農山村の維持にはそこに生業(なりわい)があってはじめて成り立つものである。日本は自然環境が良い。山紫水明。しかし、その反対には自然との闘いがあった。寺田寅彦氏は自然の恵みを「慈母」といい、災害を「厳父」と表現している。日本人は恵みを得るために自然の厳しさと共存共栄をしてきた。そこには自然への畏敬と謙虚な態度で向き合ってきたのである。今は、その恵みさえありがたいと思わぬ者が増えた。欲しければ何でもお金で得られると勘違いしている者が実に多い。どんな苦労をして農山村を守ってきたのか。人が少なくなれば
町へ出てくればいいじゃないか。そんなところにお金をかける必要はないと、一蹴だ。
原発でエネルギーが揺れているが、最後はやれ風力だ、太陽だ、水力だと騒ぎたてて、再生可能エネルギーで日本全体が賄われるようなことを言っている。自然エネルギ―と簡単に言っているが、その自然が危なくなっていること自身わかっていないのではなかろうか。
最近、農林水産省所管の「食と地域の交流促進対策交付金」が省庁版事業仕分けで廃止と判定された。非常に残念な結果であるので、6月県議会で廃止するなという、意見書を採択しました。
2003年の県議会で自民党が提案し、制定された都市との交流による農山漁村の活性化を目指す条例が全国で初めて施行された。
このことによって、グリーツーリズムとやま(NPO法人)が中心となり「帰農塾」をはじめ多くの取組みをし、成果をあげている。例えば県外からの参加者112名の内、11名が定住し始めている。今まさに農山村に定住のきっかけづくりがはじまり、これからだというのに、何故、このような交付金を廃止しなければならないのか。情けない!
おそらく、今の政権にはふるさとを愛するような心、農山村は誰が守ってきたのかわからぬ者ばかりという感じである。これでは日本がなくなる。まさに危機である。