中川ただあき|富山県議会議員|自民党

6月13日、7期目、最初の6月議会、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

2023年06月27日 更新

6月13日、7期目、最初の6月議会、自民党新令和会の代表質問に立ちました。

自民党新令和の基本方針は、国家観をもった人づくりのための教育改革を進める、また、あらゆる分野で不易流行の精神で変えなければならないところは、変えていく、こうした思いで、代表質問に臨みました。

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質問要旨

問1 富山県の教育改革等について

 

(1)突き抜けた人材育成を実現する教育環境の充実について

ア 産前産後にわたる伴走型相談支援や子どもを産み育てるための働き方改革など、妊娠期から3歳までの期間における子ども関連施策を企業や地域を巻き込み、県民ぐるみで集中的に実施することが問題の根源を断つことにつながると考えるが、所見を問う。

いじめ、虐待、不登校、引きこもりなどは、心の不安定から生じるものであり、その原因は3歳までの環境が大きく左右すると言われている。妊娠期から3歳までの期間、両親がどれだけ深く愛情を注いだか、心の絆を作れたかが重要とされ、そうした環境を企業も含め社会全体で整えることが最も大事と考える。

(知 事)

 

イ 社会に役立つ人材を送り出すため、子どもを中心に各段階が連携し、道徳観、倫理観を養う一貫した教育体制を構築すべきと考えるが、所見を問う。

4歳から17歳の時期は、社会で活躍するための模擬訓練の期間である。昨今の情報通信機器の発展により、幼少時から学習能力の高い子どもも多く、家庭や幼稚園・保育所、小中学校など、これまで以上に早い段階から道徳観・倫理観を身につける必要がある。

(知 事)

 

ウ 子どもたちの職業観を醸成するため、教員の意識改革を行うとともに、民間企業で豊富な経験を持つ人材を採用するなど、優秀な教育人材を確保し、より実践的な職業教育に取り組むべきと考えるが、所見を問う。

高校の職業系専門学科の役割は、子どもが将来就きたい仕事への理解を深め、夢を叶えるための技能や技術を身につけることと考えるが、職業系専門学科を卒業しても、その道に進む者は極めて少ないのが実態である。これまでの「14歳の挑戦」や「17歳の挑戦」の取組みではまだまだ不十分。

(蔵堀副知事)

 

エ 社会が求める人材を把握し、そのための職業科のあり方を見直し、子どもたちが自ら選んだ道で能力を発揮できるシステムが必要と考えるが、農業教育をはじめとした教育制度の抜本改革について、どのように取り組んでいくのか。

例えば、農業系高校の充実として、中央農業高校をはじめとする県内農業科の再編やとやま農業未来カレッジと統合した農業大学校の設置などを検討してはどうか。

(知 事)

(2)G7教育大臣会合の成果と今後の活用について

ア G7教育大臣会合の成果をどのように捉え、今後の児童・生徒の成長、本県教育の未来に向けてどのように活用していくのか。

会合では、生成AIの教育への影響や学校の意義、子どもたち一人ひとりのウェルビーイングを実現するための教育の重要性が再認識されたが、今後の教育現場に大いに活用すべき。また、富山・石川両県の子どもたちが参加した「こどもサミット」、各国大臣との意見交換の経験は、今後、多くの子どもたちに広めていくべき。

(知 事)

イ ウェルビーイングの発信については、前例に捉われず思い切った工夫が必要と考えるが、G7教育大臣会合の成果も踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか。

今回採択された「富山・金沢宣言」に、ウェルビーイングの考えが随所に盛り込まれたところ。環境大臣会合の際には本県のレジ袋の無料配布廃止の取組みを国内外に向けて発表し、全国に展開されたように、今回も本県が目指すウェルビーイングを県内市町村、石川県や金沢市とも連携しながら、全国さらには世界に発信していくべき。

(知 事)

(3)不登校児童・生徒対策について、増加傾向にある不登校の根本的な原因を把握し、必要な支援が重要と考えるが、今後どのように対応していくのか、また、本県での「不登校特例校」の設置についてどのように考えているのか。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等、児童生徒や保護者が専門家に相談できる体制を整備しているが、不十分。不登校の要因が複雑化する中、本県でも、全ての児童生徒が安心して学べるよう、学習指導要領に縛られず授業時間を削減できる「不登校特例校」の設置を検討すべき。

