中川ただあき|富山県議会議員|自民党

改選後初議会、6月定例県議会にて代表質問に立つ! (平成27年6月12日)

2017年08月03日 更新

改選後初議会にて代表質問に立ちました。その要旨は以下の通りであり、答弁内容は、富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 北陸新幹線開業効果の活用・持続について

 

 

(1) 北陸新幹線開業後の検証について

 

ア)開業からまもなく3箇月を迎え、これまでの県内の概況についてどのように受けとめているのか、また新幹線開業効果の県内全域への波及と、持続的な地域経済の好循環につなげるため、今後開業効果の持続をどのように後押ししていくのか、所見を問う。

新幹線開業効果の実感が広がってきており地域経済の好循環につなげたい。また、開業直後の賑わいをブームに終わらせることなく、効果を最大化し持続させていくには、観光客の流れや消費動向、県内全域への波及状況、2次交通機関の利用状況など、変化の実相を正確に検証・分析し、迅速に手を打つことが必要。

 

 イ)富山駅の周辺整備について、開業後に明らかになった諸課題について、どのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

富山駅から一歩出ると未整備エリアが目に付き、また、駐車場も不足するなど不評であり、遠来客に与えるマイナスの印象を最小限にとどめる改善策を講じることが大切。関係市・機関などとさらに連携を強化し、対応する必要がある。

 

ウ)県民の足でもあり、新幹線の2次交通でもあるあいの風とやま鉄道をはじめ、県内で運行する2次交通の利便性の向上に今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

JR時代のサービス水準を低下させず、安全で安心な県民の足としての利便性の確保・向上、関西方面へのビジネス客の利便性の向上に努めることが求められている。また、2次交通についても、高齢者が増えることから、増便・増発や新しい路線の開拓による利便性、さらには安全・安心に配慮した快適性が求められており、老朽車両等の更新のほか、鉄軌道の橋りょう等の施設・設備の修繕、維持管理費を支援する必要がある。

 

(2) 富山きときと空港について

 

全国や海外につながる空の玄関口の維持・存続を図るため、新たな路線の開拓も含め、今後どのように空港利用を促進するのか、所見を問う。

全日空は全便を小型化して座席数を大幅に減らしたが、搭乗率は7割を下回るなど4月以降も富山-羽田便は厳しい状況が続いており、基幹路線の存続は、空港の運営そのものを左右する問題。県は、富山県民だけが利用するという認識ではなく、岐阜県、石川県や長野県を含む近隣県からの富山空港の利用促進に強力に取り組むべき。

 

 

問2 とやまの未来創生と産業振興について

 

 

(1)富山県版の総合戦略の策定について

 

ア)富山県版の地方総合戦略「とやまの未来創生戦略(仮称)」の策定方針、スケジュール、効果検証に耐えうる実効性のある戦略づくりについて、所見を問う。

地域の実情にあった人口ビジョンを自ら探り出す作業と県内産業の形成と雇用機能の確保、そして両者の連関構造など、県内の経済構造を精緻に分析するとともに、広く県民の意見を踏まえた地方創生・人口減少対策に関する実効性のある戦略とすべきである。さらに市町村との役割分担も含めた連携を図りつつ、効果的な戦略とすることが肝要。

 

イ)こうした動きとは別に、ポスト新幹線もにらみつつ、今後の富山県の中長期的なビジョンについても幅広く検討を進めるべきと考えるが、所見を問う。

 

(2)移住支援拠点の開設を機に、新幹線開業と地方創生という二つの追い風を活かし、今後どのように県内への移住支援に取り組むのか、所見を問う。

有楽町のふるさと回帰支援センターに「富山くらし・しごと支援センター」の相談窓口が新設された。県内への移住者は増加傾向にあり、ここ数年は子育て世代の移住が増え、昨年は20~30代が全体の64.5%を占めた。東日本大震災後、若い世代は安全安心な暮らしを求めて移住する傾向が強まっていると聞いており、新幹線開業で首都圏との時間距離が縮まったことも追い風となっている。

 

(3)県内においては、人材確保に緊急を要する状況だが、今後、どのように取り組むのか、所見を問う。

県内の有効求人倍率が全国平均を超えて上昇を続け、雇用情勢は改善を続けているが、宿泊、飲食などのサービス業や販売業、製造業、建設業においては人手不足が目立つ。県内の潜在的な労働者の発掘はもとより、UIJターンなどに力を入れ、県外から人材を獲得すべき。

 

