒部アルペンルートに加え、飛騨高山、白馬などに台湾以外のオーストラリアはじめ海外からの観光客、スキー客が来ています。オーストラリアからは成田に着き、白馬まで5~6時間かかりますが、富山空港から北陸自動車道を使えば2時間で行けます。さらに、定期便があれば台湾桃園国際空港で乗り継いで来れます。同空港ではローマ、ドイツ、オランダ、カナダ、アメリカなどの主要都市路線が充実していること、東南アジア路線もあり、ビジネス客の需要もあると考えられます。

定期便復活には、観光客だけでなく、ビジネス客の利用が肝要です。また、富山空港は、何よりも北陸新幹線富山駅、北陸自動車道のアクセスが良いことなど含め、努力をすれば間違いなく、定期便復活はできると考えます。

そこで、富山台北便の定期便復活に向けたこれまでの取組みと、今後の方針について、知事の所見をお伺いします。

 

次に、富山インターの渋滞解消対策について伺います

富山インター出口では、朝夕の混雑時は渋滞し、市内に入るのに時間がかかっており、多くの苦情も聴いています。渋滞緩和には、富山インターに加え、市内にある、西インター、流杉スマートインターの3つのインターで分散をして富山市内に入るようにすることが必要と考えます。

流杉スマートインターは、富山市東部地域の利便性向上を目的として、2009年4月から開業し、当時は一日2500台が目標とされましたが、最近の一日の平均出入り交通量は令和元年には4000台と、現在も3つのインターの合計の15%を占めています。この台数を更に増やすことで、富山インターの渋滞を緩和できると考えるのであります。しかし、アクセス道路の整備不足や12mまでの車両しか通行できないこともあり、現状のままでは、役割を果たすことができません。

そこで、富山インター出口付近の渋滞解消のため、流杉スマートインターへのアクセス改良とセミトレーラー等の大型車も利用できるようインターを改良すべきと考えますが、土木部長に伺います。

 

次に、ほ場整備事業についてであります。

本県では、大区画ほ場整備事業が水橋の国営事業や県営事業が各地域で実施されており、今後ICT技術を活用したスマート農業が主流をなすと思っております。その際、必要なほ場のデータとして工事前後のほ場の状況、つまり、正確なGPS情報に加え、整備前の地盤が道路や水路だったのか、土壌や地下水の状況はどうであったのか、またどのような施工を行い整備したのかなどの情報が、引き継がれることが重要であると考えますが、

どのように取り組むのか、堀口農林水産部長に伺います。

 

また、ほ場整備にあたっては、天候の良い状況での施工が重要であるため、春から秋にかけて工事が行えるよう発注時期や工期設定について、債務負担行為の設定なども含め、検討してはどうかと考えます。さらに、工事の精度を上げるため、ICT技術を活用した施工に取り組むべきと考えますが、農林水産部長に伺います。

ICT技術を活用した施工を取り入れることで、国営の整備の場合は、県・市町及び地元負担が減ると聞いており、積極的に取り組んでいただきたい。

また、県営の場合でも同様の支援が受けられるよう、国に対して要望すべきと考えます。さらには、県単独の整備事業についても同様の制度を設けてはと考えます。ぜひ検討いただければと思います。

 

【どうする、「富富富」】

「富富富」はプレミア付きのブランド米としてスタートしましたが、既にプレミアは無くなり、販売開始から5年が経ち、あらゆる面で戦略を見直す必要があると考えるのであります。

生産者はコシヒカリに置き換われると思っていたが、そうではなかった。消費する側からも販売業者からも落胆の声があります。そのような中、2023年産の作付け面積が1632haで、2025年までに2000haまで増やすとしていますが、目標が小さすぎる上に、スピードが遅い。

どうしたいのか、曖昧とした見えない目標であると考えます。コシヒカリからの切替を進める方針とともに、具体的な目標を生産者や販売業者に示すべきであります。

このままでは、「富山の米」全体の評価が下がってしまうのではと大変懸念しています。そこで、

「富富富」について、生産者、販売業者、消費者の声を足で稼いでしっかり生の声を聴いて、戦略を練り直し、生産拡大等の目標を次期戦略で、分かりやすく発信すべきと考えますが、

農林水産部長の所見を伺います。

 

最後に、富山県武道館について伺います。

今から250年前、富山藩6代目藩主

前田利與(としとも)は、堕落していた士風を立てなすべく文武を奨励するための藩校「広徳館」を、財政難を理由に反対されたが、11年目に開校。

郷土の偉大なる政治家で実業家でもあった正力松太郎が日本武道館初代館長に就任し、「武道を学校正科必修とする」ことを提唱されて以来、平成24年に全国の中学校で必修正科となるまで48年。もっと早く必修正科になっておればと思うとともに、今、正に社会経済が急変している時代に、「健全な心身」の育成が求められているからこそ、

武道を通して心身を錬磨し人格の形成を行うための教育施設、武道の殿堂として相応しい、富山県武道館建設を求めてきました。11万人余りの署名簿とともに要望し始めて10年。我が会派の代表質問でも述べた通り、急がれるのであります。

知事は、1昨日の代表質問で「令和9年度開館に最大限努力する」「教育上重要な役割を担っている」と答弁されたことは心強く思っておりますが、

武道館機能をもった施設ではなく、武道の殿堂として相応しい、武道の魂が入った武道館建設を目指し、

意義や趣旨、方針について今一度立ち返り、一日も早い開館に向けて、しっかり、取り組んでほしいのであります。

そこで、富山県武道館については、基本設計等の見直しを含めた議論を進めているとのことですが、令和9年度中の開館に向けての意気込みを知事にお伺いして、質問を終わります。

