中川ただあき|富山県議会議員|自民党

決算特別委員会で質問に立つ!!

2018年11月30日 更新

11月26日(月)決算特別委員会で自民党会派を代表し総括質疑に立ちました。
最近5年間の県予算をみると、当初予算額は伸ばしているものの歳出決算額が毎年減少している逆転現象がおきていることについて質しました。また、とやま自遊館への補助金が恒常的になっているので、もはや財団での運営ではなく、民間に移行すべきであると質しました。以下、質問要旨です。

問1 県財政の運営について

(1)予算現額と歳出決算額との差は、平成21年度は516億円だったが、増加傾向で平成29年度は784億円と、乖離が大きくなっている原因と理由は何か、問う。
繰越額は、平成24年度の623億円から年々下がって平成27年度は341億円となったが、再び増加傾向で平成29年度は479億円となり、また、不用額もここ4年間は300億円台で推移している。

(2)例年補正予算を編成しているにもかかわらず歳出決算額が当初予算すら下回っている現状を鑑みると、来年度当初予算編成時に予算規模を見直すべきと考えるがどうか、問う。
当初予算額と歳出決算額の伸び率が比例していない年度があり、特にここ5年は歳出決算額が当初予算を下回っている。

(3)平成29年度決算において、歳入歳出ともに8年連続で前年度決算を下回る結果となっていることを考えると、今後の安定的な財政運営や将来の富山県の発展のためにも、一般財源総額の確保に最大限の努力が必要と考えるが、どのように対応していくのか、問う。

問2 公共事業の執行体制について

公共事業は繰越しが恒常化しているが、発注の平準化への対応などを考えると、発注側の人員や委託体制などを検討し、計画的に事業を執行できる体制を構築すべきと考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
平成25年に258億円だった土木費の繰越額は、平成26年から平成28年までは150~200億円で推移していたが、平成29年に再び256億円と増加している。

問3 一般財団法人富山勤労総合福祉センターの運営について

とやま自遊館及び呉羽ハイツの運営について、民間への移管などを含めた対策が必要と考えるがどうか、問う。
毎年度、恒常的に多額の補助金や貸付金を計上していること自体問題である。

問4 交通安全対策について

県内の交通事故死者数が昨年同期を上回り、「交通死亡事故多発警報」が発令されたが、交通事故死者数が減少したこれまでの取組みから得た教訓を活用すべきと考えるが、交通安全対策に今後どのように取り組むのか、問う。
平成27年の交通事故死者数は、それまでの減少傾向から前年を大きく上回ったものの、平成28年以降、再び減少傾向となったが、減少に寄与した近年の有効な取組みが活かせるのではないか。

問5 農林水産物等の輸出の促進について

平成29年度に策定された「富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針」に基づき、輸出の促進が図られているが、これまでの成果や課題を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
例えば、「富山のさかな」を富山きときと空港から台湾へ実際に輸出する際には、産地証明の手続きや、冷蔵施設がないなどの課題があり、早急な対策が必要。

問6 立山砂防の世界文化遺産登録に向けた情報発信の強化について

立山砂防の世界文化遺産登録に向けて、立山カルデラ砂防博物館を取組みの拠点として位置付け、より積極的な情報発信が必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
同博物館において、世界文化遺産登録に向けて、提案している内容を編集した映像の上映などを行っているが、県民や県外者に向けてその価値や魅力を伝えることが重要である。登録に向け県民を巻き込んだ活動とするためにも、情報発信の強化が必要。

平成30年9月議会 予算特別委員会質問

2018年10月30日 更新

平成30年9月定例議会、9月26日(水)の予算特別委員会で質問に立ちました。
今議会では、災害関連の質問が非常に多くありました。
私は、神通川の洪水対策が非常に悪い、また、一度災害が発生すると、生命財産がなくなると同時に経済活動が停止してしまい、雇用や税収が入ってこなくなること、観光客が来なくなることなど踏まえ、昨今の気候変動による災害を未然に防ぐことが重要である。後手後手の災害対策では日本全体が危機に見舞われるので、財政健全化だけを叫んでいると取り返しのつかない状況になるのではないか。知事に、河川整備などにもっと積極的に予算をつけるよう、国に働きかけるよう強く求めました。

また、富山羽田便の確保対策がなまぬるいこと、水橋高校など再編整備について県が積極的にかかわるよう求めました。
以下、質問要旨を掲載します。

問1 減災・防災対策について

(1)神通川の河川整備基本方針では、基本高水のピーク流量9700㎥/sに対し、河道への配分流量が7700㎥/s、洪水調節施設による調節流量が2000㎥/sとなっているにも関わらず、今後30年間の計画では洪水調節施設の検討がなされていないが、今後どのように取り組むのか、問う。
先の答弁で電力事業者の協力を得ることが困難とあったが、神通川本川には、洪水調節目的のダムがなく、発電用ダムの活用が必須。人命を守る観点から河川管理者である国が責任を持って電力会社と協議するよう県としても働きかけるべき。
(知 事に)

(2)白岩川に注ぐ下条川、小出川、石割川について、白岩川の水位が高いため、内水排除ができない状況が続き、特に下条川について、上市川への放水路の設置ができないのであれば、代替案を検討するなど、抜本的な対策をどのように講じるのか、問う。
下条川は、住宅密集地帯を流下しているため、住民は浸水被害に怯えた生活を余儀なくされている。
(土木部長に)

(3)本県の物流を支える北陸自動車道、東海北陸自動車道、国道8号、国道41号について、県境を中心に気象状況で事前通行規制されるケースがあるため、抜本的な対策を講じるよう国に働きかけるべきと考えるが、どのように対応していくのか、問う。
大雨や大雪、強風からの影響を受けないための対策工事が必要であり、特に親不知では、北陸自動車道と国道8号の両方が足止めされることもある。
(土木部長に)

(4)平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するために物流上重要な道路として、国土交通大臣が指定する「重要物流道路」の指定に向け、県として現在どのように進めようとしているのか、問う。
物流面において、非常に大事なことであり、早期の指定が必要ではないか。
(土木部長に)

(5)大規模災害に対し、社会資本の充実が重要であるが、ここ数年の建設国債6兆円を財源とした公共事業予算では全く足りていないため、建設国債を倍増してでも対応すべきではないか、全国知事会とも連携し、国へ強力に働きかけてはどうか、問う。
災害で被害を受けると税収減により財政も打撃をこうむる結果、何もできなくなり、経済の大損失となる。県単独事業や国からの予算獲得への努力は分かるが、富山河川国道事務所管内の事業費が減少しており、国予算全体のパイを増やす取組みが重要である。
(知 事に)

問2 富山空港の活性化について

(1)飛騨高山との連携を深めるため、ANAの機内誌で富山きときと空港に飛騨高山が併記されることは評価するが、富山県のやる気を見せるためにも空港のネオンや空港内のサインにも飛騨高山と速やかに併記すべきではないか、問う。
(観光・交通・地域振興局長に)

(2)飛騨高山との連携にあたり、高山駅から神岡経由で富山空港を結ぶバスの接続利便性の向上や、使用するバス車両を快適なものに変更するなど、飛騨高山へ利用者を迎えに行くとの意識で取り組むべきと考えるが、所見を問う。
現状の時刻表では、羽田への往きも帰りの利用も接続時間が悪く、また高山駅まで長時間かかるにも関わらず、車両が古く快適に利用できない。
(観光・交通・地域振興局長に)

(3)羽田便の乗継利用や国際便の利用を増やすためには、パスポートの取得を促進すべきと考えるが、具体的にどのような促進策を考えているのか、問う。
9月補正予算でパスポート取得支援を計上しているが、羽田便経由での海外便利用者や取得率の低い新潟県や長野県も対象にすべき。また、例えば、どの年代層をターゲットにするのか、パスポート取得率を全国平均並みにするなど目標をもって取り組むべき。
(観光・交通・地域振興局長に)

(4)旅行代理店に対する羽田乗継便を利用した県民向け旅行商品や、県外や海外から羽田便を利用し来県してもらい、富山駅周辺を拠点に周遊観光してもらう旅行商品の造成に向け、県が主体性と戦略をもって取り組むべきと考えるが、所見を問う。
例えば、月ごとに乗継先を変えて売り込むなど的を絞ったセールスや、富山駅と空港間の無料バス運行により空港を利用して来県し、北陸新幹線を利用して近県観光をしてもらうなど、新幹線との競合から連携強化へと考え方を変えた取組みなどをできないか。
(知 事に)

(5)台北便について、夜間駐機の実施も含めて、富山県から利用しやすい運航時間設定の交渉ができないか、問う。
現在の時間設定だと富山県からの利用の場合、2泊3日の行程でも実質1日しか、3泊4日でも実質2日しか行動できないため、利便性を高める必要がある。まずは試験的な導入でもよいので何とか実施できないか。
(観光・交通・地域振興局長に)

問3 県立高校跡地の活用策について

県立高校跡地について、例えば、富山大学都市デザイン学部等のリサーチ・キャンパスとして、新素材開発の場については、ものづくり研究開発センターが近くにある高岡西高校、本体である都市デザイン学部の発展研究の場については、水橋高校を活用できないか提案するが、所見を問う。
これまで教育施設として親しまれてきたことから、教育や研究施設としての活用に県主体で取り組むことが必要だと考える。また、リサーチ・キャンパスは、近県大学で企業との産学協働で新製品等の開発を行っている例があり、これからのイノベーション創出や人材育成に効果があるのではないか。富山大学に対しては、有償または無償貸付や区分所有権方式での使用等が考えられる。
(総合政策局長に)

問4 水橋地区のほ場整備について

水橋地区のほ場整備について、国営事業としての採択に向け、地元や県などの調査体制やコメ以外の高収益作物を中心とした営農体系への転換などの課題があるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
県による要望の結果、国の平成31年度予算の概算要求において、調査地区として要求されている。
(知 事に)

平成29年9月議会定例会にて、一般質問に立つ!      (平成29年9月14日)

2017年09月20日 更新

質問要旨と全文を掲載します。

 

★質問要旨

 

問1 とやま新時代について

 

 

(1)「新総合計画」については、目指すべき将来像や県づくりの視点が既に提示されているが、最も必要な基本理念(目標)が未提示であることから、早期に明確にするとともに、県民にわかりやすく示し、同じ方向性を持って進むべきと考えるがどうか、所見を問う。

地方では人口減少・高齢化が進むなかで、成長を実現していく鍵はイノベーションを産業や社会生活に取り入れることであり、本県でもソサエティ5.0の考えを大いに取り入れ果敢に対応すべき。また、社会情勢が現行計画策定時から大きく変化するなかで、何を強調し、どう変えていくのかを県民に明確に示し、人材育成とともに民間活力を引き出していくことが必要である。

 

(2)知事が就任してから策定された「とやま未来創生戦略」や「富山県経済・文化長期ビジョン」と「新総合計画」とはどのような関連があり、また、今後どのように取り扱うのか、問う。

 

(3)昨年3月に策定された「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものとするためには、委員自らが現場に足を運び、実際に公共交通の乗継ぎを経験するなど、机上での議論ではなく、現場を踏まえた議論がなされるべきと考えるが、所見を問う。

地域交通ビジョンのフォローアップや地域公共交通体系の構築に向け、関係者が幅広く協議する目的で富山県地域交通活性化推進会議や専門小委員会が設置されているが、現場の状況を踏まえない、単なる承認機関となっているのではないか。

 

(4)中山間地域や農村地域、街中での交通手段の確保が大きな課題となっていることから、県が主導し、大学、民間によるコンソーシアムにおいて、共同で人の移動システムの開発を進めるべきと考えるが、所見を問う。

県民の公共交通や自動車の利用実態をより細かく正確に把握・分析するとともに、AI等も活用して人の移動システムを構築し、その情報を交通事業者に提供することで、バス、電車等の乗り物を効率よく組み合わせることが可能となるのではないか。

 

(5)東京一極集中の傾向が継続していることから、東京一極集中是正の対策を緩めてはいけないと考えるが、政府関係機関の地方移転や本社機能等の移転・拡充について、本県のこれまでの取組みの成果はどうか、また、今後どのように取り組むのか、問う。

昨年の東京圏への転入超過数が約12万人となり、21年連続の転入超過となった。

 

 

問2 人材確保について

 

 

(1)県内には工業系の県立高等学校が7校あるが、ICTを活用した教育の実態はどうか、また、今後どのような方針で工業系の教育の充実を進めるのか、問う。

2020年にはICT人材が全国で約37万人不足するとされていることから、特に工業系・農業系で一層の集約化を図り、ICT教育はもとより、教育設備の一層の充実により、質の高い教育を行うべきである。

 

(2)県立中央農業高校を5年制程度の高等教育機関として位置付け、県内の農業教育機関を1箇所に集中することにより、農業教育のレベルアップを図るという発想により高校を再編すべきと考えるが、所見を問う。

現在は本当に農業をしたい、従事したいと思う生徒が学べる教育体制になっているのか。ICTを活用したスマート農業に移行していくなかで、これからの農業に携わる人材育成のための教育機関には程遠いと感じる。

 

(3)不二越の会長の発言後に、知事は直接会長にお会いになり真意を確かめるべきだったと思うが、これまでの本県における教育方針はどうであったか、また、今後どのように進めるべきと考えているのか、所見を問う。

不二越の会長の発言は非常に残念だったが、なぜそのような言葉が発せられたのか、真摯に冷静に分析する必要がある。

 

 

 問3 富山空港活性化策について

 

 

富山-台北便については、2012年の就航から初めて冬季ダイヤ全期間において週4便運航となったが、便数を維持するためにも、積極的にアウトバウンド対策を進める必要があると考えるがどうか、所見を問う。

高校生の修学旅行やスポーツ・文化団体の交流を一層促進することや冬季でも比較的温暖な台南・高雄方面のPR、スポーツ団体の台湾での合宿など、富山から台湾に行く乗客を増やすことが極めて重要である。

 

 

 

 問4 農業農村整備事業について

 

 

富山市水橋地域における未整備農地を対象としたほ場整備の要望への対応について、国営事業による対応を含め、早急に整備を進める方法について検討すべきと考えるが、現在の状況をどのように受け止め、また、今後どのように取り組むのか、問う。

今のペースで県営事業により対応した場合、完成までに約25年程度かかることになり、営農意欲の減退どころか耕作放棄地が出るのではないかと危惧している。

 

 

問5 水資源の活用等について

 

 

(1)企業局の水力発電について、地域の貴重な水資源を利活用していることを踏まえれば、売電単価を上げて、その収益を当該地域に還元すべきと考えるが、所見を問う。

企業局から県内6市3町と白川村に(国有資産等所在市町村)交付金が支払われているが、さらなる還元が必要ではないか。

 

(2)企業局の水力発電所の発電で得た固定価格買取制度による上乗せ利益については、「元気とやま未来創造基金」に積み増しされているが、使途を公共交通対策や定住対策等の地域振興にも支出すべきと考えるがどうか、所見を問う。

