3月11日に淩雲館創立40周年を祝う記念事業がありました。淩雲館創立40周年をお迎えになり本当に嬉しく思います。(館長:村雲荘一)
村雲荘一館長は、剣道の理念である「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」ことを明確に打ち出され子ども達の健全育成にご尽力いただいており、これまで淩雲館で厳しい修練と稽古によって鍛錬された多くの剣士たちが立派に育っていることにあらためて敬意と感謝を申し上げますとともに、道場での武道教育を牽引してきた淩雲館におけるこれまでの40年の功績は非常に大きいものがあります。特に、最近の倫理観のない現状を見るに、初代館長はその当時から武道による教育がきっと必要であるとの思いで創設されたと思うにつけその先見性に頭の下がる思いです。
平成18年に教育基本法が「公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間形成を期すこと、伝統と文化を尊重し、それらを育んできたわが国と郷土を愛する態度を養い、道徳心を培うこと」を新たに盛り込み、大きく改正され、学習指導要領も改訂され、平成24年度から学校現場で全面実施されます。
その一環として、中学の授業に武道が必修科目として取り入れられることになりました。大変喜ばしいことであります。
これは、青少年のころから、礼儀、公徳心、親を大切にする心、国や郷土を愛する心、他人を思いやる心などを体得していく教育をしっかりと根付かせることの一環です。
しかし、問題もあります。私は、富山県剣道道場連盟会長として、武道の種類として剣道・柔道・相撲があり生徒が選択できるのですが正しく教える指導者が少ないのが現状です。特に柔道に比べ剣道に指導者が少なく、さらに武具にも費用がかかるとして柔道だけという学校が多いのが実態であります。
また、必修といっても授業時間(年間約10時間)が少なく限られていることから何を教え、何を学びとるのかを明確にしておく必要があります。さらに柔道での事故を心配するように、にわか仕込みの教師だけでは無理があります。このような状況を学校側が認識することはもちろんでありますが、武道関係者、特に剣道に関わるものが一丸となって協力していくことが求められますし、極めて大事な時期であると思っています。
中学に武道が必修になり実施される年に淩雲館40周年を迎えられることは、先代から引き継がれてきた剣道の持つ武道精神による教育が世に評価されたことであり、大いに誇りを持ってもらいたいと思います。
今、日本は至る所でひずみがでており弱い国になろうとしています。強い国を作っていかなければなりません。そのためには人づくりから始めなければなりません。これからも淩雲館にはその拠点になっていただき、日本立て直しの原動力となる人づくりを担ってもらうことを切に願うものであります。
創立40周年を期に村雲荘一館長の益々のご活躍とご多幸を、また淩雲館の益々のご繁栄を心からご祈念申し上げます。
是非、皆様のお子様も剣道で人間形成を図っていただきたいと思います。よろしくお願いします。