(4)観光振興や地域経済の活性化ひいては産業振興にも結びつく、今後の富山湾を活かした取組みについて、所見を問う。

民間の応援組織である「美しい富山湾クラブ」が設立された。7月には「タモリカップ」、10月には「全国豊かな海づくり大会」、11月には「富山マラソン2015」が開催され富山湾の注目度が飛躍的に高まる絶好の機会。また、日本海をめぐるクルーズの定番寄港地として伏木富山港のネームバリューを押し上げるなど、世界に誇れる地域資源として一層アピールし、富山湾の多彩な魅力を守り育てる取組みを推進することが期待される。

 

(5)新県立近代美術館(仮称)の運営の情報収集のため、先月、富山県経済・文化調査団がニューヨークのアート・アンド・デザイン美術館などを視察したが、その成果を新しい近代美術館の運営にどのように活かすのか、運営方針の決定時期と併せて、所見を問う。

先月25日には起工式が行われ、平成29年の完成に向け、スケジュールが見えてきたところだが、具体的な運営方針等については、まだ決まってないようであり、県がしっかりと考えを発信する時期が来ているのではないか。

 

(6)中小企業を強くアピールする方法の一つとし、新たな商機が生まれるきっかけづくりとするため、県の公共施設を整備するにあたり、資材や技術、製品などすべてを、県内中小企業から調達する取組みが必要であると考えるが、所見を問う。

人口減少対策には、雇用を増やすこと、すなわち、県内中小企業を後押しし産業基盤を強化することが極めて重要であるが、富山県は、中小企業が県内企業の99.8%を占め本県経済の基盤を成している。中小企業支援施策の着実な実行はもとより、県が率先して、県内中小企業の技術や製品を大いに活用し、企業を発展させていくという視点も必要だと考える。

 

(7)第32回伝統的工芸品月間国民会議全国大会を一過性のものとすることなく、大会を機に、県内の伝統的工芸品産業が発展するよう施策を展開していく必要があると考えるが、大会成功への意気込みと今後の伝統的工芸品産業の海外市場開拓、育成策について、所見を問う。

開催時期が、「北陸デスティネーションキャンペーン」と重なることから、業界関係者だけでなく、一般愛好者の来場も期待できるので、富山の伝統的工芸品の良さを随所に感じられる大会にしてほしい。また、先月、ニューヨーク市内で「とやま伝統工芸PR展示会」が開催されたが、今後の海外展開の可能性が感じられたと聞いている。

 

(8)「1億円産地づくり支援事業」に関し、販売額が伸び悩んでいる戦略品目について、その原因・課題をどう認識し、大規模な園芸産地のさらなる育成と販売額目標の着実な達成に向けて、県の取組みをどう強化するのか、所見を問う。

15の農協が主導し、23の戦略品目について園芸産地づくりに取り組んできたが、5年が経過し、その成果に差が生じ始めている。米政策が見直される中、園芸生産を拡大する必要性はますます高まっており、「新・元気とやま創造計画」で設定された販売額の目標を着実に実現することが必要。

 

 (9)農商工連携を含めた農林漁業の6次産業化とその販路拡大に関する中期計画を策定するとともに、検証可能な成果目標を設定するなど、適切な進捗管理を行いながら施策を推進していくことが肝要と考えるが、所見を問う。

本県においても、これまで以上に力を入れていくべきだが、農協・生産者においては、販売を強化する視点・意識が希薄に感じられ、公的な支援は様々あるものの効果を発揮していないのが現状。また、「新・とやま地産地消推進戦略」において販売金額を5倍以上とする目標が新たに設けられたところであり、県が、その達成の道筋を明らかにしつつ、独力で販路を広げることが困難な事業者と県外、国外の小売業者、消費者とをつなぐ取組を強化することが必要。

 

(10)マイナンバー制度の導入、利活用を図るための県の体制整備及び取組状況と、国民一人ひとりへのマイナンバーの通知を今年10月に控え、本制度の認知度向上にどのように取り組むのか、所見を問う。

内閣府が今年1月に行った調査では、制度の内容を「知らない」とした人が7割にものぼるなど制度の認知度は極めて低く、企業の取組みも遅れている。マイナンバー制度は国家的な社会基盤として、適切に運用されればプラス面が大きい制度だが、法制定時から、個人情報の流出や情報の不正利用などリスクを懸念する声もある。

 

 

 

問3 安全・安心な暮らしの実現について

 

 

 

(1)がん診療連携拠点病院について、高齢化に伴うがん患者の増加、拠点病院間に生じている診療実績等の格差、がん医療の高度化への対応など、本県のがん診療体制に関わる重要課題について、県が主導してその解決を図るべきと考えるが、どのように取り組むのか、所見を問う。