 

(3)最近、頻発する急激な豪雨対策として、県内の中小河川全体をしっかり調査し、計画的な維持管理が必要であると考えるが、実態をどのように捉えているのか、また、今後の取組方針について、問う。

地元からの要望だけでなく、河川管理者として計画的に浚渫や雑木の撤去などを行うべき。

 

 

★質問全文

 

石井知事は昨年十月二十三日に四期目に当選されて、まもなく通算十四年目を迎えようとしていますが、そうした中で、総合計画の見直しを進めておられます。

北陸新幹線開業と地方創生戦略の二つを追い風として最大限に活かしながら、社会経済情勢が変化する中、「とやま新時代」に相応しい県づくりの取組みを具体的に提示するものとして計画が策定中であります。

社会経済情勢がどう変わったのか、現在ある総合計画策定時と何が大きく変わったのか、それは、第四次産業革命による新たなイノベーションの発現であると思います。

今年6月9日に閣議決定されたソサエティ5.0。

これは、IoTで繋がったセンサーで集められたデーターが大量に蓄積され、ビッグデーターとなり、人工知能が解析し、新たな知恵が生まれる。この先には、無限に広がる世界が現れる。この世界が、まさしく、イノベーションにより社会課題を解決する試みであり、これがソサエティ5.0であります。具体的には、これまでは、製造業の生産管理や在庫管理をIoT(アイオティ)によって企業の枠組みを超えて最適化しようとする試みであるのに対して、これからは、製造業を超えて、モノとモノ、人と機械、人と技術、異なる企業と企業、世代を超えた人と人など、様々なものをつなげ新たな付加価値が創造できる産業社会(コネクテッドインダストリアル)を実現し、諸課題を解決してこうとするものであります。

地方では、人口減少とともに高齢化が進み、生産人口の減少が進む中、地域経済は縮小し始め、消費は成熟し、経済成長の余地も以前より限られてきていると言われています。

このような環境下で、力強さを欠いている地域経済を、打破し、成長を実現していく鍵は、イノベーションを産業や社会生活に取り入れていくことです。

 

今こそ、ソサエティ5.0の考えを大いに取り入れた取組が必要であり、本県でも果敢に対応・挑戦すべきであります。

また、ICT(情報通信技術)が進化すればするほど、人が人として互いに生きていく上でのルール、倫理感が希薄となっていく中で、武道精神などをいかした道徳教育をひとづくりの根幹に据え、ICTを活用した産業振興を進めるべきと考えます。

石井知事は、現総合計画策定時から、何が大きく変化し、何を強調したいのか、何をどう変えていくのか、県民に対しわかりやすく明確に示し、人材育成とともに民間活力を引き出していくことが必要であると考えます。

そこで、先ず、今回の新総合計画において、目指すべき将来像や県づくりの視点が既に提示されていますが、最も必要な基本理念(目標)が未提示であることから、石井知事は、早期に明確にし、県民にわかりやすく示し、同じ方向性を持って進むべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

また、石井知事が就任されてこれまで多くの計画ができておりますが、新しい総合計画とこれまでの、とやま未来創生戦略や富山県経済・文化長期ビジョンはどのような関連があり、今後どう取り扱われるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

総合計画が策定されても、その内容が確実に実現されなければ、何の意味もありません。そのために、これまで総合計画を基にさらに詳細な計画が策定され、実効性をあげるための各種会議が設置されています。

例えば、「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものにするため、昨年設置された「富山県地域交通活性化推進会議」、この会議の中にさらに二つの専門小委員会が設置されています。また、平成13年に設置された「富山県生活路線バス協議会」は公的支援の在り方やバス路線の廃止や維持確保するための計画など協議する場として設けられています。

この協議会では、これまで書面審査や、机上での協議が主で現地を見て判断するような機会がないと思われます。

これでは、現場の状況を踏まない、単なる承認機関となっているのではないでしょうか。

生活路線バスや電車に乗ってみて乗降客の動向や施設の状況、鉄道との乗り継ぎ実態など調査すべきと思います。

そこで、昨年3月に策定された「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものとするためには、委員自らが現場に足を運び、実際に公共交通の乗継を経験するなど、机上の議論だけではなく、現場を踏まえた議論がなされるべきと考えますが、蔵堀観光交通地域振興局長に伺います。

国では、地方自治体と地方大学などによる産官学連携を後押しする交付金制度を来年度新たに創設する動きがあることから、本県では、くすりとアルミに関するコンソーシアムを支援対象として要望していますが、今後は人やモノの移動などにも、前向きに取り組む必要があると考え、今回は人の移動について提案するものです。

コンパクトな県、コンパクトシティの持続的発展の鍵は人の移動手段をどのように確保するのか。特に、高齢者、車を使えない、いわゆる移動弱者対策をどうするのか。中山間地域、農村地域で、あるいは街中で人が住み続けれられるための交通手段、買い物や医療機関、公共施設への交通手段をどのようにするのか、大きな課題であります。

そのためには、何よりも地域交通ネットワークの維持・確保の基になる仕組みを示すことが必要であります。

そこで、県民の公共交通利用実態、自動車利用実態をより細かく正確に把握、データーを蓄積し、分析し、AIでヒトの移動システムを構築し、その情報を交通事業者に提供することによって、バス、電車などの乗り物を効率よく組み合わせすることが可能となると思います。

県が主導し、大学、民間によるコンソーシアムにおいて共同で人の移動システム開発を進めるべきと考えますが、観光・交通・地域振興局長に伺います。

ところで、平成28年の東京圏への転入超過数が約12万人となり21年連続の転入超過を記録するなど、東京一極集中の傾向が継続しており、東京一極集中是正対策を緩めるわけにはいきません。政府関係機関の地方移転や本社機能の移転・拡充について、本県の取組の成果と今後どう取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、人材確保について伺います。

第4次産業革命を推し進めるには、個人の能力・スキルアップとともに、ICT人材が必要であり、ICT産業に限らず、すべての産業に及ぶとされ、ICT人材が2020年には約37万人不足すると言われています。いずれにしてもさらに多くの人材がICTを使いこなす能力を身に着けていくことが必要となるわけであります。

先日発表された、県立高校再編の基本方針の冒頭では、「IoT,ビッグデータ、AI等の活用による第4次産業革命の進展など、時代の変化に対応した人材育成が進められている中、本県においても、今後、さらに教育活動の充実や教育形態の改善など進め、高校教育の充実に努める」と述べられています。

しかし、残念なことに、これまで学級数だけの議論が中心であったので、どうしたら、さらにレベルアップが図られるのかという視点で再編統合を進めてもらいたいものであります。

特に、工業系・農業系で一層の集約化を図り、ICT教育は勿論のこと、教育設備も

一層充実し、質の高い教育をすべきと考えるのであります。

そこで、工業系の高等学校が県内には7校ありますが、ICTを活用した教育の実態と今後どのような方針で工業系の教育の充実を進めようとしているのか、渋谷教育長に伺います。

また、農業は、今後、農地集積による法人経営、集落営農に集約されていく中で、土づくり、栽培技術、水管理、農業機械、ほ場管理などあらゆる分野でICTなど使ったスマート農業へ移行し、生産現場と生産物の移動・販売も一層IT化が進むことは間違いありません。農業においてICTを駆使できる人材をどのように育成していくのか、大きな課題であります。

本県では、農業を学ぶ教育機関は、中央農業高校を中心にいくつかありますが、本当に農業をしたい、従事したいと思う生徒が学べる教育体制になっているのでしょうか。

進学状況・就職状況を見ると、私は、とてもこれからの農業に携わる人材育成の教育機関・体制には、ほど遠いと感じていますし、これからの富山県農業を担う若者を育てようという気概が感じられません。

現在、高校再編が進められようとしていますが、県内に農業教育機関を1箇所に集中する、例えば、中央農業高校を5年制程度の高等教育機関と位置づけをして、農業教育のレベルアップを図る発想でもって高校再編をすべきと考えますがどうか、教育長に伺います。

 

さて、本県を発展させる原動力は人であり、人づくりであります。義務教育から高校まで本県の教育方針に従い、教育を受けた人材を採用しないとした、株式会社不二越の会長発言は非常に残念でなりません。

しかし、なぜ、そのような言葉が発せられたのか、真摯に冷静に分析する必要があると思います。

本県の教育大綱には、基本理念として、「ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成を図る」、としており、知事も、教育長もグローバル人材を育成することを強調されております。

しかし、現場では本当に趣旨が伝わって教育がされているのでしょうか。

私は、3月議会で、県立大学においては、学生には発表能力だけではなく、企業に入っても論争ができる、売り込む能力を身に着ける英語教育が必要であり、特に、TOEIC、TOEFLを受験させて磨く必要がある。また、海外留学をもっとするべきと、提案もしてきました。

しかし、県内大学の一部に、そのような英語を身につけさせて、留学したら戻ってこなくなるから意味ないことだという先生がいるというから、情けないとしか、言いようがありません。

とにかく、本腰を入れて取り組んでもらいたいと思うのであります。

そこで、知事は直接不二越の本間会長にお会いになり真意を確かめるべきであったと思いますが、これまでの本県における教育方針がどうであったのか、また、今後どのように進めるべきと考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、富山空港活性化策について伺います。

これまでも東京便を確保しながら、チャーター便、海外路線の大連、上海、台北便などその維持、拡大について、いろいろと対応されてきました。しかしながら厳しい状況が続いておりソフト、ハード対策を少しでも緩めれば、撤退という事態を招きかねません。

このような状況下で、チャイナエアラインの富山台北便が、2012年の就航以来初めてとなる、10月末から来年3月末までの冬季ダイヤ全期間で、週四便で運行されることになったことは、誠に嬉しい限りであります。

これは、知事を先頭に富山の冬の観光の魅力をPRしてきた結果であると思うのであります。台湾から富山に来てもらっても、富山から台湾に行くことが何よりも必要なことであります。これまでも、誘致のたびに、チャイナエアライン側から台湾人乗客3に対して富山から乗客1の割合では定期便の就航は難しいと何度も指摘されてきました。

このことを考えると、今回はじめてとなる冬季の週4便を存続するためにも、富山から台湾に行く客を増やすことが極めて重要であると考えます。先ほど、薮田議員の知事答弁もありましたが、

例えば、高校生の修学旅行、スポーツ・文化団体の交流を一層促すことを考えなければなりません。また、冬季でも比較的温暖な台南・高雄方面へのPRや、県議会野球部大野監督へも台湾で強化合宿するよう強く要請しておりますが、スポーツなどの合宿を台湾でしてもらうとか、積極的にアウトバウンド対策を進める必要がありますが、どのように進めるのか、観光・交通・地域振興局長に伺います。

 

次に、農業農村整備事業について伺います。

本県の農業用排水路、ほ場整備については昭和30年代を中心に積極的に進められ、その施設も老朽化し更新時期を迎えており、大変国の厳しい予算事情ではありますが、知事を先頭に予算確保をしていただき、何とか推進されているのが現状であります。本県では

30a以上の整備率は高いものの大正から昭和の初期にかけて整備された10a区画の圃場が富山市水橋地域に約600haが存在し、現在、地元の申請により県による整備が始まったところであります。

また、農業者の高齢化に加え、担い手が少なくなってきていることから、意欲的な若い担い手が出てきていますが、圃場の狭さに加え、農道が狭かったり、土水路の農業用水であったりとかで、とても大型機械による営農ができる状況でないことから、一気に500haにも及ぶ大型ほ場整備の機運が出てきております。

しかし、現状の予算規模ではすべて完成するまでに約25年以上もかかることになります。これでは、営農意欲どころか、耕作放棄地がでてしまうのではと危惧しているところであります。

そこで、富山市水橋地域における未整備農地を対象としたほ場整備の要望への対応について、10年間ぐらいで整備できるよう願っておりますが、国営事業による対応を含め、

早急に整備を進める方法について検討すべきと考えますが、現在の状況をどのように受け止め、また、今後どのように取り組もうとしているのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、水資源の活用等について伺います。

県企業局では、富山の恵まれた自然を生かしながら、地方公営企業法に基づき、電気、水道、工業用水、地域開発事業の4事業を運営していますが、事業に共通しているのは、「水」であります。

この「水」は、中山間地域や農村地域において農林業を営む者が、森林や農地をこれまで大変な思いでしっかり管理してきているから持続的に循環しているのであります。しかしながら、農林業を営む者がどんどん減少し高齢化も進み、大変な危機が迫っており、その対策に大変苦慮しているのが現状であります。

企業局では、地元市町村へ固定資産税に相当する交付金を支払うことによって地域貢献してきており、今後とも、各事業が県政の一翼を担っているとの認識のもと地域の振興に最大限貢献するよう努めていくこととしています。

ちなみに、市町村への交付金は、平成29年度は県内6市3町と岐阜県白川村に対して4億1千百万円あまりであり、売電料収入約40億円の約1割相当であります。売電単価は7円50銭。一般の家庭に届く電力料金20円以上であります。もちろん発電所から、変圧所、配電所、送電設備等もあり上乗せされ一概には安いとは言えないかもしれませんが、企業局の水力発電については、地域の貴重な水資源を利活用していることを踏まえれば、一層努力して、売電単価を上げ、その収益を当該地域に還元すべきと考えますがどうか。須沼公営企業管理者に伺います。

さらに、県では、最近できた水力発電で得た固定価格買取制度適用による上乗せ利益については「元気とやま未来創造基金」に、積み増しされていますが、使途を公共交通対策や定住対策等の地域振興にも支出すべきと考えますが、滝形成管理部長に、伺います。

 

最後に、最近、気象状況の変化も激しく、時間雨量も50mmを超える回数も増えるなど、日ごろは何の問題もなく流れている河川も、このような豪雨がふれば、増水、破堤の心配が絶えないのは中小河川であります。計画洪水量をレベルアップして河川改修すれば良いわけですが、先ずは現況河川でスムーズに排水することが大事なことであります。そのためには、浚渫、雑木の撤去が欠かせません。

今回も主要県単事業で計上されていますが、この予算ではまだまだ不足であります。

そこで、最近、頻発する急激な豪雨対策として、県内の中小河川全体をしっかり調査し、地元からの要望だけではなく、河川管理者として計画的な維持管理が必要であると考えますが、実態をどのように捉え、今後の取組み方針はどのように考えているのか、加藤土木部長にお伺いし質問を終わります。

 

平成29年定例2月議会 予算特別委員会で質問に立つ! (平成29年3月17日)

2017年08月05日 更新

質問要旨を掲載します。答弁内容は富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

 

問1 人づくりについて

 

 

(1)富山藩校広徳館の理念とは何か、問う。

昨年9月に策定された「富山県経済・文化長期ビジョン」においては、「経済」と「文化」が相互に作用して新たな価値を創出することが大事であり、それを創り出す「人づくり」が大切であるとしている。ビジョンにはかつての富山藩校広徳館の理念を引き継ぐとあるが、具体的にどのような趣旨か。