中川ただあき後援会事務所開きを開催しました。

2023年02月23日 更新

2月23日(木)中川ただあき後援会事務所開きを開催しました。
早朝8時からでとても寒い日でしたが多くの皆様においでくださり、激励をいただき感謝でいっぱいでした。
本当にありがとうございました。
新田県知事、藤井富山市長、野上参議院議員、田畑衆議院議員、堂故参議院議員、上田衆議院議員、同志の県議、市議をはじめ多くのご来賓の方々に激励していただき、7期目に向かう責任の重さを改めて感じるとともに、しっかり戦い抜く決意を新たにしました。
どうぞ宜しくお願い致します。
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第27回忠考会

2022年12月06日 更新

▪️第27回忠考会(令和4年10月18日・とやま自遊館)

演題:「世界の大転換における日本の政治」

講師:参議院議員、元横浜市長 中田 宏 氏

内容
新型コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナへの軍事侵攻、止まらない中国の覇権拡大、北朝鮮による弾道ミサイル打ち上げなどによる我が国の外交防衛安全保障はどうあるべきなのか、食料安全保障は、エネルギ―確保は、どうあるべきか、物価高騰対策、CO2対策、遅れているDX,果敢に挑戦する人材育成に企業はどう取り組むべきなのか、日本人が自信と誇りを持って世界で活躍するにはどのように人づくりをするのかなど我が国の政治に課せられた課題は多い。今回は、中田宏先生に大いに語っていただきます。

無題

第26回忠考会

2022年12月06日 更新

▪️第26回忠考会(平成31年10月7日・ホテルグランテラス富山)

演題:「MMT(現代貨幣理論)が日本を救う」

講師:元内閣官房参与、京都大学大学院工学研究科教授 藤井 聡 氏

内容
去る7月16日、京都大学レジリエンス実践ユニット(代表:京都大学大学院教授・藤井聡)はMMT論者の筆頭格であるアメリカのニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授をお招きし、国際シンポジウムを開催しました。日本のみならず世界を救う力を秘めた最先端の経済理論「MMT」(現代貨幣理論)。MMTとは、「自国通貨建ての国債では破綻しない」という「事実」、ならびに、「国債に基づく政府支出拡大は、経済成長を促す」という「事実」の双方を踏まえつつ「デフレ脱却までは、国債に基づいて政府支出を拡大すべき」(ただし、インフレになれば支出拡大を抑制すべし)と主張するものであります。「日本ほど、このMMTの議論が求められている国は他にない」とも言われ、大きな反響を呼びました。藤井教授は以前、忠考会でご講演されていますが、このMMT理論の多くを含んだ内容であったことはご存知の皆様も多いのではないかと思われます。
さて、今回は上述した元内閣官房参与、京都大学教授藤井聡氏を「再度」お迎えし、MMTに関する色々な話題についてご講演いただきます。会員の皆様におかれましては、積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

令和4年2月定例会にて代表質問に立つ!

2022年03月08日 更新

(令和4年3月1日)

令和4年3月1日、2月定例会において、自民党新令和会を代表して質問しました。

新田県政2度目の予算編成であり、実現力が問われる予算として、予算編成と行財政運営、新型コロナ感染症対策、ウェルビーイングの実現に向けた人づくりと女性活躍、成長戦略と産業経済活性化及びまちづくりについて質しました。

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(質問要旨)

 

問1 令和4年度の予算編成と行財政運営について

 

(1)就任後2回目の当初予算編成となる令和4年度当初予算案は、全ての施策に知事の考えを反映できる重要なものと考えるが、どのような思いで編成したのか、また、その特徴は何か、知事の所見を問う。

新型コロナ対策を最優先することはもちろんであるが、従来のマイナスシーリング方式から事業の抜本的見直し・再構築方式への転換や令和3年度サンドボックス予算で実施した事業を予算化したほか、予算全般にわたって創業、創出、課題解決、実証実験などのキーワードが盛り込まれるとともに、多くの新規事業が立ち上げられており、評価するとともに大いに期待している。

 

(2)施策を確実に執行できる組織体制を構築するとともに、現場主義の徹底による県庁のオープン化を進めることが必要と考えるが、どのように取り組むのか、知事に問う。

県庁職員が現場に出向き県民や市町村職員と積極的に交流し一体となって施策を進める「アクティブ県庁」を実現することが重要。

 

(3)県民との一体感を醸成し、県民が主役となった事業展開を実現するためには、県の事業に関する広報活動や発信力を強化する必要があると考えるが、どのように取り組むのか、知事に問う。

県民の県政参加を促進するためには、県が進めようとする事業の必要性と内容を積極的かつ丁寧に説明し、理解してもらうことが重要。

 

問2 新型コロナ感染症対策について

 

(1)オミクロン株の感染拡大が止まらないなか、学校、保育所等でクラスターが発生しており徹底した感染防止策を講ずること、また、高齢者の重症化予防に重点的に取り組み重症者を出さないこと、そして医療提供体制を維持することが重要であるが、どのような対策を講じていくのか、知事に問う。

オミクロン株の重症化率はデルタ株に比べて低いと言われているが、感染力が強くワクチン効果が薄れた高齢者にとって重症化のリスクは高い。重症患者の増加によって入院病床が圧迫されれば医療提供体制への負荷が高まってしまう。

 

