政府が夏の電力需給対策として、供給力がある中部、北陸、中国、四国の4電力管内の企業や家庭にも節電に協力するよう節電目標を設定する案を考えているようだが、ふざけないで欲しいと言いたい。
周波数60HZエリアの6社(中部、北陸、関西、中国、四国、九州)の今夏の全供給力は9,301万kwで、必要とされる最大電力は9,622万kwで321万kwが足りないのである。不足分の内訳は関西電力管内で473万kw、九州電力管内で60万kw。そのために、関西電力と九州電力で不足する分を他社で節電してくれというものである。ちなみに、北陸電力管内の必要な最大電力は558万kwで、供給力は578万kwであるから、20万kwの予備力があるとしている。最大電力の算定にあたっては、すでに1割の節電できることを考慮している。また、供給するにあったては、火力発電所のフル活動を前提にしたものであり、万が一トラブルが発生しようものなら停電も考えられる。特に、七尾発電所の2号機は70万kwであり、これがトラブルになると、20万kwの予備なんかは吹っ飛んでしまうのである。このような現状を抱える中で、さらに節電せよとは理解できない。
特に、関西電力管内の役所をはじめ、住民の皆さんは電力についてどのように考えているのか、まったく理解できないし、無責任極まりない。電力についての危機意識というものがあるのか疑わざるを得ない。自らのエリア以外に危険をはらむ原発施設を持って行き、危ないからといって廃止せよなどと、よくも簡単に言えるものである。デフレの中、電力が安定して供給出来ないことがどれだけ産業界に影響を与えているのか、それが自らの働いている企業に影響が出ていることが分からないというのは、本当に理解ができない。むしろ、頭をさげてでも、原発の立地している所へ出向きお願いするのが筋でないのか。
もとをただせば、簡単に思いつきで原発を全部廃止するなどと、言明した菅前総理に発している。枝野大臣とて反対派である。今になって大飯原発の再稼働と言っても本心はどこにあるのか分らない。兎に角、こんな信頼のおけない、しかも稚拙なやり方を繰り返している現政府は早く退かないと、本当に日本は沈没である。