 

 

(2)広徳館の理念は、本県教育の基本的方針を定めた「富山県教育大綱」にはどのように活かされているのか、問う。

 

 

(3)富山藩校広徳館の理念を広く理解してもらい、児童生徒に伝えるため、広徳館の創設から教育方針、学んだ人物などを記録した副読本を作成してはどうか、問う。

「高校生のためのふるさと富山」には広徳館のことは掲載されておらず、「ふるさととやまの人物ものがたり」には、広徳館の先生だった岡田呉陽が掲載されているのみである。

 

 

(4)新しい県営武道館を整備し、富山県教育のシンボルにすべきと考えるがどうか、問う。

バランスのとれた人間教育の必要性が高まる中、文武両道を目指す教育が必要である。富山の人づくりの原点は広徳館にあるのであれば、その精神を引き継ぎ、徳育・体育の振興拠点となる新しい県営武道館を建設し、目指すべき方向を県民に分かりやすく示すべきと考える。

 

 

(5)「富山県経済・文化長期ビジョン」に掲げる構想の一つに、「郷土を学び英語で伝えるコミュニケーション能力の養成」とあるが、具体的にはどのような英語教育を進めようとしているのか、問う。

広徳館では、英語教育が行われ、その伝統が旧制富山高等学校に引き継がれ、全国的にも英語教育のレベルが高かったと言われている。しかし、どこかの時点で引き継がれなくなってしまった。

 

 

(6)県立大学とオレゴン州立大学との連携を図り、学生に積極的に留学させることも重要だと考えるがどうか、所見を問う。

友好提携しているオレゴン州の州立大学には、工学部や薬学部もあり、県立大学との連携強化も効果的だと考える。

 

 

(7)学生のグローバルな視点を高めるために、県内の各大学に呼びかけ、合同で英語教育を行うことも効果的と考えるがどうか、問う。

 

 

(8)海外進出している県内企業の協力による県内大学生の海外留学の促進や、県内企業の在職者への留学支援により、企業におけるグローバルな視点を持った人材確保・育成を行うことが必要だと考えるがどうか、所見を問う。

海外進出している県内企業の現地社員などと連携し、留学生を受入れ・支援する「とやま村」を構築することも効果的だと考える。

 

 

(9)台湾の県や市等と友好提携を締結するなどにより、県内高校生の台湾への修学旅行に積極的に取り組むべきと考えるがどうか、問う。

台湾から多く来県されているものの、富山県から台湾へ訪れる者が少ない。高校生の海外経験の第一歩として修学旅行を行うことはどうか。

 

 

(10)本年11月の「第38回全国歯科保健大会」の開催を契機に、健康寿命を延ばすためには歯の健康が不可欠であることを、広く県民に対しPRすべきと考えるがどうか、問う。

全国から多くの歯科関係者が集い、北陸三県では初めてとなる大会の開催を契機に「8020運動」のPRなどを行うことが効果的と考える。

 

 

(11)休日における歯科診療や、心身障害児(者)の歯科診療を実施している「富山県歯科保健医療総合センター」の設備更新等に対し、どのように支援していくのか、問う。

現在のセンターは設置から22年が経過しているなか、受診者数は年々増加している。

 

 

 

問2 農林水産業の振興等について

 

 

(1)昨年産の富山米「コシヒカリ」が特Aにならなかった原因と、今後の対策をどのように考えているのか、問う。

 

 

(2)食品を安全に製造する衛生管理手法であるHACCP導入に向け、県内の食品製造業が行う施設整備に対して何らかの支援が必要だと考えるがどうか、問う。

 

 

平成28年定例9月議会にて代表質問に立つ!    (平成28年9月13日)

2017年08月04日 更新

質問全文を掲載します。

 

私は、自由民主党を代表して、今定例会に提出された諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。

質問に先立ち、一言申し上げます。

始めに、矢後 元議員の政務活動費不正請求の不祥事につきましては、多くの県民の皆さまからご批判をいただきました。県民からの信頼を失墜させるものであり、極めて遺憾であります。

ここに、重ねて県民の皆さまに深くお詫び申し上げます。

 

 

自民党議員会において、7月末に設置した政務活動費適性運用対策検討プロジェクトチームにおいて再発防止策を取りまとめ、チェック体制を強化することといたしました。

議員自身が襟を正し、綱紀粛正を図って活動することはもとより、信頼回復に向け、責任を果たしてまいる決意であります。

次に、先の参議院選挙では、富山選挙区において、我が自由民主党公認の野上浩太郎さんが、全国の選挙区当選者の中でトップの得票率69.2%という圧倒的な御支持を得て3選を果たし、先の内閣改造により内閣官房副長官に就任されました。

新内閣には、日本の命運をかけた政権運営が求められる中、いかなる厳しい課題も先送りせず、状勢の変化への迅速な対応と将来を見据えた成長戦略の推進、地方経済の底上げを一気に加速させることを期待するものであります。

また、昨日(12日)、リオ・オリンピックにおいて金メダルを獲得された、田知本選手と登坂選手に富山県民栄誉賞が贈呈されました。誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

両選手の活躍は、県民はもとより国民に感動を、子どもたちには夢と希望を与えました。お二人には、今後、ますますの活躍を願ってやみません。

 

私たち自由民主党議員会は、政権与党として、県民の皆さまとの対話を基に県政の今日的課題に引き続き全力で取り組み、県民の幸せと魅力ある富山県づくりに邁進する決意であることを申し上げ、以下質問に入ります。

 

はじめに、行財政運営について質問します。

 

まず、9月補正予算案の編成方針について伺います。

 

政府は、8月2日、事業規模で「28兆円を上回る」大規模な経済対策を閣議決定しました。

これまでの経済政策の効果によって雇用や所得環境は改善しているものの、少子高齢化の進展などの構造的課題を背景に個人消費や民間投資は力強さを欠くと指摘し、金融政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速することで、長年続いたデフレから完全に脱却を図り、「未来への投資を実現する経済対策によって、その力強いスタートを切っていく」との基本姿勢が示されています。

本県においても、県内経済の状況を的確にとらえ、国の経済対策にも適時適切に対応し、県内経済の好循環につながる実効性の高い施策にスピード感をもって取り組んでいく必要があると考えます。そこで、どのような方針で9月補正予算案を編成されたのか、また、国の経済対策に対し、どのように対応していかれるのか、知事の所見を伺います。

 

次に、地方財源の確保について伺います。

 

安倍首相は、今年6月、来年4月に予定していた消費税率の10%への引上げを平成31年10月まで、2年半延長することを表明されました。

この消費税率の引上げは、平成24年に3党合意による「社会保障と税の一体改革」に基づくものであり、消費税率を10%に引き上げ、財源を調達したうえで、社会保障の安定・充実を進めていくというものであったことから、消費税率の引上げ再延期により、社会保障関係費の確保に必要な財源が不足するのではないかと懸念されています。

知事は、去る7月、全国知事会の地方税財政常任委員会委員長として、消費税率引上げ再延期に伴い、社会保障関係費が滞らないよう地方財源の確保を強く国に求める提言を行われました。

そこで、この消費税率引上げ再延期に対し、社会保障関係費に充てる予算をはじめとした地方財源の確保に向け、地方消費税収の都市部への偏在是正も含め、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、とやまの未来創生を深化させる取組みについて質問します。

 

まず、北陸新幹線開業効果の拡大について伺います。

 

北陸新幹線が開業してから、1年半が経過しました。この間利用者数は、JRの当初の見込みを上回るなど、順調に推移しており、北陸経済研究所の調査によれば、新幹線開業後1年間の県内への経済波及効果が421億円との推計が出されています。

しかし、現在のところ、経済波及効果は主に観光分野、それも特定の地域に偏っているとの指摘もあることから、いかにして広く他の分野や地域に経済波及効果を拡大していくかが課題であると考えます。

そこで、新幹線開業効果をより詳細に分析するとともに、これまで波及効果が及んでいない分野や地域にも浸透させ、地域経済の好循環の拡大に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、総合的な地域交通体系の構築について伺います。

 

今年2月、平成37年度の達成目標を盛り込んだ富山県地域交通ビジョンが取りまとめられました。

このビジョンには、デマンド交通による公共交通不便地域の利便性の確保、地域間を結ぶ交通の利便性を考慮した等間隔ダイヤの実現や全国相互利用可能なICカードの導入促進などが掲げられていますが、今後は、ビジョンに盛り込まれた取組み内容の実効性の確保が重要であります。

しかし、あいの風とやま鉄道をはじめ、地域交通の運営会社においては、経営上の問題もあり、ビジョンに掲げる取組みを独自に進められない場合も考えられることから、地域公共交通ネットワークの強化を推進する必要があると考えます。

さらに、通勤、通学、高齢者などの利用を考えた場合、どこまでビジョンの実現が可能なのかを見据えるべきであります。

そこで、県民の日常生活、観光やビジネス等の産業を支える総合的な地域公共交通ネットワーク強化に向け、県が牽引する協議の場・組織を創設して取り組む必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

併せて、今後、完全自動運転車の開発が進められている状況も踏まえた新たな発想により、将来を見据えた交通対策を講ずるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、富山きときと空港の利用促進について伺います。

 

全日空富山―羽田便は今年3月のダイヤ改正から1日4往復に減便され、海外路線については、ソウル便が、運航するアシアナ航空が収益の悪化を理由に10月末にも運航をLCC(いわゆる格安航空会社)のエアソウルに移管するとし、エアソウルでは安定した需要が見込めないとして、冬季は運休する方針を示しています。

富山空港の存続に向け、今後とも羽田便をはじめとした既存路線の利用促進策はもちろん、新規路線の開拓やチャーター便の運航に引き続き取り組むとともに、空港施設の整備促進など、空港の魅力を高める攻めの姿勢も必要であると考えます。

さらに、富山空港と富山駅やホテル、体育館、美術館、温泉地などの施設へのアクセスの利便性を考える必要があります。

また、当然、国内外に認知度の高い高山なども視野に入れ、空港からの二次交通対策に取り組むとともに、オールジャパンで通用する「富山・高山空港」に名称を変更することも必要であると考えます。

そこで、空港の生き残りをかけ空港の魅力向上とアクセスの利便性にどのように取り組んでいくのか、併せて、空港の名称の見直しも検討すべきと考えますが、新田知事政策局長の所見を伺います。

 

次に、とやまの未来創生を深化させる取組みについて質問します。

 

まず、富山湾を活用した施策について伺います。

 

富山湾の世界で最も美しい湾クラブ加盟を契機に、昨年、美しい富山湾クラブが設立されましたが、県民総ぐるみで富山湾を誇りに思い、守り育てていく機運の醸成につながるものであり、多くの県民に関心を持ってもらえるよう、幅広い活動の展開が期待されます。

また、富山湾を活用したヨットレース、美しい景観を堪能できるマラソンや湾岸サイクリングなどのスポーツイベントが実施されています。

今後は、我々、富山県民の誇りで宝である、この美しい富山湾を活用して、新湊マリーナを利用する船舶オーナーの誘致や、海上から立山連峰を中心とした立山黒部ジオパークの大パノラマが一望できる湾岸クルージングなど、富山湾を活用した滞在型観光の振興などを図り、世界に向けて富山の魅力を発信する必要があると考えます。

そこで、富山湾を活用して、観光振興のみならず地域経済の活性化、産業振興にも結びつけ、その経済効果ともいうべき「富山湾GDP」の拡大を図るため、総合的なプランを策定し、県民総参加でプランの実現を目指す必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、スポーツ都市戦略について伺います。

 

先月5日、東京オリンピックの「キャンプ地候補ガイド」の第一弾に、県総合体育センターと高岡の竹平記念体育館が掲載されましたが、世界へのアピールを一過性のもので終わらせてはなりません。

これまでも、本県では、プロスポーツへの支援・連携や富山マラソンの開催などを通じてスポーツによる地域振興が図られてきましたが、2020年に向け、スポーツを通じたまちづくり、地域づくりの取組みとして、スポーツコミッションを設立するなど、ポスト五輪を意識したスポーツ都市戦略を推進していく必要があると考えます。

これは、オリンピックに参加するために海外から来るアスリートや大会関係者を「スポーツツーリスト」と考え、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、バリアフリーや移動手段の整備といったハード面、ボランティアの養成といったソフト面から、スポーツ都市環境を整備していくものであり、さいたま市スポーツコミッションが誘致した自転車競技大会「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」には、10万人以上の観戦者が集い、30億円近い経済効果をもたらしました。

そこで、本県においても、東京オリンピックの各国選手団の合宿誘致にとどまらず、オリンピック後も見据えたスポーツ都市戦略を推進し、地域経済の活性化を図る必要があると考えますが、新田知事政策局長に伺います。

 

次に、県内への移住者増の取組みについて質問します。

 

とやまの地方創生の最重要課題は人口減少対策であり、大都市圏から富山への新しい「ひと」の流れをつくり、人口の社会増を図る必要があります。

先月末に開催された「くらしたい国、富山」推進本部会議で、平成27年度に富山に移り住んだ人は過去最多の462人で、世帯主の年齢は20代が36.8%、30代が35.4%、40代が12.5%と続き、定年後の世代より若い世代が増える傾向にあることが報告されました。

昨今、生活の質や豊かさへの志向の高まりを背景として、豊かな自然環境や歴史、文化に恵まれた地域で生活することや地域社会への貢献について、団塊の世代のみならず若年層も含めて、都市住民のニーズが高まっているとの指摘もあり、地方への移住志向の主役が中高年層から若年層にシフトしている状況もみられます。

そこで、これまでの移住者の増に向けた取組みをどのように評価しているのか、併せて、「とやま版CCRC」の推進をはじめとする、若年層、現役世代、高齢者の各層をターゲットとした地方回帰策が必要であると考えますが、どのように取り組んでいくのか、亀井観光・地域振興局長に伺います。

 

次に、地域経済の活性化について質問します。

 

まず、県内企業における若手人材の育成・確保について伺います。

 

本県では、当分の間、15歳から64歳までの生産年齢人口が毎年1万人を超えて減り、人手不足が続く傾向にあります。

北陸経済研究所の調査によれば、正社員の人手不足感は引き続き深刻な状況であり、また、不足している年代層は、製造業・非製造業ともに、若年層、特に20代が不足している状況にあります。

高校生、大学生などの若年層、そしてその保護者は、大手企業に目が向く傾向があります。

本県中小企業に目を向ける仕組みづくりを強化し、本県出身か否かを問わず、県内の大学生に県内企業へ就職してもらえるよう、本人はもとより保護者に対し、企業の魅力を伝える施策が必要であり、本県経済の活性化と持続的な成長のために、地域の中小企業が求める人材を十分確保することは、喫緊の課題であります。