(2)県内において3回目のワクチン追加接種が思うように進まない原因をどう分析し、今後どのように対応するのか、前倒し接種も含めた現在の接種状況とあわせて知事に問う。感染拡大を防止するためには3回目のワクチン接種を進めることが重要。

 

(3)先月18日に発表した中小企業者等「緊急支援パッケージ」について、県内の中小企業・個人事業主等に広く周知するとともに、スピード感をもって事業復活緊急応援金を支給すべきと考えるが、どのように取り組むのか、商工労働部長に問う。

新型コロナの急激な拡大により、県内の中小企業・個人事業者等は大きな影響を受けており、今後の事業の見通しを立てられるようにするためにも、応援金の速やかな支給が求められる。

 

問3 ウェルビーイングの実現に向けた人づくりと女性活躍について

 

(1)若者が自分の学力によって高校を選ぶのではなく、何を学ぶために高校へ行くのか自分で考え、県もそれに応える教育を提供することが重要であり、その実現のために突き抜けた議論をし、思い切った改革を実施すべきと考えるが、教育長に問う。

公私比率を堅持するのではなく、県立高校と私立高校が役割分担して教育を提供すべき。社会経済環境が激しく大きく変化している中で、普通科偏重を大転換し、職業教育を充実すべき。普通科を見直し、職業教育からスタートして、卒業後に社会に出る者と大学を目指し専門性を磨く者を導くことにより、社会に出て役立つ仕事に就くことができ、自分らしく生きられる、ウェルビーイングの原点があるのではないか。そのような学校を作ることが、若者を惹きつけ、全国の人に本県へ来たいと思ってもらえることに繋がると考える。

 

(2)県内企業で女性が幅広く活躍できるよう、若い女性が働きやすい職場づくりなど受入環境、さらには、女性にとって起業しやすい環境を整えていく必要があると考えるが、どのように取り組むのか、知事政策局長に問う。

セミナーの開催はもちろんのこと、個別に企業訪問して指導アドバイスできる人材を確保し、県を挙げて女性ファーストに取り組むべき。

 

(3)本県における若者の就業支援について、支援強化・充実を図ることが必要であり、相談窓口も富山駅に近いところで行きやすい場所にすることも含め、どのように対応するのか、商工労働部長に問う。

国の雇用動向調査によると、29歳以下の新規就労者数は2015年と比べると2020年は本県が21.2%減少する一方、石川県は31,800人で3.6%の増、長野県は29,800人で30.7%増加しており、若者の新規就労者の増加が地域に活力をもたらすことを考えると、非常に残念な結果である。他県の成功事例では、就職採用活動や奨学金返済への支援、積極的なインターンシップ参加に加え交通費や宿泊費助成、仕事とくらしの相談など多岐にわたる支援を行っている。

 

(4)昨年設置した「小児医療等提供体制検討会」で議論された内容を踏まえ、令和4年度から対応することも含め、小児医療提供体制の構築に今後どのように取り組むのか、知事に問う。

小児科医の不足が顕著になりつつあることから、救急医療や高度医療の提供体制、医療的ケア児、発達障害児などこころの問題にも対応できる体制を早急に構築する必要がある。

 

(5)富山県武道館については、基本計画と基本設計を既に終えており、民間事業者のノウハウ活用や創意工夫できる余地が限られていることから、可能な限り早期に建設を進めるべきと考えるが、副知事に問う。

事業者の公募から選定まで2年間を要することから、開館時期が令和9年度になるとのことだが、事務手続きに余りにも時間をかけすぎているのではないか。

 

問4 成長戦略と産業経済活性化について

 

(1)デジタル化は成長戦略を実現するためのエンジンであり、データ基盤の構築やDX人材の育成などの対応を強化すべきと考えるが、どのように取り組んで行くのか、知事政策局長に問う。

成長戦略の実現に向けて、産業や地域などあらゆる分野の課題を解決するためには、データの活用は欠かせないものであり、DXを推進するためには、データ基盤を構築し県民の利便性を向上する必要がある。

 

(2)県内の事業承継を進めるため「事業承継・引継ぎ支援センター」におけるワンストップ対応をしてきたが、これまでの成果と課題をどう認識し、今後どのように取り組むのか、また、経済社会構造の急速な変化に対応し、事業の再建や成長発展に取り組む県内企業をどのように支援していくのか、知事に問う。

経営者の高齢化や後継者不在による休廃業・解散を放置すれば、資金が域外に流出し、流入が減るとともに地域の魅力がどんどん薄れ、雇用も維持できなくなる。また、県がこれまでに実施した「富山県中小企業リバイバル補助金」や「ミニリバイバル補助金」は有効かつ好評であり、同様の支援を期待する声が非常に大きい。

 

(3)創業・起業支援について、これまでの支援策をどのような観点で見直し、どのような目標を立てて事業を実施することとしたのか。また、新たな支援施策を広く知ってもらうためには情報発信が重要と考えるが、どのように取り組むのか、知事に問う。

これまで本県で創業や起業が少ない原因は、インキュベーションマネージャーやハンズオン、いわゆるスモールビジネス、スタートアップ企業をそれぞれ指導できる人材が確保・配置されていないことや、資金の準備、県内への誘致体制などがなかったからではないか。

 

(4)本県産業の活性化に不可欠な海外展開を進めるため、現地における拠点づくりが新たな販路開拓や産業の活路を見出すチャンスに繋がると考えるが、今後どのように取り組むのか、コロナ禍における2年間、オレゴン州をはじめとする友好提携先との交流関係をどのように維持し、今後どのように交流を進めるのか、あわせて知事に問う。