(教育長)

(4)国の施策を待つことなく、本県こども施策を一元化し、こども家庭支援監の強力なリーダーシップのもと、前例踏襲から脱却し取り組むべきと考えるが、こども施策にどのように取り組むのか、その意気込みも併せて問う。

県の人口が毎年1万人減少時代に突入し、100万人割れが目前に迫る状況で、常に子どもの視点に立ち、「こどもまんなか」社会の実現に向けてラストチャンスとの強い危機感を持って取り組むべき。

(こども家庭支援監)

(5)富山県武道館が武道の殿堂として、必要な機能を備えた県民が誇れる武道館となるよう、予定通り令和9年度中の完成を目指して進めていくべきと考えるが、所見を問う。

現在、検討委員会で議論されているが、武道館機能に特化した施設であること、平素の稽古や大会参加者の実態を踏まえた交通の利便性、駐車場や清閑な環境などを考慮すると、県総合運動公園に建設するのがふさわしいと考える。また、情報通信技術が急速に進化している今こそ、武道を通した相手を敬い、道徳心を高める人づくりが必要。

(知 事)

問2 富山から日本を変える「地方創生」について

(1)食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展に向け、個々の農林水産業者が将来にわたって存分に活躍できるよう、支援体制を構築すべきと考えるが、所見を問う。

気候変動や世界情勢の変化など国際的なリスクが顕在化している今こそ、みどりの食料システム戦略を実践しながら、食料自給率の向上を目指し、食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展へ、大きく舵を切る時である。

(知 事)

(2)「行政伴走型のモデルプロジェクト」の進捗状況と、今後の県内農業への展開について、問う。

我が会派では、国営農地再編整備事業「水橋地区」の着実な促進、スマート農業の推進と合わせて、高収益作物の栽培から販路に至るまで農業者を支援する「行政伴走型のモデルプロジェクト」構築を要望してきたところ。先の2月定例会で、横田副知事から、このプロジェクトの構築・推進に積極的に取り組んでいくとの答弁があった。

(横田副知事)

(3)回復しつつあるインバウンド需要を確実に取り込むためにも、国際定期便の再開も視野に入れつつ、しっかりとした観光戦略を持って取り組むべきと考えるがどうか、コロナ禍での県内の受入環境整備の進捗状況と併せて問う。

外国人観光客の大幅な増加が見込まれ、観光事業者等から大きな期待が寄せられる一方、メニューの多言語表記や外国人観光客に対応できる人材の育成などは進んでいない。観光客の満足度を高めることが観光客の増加やリピーターの確保につながることから、今後も受入環境の充実など、観光戦略をアップデートしていくことが必要。

(地方創生局長)

(4)新型コロナが5類となり、徐々に平時へと向かっている今こそ、地域に根差した音楽、芸道、伝統文化などの文化活動を継続的に支援することを検討すべきと考えるが、所見を問う。

コロナ禍において、文化は生活に欠かせない、切っても切り離せない一体的なものと再認識した。文化が日常生活に溶け込み、一人ひとりが心の豊かさを求めていくことが、ひいては県民のウェルビーイングの向上にもつながると考える。

(生活環境文化部長)

(5)寿司を突破口にして、今後ブランディング戦略をどのように展開していくのか、「一点突破ブランディング推進事業」の見直し内容と併せて問う。

今年度当初予算には、「寿司と言えば富山」の創出に向け、国の「観光再始動事業」を活用した海外向けの特別な体験事業の実施経費を計上したが、国事業への不採択という結果を受け、今回の補正予算案では、当初予算を減額し、実施内容を見直した。

(知事政策局長)

問3 県民の命と暮らしを守る施策の推進について

(1)アフターコロナの県政運営について

ア アフターコロナに向け、コロナとの闘いで何を教訓として学び、今後の県民のウェルビーイングの向上や成長戦略をはじめとした県政運営にどのように活かしていくのか、所見を問う。

DXの推進など今後も進めるべき点はさらに進めていく一方で、平時からの医療体制整備や国と地方の役割分担など課題が浮き彫りになった点は解決していくべき。

(知 事)