また、県内企業の海外進出が進む中、富山県の将来を担い、グローバル化を推進する人材の育成・確保も重要であり、海外進出している県内企業の協力のもと、県内大学生の海外留学を促進し、国際的に活躍できる人材を育成していく必要があると考えます。

そこで、高校生、大学生とその保護者への県内中小企業のPR方策を含め、県内中小企業の若手人材の確保にどのように取り組むのか、併せて、国際的に活躍できる人材の育成に向け、県内大学生の海外留学の促進にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、IoT(アイオーティー)を活用した県内産業振興について伺います。

 

IoTは、「日本再興戦略2016」でも重要なキーワードとして取り上げられ、その活用によって、「県内ものづくり中小企業の生産設備をつなぎ、共同受注システムを構築する」など生産性の向上はもとより、新たなサービス・製品の創出といった付加価値の増大につながることが期待されています。

しかしながら、県内企業のIoTに関する取組みは、先進的な企業がある一方、多くの企業では、導入に要する費用の増加、効果の不透明さ、人材の不足などから、十分には進んでいない状況にあり、IoTの活用効果のPRを強いおT化し、活用を推進する必要があると考えます。

そこで、本県の経済を支え、県内企業の大部分を占める中小企業の生産性向上と本県の経済成長のカギを握ると考えますが、説明会や講習会の開催も含め、IoTの活用にどのように取り組んでいくのか、大坪商工労働部長に伺います。

 

次に、社会資本整備の推進について伺います。

 

民間調査会社の調査によると、富山県内における今年度8月末現在の県発注の公共事業請負額は、前年度比104%に止まっており、事業量については、新幹線開業前の平成26年度と比較した場合、29%の減と依然、低迷しています。

また、発注率については、国から上半期の発注目標を8割とする方針が示されていますが、今年度の8月末現在の発注率は65.3%と低迷し、平準化が図られていない状態であり、建設業にとっては、深刻な状況が続いています。

社会資本の整備、地域の安全・安心を担い経済成長を支える建設業が、中・長期的に現場の担い手・技能人材を確保・育成していくためには、雇用を継続していけるだけの事業量の確保、年間を通じた切れ目のない工事発注・平準化、安定的・持続的な公共投資の見通しが不可欠であります。

そこで、県内の建設業の現状をどのように認識しているのか、併せて、地元建設業が生産性を上げ健全に発展する経営環境を築く必要があると考えますが、社会資本整備の推進にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、土地改良事業及び防災・安全対策の推進について伺います。

 

土地改良事業については、水田等の大区画化・汎用化による収益力の向上、耐用年数を迎えた農業水利施設の更新、災害リスクに備えた耐震対策の強化など課題が山積しています。

しかしながら、国の土地改良事業予算額は、民主党政権下の平成22年度に6割削減され、その後徐々に回復したものの、28年度の当初予算ベースでも以前の66.2%の水準にとどまっており、新規事業の着手や既存事業の完了に遅れが生じています。

こうした中、国では、今後5年間の予算付けの重要な指針となる新たな土地改良長期計画をこの8月末に閣議決定したところであり、本県においても成果指標等を明確にしつつ、土地改良事業を戦略的に推進する必要があると考えます。

また、去る6月には、砺波市の農業用ため池において悼ましい事故が発生しました。

県内1,900箇所を超えるため池のほとんどで安全対策が不十分であり、県民の尊い生命を守る観点から、転落防止柵等の安全施設整備を計画的に進めなければなりません。

そこで、土地改良事業予算を増額確保し、農業の高付加価値化を図る圃場整備など、農業の競争力を強化し、農業者の所得向上の実現に向けた土地改良事業を促進する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

併せて、農地防災事業の一層の促進や、ため池の安全施設整備に係る農家負担のさらなる軽減を国に働きかけ、危険性と緊急度の高い箇所については早急に対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、県産農水産物の輸出促進について伺います。

 

「農政新時代」を迎え、解決すべき課題はますます増えており、顧客とマーケットを見つめ直す必要があることから、県産農水産物の輸出促進については、昨年11月に我が党の農業問題調査会が、中国を含むアジア富裕層への県産米の輸出拡大に向け、具体的な戦略を検討し、実施するよう知事に提言しました。

また、国では、去る5月に農林水産業の輸出強化戦略を取りまとめ、第2次補正予算案において輸出に必要なインフラ整備を積極的に進めることとしています。

また、「食品を安全に製造する衛生管理手法であるHACCP導入を、2020年までに、全ての事業者・食品に義務付ける方向で内容が検討されており、県産農水産物の輸出拡大に向け、県でHACCPの承認機関を設け、中小の事業者を支援するなど、県が牽引役となって海外への販路拡大を促進する必要があると考えます。

そこで、海外市場の綿密なマーケティング活動を行い、生産と販売手法に反映させる体制を構築するなど、重要な事項については県の来年度予算に反映させ、スピード感を持って取り組むべきと考えますが、併せて、HACCP導入に向け今後どのように取り組むのか、知事の所見を伺います。

 

次に、新たな富山のブランド米のマーケティング戦略等について伺います。

 

コシヒカリを超える富山オリジナルの新品種は、本年度内に品種登録が行われ、いよいよ市場投入に向けた第一歩を踏み出しますが、2年後の生産数量目標の廃止を控え、農業関係者は新品種のデビューに大きな期待を寄せております。

しかしながら、いま市場では産地間の競争がかつてない激しさを見せ、既に新興のブランド米が台頭、林立しています。

食味が特Aランクの産地品種銘柄は46と10年前の2.7倍に昇り、特Aのありがたみはもはや薄れています。

加えて、青森の「青天(せいてん)の霹靂(へきれき)」、岩手の「銀河のしずく」、新潟の「新之助」など、この1、2年の間に新たなブランド米の発表が相次いでいるほか、他の産地も今後、販売促進活動を強化してくると考えられます。

後発となる本県の新品種は、これらの間に存在が埋もれてしまうことのないよう、全国の消費者の心をつかむインパクトのある名称でなければなりません。

そこで、新たな富山のブランド米のマーケティング戦略等に関し、他産地のブランド米といかに明確な差別化を図り、知名度を高め、消費者の支持を獲得していくのか、伍嶋農林水産部長に伺います。

 

次に、中山間地域の農業の担い手対策について伺います。

 

中山間地域では、高齢化・過疎化の実態が極めて深刻で、農業の担い手不足に歯止めがかかっていません。

平均年齢が80歳を超え、各種補助事業の申請事務を行うことすら困難な集落があり、現に中山間地域等直接支払制度における県内の交付面積、集落協定数は平成27年度から減少に転じています。

このままでは補助事業があってもその利用が減少し、農地の荒廃を招くこととなり、複数集落による連携や小規模集落を近隣が支えるだけでなく、さらに一歩踏み込んで対応すべき時期にきていると考えます。

南砺市では、五箇山農業公社が農作業の受託、農用地の保全、特産作物の開発・研究等の事業を行うとともに、国家戦略特区に指定されている兵庫県養父市(やぶし)における企業の農業参入を可能とするモデル地域の取組みのメリットデメリットを検証することも必要であります。

そこで、中山間地域の農業の担い手について、農地が将来にわたって持続的に活用されるよう、公益法人の活用など、とやま型の広域的な営農を早急に検討し、導入に取り組んでいく必要があると考えますが、伍嶋農林水産部長に伺います。

 

次に、安全・安心な暮らしの実現について質問します。

 

まず、高度・先進医療の推進について伺います。

県立中央病院で整備が進められていた、先端医療棟が9月4日に完成し、今後、ドクターヘリとの連携により、本県のがん医療、高度救急医療の拠点としての役割が期待されます。

知事はこれまで、ドクターヘリの導入やリハビリテーション病院・こども支援センターの開設など、高度救急医療、周産期医療、リハビリテーション医療や災害医療など医療提供体制の充実に取り組んできており、県立中央病院の先端医療棟の運用開始により、県民が身近なところで、質の高い医療を受けられる体制が概ね整ってきたものと考えます。

そこで、これまでの高度・先進医療の提供体制整備の取り組みをどのように評価しているのか、併せて、県民皆が高度・先進医療を等しく享受できるよう、地域における医療機関の連携や、それを支える医療従事者の確保に取り組む必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、保育・介護人材の処遇改善等について伺います。

 

去る8月2日に閣議決定された国の経済対策において、「保育の受け皿整備、介護の受け皿の前倒し整備、保育・介護サービスを提供する人材の確保に向けた処遇改善等の実現」が打ち出されました。

こうした情勢の中、高齢者人口が増え、生産年齢人口がそれ以上の割合で減少する状況に対応した対策が肝要であります。

保育・介護人材の賃金引き上げ措置だけでは政策効果に限界があり、若い世代の新規就業促進、現場から離れた人材の復職と併せて、保育・介護職場における労働生産性の向上が重要であり、身体的負担を軽減するロボットスーツや介護機器の活用、働きやすい短時間勤務の導入など、総合的に職場環境の改善を図り、保育・介護人材の離職防止・定着促進対策をより一層推進する必要があると考えます。

そこで、国の経済対策を踏まえ、本県における保育・介護人材の処遇改善と保育・介護職場の働きやすい労働環境づくりにどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、地域医療構想について伺います。

 

地域医療構想は、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年に向け、医療機能ごとに医療需要と病床の必要量を推計するものであり、今年度中の策定に向けて、医療審議会や医療圏毎の会議などにおいて検討が進められています。

検討当初、医療関係者からは、国が示した「3割を超える病床の削減が必要」との推計に対し、「病床削減ありきの構想ではないか。

急激な病床の削減は、地域における救急医療の破たんにつながる。現状では地域での医療提供体制にバラつきがあり、地域によっては患者の切り捨てにつながる。」といった懸念が示されていましたが、関係者との協議や調査が進む中で、意見の整理がなされてきたのではないかと考えます。

そこで、地域医療構想策定について、現状及び課題の検討状況と今後の施策の方向性について、蔵堀厚生部長に伺います。

 

次に、障害者支援施設における殺傷事件を踏まえた対応について伺います。

 

7月26日に相模原市の障害者支援施設において、19人が刺殺され、27人が負傷する凶悪な事件が発生しました。

事件後、施設の安全管理対策には具体的な国の規定は無く、警備の強化は施設の判断に任されていることが明らかとなっており、「襲撃予告があった」との情報を得たときに、徹底した事前対策を取ることが必要ではなかったか。

また、「障害者は死んだ方がいい」という理由で犯罪に及んだという容疑者の異常性が強調されますが、今年4月に障害者差別解消法が施行され、インクルーシブ(包摂的)な社会づくりが進められる中、これまで日本社会全体で 営々と努力されてきたことが揺らぎ始め、今の社会が抱えている排外的な深い闇の部分が吹き出したようにも見えます。

そこで、今回の殺傷事件を踏まえて、福祉施設における安全管理のあり方や警察等の関係機関との情報共有のあり方等と併せ、障害者の尊厳に理解を深め、差別解消の取り組みを強化する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、犯罪被害者等支援の推進について伺います。

 

我が党は、昨年から、議員提案条例として「犯罪被害者等支援条例案」を検討して来ました。

昨日(12日)から、パブリックコメントを実施しており、次の11月定例会に条例案を提出することとしております。

昨日、自民党議員会から、石井知事に条例案をベースとする「犯罪被害者等支援に関する要望書」を提出しました。

思いもかけない犯罪行為に巻き込まれた犯罪被害者あるいはその家族や遺族の生活は一変し、犯罪による直接的な被害にとどまらず、心身の不調や経済的な問題、さらには、周囲の無理解や心ない言動等の二次的な被害に直面しているのであります。

また、性犯罪など、被害の態様によっては、自ら被害を訴えることが困難で、支援の手が行き届いていない被害者も存在しているのであります。

このような状況にある犯罪被害者やその家族が、平穏な生活を取り戻すため、県が市町村や関係機関の牽引役となり犯罪被害者の支援を推進していく必要があると考えます。

そこで、我が党からの犯罪被害者等の支援に関する要望・提言をどのように受け止められたのか、併せて、今後の犯罪被害者等の支援の積極的な取組みについて、知事の所見を伺います。

 

次に、富山市内警察署の再編について伺います。

 

平成25年8月に策定された富山市内警察署再編計画においては、第一の目標として「富山中央、富山西、富山北、富山南の4警察署体制から、署員100人か120人程度の3警察署体制への、再編と管轄区域の見直しによる治安維持体制と施設の整備」、第二に「これにより構築された組織体制を骨格としながら、北陸新幹線開業後の治安情勢の変化に的確に対応しうる治安基盤を作ること」が示されています。

平成21年に富山西警察署を新築し、続く富山中央警察署の建設工事が、今年度末、竣工予定でありますが、残る富山南警察署の建設スケジュールは未だ示されておらず、富山市内の警察署の再編と管轄区域の見直しが遅れています。

そこで、富山南警察署の建設を早急に進め、富山市内警察署の再編を一日も早く完了させ、新幹線開業後の治安情勢の変化に迅速かつ的確に対応しうる体制を整え、県民の安全・安心をしっかり確保すべきであると考えますが、白井警察本部長の所見を伺います。

 

次に、明日を拓く人づくりについて質問します。

 

まず、次期学習指導要領について伺います。

先月26日に中央教育審議会の教育課程部会において、先に公表されていた「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ案」が了承されました。

案に示された「アクティブ・ラーニング」は、児童生徒が「主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程を改善する」ものであり、これまでとは質の異なる技量を求められ惑う教員が多いことや、授業のやり方、教材作りなどを大きく変える必要があるため、現在でさえ多忙な教員が、新たな課題への対応を求められることが危惧されます。

また、案では、小学校5・6年生で英語の教科化や、小・中学校、高校におけるプログラミング教育の必修化により、より多くの教員や授業時間の確保が必要となり、教員がいかに知識や技術を習得するかが大きな課題と考えます。

そこで、中教審が示した次期学習指導要領のまとめ案をどのように受けとめているのか、また、教員定数の増員や、教員が授業に専念できる環境整備に、どのように取り組んでいくのか渋谷教育長の所見を伺います。

 

次に、投票率の向上と主権者教育の推進について伺います。

 

7月に実施された参議院選挙では、改正公職選挙法施行により選挙権を得た18歳、19歳の若者が初めて投票に参加しました。

本県では、18歳が47.3%、19歳が35.1%の投票率が公表されましたが、いずれも全国平均を下回っています。

県全体の平均投票率の55.6%は下回るものの、20歳から24歳までの投票率33.5%を上回る数値であり、高校などにおける主権者教育に一定の成果があったものと考えられますが、全国平均を下回っていることから一層の工夫した取り組みが必要であると考えます。

また、今回の参議院選挙で可能となった共通投票所や期日前投票所の増設なども、投票率の向上に有効であると考えます。

そこで、先の参議院選挙における若年者の投票率をどのように分析し評価しているのか、併せて今後、投票率の向上にどのように取り組んでいくのか、山崎経営管理部長に伺います。