令和4年度はオレゴン州やベトナムとの経済交流なども予定されているが、現地の拠点には、常駐できる人材を通年で配置すべき。また、日本からのワクチン提供に感謝を示すため、台湾の屏東県で開催された「屏東日本友好感謝祭」において本県の観光資源をPRできたことは、現地での交流が難しい状況が続く中で素晴らしいことである。

 

(5)今後、米の需要が毎年減少している厳しい状況が続くなか、米以外の作物の栽培による所得向上をめざすべきであり、栽培技術指導が伴う生産から販路開拓による販売まで、県外販売や輸出に向けた地域商社への支援や大学との連携、担い手対策などを含め、どのような体制で取り組むのか、副知事に問う。

園芸作物の栽培を指導できる人材の確保や栽培技術のデータのストック、それらを指導できる農林水産総合技術センターに加え、新しく大学との連携が必要。また、日本人の主食は米と小麦になっており、小麦栽培も視野に入れて検討すべき。

 

(6)国の「みどりの食料システム戦略」を推進するためには、スマート農業を中心とした大規模農業と有機栽培や高収益作物を取り入れた小中規模農業など多様なモデルを構築すべきと考えるが、どのように取り組むのか、農林水産部長に問う。

輸出拡大は大いに進めるべきだが、まずは、生産体制の構築により自給率を向上すること、農業生産物の国際的な安全基準をクリアすることを優先すべき。欧米では農薬や化学肥料を減らす動きが高まっており、国際基準をクリアするためには、みどりの食料システム戦略の推進は欠かせないものであるが、予算案ではその意欲が感じられない。

 

(7)国営農地再編整備事業「水橋地区」では、将来を見据えた法人、集落営農、個人の経営形態ごとにモデルを作り、スタートアップしていく必要があると考えるが、JAなど民間農業支援組織の設置や県の支援も含め、どのような体制で進めていくのか、農林水産部長に問う。

北陸初となる大型ほ場整備事業であり、約620haもの大規模なほ場でどのような形による農業経営がなされていくのか、全国のモデル地域として注目されている。

 

(8)本県観光の振興には、日常生活の中にある本県の魅力を再発見して誘客を促進することが効果的であり、市町村と連携するとともに、地域外・県外の若者、特に女性の視点を活かした取組みが効果的と考えるが、どのように取り組むのか、地方創生局長に問う。

地域に住んでいる者にとっては当たり前となっているものであり、自分では何が魅力なのか気が付かないことが多い。

 

(9)豊かな自然環境そのものが貴重な観光資源であり、今後、登山や山歩きなどが増えると思われるが、安心して登山できる環境・体制づくりにどのように取り組むのか、生活環境文化部長に問う。

コロナ禍の密を避けるレジャーとして人気が高まっているが、道に迷ったり、けがをしたり、遭難する危険があり、安全な環境づくりが重要。

 

問5 成長戦略とまちづくりについて

 

(1)令和4年度当初予算案で計上された「ファシリティマネジメント調査検討事業」について、どのような観点で実施しようとしているのか、また、市町村が行うまちづくりともしっかりと連携した対応が必要と考えるが、どのように取り組むのか、あわせて知事に問う。

人口減少が進む中、老朽化に加え維持管理費が多額となるため公共施設の再編統合は大きな課題。不要となった施設は撤去し、個性あるまちづくりに活用することが必要。富山総合庁舎、教育文化会館、森林水産会館などが老朽化しオフィスとしての機能も低下していることから、民間施設に入居するなど、土地の民間活用を図ることが必要。

 

(2)社会インフラが整備された地域における商店街の空き店舗や住宅の空き家が依然と増加しており、市町村と企業、地域との連携の下、利便性が高い立地環境等を積極的に情報発信して呼び込むことが必要と考えるが、どのように取り組むのか、土木部長に問う。

若い世代は新しい工法で作った住宅や利便性が高い立地環境を望んでおり、街中の住宅地に誘導しなければ、もったいない。空き家という建物だけではなく土地に着目し、宅地放棄地だという認識で対応すべき。

 

(3)農業後継者がいない家や空き家が増加し、用排水路などの維持管理ができない集落も出てきていることから、維持管理の作業に参加する人を増やし、非農家が空き家だけでなく現在一部区域で制限されている敷地の利活用も進めることにより、関係人口や移住者を増やし、集落を活性化し美しい田園地域にすべきと考えるが、どのように取り組むのか、農林水産部長に問う。

農村地域は食料生産の基地であるとともに、農業を営む者が住む生活の場、さらには農業生産により県土が守られ県民の命を育んできた田園地域であり、「幸せの基盤」と言える。

 

(4)令和4年度当初予算案では、持続可能な地域公共交通体系の構築に向け、富山県地域公共交通計画の策定をはじめ、MaaS環境の構築、新モビリティサービスの推進などを進めるとしているが、法律による制限や県内市町村との連携も含め、どのように取り組んで行くのか、知事に問う。

県民にとって利便性の高い移動手段を確保するには、交通事業者間の連携体制の構築、データ連携を行うための環境整備、道路運送法などによる制限など課題も多いが、実証実験などスマートシティ宣言をしている富山市等と連携して取り組むべき。

 

(全文)

 