イ これまで公的病院を中心に病床を確保してきたが、今後は再流行等に備え、民間病院も含めた地域医療全体で対応力を高め、平時から医療提供体制を整えておく必要があると考えるが、所見を問う。

新型コロナの感染拡大により、医療機関の間の役割分担や連携体制の構築、病床や医療人材不足など、地域医療体制に係る課題が浮き彫りになった。

(厚生部長)

(2)賃上げの実現に向けた県独自の価格転嫁の取組みなどについて

ア 「パートナーシップ構築宣言」で終わらせるのではなく、より実効性のある取組みを県独自で実施すべきと考えるがどうか、本県の賃金上昇と価格転嫁の実態に対する認識と併せて問う。

エネルギー価格や物価高騰が続く中、特に県内中小企業等が継続的な賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁が図られることが必要不可欠。

(商工労働部長)

イ 中小企業の経営の下支えや生産性向上、新しい環境に適応した事業へ変革する事業承継の支援などに今後どのように取り組むのか、県内の中小企業等の現状と課題に対する認識と併せて問う。

県内の中小企業等は、借入金の返済や賃上げ要請、経営者の高齢化と事業承継難に加えて、デジタル化やグローバル化への対応、生産性の向上など様々な課題に直面し、物価高や人件費の増加などその経営環境は一層厳しさを増している。

(知 事)

(3)先月発生した石川県珠洲市での地震に際して、関係職員の参集状況、消防防災ヘリや市町村関係機関等からの情報収集は適切に行われたのか、県内の自主防災組織の組織率の状況と併せて問う。

今回の地震による本県への影響は小さいものであったが、こうした時こそ、平時からの「備え」を見つめ直す必要がある。また、災害発生後は、何よりも初動対応が重要。

(危機管理局長)

(4)G7教育大臣会合での警備をどのように総括し、今後の「日本一安全で安心して暮らせる富山県の実現」につなげていくのか、先月、長野で警察官が発砲を受けた事件等を踏まえた警察官の安全管理に対する考えと併せて所見を問う。

(警察本部長)

(5)チャットGPTなど生成AIの活用と働き方改革について

ア チャットGPTなど生成AIの活用について、どのように取り組んでいくのか。

県では、職員が極力付加価値の高い業務に注力し、行政サービスの向上を図れるよう、「DX働き方改革推進委員会」の下にワーキングチームを設置し、チャットGPTなど生成AIの課題整理や活用方策の検討を行うと聞く。

(知事政策局長)

イ 「勤務間インターバル試行制度」の実効性を高めるためには、制度の趣旨を職員に浸透させていく必要があるが、どのように取り組むのか、制度導入により期待される効果と併せて問う。

県庁のDX・働き方改革を推進していくことが、県庁組織の活性化はもとより、時間外勤務の縮減、職員の心と身体の健康維持にもつながると考える。

(経営管理部長)

(6)先の5月補正予算の効果を最大限発揮するため、県の予算化の状況を受けて、その後市町村ではどのような対応がされたのか、また、県と市町村で具体的にどのような事業で連携することになったのか。

先の5月臨時会では、県と市町村がワンチームとなって取り組むべきと提案したところ。

(知 事)地方創生局

質問全文

私は、自民党新令和会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する諸問題について質問をいたします。

質問に先立ちまして、一言申し上げます。

我が国は急速に進む人口減少の中、30年も続いている経済の停滞、ロシアのウクライナへの軍事侵攻など不安定な国際状況、台湾海峡をめぐる安全保障問題に加え、新型コロナ感染症の発症、さらに自然災害の頻発と、今まさに国難とも言える危機的な状況に直面し、自立した独立国として存続できるかどうかという岐路に立っていることを、認識しなければなりません。

一方、情報通信技術の急速な進化はめざましく、あらゆる分野に及びその対応が大きな課題となっております。

情報通信技術を司るのは人であり、心身共に健全で、倫理観、国家観を持った人づくりが急務であります。

このような中、先月G7教育大臣会合が開催されたことは、今後の次代を担う若者の教育・人づくりにとって非常に意義あることでした。

問題は、それをどのように実現できるかであります。

今こそ、教育環境を大きく見直さなければならないのであります。

県政の重要課題の解決のためには、常に国家観を持ち、前例踏襲から決別し、伝統を守りつつ、「変えなければならないことは、思い切って変える」という、不易流行の精神で、取り組まなければならないということを、肝に銘じつつ、以下質問に入ります。

