忠政会(10月18日午後6時から名鉄トヤマホテル)の「第13回中川ただあきと考え語る会」(忠考会)
を開催しました。今回は「TPP亡国論」と題して、京都大学の中野剛志准教授をお招きして講演していただきました。TPPに参加表明しているのはシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、チリ、ニュージランド、ペルー、オーストラリア、アメリカであり、中国、韓国、インドは参加しません。日本が参加してもどうして輸出が伸びるのか。増えるどころか、日本に輸入を迫ってくる国ばかりです。しかも、仮に日本が参加しても、これらの国の貿易量のシェアはアメリカが70%、日本22%であり、アメリカが日本に輸入を迫ってくるのは数字から見ても明らかであります。なのに、どうしてTPPに参加しなければアジアから取り残されることになるのか。明快な政府の説明はありません。
中野先生曰く、関税の議論は関係なくなっている。むしろ関税分は円高でつまるところ為替操作で帳消しもいいところ。今は、自国の、いやアメリカのルールを飲ませ、相手国のルールを壊すことに躍起になっているのが現在の交渉の要となっているとのこと。韓国はアメリカとのFTAを選択して、実は非常に困っているのが現状であるとのこと。
政府は、TPPに参加するかしないかは、先ず参加入りを含め交渉テーブルに乗って、都合が悪ければ、参加しなければいいじゃないかと言っているが、これは、たとえて言うならば、婚約をしてから、やっぱり条件が合わないから結婚はしないと言うのと同じだと言っています。このようなことをしたらどうなるか。全く日本の信用がなくなるのは間違いなく、アメリカとの同盟関係はさらに悪化するのは間違いなく、他国からも相手にされなくだろう、と言っておられました。その通りだと思います。
影響は農業はもちろん、医療制度、法曹界、保険制度などがアメリカのルールを押しつけてくるのは韓国のFTAを見ていれば、明らか。あまりにも犠牲が大きいというか、日本の制度が崩壊し、日本がなくなる恐れが出てくる。このような大事なことを十分な議論もせずにAPECまでに回答するなんて、まったく馬鹿げている。
東日本大震災で農地の復旧もままならない状況が続いているにもかかわらず、TPP参加を表明することは、東北をはじめ地方の声をまったく聞かない暴挙としか言いようがない。
あの、昨年11月の菅総理の発言、「日本の繁栄は、・・・アジア太平洋地域とともに成長の道を歩む、ということを抜きには考えられません」 中国、インド、韓国が入るのならば乗り遅れると言ってもいいが、参加しないのにどうしてTPPなんでしょうか。日本は参加すれば、開国でなく壊国の道を歩むことになる。マスコミももっと客観的に冷静に報道すべきであるのに、政府と一緒になってTPP参加ありきには、憤りを感じます。殆どの地方紙は反対もしくは冷静な判断を求めているのに、政府・大手マスコミは取り上げようとしない。地方の意見を聞こうとしない国は必ず潰れる。本当に危機である。