私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問いたします。

質問に先立ちまして一言申し上げます。

オミクロン株の強力な感染拡大のピークアウトが見えない中、感染症の対応に携わっている医療をはじめ関係の皆さまに改めて敬意と感謝を申しあげます。

ロシアによるウクライナ侵攻・侵略は断じて許しがたい暴挙であり、政府においては、一層の厳しい対応をするべきであります。

この事態は、中国と台湾との関係、そして我が国のおかれた状況を考えれば、「対岸の火事」とは思われません。

また、我が国は、防衛や食料、エネルギーも、コロナ用ワクチンや薬も外国に依存しなければならない情けない国になっています。いざという時、県民の命を守るにはどう対応したら良いのか、常に考えながら県政はあるべきと、思いつつ質問に入ります。

 

★先ず、令和4年度の予算編成と行財政運営について伺います。

新田知事におかれては、一昨年就任以来、2回目の予算編成であります。

昨年度は、種まきの予算ということでありましたが、令和4年度予算は、全ての施策において、実現力が発揮でき、確実に執行できることが問われる重要な予算編成であると思っております。

少子化による人口減少が進む中、新型コロナウイルス感染症による厳しい経済情勢を乗り越えるため、成長戦略会議を設置し、本県の新たなビジョンとして「真の幸せ、ウエルビーイング」、「自分らしく、幸せに生きられること」を掲げ、ワクワクする富山県の実現に向けて、予算編成がされました。

令和4年度予算編成にあたり、新型コロナ対策の最優先はもちろんでありますが、従来のマイナスシーリング方式からゼロベースで事業の抜本的見直し・再構築方式への転換や、昨年初めて取り入れたサンドボックス予算で実施した事業を予算化したほか、予算全般にわたり、創業、創出、課題解決、実証実験などのキーワードが盛り込まれるなど、多くの新規事業が立ち上げられており、評価するとともに、大いに期待しているところであります。

そこで、就任後2回目の当初予算編成となる令和4年度当初予算案は、全ての施策に知事の考えを反映できる重要なものと考えますが、どのような思いで編成されたのか、また、どのような特徴があるのか、新田知事に、お伺いいたします。

また、施策を実現するためには、何よりも、県職員が現場に出向き、県民や市町村職員と積極的に交流し、一体となって施策を進めるアクティブ県庁を実現することが重要であります。

その上で、施策を確実に執行できる組織体制を構築するとともに、現場主義の徹底による県庁のオープン化を進めることが必要と考えますが、どのように取り組んで行くのか、知事にお伺いいたします。

さらに、県民の県政参加を促進するためには、県が進めようとする事業の必要性と内容を積極的かつ丁寧に説明し、理解してもらうことが重要であります。

そこで、県民との一体感を醸成し、県民が主役となった事業展開を実現するためには、県の事業に関する広報活動や発信力を強化する必要があると考えますが、どのように取り組んで行くのか、知事にお伺いいたします。

 

★つぎに、新型コロナ感染症対策について伺います。

オミクロン株の重症化率はデルタ株に比べて低いと言われていますが、感染力が強くワクチン効果が薄れた高齢者にとって、重症化のリスクは高く、重症患者の増加によって入院病床が圧迫されれば、医療提供体制への負荷が高まるのであります。

そこで、オミクロン株の感染が止まらない中、学校、保育所等でクラスターが発生しており、徹底した感染防止策を講ずること、また、高齢者の重症化予防に重点的に取り組み、重症者をださないこと、そして医療提供体制を維持することが重要でありますが、どのような対策を講じていくのか、知事にお伺いいたします。

また、感染拡大を防止するためには、効果のある3回目のワクチン接種を進めることが重要でありますが、3回目の追加接種が思うように進んでいません。

その原因をどう分析し、今後どのように対応していくのか、前倒し接種も含め、現在の接種状況と合わせ、知事にお伺いいたします。

次に、新型コロナの急激な拡大により、県内の中小企業・個人事業者等は、大きな影響を受けており、今後の事業の見通しを立てられるようにするためにも、応援金の速やかな支給が求められます。

先月18日に発表された、中小企業者等「緊急支援パッケージ」につて、県内の中小企業・個人事業主等に広く周知するとともに、スピード感をもって事業復活応援金を支給すべきと考えますが、どのように取り組むのか、布野商工労働部長に伺います。

 

★次に、ウエルビーイングの実現に向けた人づくりと女性活躍について伺います。

真の幸せ、ウエルビーイングを享受できる成長戦略を達成するには、何よりも、次世代の価値を育む人材が必要であります。

先ず、大本は、出生数を増やし転入者を増やすことです。

本県の出生数は1970年から2020年の50年間で、64%減少し、全国ワースト11位であり、石川県の57%、福井県の56%と比べても、大変厳しい現実であることを強く認識すべきであります。

出生数が少なくなっているその最も大きな原因は、これまでも指摘されている通り、20代前半女性の県外流出です。

これまで、結婚や子育てへの支援はかなり充実してきていますが、20代前半女性を留める、引き付ける、決定的な対策がない中で、私は、その大きな原因は、高校教育にあると思います。

子どもたちには、社会に役立つ人間になって欲しい、そのために社会に出て活躍できる力を育む教育をしなければなりません。

希望や夢を持っているにもかかわらず、内申書に気遣い、成績順で高校に入らざるを得ない状況で、肝心の、何を学ぶために行くのか、が置き去りになっています。

学びたい学科や高校がない。特に女性が学びたい学科が少ない。多感な10代の中学・高校生にとって息苦しい教育環境になっているのではないでしょうか。

高校の職業教育の充実を図っているとのことだが、そもそも職業系の学科を卒業しても、その道に進む者が極めて少ない。それが本県の職業教育の実態であります。

現在、高校のあり方が「令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会」で検討されていますが、なぜ県立だけなのか、私学も含めた検討ができないのか40年あまり殆ど変わらぬ公私比率を堅持するのではなく、県立高校と私立高校の役割分担をして教育を提供すべきであります。