初めに、富山県の教育改革等について9点伺います。

まず、突き抜けた人材育成を実現する教育環境の充実について伺います。

生まれた子どもは、両親や家族、そして地域に見守られながら、保育、小中学校の義務教育を受け、希望によっては高校、大学で学び、それぞれの段階から、人のため、世の中に役立つ人材として社会へと巣立っていきます。

もちろん、「叶えたい夢、実現したいことに向かって自分らしく生きたい」、「結婚して、子どもを授かりたい」、「幸せな人生を送りたい」、と願うのは、人として自然なことです。

一方で、人間の欲望は常に新しいものを求め、科学技術を進歩させることで満たしてきましたが、果てることのない情報通信技術の深化によってプライバシーが侵されるなど、悪質な事件も顕在化しており、情報倫理の必要性が強く求められています。

いじめ、虐待、不登校、引きこもりなど、その全てが心の不安定から生じるものであり、

その原因は3歳までの環境が大きく左右していると言われています。

妊娠期から3歳までの期間、両親がどれだけ深く愛情を注いだか、心の絆を作れたかが重要と言われており、そうした環境を企業も含め社会全体で整えることが最も大事であると考えます。

そこで、産前産後にわたる伴走型の相談支援や子どもを産み育てるための働き方改革など、この時期の関連施策を企業や地域を巻き込み、県民ぐるみで集中的に実施することが、問題の根源を断つことにつながると考えますが、新田知事に所見をお伺いいたします。

また、4歳~17歳、この時期は、大人社会で活躍するための模擬訓練の期間であります。昨今の情報通信機器の発展により、幼少時から学習能力の高い子どもも多く、家庭や幼稚園・保育所、小中学校など、これまで以上に早い段階から道徳観・倫理観を身につける必要があります。

そこで、社会に役立つ人材を送り出すため、子どもを中心に各段階が連携し、道徳観、倫理観を養う一貫した教育体制を構築すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

また、少子化の時代において、少ない若者でどのようにして富山県や日本を担っていくのか。

あらゆる分野で担い手が不足しており、特に生命と生活基盤に直結する農業、医療・福祉、建設業などは顕著であり、早い段階から職業意識を持ち、得意分野の能力を引き出し、活躍できる教育が求められます。

学校では、これまで「14歳の挑戦」や「17歳の挑戦」など、生徒が職場体験を通じて様々な経験を積む取組みがなされていますが、私は、まだまだ不十分だと感じています。

高校の職業科の役割は、言うまでもなく、子どもが将来就きたい仕事への理解を深め、夢を叶えるための技能や技術を身につけることと考えますが、職業系の学科を卒業しても、その道に進む者は極めて少ないのが実態です。

そこで、子どもたちに「何のために働き、何のためにその仕事をするのか」という職業観を醸成するため、教員の意識改革を行うとともに、民間企業で豊富な経験を持つ人材を採用するなど、優秀な教育人材を確保し、より実践的な職業教育に取り組むべきと考えますが、蔵堀副知事にお伺いします。

また、現在、高校のあるべき姿についての議論が進められています。

ここで大切なのは、子どもたちが学びたいと考えている学科を優先した、思い切った改革を行うことであり、中学生時の成績と内申書のみで振り分け、とりあえず高校へ行くという考えを払拭することです。

社会が今、どのような人材を求めているのかを把握し、そのための職業科のあり方を見直し、子どもたちが自ら選んだ道において能力を発揮できるシステムが必要なのです。

例えば、農業系高校の充実。農業は我々が生きていくための食料生産、環境の保全や管理を担い、自信と誇りを持つことのできる最も重要な仕事の一つであります。

そこで、中央農業高校をはじめとする県内農業科の再編、とやま農業未来カレッジと統合した農業大学校の設置などを検討してはどうかと考えますが、農業教育をはじめとした教育制度の抜本改革について、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。