 

最後に、今任期4年間の成果と今後の課題について、知事にお伺いします。

 

石井知事におかれては、6月議会の我が党の代表質問に対し、来る知事選への出馬を表明されました。

我が党としては、これを受け、石井知事に引き続き県政を担っていただくため、一丸となって支援することとしております。

県政の重要な局面にあるこの期に、県内市町村、県職員、そして県議会が一丸となって連携、補完し合い、県民の夢や希望に結びつく施策を推進されるよう期待するものであります。

県政を実行していく上で核となるのは、経済や文化に限らず県政全般、インフラ整備や福祉なども含め、すべての県民が幸せになり、富山県が将来にわたって活力を持てる総合的な県づくりであると考えます。また、総合計画についても、これまでの4年間を振り返り、何ができて何ができなかったのか、成果と課題を明らかにし、これからの富山を創る若者に対するアンケート調査等に着手することも必要かと考えます。

そこで、知事には、この4年間を振り返って、県民のために何を成し遂げ、成果があったと考えておられるのか。

併せて、今後、富山県が発展、飛躍していくための課題を検証し、次なるステップにつなぐ必要があると考えますが、知事の所見をお伺いして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。

平成28年2月議会、予算特別委員会に立つ! (平成28年3月15日)

2017年08月03日 更新

大先輩の高平公嗣先生が3月8日に急逝され、先生が問い質そうとしたことを受け継ぎ質問をさせていただきました。

答弁内容は富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 特別支援教育について

 

 

(1)特別支援を必要とする児童生徒が増加している中、各学校には保護者からの相談や要望への対応が求められているが、今後、県としてどのように支援していくのか、問う。

県教育委員会では今年度、特別支援教育推進協議会において検討を進め、今般、取り組むべき施策の柱が取りまとめられたと仄聞している。障害者差別解消法や県条例の施行も予定されており、保護者や学校現場の方々の関心も高い。

 

 

(2)通級指導教室について

ア)これまでの通級指導教室の開設状況の推移と現在の教員の配置状況はどうか、問う。

通常の学級に在籍するも、発達障害の可能性があり教育的支援を必要とする児童生徒が6.5%いるとのデータもあり、通級指導教室へのニーズが高まっている。議論の前提として確認する。

 

イ)小・中学校における通級指導教室の開設に必要な教員が十分に配置できるよう努めるべきと考えるが、所見を問う。

通級指導教室開設の必要性判断は市町村教育委員会が行うものであるが、できる限り教育現場のニーズに応えられるよう措置すべき。

 

 

(3)特別支援教育に関する教員資質の向上が必要であると考えるが、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、問う。

特別支援学校や通級指導教室を担当する教員はもとより、普通学級を担当する教員も特別支援教育のための知識・技能を習得する必要があると考える。

 

 

(4)特別支援教育に対する現場の専門性を高めていくためには、採用の段階において、高い知識や技能をもつ人材を確保することや、外部人材を有効に活用することが大切と考えるが、特別支援教育に携わる人材の確保にどのように取り組んでいくのか、問う。

 

 

(5)生徒の社会的・職業的自立を目的とした富山高等支援学校、高岡高等支援学校が開校して3年が経過するが、これまでの教育内容や就職に向けた取組みについて、その成果と評価について問う。

北陸初の高等特別支援学校として開校されたが、今後、各学校の担う役割は、ますます大きくなっているものと考えられる。

 

 

 

問2 「立山」をめぐる諸問題について

 

 

(1)立山温泉地域における地熱発電開発について、電源開発はもとより、農業や観光などにも資する地域振興プロジェクトとして、幅広な視点で取り組むことを検討してはどうかと考えるが、所見を問う。

計画地である立山温泉周辺は、かつては湯治客と砂防工事関係者で栄えていた地域である。是非、往時の賑わいの復活に繋がるような、夢のある事業として取り組んでいただきたい。

 

 

(2)「立山・黒部」については、世界文化遺産登録候補として平成19年度に文化庁に提案され、現在は世界遺産暫定一覧表候補の文化遺産と位置づけられているが、文化庁から示された課題に対するこれまでの取組みの成果を問う。

当初提案時の文化庁への提案では、「信仰・砂防・発電」がテーマとなっていたが、その後有識者からのアドバイス等を受け、砂防に焦点を絞るとともに、提案の内容が世界史的・国際的な評価がなされるよう磨き上げを図ってきたものと認識している。

 

(3)立山砂防に関し、世界の防災専門家が参加する国際防災学会が平成30年度に富山県において開催されることになったが、その意義と開催に向けた今後の取組みについて問う。

「立山・黒部」の世界文化遺産登録に向けて、立山砂防を防災遺産として提案しようとするこれまでの調査・研究が評価されたものと聞いており、本県での開催は世界に世界遺産登録に向けた取組みや立山砂防の重要性をアピールする絶好の機会と考える。

 

 

(4)立山火山対策について

 

ア)立山弥陀ヶ原における火山防災対策について、今後新たに火山防災協議会を組織することとなるが、具体的にどのように取り組むのか、今後のスケジュールと併せて問う。

火山防災に係る地域防災計画や避難確保計画等を十分機能するものにするためには、周辺の関係自治体の広域的な連携が必要であり、県が果たす役割は重要と考える。

 

イ)万が一に備え、退避施設等の整備を行っていく必要があると考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。

山小屋の屋根を強化繊維で補強する方法が有効だが経営面の問題から公的な支援が必要との声があるほか、強化プラスチック素材を使った退避施設を整備する場合には国立公園内であることから制限がかかるなど、課題も多いと聞く。

 

ウ)自治体の現場において火山防災に携わる専任職員の確保についてどのように考えているのか、問う。

火山監視等の業務に携わる国の火山専任職員の増強が図られるとのことだが、火山防災の専門家は不足している。早急な育成にも限界があり、どのように確保していくのかが課題。

 

エ)立山室堂周辺において、スマートフォンで防災・観光情報を提供するツールの実証実験が予定されていると聞くが、その概要について問う。

早期の事業化を期待している。また、多くの外国人が訪れることから、多言語による情報提供についても検討すべきと考える。

 

 

(5)立山地域におけるライチョウの保護について、県内生息数の安定的な維持に向け、今後どのように取り組んでいくのか、問う。

南アルプスなどでは数を減らしており、国が中心となってライチョウの人工飼育などにも取り組まれているが、本県では今後とも域内保護に積極的に取り組むべき。

平成27年11月議会、予算特別委員会にて質問に立つ! (平成27年12月10日)

2017年08月03日 更新

以下は質問要旨です。

答弁内容は、富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 国政のあり方について

 

参議院議員選挙区の合区は、国政の大都市偏重につながりかねないことから、参議院を明確に「地方の府」と位置づけ、都道府県単位の代表が国政に参加する仕組みとすべきと考えるが、所見を問う。

地方創生の観点からも逆風となりかねず、憲法を改正して対応すべき時期に来ているのではないかと考える。

 

 

問2 農林水産物の市場開拓について

 

農林水産物の市場開拓を進めていくために必要な人材を県全体としてどのように育成・確保していくのか、問う。

まず、県庁内に専任室課を新たに設置し、マーケティング体制の構築と農産品の輸出拡大に向けた戦略的な取組みを強力に推進すべき。民間やNPO法人にもこうした動きがあることから、立ち上がりの運営費助成などによる支援も含めて検討すべき。

 

 

問3 インド・アンドラプラデシュ州との交流について

 

本県の経済発展や地域の活性化に向け、今後、経済成長が著しいインドとの関係を強化することは重要であり、この際、高い発展可能性をもったアンドラプラデシュ州との交流協定を速やかに締結し、様々な分野で交流を推進すべきと考えるが、所見を問う。

インド・アンドラプラデシュ州との交流に関し、先の代表質問において、同州の将来的な発展可能性を踏まえると本県にとっても相当のメリットがあるとの知事答弁があった。

 

 

問4 台湾便について

 

富山-台北便について、富山から台湾へのアウトバウンド旅客の増加が課題とされているが、冬季の増便期間中の利用促進についてどのように取り組むのか、問う。

 

 

問5 企業誘致と用地確保について

 

新幹線の開業を受け、今後、企業誘致を進めていくにあたり、県内における企業用地の確保の必要性についてどのように認識しているのか、県内企業団地の充足状況とあわせて問う。

都市計画の線引き見直しのタイミングでもあり、県として企業誘致のための用地確保に向けて積極的に取り組むべき。また、用地のニーズは製造業が多いが、若い女性の県内定着のためには、オフィスビル等の立地への配慮も必要。

 

 

問6 交通事故防止対策について

 

これまで、どのようにして交通安全に関する注意喚起を行ってきたのか、その事業効果に対する評価とあわせて問う。

交通事故の問題は今議会で何度も議論されてきたところであるが、テレビ、ラジオ、チラシ、交通安全協会による教室開催など、様々な啓発活動が行われてきたにもかかわらず交通死亡事故は増加している。啓発活動の抜本的な見直しが必要なのではないか。

 

 

問7 県庁の職場環境について

 

(1)現場重視、スピード重視の県政を推進するとともに、県庁職員の時間外勤務を縮減するため、資料作りや意思決定のプロセスなど、仕事の進め方を基本から点検し、改善を図るべきではないかと考えるが、所見を問う。

資料の作り込みにばかり精力が注がれ、現場における対応が疎かになることを危惧している。また、意思決定を簡便化・迅速化することにより、相当の時間外縮減が図れるのではないかと考える。

 

(2)県庁においてしっかりと目標を立てて職場環境の改善などを実施し、本県全体の合計特殊出生率の向上に向け、先導的な役割を果たしていくべきではないかと考えるが、所見を問う。

 

 

問8 市町村との連携について

 

(1)一般論として、地域公共交通の整備に関する市町村や交通事業者との役割分担や連携の考え方については、どのように整理されているのか、地域交通ビジョン策定への各主体の関わり方とあわせて問う。

具体的な施策、事業の実施については、一義的に誰が責任を持って進めることとされているのか。今後は、路線バス等のより日常的な県民の足の確保へのニーズが増し、市町村の役割が重要となると考える。

 

(2)富山県人口ビジョンに即して定住・半定住施策を進めていくにあたり、具体的にどの市町村や集落に何人を誘導するといった、個別の目標を設定して取り組んでいくべきと考えるが、どのように市町村と連携していくのか、問う。

市町村と密接に連携し、コミュニティの維持に必要な人口を確保していくという観点から、よりきめ細かな施策展開を進めていく必要があるのではないか。

 

(3)地域医療ビジョンの議論を進めていくにあたり、市町村の意向をどのように反映させていくのか、問う。

地域医療ビジョンの策定にあたっては、市町村自らが設置する公立病院はもとより、公的病院等の状況も踏まえ、総合的な医療提供体制の将来像を示したうえで、市町村の意見も十分に汲み取りながら議論を進めていくべきと考える。

 

(4)県内の各種の公共施設について、市町村との連携・調整を進め、その集約・整理について検討していく必要があるのではないかと考えるが、所見を問う。

県内市町村において公共施設等総合管理計画の策定に向けた動きが見られる中、将来の人口減少も見据え、県・市町村の枠にとらわれることなく、住民利便を最優先に検討を進める必要がある。

 

(5)県政を進めていくにあたり、市町村との連携のあり方について、どのようにあるべきと考えているのか、所見を問う。

リーダーシップは誰がとるべきと考えているのか。

 

改選後初議会、6月定例県議会にて代表質問に立つ! (平成27年6月12日)

2017年08月03日 更新

改選後初議会にて代表質問に立ちました。その要旨は以下の通りであり、答弁内容は、富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 北陸新幹線開業効果の活用・持続について

 

 

(1) 北陸新幹線開業後の検証について

 

ア)開業からまもなく3箇月を迎え、これまでの県内の概況についてどのように受けとめているのか、また新幹線開業効果の県内全域への波及と、持続的な地域経済の好循環につなげるため、今後開業効果の持続をどのように後押ししていくのか、所見を問う。

新幹線開業効果の実感が広がってきており地域経済の好循環につなげたい。また、開業直後の賑わいをブームに終わらせることなく、効果を最大化し持続させていくには、観光客の流れや消費動向、県内全域への波及状況、2次交通機関の利用状況など、変化の実相を正確に検証・分析し、迅速に手を打つことが必要。

 

 イ)富山駅の周辺整備について、開業後に明らかになった諸課題について、どのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

富山駅から一歩出ると未整備エリアが目に付き、また、駐車場も不足するなど不評であり、遠来客に与えるマイナスの印象を最小限にとどめる改善策を講じることが大切。関係市・機関などとさらに連携を強化し、対応する必要がある。

 

ウ)県民の足でもあり、新幹線の2次交通でもあるあいの風とやま鉄道をはじめ、県内で運行する2次交通の利便性の向上に今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

JR時代のサービス水準を低下させず、安全で安心な県民の足としての利便性の確保・向上、関西方面へのビジネス客の利便性の向上に努めることが求められている。また、2次交通についても、高齢者が増えることから、増便・増発や新しい路線の開拓による利便性、さらには安全・安心に配慮した快適性が求められており、老朽車両等の更新のほか、鉄軌道の橋りょう等の施設・設備の修繕、維持管理費を支援する必要がある。

 

(2) 富山きときと空港について

 

全国や海外につながる空の玄関口の維持・存続を図るため、新たな路線の開拓も含め、今後どのように空港利用を促進するのか、所見を問う。

全日空は全便を小型化して座席数を大幅に減らしたが、搭乗率は7割を下回るなど4月以降も富山-羽田便は厳しい状況が続いており、基幹路線の存続は、空港の運営そのものを左右する問題。県は、富山県民だけが利用するという認識ではなく、岐阜県、石川県や長野県を含む近隣県からの富山空港の利用促進に強力に取り組むべき。

 

 

問2 とやまの未来創生と産業振興について

 

 

(1)富山県版の総合戦略の策定について

 

ア)富山県版の地方総合戦略「とやまの未来創生戦略(仮称)」の策定方針、スケジュール、効果検証に耐えうる実効性のある戦略づくりについて、所見を問う。

地域の実情にあった人口ビジョンを自ら探り出す作業と県内産業の形成と雇用機能の確保、そして両者の連関構造など、県内の経済構造を精緻に分析するとともに、広く県民の意見を踏まえた地方創生・人口減少対策に関する実効性のある戦略とすべきである。さらに市町村との役割分担も含めた連携を図りつつ、効果的な戦略とすることが肝要。

 

イ)こうした動きとは別に、ポスト新幹線もにらみつつ、今後の富山県の中長期的なビジョンについても幅広く検討を進めるべきと考えるが、所見を問う。

 