また、普通系学科を対象にした「職業プログラムモデル」の案を見ましたが、余りにも社会が求めている職業教育と乖離していると感じています。

あらゆる分野で、イノベーションによる変革を求める社会になっており、社会経済環境が激しく大きく変化している中で、普通科偏重を大転換し、職業教育を充実するべきです。

普通科を見直し、職業教育からスタートして、卒業後に社会出る者、大学を目指し専門性を磨く者を導いてこそ、社会に出て役立つ仕事に就くことができ、そこに、自分らしく生きられる原点、ウエルビーイングの原点があるのでは、ないでしょうか。

そのような学校を作ることが、若者を惹きつけ、全国から本県へ来たいと、思ってもらえることに繋がると考えるのであります。

しかし、現在、県立高校では、転校生や、海外子女を容易に受け入れるのが厳しいなど、国際バカロレア資格を導入した学校づくりも、挑戦する前から難しいと聞こえてきます。こうした県の教育風土も改善すべきと思うのであります。

そこで、真の幸せ、ウエルビーイングを享受できる成長戦略を達成するには、何よりも、次世代の価値を育む人材の育成、人づくりが必要であり、若者が自分の学力によって高校を選ぶのではなく、何を学ぶために高校へ行くのか自分で考え、県もそれに応える教育を提供することが重要であり、その実現のために突き抜けた議論をし、思い切った改革を実施すべきと考えますが、荻野教育長に伺います。

 

★次に女性活躍についてであります。

予算案にはウエルビーイング創出を牽引していくような、女性活躍ファーストペンギン企業パイロット事業をはじめ、多くの施策があり、セミナーの開催などは、もちろん必要であります。しかし、何よりも、個別に企業訪問して、指導アドバイスできる人材を確保し、県を挙げて女性ファーストに取り組むべきであります。

そこで、県内企業で女性が幅広く活躍できるよう、また、若い女性が働きやすい職場づくりなどの受入環境、さらには、女性にとって起業しやすい環境を整えていく必要があると考えますが、どのように取り組むのか、三牧知事政策局長に、伺います。

 

★次に、若者就業支援についてであります

国の雇用動向調査によれば、29歳以下の新規就労者数は、2015年と2020年を比べると、本県は20,400人で21.2%の減少する一方、石川県31,800人で3.6%の増、長野県は29,800人で30.7%の増なっており、若者の新規就労者の増加は地域に活力をもたらすことを思うと、非常に残念な結果となっています。

他県の成功事例を見ると、就職採用活動や奨学金返済支援、積極的なインターンシップ参加に加え、交通費や宿泊費助成、仕事とくらしの相談など多岐にわたる支援を行っております。

そこで、本県における、若者の就業支援について、一層の支援強化・充実を図ることが必要であり、相談窓口も富山駅に近いところで行きやすい場所にすることも含め、どのように対応するのか、商工労働部長に、伺います。

 

★つぎに、小児医療体制についてであります。

少子化が進む中で、次世代を担う子供たちの命と健康を守っていかなければなりません。

しかし、開業医の高齢化、小児科医のなり手が少なくなるなど、小児科医の不足が顕著になりつつあります。

そのため救急医療や高度医療の提供体制、さらに医療的ケア児、発達障害児などこころの問題にも対応できる医療体制を早急に構築する必要があります。

県で昨年設置された「小児医療等提供体制検討会」で議論された内容を踏まえ、令和4年度から対応することも含め、小児医療提供体制の構築に、今後どのように取り組んで行くのか、知事にお伺いいたします。

 

★富山県武道館についてであります

急速な情報技術の進展に伴い、モラルや人格の形成が益々必要となってきており、その役割を果たしていくのが武道教育であります。その殿堂ともゆうべき富山県武道館建設が待たれるのであります。

建設にあたっては、民間活力導入可能性調査結果を受け、実施設計以降にPFI-BTO方式を採用し、予定では、事業者の公募から選定に至るまで2年間を要し、開館時期が令和9年度になるとのことですが、事務手続きに、余りにも時間をかけすぎであります。

基本構想をもとに、基本計画、基本設計を既に終えており、民間事業者のノウハウ活用や創意工夫できる余地は限られており、可能な限り早めるべきと考えますが、蔵堀副知事に伺います。

 

★次に、成長戦略と産業経済活性化について伺います。

成長戦略の実現に向けて、産業や地域などあらゆる分野の課題を解決するには、データの活用は欠かせないものであり、DXを推進するためには、データ基盤を構築し、県民の利便性向上を図っていく必要があります。

例えば、地域公共交通を考える上でも、観光や防災、働き方改革を進めるためにも、人流データを集積し、活用環境を整えることが肝要でありますし、まちづくり、高齢化対策など市町村とのデータ基盤の連携を進めていく必要があります。

そこで、デジタル化は成長戦略を実現するためのエンジンであり、データ基盤の構築やDX人材の育成などの対応を強化していくべきと考えるが、どのように取り組んで行くのか、知事政策局長に伺います。

県内の企業数は平成11年には約五万社でしたが、平成28年には約三万5千社と約30%の減少であり、しかも、経営者の平均年齢は60.4歳と高齢化が進んでいます。

また、令和2年の休廃業と解散件数が365件と大きく増加し、その経営者の9割が、60代であります。

このような経営者の高齢化や後継者不在による休廃業・解散を放置すれば、地域経済の観点からは、資金が域外に流出し、流入が減るとともに地域の魅力がどんどん薄れ、雇用も維持できなくなるのであります。