次に、G7教育大臣会合の成果と今後の活用について伺います。

先月、国内では史上初の複数自治体による共同開催となった教育大臣会合が閉幕しました。

誘致開始から1年余り、共催決定から約8か月にわたり、準備にあたられた富山・石川両県はじめ富山市、金沢市、そして全ての関係の皆さんのご尽力に対し、心から敬意を表するものであります。

会合では、「チャットGPT」に代表される生成AIの教育への影響について議論が交わされるとともに、子どもが安心して過ごせる居場所としての「学校の意義」や、子どもたち一人ひとりのウェルビーイングを実現するための「教育の重要性」が再確認されましたが、今後の教育現場に大いに活かすべきであります。

また、両県の子どもたちが参加した「こどもサミット」、各国大臣との意見交換は、子どもたちにとって何事にも代え難い経験であり、今後、多くの子どもたちに広めていくべきと考えます。

そこで、G7教育大臣会合の成果をどのように捉え、今後の児童・生徒の成長、本県教育の未来に向けてどのように活用していくのか、知事にお伺いいたします。

また、今回採択された「富山・金沢宣言」に、本県が成長戦略の中心に位置付けている「ウェルビーイング」の言葉や考えが随所に盛り込まれたことは、大変意義深いことであったと考えます。

7年前のG7富山環境大臣会合の際、本県のレジ袋の無料配布廃止の取組みを国内外に向けて発表し、それが全国に展開されたように、今回も本県が目指す「ウェルビーイング」を富山市はじめ県内市町村、また石川県や金沢市とも連携しながら、全国さらには世界に発信していくべきです。

しかし、県内においては、その認知度がまだまだ低い現状にあると言わざるを得ないことから、「ウェルビーイング」の発信については、前例に捉われず思い切った工夫が必要であると考えますが、G7の成果も踏まえて、今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、増え続ける不登校児童・生徒対策について伺います。

 国の調査によれば、2021年度における県内小中高校で30日以上欠席した不登校の児童・生徒の数は、前年度より391人増加し2,256人となっています。 

 本県では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充等、児童生徒や保護者が専門家に相談できる体制が整備されてきましたが、まだまだ不十分であります。

社会情勢の変化が激しく、不登校の要因が複雑化する中、本県でも、全ての児童生徒が

安心して学べるよう、学習指導要領に縛られず授業時間を削減できる「不登校特例校」の設置について検討すべきであります。

そこで、増加傾向にある不登校の根本的な原因を把握し、必要とされる支援を行うことが重要と考えますが、教育委員会として今後どのように対応していくのか、また、国では「不登校特例校」の設置を進めていますが、本県での設置についてどのように考えているのか、荻布教育長に伺います。

 

次に、こども施策の効果検証と今後の取組みについて伺います。

4月に「こども家庭庁」が発足し、これまで厚生労働省や内閣府などにまたがっていた少子化対策や子育て支援を一体で担うことになりました。

本県でも4月から「こども家庭支援監」を専任とし、こども家庭室を支援監の直下に置き、権限強化と部局間連携の強化を図ることとされています。

県の人口が毎年1万人減少時代に突入し、100万人割れが目前に迫る状況で、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考える「こどもまんなか」社会の実現に向けて、少子化対策はラストチャンスとの強い危機感を持って取り組んでいかねばなりません。

国の施策を待つことなく、本県こども施策を一元化し、松井こども家庭支援監の強力なリーダーシップのもと、前例踏襲から脱却してしっかりと取り組むべきと考えますが、どのように取り組むのか、その意気込みも併せて伺います。

 

次に、富山県武道館整備について伺います。

我が会派ではこれまで、令和9年度中の武道館開館の必要性について、議会はもとよりあらゆる機会を通じて、知事はじめ当局に求めてきました。

現在、見直し検討委員会で議論されていますが、武道館機能に特化した施設であること、平素の稽古や大会参加者の実態を踏まえた交通の利便性、駐車場や清閑な環境などを考慮すると、自ずと県総合運動公園に建設するのがふさわしいと思うのであります。

これまで、十数年にわたり、何度も申しあげてきましたが、情報通信技術が急速に進化している今こそ、武道を通した、相手を敬い、道徳心を高める人づくりが必要であります。

そこで改めて、そのシンボルとなる富山県武道館が武道の殿堂として、必要な機能を備えた県民が誇れる「武道館」となるよう、予定通り令和9年度中の完成を目指して進めていくべきと考えますが、知事にお伺いいたします。