(2)移住支援拠点の開設を機に、新幹線開業と地方創生という二つの追い風を活かし、今後どのように県内への移住支援に取り組むのか、所見を問う。

有楽町のふるさと回帰支援センターに「富山くらし・しごと支援センター」の相談窓口が新設された。県内への移住者は増加傾向にあり、ここ数年は子育て世代の移住が増え、昨年は20~30代が全体の64.5%を占めた。東日本大震災後、若い世代は安全安心な暮らしを求めて移住する傾向が強まっていると聞いており、新幹線開業で首都圏との時間距離が縮まったことも追い風となっている。

 

(3)県内においては、人材確保に緊急を要する状況だが、今後、どのように取り組むのか、所見を問う。

県内の有効求人倍率が全国平均を超えて上昇を続け、雇用情勢は改善を続けているが、宿泊、飲食などのサービス業や販売業、製造業、建設業においては人手不足が目立つ。県内の潜在的な労働者の発掘はもとより、UIJターンなどに力を入れ、県外から人材を獲得すべき。

 

(4)観光振興や地域経済の活性化ひいては産業振興にも結びつく、今後の富山湾を活かした取組みについて、所見を問う。

民間の応援組織である「美しい富山湾クラブ」が設立された。7月には「タモリカップ」、10月には「全国豊かな海づくり大会」、11月には「富山マラソン2015」が開催され富山湾の注目度が飛躍的に高まる絶好の機会。また、日本海をめぐるクルーズの定番寄港地として伏木富山港のネームバリューを押し上げるなど、世界に誇れる地域資源として一層アピールし、富山湾の多彩な魅力を守り育てる取組みを推進することが期待される。

 

(5)新県立近代美術館(仮称)の運営の情報収集のため、先月、富山県経済・文化調査団がニューヨークのアート・アンド・デザイン美術館などを視察したが、その成果を新しい近代美術館の運営にどのように活かすのか、運営方針の決定時期と併せて、所見を問う。

先月25日には起工式が行われ、平成29年の完成に向け、スケジュールが見えてきたところだが、具体的な運営方針等については、まだ決まってないようであり、県がしっかりと考えを発信する時期が来ているのではないか。

 

(6)中小企業を強くアピールする方法の一つとし、新たな商機が生まれるきっかけづくりとするため、県の公共施設を整備するにあたり、資材や技術、製品などすべてを、県内中小企業から調達する取組みが必要であると考えるが、所見を問う。

人口減少対策には、雇用を増やすこと、すなわち、県内中小企業を後押しし産業基盤を強化することが極めて重要であるが、富山県は、中小企業が県内企業の99.8%を占め本県経済の基盤を成している。中小企業支援施策の着実な実行はもとより、県が率先して、県内中小企業の技術や製品を大いに活用し、企業を発展させていくという視点も必要だと考える。

 

(7)第32回伝統的工芸品月間国民会議全国大会を一過性のものとすることなく、大会を機に、県内の伝統的工芸品産業が発展するよう施策を展開していく必要があると考えるが、大会成功への意気込みと今後の伝統的工芸品産業の海外市場開拓、育成策について、所見を問う。

開催時期が、「北陸デスティネーションキャンペーン」と重なることから、業界関係者だけでなく、一般愛好者の来場も期待できるので、富山の伝統的工芸品の良さを随所に感じられる大会にしてほしい。また、先月、ニューヨーク市内で「とやま伝統工芸PR展示会」が開催されたが、今後の海外展開の可能性が感じられたと聞いている。

 

(8)「1億円産地づくり支援事業」に関し、販売額が伸び悩んでいる戦略品目について、その原因・課題をどう認識し、大規模な園芸産地のさらなる育成と販売額目標の着実な達成に向けて、県の取組みをどう強化するのか、所見を問う。

15の農協が主導し、23の戦略品目について園芸産地づくりに取り組んできたが、5年が経過し、その成果に差が生じ始めている。米政策が見直される中、園芸生産を拡大する必要性はますます高まっており、「新・元気とやま創造計画」で設定された販売額の目標を着実に実現することが必要。

 

 (9)農商工連携を含めた農林漁業の6次産業化とその販路拡大に関する中期計画を策定するとともに、検証可能な成果目標を設定するなど、適切な進捗管理を行いながら施策を推進していくことが肝要と考えるが、所見を問う。

本県においても、これまで以上に力を入れていくべきだが、農協・生産者においては、販売を強化する視点・意識が希薄に感じられ、公的な支援は様々あるものの効果を発揮していないのが現状。また、「新・とやま地産地消推進戦略」において販売金額を5倍以上とする目標が新たに設けられたところであり、県が、その達成の道筋を明らかにしつつ、独力で販路を広げることが困難な事業者と県外、国外の小売業者、消費者とをつなぐ取組を強化することが必要。

 

(10)マイナンバー制度の導入、利活用を図るための県の体制整備及び取組状況と、国民一人ひとりへのマイナンバーの通知を今年10月に控え、本制度の認知度向上にどのように取り組むのか、所見を問う。

内閣府が今年1月に行った調査では、制度の内容を「知らない」とした人が7割にものぼるなど制度の認知度は極めて低く、企業の取組みも遅れている。マイナンバー制度は国家的な社会基盤として、適切に運用されればプラス面が大きい制度だが、法制定時から、個人情報の流出や情報の不正利用などリスクを懸念する声もある。

 

 

 

問3 安全・安心な暮らしの実現について

 

 

 

(1)がん診療連携拠点病院について、高齢化に伴うがん患者の増加、拠点病院間に生じている診療実績等の格差、がん医療の高度化への対応など、本県のがん診療体制に関わる重要課題について、県が主導してその解決を図るべきと考えるが、どのように取り組むのか、所見を問う。

今後のがん診療体制に関しては、昨年のがん対策推進協議会でも「将来的にいくつもの課題がある」と認識されており、がん診療体制の今後のあり方を左右する様々な課題が、いまなお残されたままとなっている。これらは拠点病院の個々の努力やがん診療連携協議会の取組みだけでは解決困難なものばかりである。

 

(2)地域医療構想の策定にあたり、病床数削減や医療費抑制のみを目指すのではなく、医療・介護施設の整備や医療従事者等の確保・養成も含め、混乱をきたすことなく、実効性のある構想とする必要があると考えるが、策定方針について、所見を問う。

構想は平成27年度中に策定することとされており、地域毎の医療需要を推計し、それに見合った医療機能別の必要病床数などの整備目標を定め、その実現に向けた施策を盛り込むものとされている。また、国は、平成30年度に国民健康保険の財政運営責任を市町村から都道府県に移行する改革も実施することとしており、医療供給体制と医療費の適正化という両面から、県はこれまで以上に大きな責任と役割を担うこととなる。

 

(3)ドクターヘリの運航開始の準備状況及び円滑な運航、本県の救急医療体制の充実に向け、どのように取り組むのか、所見を問う。

今年夏頃の運航開始に向け、県立中央病院の施設、設備の整備や搭乗する医師等の養成、運航ルールの作成など準備が進められている。診療開始までの時間の短縮等により予後の改善効果が期待でき、本県の高度救急医療体制が全国に誇れるものとなることを期待している。また、救急の現場では厳しい勤務状況が続いていることから、これまでの通常の救急搬送にも十分に配慮した運用が必要であり、医師の育成・確保に積極的に取り組み、県全体の救急医療体制を充実させる必要がある。

 

(4)高齢者人口が増加することを踏まえ、これまでの交通安全対策を検証した上で、交通弱者や県内を訪れる観光客への交通安全対策を講じる必要があると考えるが、所見を問う。

連休明けの1週間で5件5人の交通死亡事故が相次いだことを受け、交通死亡事故多発警報が発令された。依然として、県内の交通事故は高齢者が犠牲になる割合が高く、「交通弱者」に対する安全対策を一層推進する必要がある。また、新幹線開業後、県外の観光客がレンタカーなどを利用して、慣れない道を走行し、県民や県内の車両、路面電車と衝突する事故が発生する可能性も否定できない。

 

 

 

問4 未来を創る教育の充実について

 

 

 

(1)先般、総合衛生学院を改組し、県立の4年制看護大学を設置すべきとの方向性が示されたが、富山県立大学の中に学部を新設するなどスピード感をもって整備を進めるべきと考えるがどうか、県内大学における土木・建設、農業系の学部・学科の新設・拡充の考え方と併せて、所見を問う。

本県においては、土木・建設、看護・薬業の学部・学科の定数が少ないことや農業系がないことから、この分野へ進学を希望する学生が県外に流出しており、県内学生の定着を促進し、地域産業を担う専門的知識を有する人材を育成する必要がある。

 

(2)富山県立大学の学科新設・拡充について、県内産業への人材供給、若年人口の増大といった地方創生の観点からも検討を急ぐべきだと考えるがどうか、県内製薬企業などの産業ニーズを踏まえた医薬品の製造開発に係る人材を育成する新しい学科設置の考え方と併せて、所見を問う。

2月定例会での知事の答弁では、本年4月からの公立大学法人化にあたり、5学科すべての入学定員の増員を目指し、機械システム工学科と知能デザイン工学科については、先行して平成28年4月からの増員を検討するとのことであった。

 

(3)教育大綱の策定について、どのような基本理念やスケジュール感を持って大綱を策定していくのか、所見を問う。

先般開催された「総合教育会議」において、今年度中に教育や学術、文化の振興に係る総合的施策の指針となる大綱を策定する方針が確認されたところであり、知事、新教育長及び教育委員等が相互連携し、諸施策の検討や教育課題を克服していくことが必要。また、県民に対して「新・元気とやま創造計画」や県教育振興基本計画と本大綱との差異を明確に説明するなど、二重行政とのそしりを招かぬよう備えるべき。

 

(4)県立高校の後期再編について、地域の特性、地域の人材育成拠点としての位置付け、高校再編後の跡地活用や通学の交通機関の確保など複合的な観点から、早急に検討を行うべきであると考えるが、所見を問う。

後期再編計画では、前期になかった「市町」を横断する再編の検討が不可避であり、若者の都会への流出、消滅可能性都市が発表されるなど、将来への危機感が高まるなか、地元の高校がなくなるおそれがある地域では学生や保護者だけでなく、地元の方々からの反発も予想される。

 

 

11月定例県議会にて代表質問に立つ!

2014年12月21日 更新

HPの管理にトラブルがあり、遅れましたが、11月議会(11月28日)にて自民党を代表して質問に立ちました。その要旨と質問の詳細をアップしましたので、ご覧になってください。

11月県議会での代表質問に立ちました。その要旨です。

 

問1 県政運営の基本的方針について

 

(1)平成27年度当初予算編成に向け、本県の税収の状況と財源確保の見通しはどうか、また、どのような方針で予算編成に臨むのか、税制改正、地方財政対策に対する国への働きかけの方針と併せて問う。

地方創生や人口減少対策など県独自の戦略的施策の推進が重要であるが、何よりも歳入の確保を図ることが肝要である。

 

(2)いわゆる「地方創生法」では、都道府県において地方版総合戦略の策定が規定されていることから、本県でも富山県地方創生本部(仮称)を設置して地方創生を推進すべきではないか、また、次世代につなぐ実効性のある戦略策定にどう取り組むのか、所見を問う

人口減少対策は喫緊の課題であり、県には大胆かつ新たな発想によりこの問題に果敢に挑戦する覚悟が求められている。

 

 

問2 新幹線開業に向けた取組みについて

 

(1)北陸新幹線開業を目前に控え、開業効果を最大限に活かすために、県下の観光コースや滞在スポット、二次交通の充実などこれまで取り組んできた受入体制のチェックや沿線各県との連携による広域観光の創出など新たな観光振興施策の推進にどう取り組んでいくのか、所見を問う。

デスティネーションキャンペーンの全国宣伝販売促進会議において、本県の観光素材を現地確認した「旅行のプロ」から、知名度不足や情報発信の弱さが指摘されたと聞いている。

 

(2)新幹線開業を目前に控え、石川県のアンテナショップが銀座に移転開業するなど、沿線県の首都圏情報発信拠点のリニューアルの動きが続いているが、本県においても、いきいき富山館のあり方について、早期に結論を出し対応すべきと考えるが、所見を問う。

 先月末に開かれた有識者会議では、レストラン機能の併設した新拠点の設置や体験コーナーの設置などの意見が相次いだと聞いている。 

 

 

 

問3 地域活性化と環日本海交流について

 

(1)先月、中国遼寧省との友好県省締結30周年を記念し、県友好代表団及び日中友好富山県地方議員連盟訪中団が訪中し、交流の絆を深めたところであるが、今回の友好交流をどのように評価し、今後の両県省の友好関係についてどのような展望を描いているのか、所見を問う。

 

(2)県内中小企業の経営環境は厳しい状況にあることから、県として、年末に向けての中小企業の資金繰りなどの問題に対し、どのように対応していくのか、問う。

富山財務事務所の県内法人企業景気予測調査によると、県内企業の経常利益の見通しは29.4%の増益見込みだが、中小企業に限ると29.9%の減益見込みとなっており、積極的な中小企業への支援が県内経済の回復基調を維持・上昇させるものと考える。

 

(3)6月に成立した小規模企業振興基本法を踏まえ、小規模企業については「配慮する」との記載に留まっている県中小企業振興条例の規定を見直し、小規模企業を積極的に支援する必要があると考えるが、所見を問う。

 県内経済の活性化には、本県で9割を占める小規模企業の振興を図ることが大切である。

 

(4)公共事業の発注について

ア 公共工事の発注にあたり、年度初旬の仕事量確保にどのように取り組むのか、また、入札の不調・中止の原因をどう捉え、どのような対策を講じるのか、問う。

 水田に隣接する道路等工事における4~6月の水田借り上げ対応やゼロ県債の拡大を検討すべき。また、入札の不調・中止は依然として高水準であり、構造的な問題があるものと考える。

 

イ 除雪シーズンを迎えるにあたり、除雪委託業務の実情を反映した委託料の算定や支払い時期などの対応について、どのように取り組んでいるのか、問う。

 

(5)現状のままでは利活用が困難な空き家について、撤去や再生など早急な対応が求められているが、県内の利活用困難な空き家の把握状況や空家等対策の推進に関する特別措置法の成立も踏まえ、県として、今後、どう対策に取り組むのか、問う。

 県では撤去に関する統一ガイドラインを市町村に通達し、一部市町村では対策に取り組んでいるが、市町村主体の対応には限界がある。

 

 

 

問4 農林水産業の振興について

 

(1)今年の県産米の品質向上に向けた取組みの内容とその成果、及び来年以降、県産米の品質向上にどのように取り組んでいくのか、また、米価下落に対する対策、及び備蓄用米だけでなく飼料用米、加工用米へのシフトを県が誘導する取組みの実施について、どのよう考えているのか、所見を問う。

 県産米の1等米比率は10月末時点で86.5%と昨年同期を上回っているが、近年は不安定に推移している。

 

(2)食のとやまブランドの確立と県産農林水産物のマーケティング強化のためには、民間のノウハウを積極的に活用し、官民一体となった取り組みが必要であることから、産学官に金融も含めた産学官金の連携強化に一層取り組む必要があると考えるが、所見を問う。