また、追い打ちをかけるように、コロナ禍で県内中小企業は大変な痛手を受けましたが、「富山県中小企業リバイバル補助金」や「ミニリバイバル補助金」により、コロナ後を見据えた企業連携や業態転換等による新ビジネスの創出など意欲的に取組む事業者が増えており、この補助金は、有効かつ好評であったことから、今後も同様の支援を期待する声が非常に大きいのであります。

そこで、県内における事業承継を進めるために、昨年4月から「事業承継・引継ぎ支援センター」において、ワンストップ対応をしてきましたが、これまでの成果と課題をどう認識し、今後どのように取り組むのか、また、経済社会構造の急速な変化に対応し、事業の再建や成長発展に向けて意欲的に取り組む県内企業をどのように支援していくのか、知事にお伺いいたします。

昨年4月から9月の半年で、全国の新設法人数が前年同期比34.6%増となっており、コロナ禍後の新たな商機を捉えようと全国で起業熱が高まっており、本県でも伸び率が45.2%と全国4位でありました。

これは昨年から創業や起業の支援を知事政策局に移し、部署を横断的にして施策を展開したことが成果の現れだと思われます。しかし、創業や起業数はまだまだ少ないのも実態であります。

少ない原因として、インキュベーションマネージャーやハンズオン、いわゆるスモールビジネス、スタートアップ企業を、それぞれ指導できる人材が配置確保されていないことや、資金の準備、県内への誘致体制などがなかったからだと思うのであります。

そこで、創業・起業支援について、これまでの支援策をどのような観点で見直し、どのような目標を立て、事業を実施することに、したのか。

また新たな支援を県内外に広く知ってもらうためには、情報発信が重要と考えますが、どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。

さらに、本県産業の活性化には、海外展開は不可欠であり、令和4年度には、オレゴン州やベトナムの経済交流などが予定されていますが、要は、現地での拠点づくりであります。

現地拠点には、2~3か月ではなく、常駐できる人材を通年で配置して展開するべきと考えます。

また、先日、日本からのワクチン提供に感謝を示すため、台湾の屏東県で開催された「屏東日本友好感謝祭」において、本県の観光資源をPRできたことは、コロナ禍で現地での交流が難しい状況が続く中で、素晴らしい取り組みだと思います。

そこで、本県産業の活性化に不可欠な海外展開を進めるため、現地における拠点づくりが、新たな販路開拓や産業の活路を見出すチャンスに繋がると考えますが、今後どのように取り組むのか、また、コロナ禍における2年間、オレゴン州をはじめとする友好提携先との交流関係をどのように維持し、今後どのように交流を進めるのか、併せて、知事にお伺いいたします。

 

★次に、農業についてであります。

人口減少と多様な食生活の進展により、今後もコメの需要が毎年確実に減少する厳しい状況であり、米以外の作物栽培を促進し、販売に至るまでの体制を構築し、農業所得の向上を、目指さなければなりません。

本県農業の役割は、先ずは、県民に安心安全な食料を供給し、県民の命を守り、県土を守ることです。そのためには、県民のニーズを把握し、農業生産に反映させること、さらに、県外や輸出に向けて、市場調査をし、生産拡大に結び付けていくこと。

そのためには、販路開拓できる人材をもった地域商社などへの支援をすることが必要であります。

また、園芸作物の栽培指導できる人材の確保、さらには、栽培技術のデータのストック、それらを指導できる農林水産総合技術センターに加え、新しく大学との連携が必要と考えます。

さらに、日本人の主食は米と小麦になっている現状から小麦栽培も視野に入れて検討すべきと思うのであります。

そこで、今後、米の需要が毎年減少する厳しい状況が続く中、米以外の作物による所得向上を目指すべきであり、栽培技術指導が伴う生産から販路開拓による販売までを、県外や輸出に向けた地域商社支援や大学との連携、担い手対策などを含め、どのような体制で取り組むのか、横田副知事にお伺いします。

人口減少が強まる中で、輸出拡大は大いに進めるべきでありますが、

先ずは、我が国と本県の自給率を向上させる生産体制の構築であり、農業生産物の国際的な安全基準をクリアすることを優先すべきであります。

欧米では農薬や化学肥料を減らす動きが高まっており、国際基準をクリアするためには、「みどりの食料システム戦略」の推進は欠かせない施策だと理解していますが、予算案ではその取り組みが感じられません。

国の「みどりの食料システム戦略」を推進するためには、耕作放棄地ではなく、スマート農業を中心にした大規模農業と、有機栽培や高収益作物を取り入れた小中規模農業などの多様なモデルを構築して進めるべきと考えますが、どのように取り組んで行くのか、堀口農林水産部長に伺います。

つぎに、国営水橋地区は令和3年度着工となり、令和4年度から事業が本格的に進められ、大型ほ場が毎年増えてまいります。北陸初となる大型ほ場整備事業であり、約620haの大型ほ場でどのような形による農業経営がされていくのか、全国のモデル地域として注目されております。

そこで、将来を見据えた法人、集落営農、個人の経営形態ごとにモデルをつくり、スタートアップしていく必要があると考えますが、JAなど民間農業支援組織の設置や県の支援も含めどのような体制で進めていくのか、農林水産部長に伺います。

 