 

次に、富山から日本を変える「地方創生」について5点伺います。

まず、食料安全保障を支える持続的農林水産業の発展について伺います。

4月のG7宮崎農業大臣会合で採択された声明には、食料安全保障の重要性が盛り込まれ、また現在、農林水産省で検討が進められている食料・農業・農村基本法の見直しにおいても、その確立を取り入れる方向で議論されるなど、食料安全保障は国を挙げて対応すべき課題と言えます。

非常時に食料の輸入確保に努めるのは当然ですが、最低限これに頼らなくても良い環境、

平時から食料自給率の向上を目指すべきです。

主食であるコメの他、小麦などの作付、輸入肥料や飼料からの転換、自然エネルギーを活用した農機具の開発など、平時から取り組むことは多くあります。

気候変動や世界情勢の変化など国際的なリスクが顕在化している今こそ、みどりの食料システム戦略を実践しながら、食料安全保障を支える持続的な農林水産業の発展へ、大きく舵を切る時であります。

このことを明確にして、個々の農林水産業者が将来にわたって存分に活躍できるよう、支援体制を構築すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、農業人材育成拠点と稼げる生産モデルの構築について伺います。

我が会派では、新年度予算重点要望項目として、北陸初の大型圃場整備事業となる国営農地再編整備事業「水橋地区」の着実な促進、スマート農業の推進と合わせて、高収益作物の栽培から販路に至るまで農業者を支援する「行政伴走型のモデルプロジェクト」構築を要望してまいりました。

本県農業の持続可能性を高めていくためには、意欲を持って農業に取り組む方を支援する人材育成に加え、農業者がしっかりと収入を得て農業を続けることができる仕組みづくりが必要であり、これら「人づくり」と「収入の確保」はまさに地方創生の具体化の一つと言えます。

先の2月定例会では、横田副知事から、このプロジェクトの構築・推進に積極的に取り組んでいくとのご答弁もいただきました。

そこで、「行政伴走型のモデルプロジェクト」の進捗状況と、今後の県内農業への展開について、横田副知事に伺います。

次に、インバウンド需要を見込んだ観光戦略について伺います。

4月の訪日外国人数は194万9100人で、コロナ禍前の66.6%まで回復しました。

本県でも台湾や韓国からのチャーター便の就航、国際クルーズ船の寄港など、外国人観光客の大幅な増加が見込まれており、観光事業者や交通事業者から大きな期待が寄せられています。

一方で最近、街中に多くの外国人観光客を見かけるようになりましたが、案内看板や飲食店のメニューの多言語表記、外国人観光客に対応できる人材の育成などはあまり進んでいません。

各国からお越しの観光客の満足度を高めることが、さらなる観光客の増加や、本県を何度も訪れるリピーター獲得につながることから、今後も受入環境の充実や新たな観光素材の発掘を図るなど、本県の観光戦略も常にアップデートしていくことが肝要であります。

そこで、3年余りにわたるコロナ禍で県内の受入環境の整備の進捗はどのようになっているのか、また、この回復しつつあるインバウンド需要を確実に取り込むためにも、国際定期便の再開も視野に入れつつ、しっかりとした観光戦略を持って取り組むべきと考えますが、竹内地方創生局長に伺います。

 

次に、地域の絆を再構築するための文化振興について伺います。

コロナ禍において、私たちは外出自粛や施設の使用制限など様々な行動制限に直面しました。中でも文化活動やイベント、伝統的な祭り等は真っ先に中止に追い込まれ、発表の場が無くなり、文化の継承や心の豊かさの醸成などが置き去りとなりましたが、私たちは改めて、文化は生活に欠かせない、切っても切り離せない一体のものであるということを再認識しました。

新型コロナの分類が5類に移行となり、徐々に平時へと向かっている今こそ、文化が日常生活に溶け込み、一人ひとりが心の豊かさを求めていくことが、ひいては県民のウェルビーイングの向上にもつながるという認識のもと、地域に根差した伝統文化、音楽、芸道などの文化活動を継続的に支援することを検討すべきと考えますが、廣島生活環境文化部長に伺います。

