リニア中央新幹線の答申が国土交通大臣に提出され、付帯意見として東海地震の備えになると指摘した。整備新幹線の新規着工区間についてはどうなるのか、議論されずに停止したままだ。北陸新幹線は東海道新幹線の代替機能としても重要であると沿線各県は言ってきたにもかかわらずである。整備新幹線の課題は常に財源問題であり、どれだけ苦労しているか、いやどれだけ時間と労力とカネをかけてきたことか。国が責任をもってバランスある公共交通として整備新幹線を地方に財源負担を求めることなく実施していたらもっと地方が、日本海側が発展していたのではなかろうか。

リニア中央新幹線建設には恐らく７～８兆円の多額の費用が必要であるがＪＲ東海は自己財源で、即ち国の財源を必要としないと言っている。自己財源となる利益はどうして稼げたのか。旧国鉄を分割し、もともと儲かる区間しか営業していないからである。この利益はＪＲ東海のものだけでない。国民全体の利益であり、他の新幹線整備に使われて当然であると考えられる。

さらに、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金１兆２千億円も整備新幹線の財源として使かわさせないとしている。いまだに新幹線に来てほしければ沿線で負担しなさい。これでは地方が益々疲弊していくだけだ。

新幹線の盛岡～東京～福岡、東京～新潟だけが沿線住民の負担がない。在来線の問題もない。

今度の大震災を契機に、一極集中を是正し、東海道新幹線の代替機能も果たす北陸新幹線を早く大阪まで着工すべきであり、その財源は機構の利益剰余金はもちろんのこと、ＪＲ東海にも協力させるくらいのことをすることが求められる。