今後のがん診療体制に関しては、昨年のがん対策推進協議会でも「将来的にいくつもの課題がある」と認識されており、がん診療体制の今後のあり方を左右する様々な課題が、いまなお残されたままとなっている。これらは拠点病院の個々の努力やがん診療連携協議会の取組みだけでは解決困難なものばかりである。

 

(2)地域医療構想の策定にあたり、病床数削減や医療費抑制のみを目指すのではなく、医療・介護施設の整備や医療従事者等の確保・養成も含め、混乱をきたすことなく、実効性のある構想とする必要があると考えるが、策定方針について、所見を問う。

構想は平成27年度中に策定することとされており、地域毎の医療需要を推計し、それに見合った医療機能別の必要病床数などの整備目標を定め、その実現に向けた施策を盛り込むものとされている。また、国は、平成30年度に国民健康保険の財政運営責任を市町村から都道府県に移行する改革も実施することとしており、医療供給体制と医療費の適正化という両面から、県はこれまで以上に大きな責任と役割を担うこととなる。

 

(3)ドクターヘリの運航開始の準備状況及び円滑な運航、本県の救急医療体制の充実に向け、どのように取り組むのか、所見を問う。

今年夏頃の運航開始に向け、県立中央病院の施設、設備の整備や搭乗する医師等の養成、運航ルールの作成など準備が進められている。診療開始までの時間の短縮等により予後の改善効果が期待でき、本県の高度救急医療体制が全国に誇れるものとなることを期待している。また、救急の現場では厳しい勤務状況が続いていることから、これまでの通常の救急搬送にも十分に配慮した運用が必要であり、医師の育成・確保に積極的に取り組み、県全体の救急医療体制を充実させる必要がある。

 

(4)高齢者人口が増加することを踏まえ、これまでの交通安全対策を検証した上で、交通弱者や県内を訪れる観光客への交通安全対策を講じる必要があると考えるが、所見を問う。

連休明けの1週間で5件5人の交通死亡事故が相次いだことを受け、交通死亡事故多発警報が発令された。依然として、県内の交通事故は高齢者が犠牲になる割合が高く、「交通弱者」に対する安全対策を一層推進する必要がある。また、新幹線開業後、県外の観光客がレンタカーなどを利用して、慣れない道を走行し、県民や県内の車両、路面電車と衝突する事故が発生する可能性も否定できない。

 

 

 

問4 未来を創る教育の充実について

 

 

 

(1)先般、総合衛生学院を改組し、県立の4年制看護大学を設置すべきとの方向性が示されたが、富山県立大学の中に学部を新設するなどスピード感をもって整備を進めるべきと考えるがどうか、県内大学における土木・建設、農業系の学部・学科の新設・拡充の考え方と併せて、所見を問う。

本県においては、土木・建設、看護・薬業の学部・学科の定数が少ないことや農業系がないことから、この分野へ進学を希望する学生が県外に流出しており、県内学生の定着を促進し、地域産業を担う専門的知識を有する人材を育成する必要がある。

 

(2)富山県立大学の学科新設・拡充について、県内産業への人材供給、若年人口の増大といった地方創生の観点からも検討を急ぐべきだと考えるがどうか、県内製薬企業などの産業ニーズを踏まえた医薬品の製造開発に係る人材を育成する新しい学科設置の考え方と併せて、所見を問う。

2月定例会での知事の答弁では、本年4月からの公立大学法人化にあたり、5学科すべての入学定員の増員を目指し、機械システム工学科と知能デザイン工学科については、先行して平成28年4月からの増員を検討するとのことであった。

 

(3)教育大綱の策定について、どのような基本理念やスケジュール感を持って大綱を策定していくのか、所見を問う。

先般開催された「総合教育会議」において、今年度中に教育や学術、文化の振興に係る総合的施策の指針となる大綱を策定する方針が確認されたところであり、知事、新教育長及び教育委員等が相互連携し、諸施策の検討や教育課題を克服していくことが必要。また、県民に対して「新・元気とやま創造計画」や県教育振興基本計画と本大綱との差異を明確に説明するなど、二重行政とのそしりを招かぬよう備えるべき。

 

(4)県立高校の後期再編について、地域の特性、地域の人材育成拠点としての位置付け、高校再編後の跡地活用や通学の交通機関の確保など複合的な観点から、早急に検討を行うべきであると考えるが、所見を問う。

後期再編計画では、前期になかった「市町」を横断する再編の検討が不可避であり、若者の都会への流出、消滅可能性都市が発表されるなど、将来への危機感が高まるなか、地元の高校がなくなるおそれがある地域では学生や保護者だけでなく、地元の方々からの反発も予想される。

 

 

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