 

 次に、ブランディング戦略の展開について伺います。

県では、昨年「ブランディング推進本部」を立ち上げ、4月には知事政策局内に「広報・ブランディング推進室」を設置するなど、ブランディングに係る企画立案・情報発信を行う体制を強化されています。

今年度当初予算には、「寿司と言えば富山」の創出に向け、国の「観光再始動事業」を活用した海外向けの特別な体験事業の実施経費が計上されていました。

しかし、国事業が不採択となり、今回の補正予算案では、当初予算を減額し、実施内容を見直したうえで、「一点突破ブランディング推進事業」を計上していますが、事業内容をどのように見直したのか、また、寿司を突破口にして、今後ブランディング戦略をどのように展開していくのか、川津(かわつ)知事政策局長に伺います。

 

最後に、県民の命と暮らしを守る施策の推進について9点伺います。

まず、アフターコロナの県政運営について伺います。

先月から、コロナ対応は「有事」から「平時」の体制に移行しました。

ただ、決してコロナは収束したわけではなく、流行の第9波も懸念されていることから、社会経済活動の正常化を進めつつ、今後の感染状況を注視していかねばなりません。

また、感染の再流行や未知の感染症への対応に備えて、これまでのコロナ対策の検証が必要と考えます。

教育現場ではICT環境が整備され、またDXの推進により企業の生産性向上が図られるなど、今後も進めるべき点はさらに進めていく一方で、国と地方の役割分担や責任の所在、平時からの医療体制整備など、課題が浮き彫りになった点は解決すべきであります。

そこで、3年余にわたるコロナとの闘いで何を教訓として学び、今後の県民のウェルビーイングの向上や成長戦略をはじめとした県政運営にどのように活かしていくのか、知事にお伺いいたします。

 

また、5類移行後、国では新型コロナの診療実績がない施設も含めて患者を診る、幅広い医療体制への移行を目指しています。今まで診療していなかった医療機関は、感染対策やノウハウが無いため、診療しない可能性も指摘されています。

新型コロナの感染拡大により、医療機関の役割分担や連携体制の構築、病床や医療人材不足など、地域医療体制に係る課題が浮き彫りになりました。

これまで公的病院を中心に病床を確保してきましたが、今後は再流行等に備え、民間病院も含めた地域医療全体で対応力を高め、平時から医療提供体制を整えておく必要があると考えますが、

有賀(あるが)厚生部長に伺います。

 

次に、賃上げの実現に向けた県独自の価格転嫁の取組み等について伺います。

我が国は、デフレが30年続く異常な事態にあります。これを脱するためには、国内での投資を喚起し、賃金の引上げを促す国内需要拡大策が必要であります。

家計純資産500万円未満の階層は、2000年頃は25%でしたが、2021年には35%に上昇しており、働いて所得を得て、一部を貯蓄に回すという中間層が細っていることは明らかであり、国民所得が増えなければ家計は楽になりません。

その原因は、この30年間、G7を構成する日本以外の国の賃金がいずれも右肩上がりである中、日本の賃金がほぼ横ばいだからです。エネルギー価格や物価高騰が続く中、特に県内中小企業等が継続的な賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁が図られることが必要不可欠であります。

県では、適切な価格転嫁に向けて、経済界等と連携し「パートナーシップ構築宣言」の普及に取り組んでいますが、本県の賃金上昇と価格転嫁の実態をどのように認識しているのか、また、宣言で終わらせるのではなく、より実効性のある取組みを県独自で実施すべきと考えますが、中谷商工労働部長に伺います。

 

また、コロナ禍に導入されたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する中、「業績が上向かず返済の見通しが立たない」、「借り換えを断られた」、あるいは「世代交代したいが、個人保証が足枷となって事業継承できない」などといった切実な声が聞こえてきます。

東京商工リサーチがまとめた昨年度の倒産発生率調査では、富山県がワースト1位となるなど衝撃が走りましたが、コロナ禍で影響を受けた倒産が多く、公的支援が薄れたことも要因とされています。