 

(3)先月、全国豊かな海づくり大会のプレイベントである「豊かな海づくりフェスタ in 海王丸パーク」が開催されたところであるが、このプレイベントの成果や課題を踏まえ、本大会にどのように取り組んでいくのか、問う。

 

(4)全国植樹祭の開催会場が「魚津桃山運動公園」に決定したが、今回の開催を契機に本県の林業振興にどのように取り組んでいくのか、問う。

 優良無花粉スギ「立山森の輝き」の全国へのPRなど、全国植樹祭の開催は、本県の林業振興に大いにプラスになるものと考える。

 

問5 安全・安心な暮らしの実現について

 

(1)世界に目を向けた事業展開を行う製薬企業に対し、県としてどのような支援に取り組むのか、また、薬都・富山の振興を図るため、研究機関や薬剤師を養成する大学の誘致に取り組むべきと考えるが、所見を問う。

 本県に生産拠点のある企業が富山大学と共同開発した薬のエボラ出血熱に対する効果への期待が高まるなど、県内企業の開発力に光があたっている

 

(2)国においては、女性の活躍推進を成長戦略の中核に位置付けているが、県として、今後、どのように女性が輝く社会の実現に向けたムーブメントを作り出し、女性の活躍推進に取り組んでいくのか、問う。

 県内の女性就業率は49.9%で全国7位と高いが、管理部門への女性の登用率は5.7%で全国44位と低くなっている。

 

(3)立山は多くの観光客や登山客が訪れるエリアであることから、県としても、国、立山町、関係機関と連携し、万一に備えた対策を進めるべきと考えるが、所見を問う。

 気象庁が24時間体制で監視している活火山の対象に立山(弥陀ヶ原)を加える方針であると聞いている。

 

(4)安全・安心な地域社会実現のため、県民に信頼される警察の組織づくりについて、所見を問う。

県民目線で開かれた警察を確立するため、警察署協議会の活用や積極的な情報公開が必要。また、警察官の不祥事への対応について、厳正でない、処分が軽いとの声も聞かれる。

 

問6 明日を拓く人づくりについて

 

(1)富山マラソンの開催など、スポーツを介した「元気とやま」を創造する機運が醸成しつつあるなか、競技力向上等のスポーツ振興施策を司る部門を知事部局に移管又は創設し、総合的、部局横断的に取り組む組織体制の強化を図ることが必要と考えるが、所見を問う。

全国的には、スポーツ施策を総合的に推進するため、その所管を教育委員会から知事部局へ移管する自治体が急速に増える傾向にある。

 

(2)富山大学の教職大学院の設置について、同大学より支援・協力の申入れがあったと聞いており、県として全面的に協力する必要があると考えるが、今後、どのように支援・協力していくのか、所見を問う。

 教職大学院の設置は、「教育県・富山」の教員の質の高度化に資し、複雑多岐に亘る学校の問題を解決できる役割を果たすものと考える。

 

(3)特別支援教育が必要な生徒は、小・中学校だけでなく高校にも在籍していると考えられるが、県立や私立の高校における支援が必要な生徒の受入れ体制の整備について、所見を問う。

 小・中学校で特別支援学級に在籍していた生徒の4割は高校に進学している。

 

(4)今年8月に公表された全国学力・学習状況調査で、本県は小・中学生とも全国平均を上回る結果となったが、一過性の結果に一喜一憂することなく、現場の声を採用し、学力向上対策を幅広い視野で継続することが肝要と考えるが、所見を問う。

 今回の調査結果をもって、学力向上対策検討会議に一区切りをつけるという当局の姿勢には違和感を覚える。

 

(5)若者・女性の県内定着の促進や女性が輝く郷土づくり、医療の質の向上の観点から、県立の看護大学を新たに設置する必要があると考えるが、所見を問う。

 全国的に看護大学の新設が増えるなか、将来の看護人材が県外大学に流出していると聞いている。

 

 

●質問詳細

私は、自由民主党を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。

 質問に先立ち、一言申しあげます。来年、戦後70年を迎えますが、現在の日本は、安全保障問題、社会保障制度などをめぐる情勢など、日本の取り巻く環境が流動化し、

従来の社会構造を支えてきた前提条件が変化していく中で、これまで私たちが当たり前のように感じてきた常識を検証し、次の時代の日本を支える枠組みを模索すべき大きな転換期を迎えています。

回復の兆しの見える日本経済ですが、その背後にある財政の問題は依然として深刻な状態であり、財政再建や人口減少対策など構造的な課題の解決を先送りすると、国、地方の持続可能性は低下し、存立そのものをゆるがしかねません。

安倍首相は、消費税再増税の1年半延期を決め、今月21日に衆議院解散に踏み切りました。  経済再生と財政再建、この二つを同時に実現していく。国民生活にとって、そして国民経済にとって、重い決断をする以上、国民に信を問い、政治を推進しようとする首相の決断に異論はありません。

こうした情勢の中、我々政治家はもとより、国民、県民一人ひとりが、強い危機感と覚悟をもって決断し、将来世代に対する責任を果たすことが求められます。

石井知事には、平成1611月の就任から10年経過し、北陸新幹線開業を目前に控え、富山県の新たな未来を切り開く重要な時期、富山県が政策で国をリードするという気概を持って、今後とも、我が自民党とともに取り組まれることを期待いたします。

我々、自由民主党議員会といたしましても、県民の皆様との対話を基に、県政の今日的課題に引き続き全力で取り組み、県民の幸せと魅力ある富山県づくりに邁進していくことをお誓いし、以下、質問に入ります。

 はじめに、県政運営の基本的方針について質問いたします。

 まずは平成27年度予算編成の基本方針についてであります。

 本県は依然として厳しい財政環境が続いており、行政改革や県債残高の縮減など財政の健全化に取り組んでいるところであります。

 一方、来年度は新幹線開業後、本県が次世代に向け新たなスタートを切る大事な年であります。

 先日発表された来年度予算の要求基準には、「とやまの未来創生戦略枠」を新たに設け、地方創生や人口減少対策、新幹線開業効果活用対策など、戦略的な取組みに対する重点配分枠などが、盛り込まれたところであります。

 これら、県独自の戦略的施策を推進し、さらには国と一体となった景気対策など、アベノミクス効果を県全体に波及させる施策が重要でありますが、何よりも歳入の確保を図ることが肝要であります。
 そこで、平成27年度当初予算編成にむけ、本県の税収の状況と財源確保の見通しはどうか、またどのような方針で予算編成に臨まれるのか、さらに税制改正、地方財政対策に対する国への働きかけの方針とあわせ、石井知事の所見をお伺いします。

 

 次に地方創生に向けての今後の取組みについてお伺いします。

 国では、臨時国会において地方創生法が成立しました。
 昨日、我が党から知事に対し、人口減少を克服し、次世代にわたる

活力ある社会の持続可能性実現に向けた取組みについて提言を行い、

その中で一番肝要な事は、東京一極集中からの脱却を図ること、即ち、

政府関係機関、企業の本社機能や大学の地方分散を進め、地方への新しいひとの流れをつくることが、先ず必要であることを申し上げたところであります。

 人口減少対策は待ったなしであります。

今こそ、富山から始まる大胆かつ新たな発想による地方創生の旗を打ち立て、果敢に挑戦する覚悟が求められております。

 地方創生法では、地方版総合戦略の策定について規定されており、これにそなえるためにも、(仮称)富山県創生本部を設置して、地方創生を推進すべきでないか、また、次世代につなぐ実効性のある戦略策定に向けての知事の所見をお伺いします。

 次に北陸新幹線開業に向けた取組みについて質問いたします。

 去る8月、県東部9市町村にまたがる「立山・黒部」が日本ジオパークに認定され、10月には、富山湾の「世界で最も美しい湾クラブ」への正式加盟が決定するなど、観光振興の追い風となる朗報が続いております。

 先月には、北陸新幹線開業に向け、「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」の全国宣伝販売促進会議が開かれ、「旅行のプロ」が現地に赴き、自分の目で県内の観光素材を確かめたところであります。

 その際「旅行のプロ」からは富山の魅力を評価する一方、「素材はあるが、情報が届いていない」、「観光地を結びつけるストーリー性があれば、商品化しやすい」など知名度不足や情報発信の弱さといった課題を指摘する声も挙がったと聞いております。

 開業までに残された時間は限られておりますが、新たな観光資源の追加や「旅行のプロ」の意見を取り入れ、県下各観光コースや宇奈月温泉などの滞在スポット、2次交通機関など、今一度、足元の受入れ体制を点検チェックする必要があります。

 また、エリアの魅力をさらに高めるため、新たな観光資源づくりや発掘を継続するとともに、これまでつながりの薄かった沿線各県とも連携し、広域観光の魅力創出にも努めるなど、未来を見据えた取組みが必要であります。

 そこで、新幹線開業効果を最大限活かすために、これまでの取組みの

点検チェック体制と新たな観光振興施策の推進について、知事の所見をお伺いします。

 

 次に首都圏情報発信拠点の在り方についてお伺いします。

 来年3月の北陸新幹線開業を目前に控え、石川県のアンテナショップが銀座に移転開業するなど、沿線県の首都圏情報発信拠点のリニューアルの動きが続いております。

 いきいき富山館は、売り上げ面で物産館が健闘する一方で情報館は、季節に合わせた情報を届ける企画などを打ち出してはいるものの、来場者が伸び悩み、利用率アップが課題となっております。

 先月末に開かれたいきいき富山館の在り方を検討する有識者会議において、委員からは、現行の物産館を存続させ、レストラン機能を併設した新拠点を銀座、日本橋などのエリアに設けるよう求める意見や

伝統産業を実体験できるコーナーなどの機能の追加を求める声などが

相次いだと聞いております。

 兎に角、新幹線時代にふさわしい新たな拠点づくりは、スピード感をもって取組みを進めることが求められます。 

そこで、新幹線開業を目前に控え、首都圏情報発信拠点・いきいき富山館の在り方について、早期に結論を出し、対応すべきと考えますが、知事の所見をお伺いします。

 次に地域活性化と環日本海交流について質問いたします。

 まず、環日本海交流についてお伺いします。 先月1822日までの間、中国・遼寧省との友好県省締結30周年を記念し、県友好代表団と日中友好県地方議員連盟訪中団が訪中し、交流の絆を深めたところであります。

 中国遼寧省とは、昭和59年の友好県省締結以来、県日中友好協会、日中友好県地方議員連盟をはじめとする各種友好団体や職員、留学生の相互派遣をはじめ、経済、観光、教育・文化、スポーツなど幅広い分野で活発に交流が広がり、尖閣諸島問題などで日中関係が悪化している中においても、地方同士の友好関係を維持し、着実に絆を深めきたところであります。

 今回の県友好代表団訪中では、今後一層の交流の貢献を誓い合ったほか、富山県と遼寧省との間では、これからの30年を見据え、各分野で交流をさらに深化させていくことを盛り込んだ協定書をあらためて交わされたところであります。

 そこで、友好代表団の派遣を終え、今回の友好交流をどのように評価し、

今後の両県省の友好関係について、どのような展望を描いておられるのか、知事の所見をお伺いします。

 

次に中小企業対策についてお伺いします。

富山財務事務所が9月に公表した「富山県内の法人企業景気予測調査」によると、

今年度の県内企業の経常利益の見通しは、29.4%の増益見通しでありますが、規模別では、中小企業はマイナス29.9%となっており、設備投資についても、全体で23.1%の増加見通しであるのに対し、中小企業では、マイナス18%の見通しで、いずれも大企業と対照的なものとなっております。

さらに、経営上の問題点として、「原材料高」を挙げている中小企業が増えているなど、依然として経営環境が厳しい状況であります。

 そこで、消費税増税後初めて迎えるこの年末に、県として、中小企業の特に資金繰りなどの問題にどのように対応していくのか、現状把握のみではなく先を見通した積極的な中小企業支援策により先手を打っていくことが県内経済の回復基調を維持・上昇させるものと考えますが、村田商工労働部長にお伺いします。

次に小規模企業の振興についてお伺いします。

小規模企業の振興については、昨年改正された中小企業基本法で、「小規模企業に中小企業施策の方針」が位置づけられましたが、それを更に一歩すすめ、小規模企業を中心に捉えた新たな施策体系を構築すべく本年6月に小規模企業振興基本法が成立したところであります。

 本県では、平成24年に中小企業振興基本条例を制定し、中小企業の振興・支援を進めてきているところですが、本県で9割近くを占める小規模企業の扱いについては、

条例では、「配慮する」という記載程度にとどまっております。

 県内経済の活性化には、小規模企業の振興を図る事が必要不可欠であります。

 そこで、6月に成立した小規模企業振興基本法を踏まえ、小規模企業の振興を図るような規定の見直しを行い、県内の小規模企業の事業の持続的発展・事業運営の積極的支援を行っていく必要があると考えますが、村田商工労働部長の所見をお伺いします。

 

次に公共事業の発注状況と今後の対策についてお伺いします。

昨年来、議会毎に、自民党代表質問において、切れ目のない発注と入札の不調・中止対策について質問を繰り返しているところですが、先般の報道によれば、本年度上半期の県の入札不調・中止については72件・全入札に占める割合は6.7%で、過去最多の前年同期を下回ったものの、それに次ぐ高水準であったとのことであり、構造的な問題があるのではないかと思われます。

発注の平準化に努めることで入札の不調・中止対策に繋げるという答弁も頂いていましたが、依然とした高水準であり、また、数字的なことはともかく、現場の声からは、

依然として年度初めの4~6月の仕事量が少ないので、工事準備期間を考慮すると

1~2月の発注が強く求められています。

公共工事の確実な発注かつ順調な進捗が県内経済の活性化の大前提と考えますが、十分とは言えない状況であります。

そこで、水田に絡む場所での道路・側溝などの工事の場合、4~6月に水田を借り上げての対応やゼロ県債の拡大などについても検討の余地があるのではないかと思いますが、特に年度初旬の現場の仕事量確保に向けて、今年度どのように取り組む予定か、

また、入札の不調・中止の原因をどう捉え、どのような対策を講じるのか、林土木部長にお伺いします。

また、除雪シーズンを迎えるにあたり、除雪体制や除雪委託業務の実情を反映した委託料の算定、支払いの対応について、林土木部長にお伺いします。

 次に今後の人口減少に伴う空き家対策についてお伺いします。

 昨年10月1日現在の富山県内の空き家数は、56,200戸、空き家率は12.8%でいずれも過去最高でした。  

 空き家は、景観の悪化や老朽化による倒壊などの問題が生じます。昨年発生した魚津市の火災において、空き家が消火活動の妨げとなり、延焼を拡大させたという例もあります。

 北陸新幹線開業を機に定住・半定住を促進する観点から、空き家は、貴重な活用資源となり得るものであると考えます。

 一方、現状のままでは利活用が困難な空き家について、撤去や再生など早急な対応が求められます。

県では、撤去に関する統一ガイドラインを市町村に通達し、一部市町村では、条例策定、

撤去に係る助成制度創設などに取り組んでいますが、空き家は一貫して増加し続けております。

 県では、今年度、連絡協議会の設置や空き家除却に対する市町村助成を実施しておりますが、市町村主体の対応には限界があり、今後中長期的に追いつかなくなっていくことも懸念されます。