★次に、観光振興についてであります。

現在、第3次の「新たな観光振興戦略プラン」の素案が示されており、「富山の日常」と「富山の暮らし自体が持つ魅力」を最大限活かして、旅行者、滞在者、移住者が増加することを、目指すとしています。

具体的には、「女性による「暮らすような旅」観光サービス事業化プロジェクト」、マイクロツーリズム推進事業、デジタルを使った情報発信事業など多彩で精力的な取組が提案されていますが、地域に住んでいる者にとっては、日常や暮らしが当たり前となっており、自分では、何が魅力なのか気が付かないことが多いのが、実態であります。その魅力の発見やガイドには、地域外・県外の方、特に20代の女性が大きな力を発揮してもらえると思うのであります。

そこで、本県観光の振興には、日常生活の中にある本県の魅力を再発見して誘客を促進することが効果的であり、市町村と連携するとともに、地域外・県外の若者、特に女性の視点を活かした取り組みが効果的と考えますが、どのように取り組むのか、助野地方創生局長に伺います。

また、本県観光の目玉は、立山黒部アルペンルートでありますが、これからの観光には、ルート周辺を歩きながら自然環境を楽しむことが一層進むと思います。

また、コロナ禍の蜜を避けるレジャーとして登山や山歩きの人気が高まっていますが、道に迷ったり、けがをしたり、遭難する危険があり、安全な環境づくりが重要となっております。

そこで、これからの観光には豊かな自然環境そのものが貴重な観光資源であり、

今後、登山や山歩きなどが増えると思われますが、安心して登山できる環境・体制づくりにどのように取り組むのか、出来田生活環境文化部長に、伺います。

 

★次に成長戦略とまちづくりについて伺います。

成長戦略では、新しい価値を生む人材は、個性的で自由な文化風土を好むため、官民連携による富山らしい個性的なまちづくりに取り組むとして、居心地が良く個性的な市街地・田園地域づくりを掲げています。

これまで公共施設は、長寿命化に努め適切に管理されてきましたが、人口減少が進む中、施設の老朽化に加え、維持管理費が多額となるため、公共施設の再編統合が大きな課題であります。

まちづくりの観点からも不要なものは早く撤去し、空いた土地は民間に払い下げるなど、個性ある街づくりに活用することが必要であります。例えば、富山市街地では富山総合庁舎、教育文化会館、森林水産会館などは、老朽化し、オフィスとしての機能も低下しており、民間施設に入居するなどして、土地の民間活用を図っていくことが必要であると思うのであります。

そこで、県では新たに、ファシリティマネジメント調査検討事業を実施予定でありますが、どのような観点でこの事業を実施しようとしているのか、また、市町村が行うまちづくりともしっかりと連携した対応が必要と考えますが、どのように取り組んで行くのか、知事にお伺いいたします。

また、社会インフラが整備された商店街や住宅地の空き家が増加し、手つかずで放置されており、環境悪化をもたらし、まちづくりを阻害しているのが現状であります。

若い世代は、新しい工法で作った住宅と利便性が高い立地環境を望んでおり、街中の宅地に誘導しなければ、もったいない、のであります。

空き家という建物だけではなく、土地に着目し、宅地放棄地だという認識で対応するべきであります。

そこで、社会インフラが整備された地域における商店街の空き店舗や、住宅の空き家が依然と増加しており、市町村と企業、地域連携のもと、利便性が高い立地環境等を積極的に情報発信して、呼び込むことが必要と考えますが、どのように取り組むのか、江幡土木部長に伺います。

また、農村地域は食料生産する基地であるとともに、農業を営む者が住む生活の場、さらには農業生産により、県土が守られ、県民の命を育んできた田園地域であり、「幸せの基盤」なのであります。

しかし、農業後継者のいない家や、空き家が増加し、用排水路などの維持管理ができない集落も出てきています。

そこで、維持管理の作業に参加する人を増やし、非農家が空き家だけでなく、現在一部区域で制限されている敷地の利活用も進めることにより、関係人口や移住者を増やし、集落を活性化し、美しい田園地域にすべきと考えますが、農林水産部長に伺います。

 

★最後に、地域公共交通対策について伺います。

田園地域とまちを結ぶ、あるいは、街中の移動手段をどのように構築するのか、大きな課題となっています。

トヨタでは、もはや車は売るのではなく、移動そのものを売るとして、自らを自動車メーカーから「モビリティカンパニー」に転換宣言しました。

国では、鉄道・バス・タクシー・船・飛行機・カーシェア・シェアサイクルなど複数の交通機関のサービスをひとつのサービスとして結び付け、人の移動を大きく変えるシステム、「MaaS(マース)」を推進しはじめました。

また、2019年に「スマートモビリティチャレンジプロジェクト」を立ち上げ、地域における移動課題の解決や経済活性化を目指すため、ITの力や自動走行技術などの4つのコンセプトを掲げ全国展開し、後押しをしています。

県民の利便性の高い移動手段を確保するには、交通事業者間の連携体制の構築、データ連携を行うための環境整備、道路運送法などによる制限への対応など課題も多いのですが、実証実験などスマートシティ宣言している富山市などと連携し、取り組むべきであります。

そこで、令和4年度当初予算案では、持続可能な地域公共交通体制の構築に向け、富山県地域公共交通計画の策定をはじめ、MaaS環境の構築、新モビリティサービス等を進めるとしていますが、法律による制限や市町村との連携等の課題がある中で、どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いして、質問を終わります。

中川ただあき|富山県議会議員|自由民主党

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