また、昨年の後継者不在率調査では、後継者が決まっていない県内企業の比率は55.2%で全国23位となっています。

県内の中小企業等は、借入金の返済や賃上げ要請、経営者の高齢化と事業承継難に加えて、デジタル化やグローバル化への対応、生産性の向上など様々な課題に直面しています。

そこで、物価高や人件費の増加など経営環境は一層厳しさを増していますが、県内の中小企業等の現状と課題をどのように認識しているのか、また、経営の下支えや生産性の向上、新しい環境に適応した事業への変革を行う事業承継の支援などに今後どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、災害に対する平時からの備えについて伺います。

先月、石川県珠洲市で震度6強の地震が発生しました。建物への被害、また怪我をされた方々に心よりお見舞い申し上げます。

昨年10月の県防災危機管理センターの完成以来、今回が初めての地震対応となりましたが、その後も県内で大雨被害が発生するなど、いつ何時、自然災害や原子力災害、国民保護などの危機管理事案が発生するかは予測がつきません。

このたびの地震による本県への影響は小さいものでしたが、こうした時こそ、平時からの「備え」を見つめ直す必要があります。

そこで、大規模災害時の避難住民の誘導や被災者の救援等での協力が期待される県内の自主防災組織の組織率の状況はどうか、また、災害発生後は、何よりも初動対応が重要ですが、今回の地震に際して、関係職員の参集状況、消防防災ヘリや市町村関係機関等からの情報収集は適切に行われたのか、武隈危機管理局長に伺います。

 

次に、警護態勢等のあり方と警察力強化について伺います。

G7教育大臣会合での警備にあたっては、県境をまたぐ移動が伴うなど、共同開催であるがゆえの難しさに加えて、開催前には、中央省庁や自治体へのサイバー攻撃や能登地方を震源とする地震が相次いで発生するなど、少なからず警護態勢にも影響があったのではないかと思います。

こうした中、しっかりと無事に任務を果たされたことは、大いに評価したいと思います。

石井警察本部長には、3月の着任以降、任務の完遂のため全力で取り組んでこられたと思いますが、このたびの警備をどのように総括し、今後の「日本一安全で安心して暮らせる富山県の実現」につなげていくのか、先月、長野で警察官が発砲を受けた事件等を踏まえた警察官の安全管理に対する考えと併せて、所見を伺います。

 

次に、チャットGPTなど生成AIの活用と働き方改革について伺います。

教育大臣会合では、各国の教育のデジタル化の進展について議論がなされ、対面での学びの重要性に関する意見が出されたほか、チャットGPT等の活用については、メリットと課題のバランスを考慮することの重要性が共有されました。

知事は教育現場での活用に慎重な姿勢を示されましたが、他の自治体ではその活用を模索する動きもあるようです。

県では、職員が極力付加価値の高い業務に注力し、行政サービスの向上を図れるよう、「DX働き方改革推進委員会」にワーキングチームを設置し、チャットGPTなど生成AIの課題整理や活用方策の検討を行うとされていますが、どのように取り組んでいくのか、知事政策局長に伺います。

 

また、こうした県庁のDX・働き方改革を推進していくことが、県庁組織の活性化はもとより、時間外勤務の縮減、職員の心と身体の健康維持にもつながると思います。

そうした中、知事の肝煎りで「勤務間インターバル制度」が6月から試行的に導入されました。この制度の実効性を高めるためには、制度の趣旨を職員に浸透させていく必要がありますが、どのように取り組むのか、制度導入により期待される効果と併せて、南里経営管理部長に伺います。

 

最後に、市町村とのさらなる連携の深化によるワンチームの行財政運営について伺います。

県では、これまで補正予算や新年度予算編成により、県民の暮らしと事業活動を守るためのエネルギー価格・物価高騰対策や新型コロナ対策をはじめ、少子化対策・子育て環境の充実、スタートアップ支援など経済の活性化や、DXの推進、人への投資などの事業に優先的に予算を配分するなど、スピード感を持って対応されてきたことに対し、会派として高く評価をしております。

 先の5月臨時会では、補正予算の効果を最大限に発揮するため、県と市町村がワンチームとなって取り組むべきと提案したところですが、県の予算化の状況を受けて、その後市町村ではどのような対応がなされたのか、また、県と市町村で具体的にどのような事業で連携することになったのか、知事にお伺いしまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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