 そこで、空き家対策について、県内の利活用困難な空き家の把握状況や「空家等対策の推進に関する特別措置法」の成立も踏まえ、県として、今後どのように取り組むのか、林土木部長に伺います。

次に農林水産業の振興について質問いたします。

 まず、県産米の品質向上対策と米価の下落についてお伺いします。

今年の県産米の1等米比率は10月末で86.5%と前年同期の68.2%を上回っておりますが、近年の状況は平成21年から、86.8%、65.8%、84.8%、76.4%、平成25年は、72.3%と不安定に推移していることから,本当に生産者と一体となった取組みが

定着しているのか疑問を感じざるを得ません。

 そこで、今年の県産米の品質向上に向けた取組とその成果、来年以降、確固たる品質向上にどのような取り組みを行っていくのか、知事の所見をお伺いします。

 また、米価の下落が危惧されています。農協と契約を結んでいる農家に支払われる概算金が全国的に過去最低の水準となっており、本県においてもコシヒカリ1等米で1万500円と、2013年産米より1800円減となっています。

 国の収入減少影響緩和対策により減収分の9割を補てんする仕組みはあるものの、米価の下落は農家の経営を不安定にさせ、

将来に対する見通しを

難しくするものと考えます。 そこで、米価下落に対しどのような取り組みを行っていくのか、さらに備蓄用米だけでなく飼料用米、加工用米へのシフトを県が誘導するよう

取り組むべきではないか、知事の所見をお伺いします。

 

次に食のとやまブランドの確立とマーケティングの強化についてお伺いします。

食のとやまブランドの確立については、「1億円産地づくり」による新たな野菜等の産地づくり、東京などでの各種PRイベントの開催、6次産業化など他分野との連携など様々な取り組みを実施しているところであり、JAとなみ野が大規模産地化しているタマネギなど一定の成果はみられるものの、全国で地方創生の中核に農林水産業の振興が据えられ、また、米の生産調整の終了を見据えた他の農作物への移行が進むことが

予想されることから、国内における競争がこれまで以上に激しくなると思われます。

 このため、ブランド化による商品の差別化の促進、魅力のある商品の開発、また6次産業化や農商工連携において販路開拓に苦心しているところが多いことから、マーケティングの強化が急務であると思われます。

このため、民間のノウハウを積極的に活用し、官民一体となった取り組みが必要と考えます。

そこで、食のとやまブランドの確立と富山の農林水産物のマーケティングの強化のために産学官に金融も含めた産学官金の連携強化に一層取り組むべきと思いますが、知事の所見をお伺いします。

 

 次に全国豊かな海づくり大会についてお伺いします。

 第35回全国豊かな海づくり大会が、本県で来年1024日、25日に開催されます。

北陸新幹線開業直後に開催されることは、水産業の振興のみならず、美味しい魚をはじめとした富山の食の魅力の発信、県民参加による森づくりやエコライフの活動など

本県の先駆的活動を国内外に広く知らしめる好機となると考えます。

また、1012日にはメイン会場である射水市において、1年前プレイベントである

「豊かな海づくりフェスタ・イン海王丸パーク」が多くの県民の皆さまが参加して開催されたところであります。

そこで、プレイベントの成果、課題をふまえ、来年の全国豊かな海づくり大会の本番に向けどのように取り組んでいくのか、須沼農林水産部長にお伺いします。

次に全国植樹祭についてお伺いします。

平成29年度に本県で開催することが決定している第68回全国植樹祭の会場が、「魚津桃山運動公園」となることが、1114日に正式に決定したところであります。

全国植樹祭は、国土緑化運動の中心的行事として、本県においては、砺波市頼成の森で開催された昭和44年以来、48年ぶり2回目の開催となります。

本県では、「水と緑の森づくり税」を活用し、生物多様性の保全や野生生物との共生を目指した里山の整備・保全を広く県民が参加し進めております。

全国に先駆けて開発した優良無花粉スギ「立山森の輝き」の全国へのPRなど、全国植樹祭の開催は、本県の林業振興に大いにプラスになるものであり、来年開催される全国豊かな海づくり大会と連携して取り組むことにより、本県の魅力をPRする絶好の機会と考えます。

 そこで、全国植樹祭の開催に向けた会場および周辺施設の整備、体制づくり、準備作業にあわせて、今回の開催決定を契機に、本県の林業振興についてどのように取り組むのか、須沼農林水産部長にお伺いします。

 次に安全・安心な暮らしの実現について質問いたします。

 まず薬業の振興についてお伺いします。

 県では、医薬品産業の持続的発展を図っていくため、製造技術力の強化、人材の確保、

国際化の推進に取り組んでおり、本年度は新たに、創薬マインドの促進と製剤技術力を強化するため、製剤開発と創薬研究支援ラボの整備に取り組むとともに、ジェネリック医薬品の治験を県内で迅速、効率的に行うための体制づくりに取り組んでおります。

 製剤開発については、本県に生産研究拠点のある富山化学工業が、富山大学との共同研究で開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」が、西アフリカで猛威をふるっているエボラ出血熱への効果があると期待が高まっており、いよいよギニアにある

「国境なき医師団」の治療施設において、臨床試験が始まるなど、県内企業の開発力に光があたっております。

 そこで、国の医療費抑制策によって、国内医薬品市場の大きな成長が期待できないなか、世界に目を向けた事業展開を行う製薬企業の県の後押しが必要と考えますが、どのように取り組むのか、あわせて、薬都・富山の一層の振興を図るため、研究機関や薬剤士を養成する大学の誘致に取り組むべきであると考えますが、山崎厚生部長の所見をお伺いします。

 

 次に女性の活躍の推進についてお伺いします。

 安倍内閣においては、女性の活躍推進を成長戦略の中核に位置づけ、2020年までに、全国の官庁、民間を含めて指導的立場にある女性の割合を全体の30%にする目標を掲げております。

 富山県の女性の就業をめぐる状況は、県内の女性就業率では平成22年の数値で49.9%、全国7位と高くなっておりますが、管理部門への女性の登用率は、5.7%、全国44位と低くなっております。

 その理由として、女性はこれまで、周りに女性の管理職が少ないことや、仕事と家庭の両立の問題により、様々な経験を積み、新しい業務や責任ある仕事に積極的に挑戦していく機会が、男性よりも少ない傾向にあることが考えられます。

 そこで、県として、今後どのようにして、女性が輝く社会の実現に向けたムーブメントを作り出し、女性の活躍推進に取り組んでいくのか、村椿生活環境文化部長にお伺いします。

 次に立山観光における安全対策について伺います。

 立山・黒部アルペンルートは、年間100万人もの観光客や登山客が訪れる国内有数の山岳観光地であります。

 一方で、立山 弥陀ヶ原は、現時点で、地震活動など噴火の兆しは見られないものの、日本に110ある活火山の一つであります。

 近年、室堂ターミナルに近い地獄谷周辺で噴気活動が活発化し、遊歩道の立ち入り禁止措置が2年以上続いております。火山活動の活発化の指摘もあります。

 このような中、気象庁は、24時間態勢で観測している活火山の対象に、新たに立山(弥陀ヶ原)を含む全国3カ所の火山を加える方針であると聞いております。

 県では、昨年11月に立山火山防災対策連絡会議を発足させ、火山防災対策の検討や避難対策等の推進を図っているところでありますが、立山が常時観測の対象に決まれば、現在の火山活動の状況をさらに詳細に把握でき、多くの観光客や登山客が訪れるエリアだけに、火山防災の監視体制充実が期待されるところであります。

 そこで、国、立山町、関係機関と連携して、万一に備えた対策を進めるべきと考えますが、日吉知事政策局長に所見を伺います。

 

 次に県民に信頼される警察の組織づくりについてお伺いします。

 本部長におかれては、現職着任以来、本県警察のトップとして県内各地の交通安全運動や防犯活動に携わり、歴代本部長屈指の現場至上主義の人であると敬意を表するものであります。

 本部長が現職に着任される以前に発生した事件でありますが、富山市大泉の資産家殺害・放火事件や高岡市野村の会社役員殺害事件など、県民の安全・安心な生活を脅かす凶悪犯罪事件が、未解決となっていることは由々しき問題であります。

 捜査活動を展開するうえで、県民からの有力な情報提供が最も重要でありますが、県民からは、警察はいかなる組織と写っているのか、県民目線で開かれた警察の確立、警察署協議会の活用や積極的な情報開示が必要であると考えます。

 また、警察官の不祥事が全国でも相次ぐ中、富山県警でも盗撮や中学生への破廉恥行為、家族定期券の不正使用などが発生しており、その都度、県警幹部からは、規律に照らし、処分が厳正に行われているとのことでありますが、県民目線で言うと、県民であれば、逮捕、氏名公表がされるが、警察官に対しては、厳正でない、処分が軽いという声も聞かれるところです。

 そこで、このような県警を取り巻く状況を踏まえ、安全・安心な地域社会実現のため、県民に信頼される警察の組織づくりについて、櫻澤警察本部長の所見をお伺いします。

 最後に明日を拓く人づくりについて質問いたします。

 近年、スポーツは、学校体育、競技スポーツはもとより、健康づくりなどさまざまな分野に広がってきており、スポーツは地域社会の活性化にも大きく貢献しているところであります。 国においては、2020年東京オリンピック・パラリンピックを視野に、

競技力の向上対策などを一元的に行う「スポーツ庁」を、来年度、文部科学省の外局として設置する方向で準備されていると聞いております。

 一方、このような状況の中、平成19年に地方教育行政法が改正され、全国的には、

スポーツ施策を総合的に推進するため、その所管を教育委員会から知事部局へ移管する

自治体が急速に増える傾向にあります。

 なお、本県の場合、平成18年、芸術文化の普及・啓発等を司る部門を、知事部局に

移管した経緯があるところであります。

 6年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け、官民一体となったスポーツを振興する情勢を踏まえて、本県においても、北陸新幹線の開業を記念したフルマラソンが

翌年11月に射水市で開催されるなど、スポーツを介した「元気とやま」を創造する機運が醸成しつつあります。

 このため、県として競技力向上等のスポーツ振興施策を司る部門を知事部局に移管又は創設し、総合的、部局横断的に取り組む組織体制の強化を図ることが必要と考えますが、知事の所見をお伺いします。

 次に富山大学の教職大学院についてお伺いします。

 富山大学では、今後の大学改革の柱のひとつとして、平成28年4月に「教職大学院」を設置することを計画していると聞いております。

 現在、グローバル化の進展など社会環境は日々刻々変化し、未来を担う人材を育成する学校教育に大きな期待が寄せられているところであります。

一方でいじめ、暴力行為、体罰問題などが社会問題となり、その根絶が喫緊の課題となっております。 このような教育現場において教員に求められるものは、生徒・児童への基礎的知識や技能の確実な習得に加えて、思考力や判断力を育む学習環境を提示する実践的な指導力や広い視野に立って新たな課題に柔軟に対応できる指導力、同僚と協働し組織として、対応できるマネジメント力、家庭や地域との連携を円滑に行うコミュニケーション力などを身につける必要があります。

 「教職大学院」の目的は現職の教諭が学び、自らの実践を理論に基づき振り返り、

更なる改善を図ることで学校経営を支える資質を体得すること、また、学生が現場に係る広い理解を持ち、自ら諸課題に取り組む能力を培うことで未来の学校づくりの一員となることを期待するものであり、「教育県・富山」の教員の質の高度化に資し、複雑多岐に亘る学校の問題を解決できる役割を果たすものと考えます。

 先月、再任が決まった遠藤大学長から全面的な支援・協力の申し出があったと聞いておりますが、県として全面的に支援する必要があると考えますが、今後、どのように支援・協力していくのか、知事の所見をお伺いします。

 次に特別支援教育の体制整備について

お伺いします。

 現在、市町村の小中学校においては209324名のスタディ・メイトの特別支援教育支援員の配置や特別支援学級457が存在しますが、県立や私立の高校において相当する人員や学級設置はないのが現状であります。 特別支援が必要な子どもたちは、小中学校や特別支援学校だけではなく、高校にも在籍していると考えられます。

加えて、小中学校で特別支援学級に在籍していた生徒の4割が高校に進学している状況を鑑みますと、早期の体制整備が課題であります。 教育の目的は生徒個人の特性に応じた支援を行い、個人が有する長所を伸ばし、その自立と社会参加に資することです。

 生徒一人ひとりが抱える事情や特性に関係なく、支援を行う必要がある考えますが、寺井教育長の所見をお伺いします。

 次に学力向上対策についてお伺いします。

 本年8月に結果が公表されました全国学力・学習状況調査で、本県は小中学生とも

全国平均を上回る結果となりました。学力向上対策検討会議を設置して実効性ある対策を検討し、教員の指導力向上を図る研修会を実施したことが一定の実を結んだものと考えます。

 しかしながら、一定の役割を果たしたとして、今回の結果をもって、本会議に一区切りをつけるとする当局の姿勢には違和感を覚えるものであります。

 好成績を修めたものの、前年度同様、知識力を問うA問題と比較し、応用力が問われるB問題の正答率は、いまだに低い傾向が続いており、読解力や活用力の向上に

課題が残されているのではないでしょうか。

 また、同時に公表された学習状況調査では、家庭学習の少なさが浮き彫りとなっております。 一過性の結果に一喜一憂することなく、現場の声を採用し、学力向上対策を

幅広い視野で継続することが肝要と考えますが、寺井教育長の所見をお伺いします。

 最後に4年制の看護大学の設置についてお伺いします。

 少子高齢化の一層の進展を踏まえ、若者・女性の県内への定着を促すことが求められており、そのためには、県内への大学の誘致や県内大学の充実、魅力の向上を図る必要があります。

 このような中、近年、めまぐるしく変化する看護・医療・福祉の状況に伴う様々な看護需要の増大、看護に対する期待が高まりつつあることを背景に、看護職への志望、大学での看護学修得の希望が増加する傾向が窺えるところです。

 しかしながら、全国的に看護系大学の新設事例が増える中、将来の「看護職人材」は

県外大学に流出していると聞いております。

 若者・女性の県内定着の促進や女性が輝く郷土づくり、医療の質の向上などの観点からも、本県において、看護大学を増やすことを、速やかに検討する時期が到来しているのではないでしょうか。

 以上のような状況を踏まえ、新幹線開業による首都圏との交通アクセス改善などが

図られるこの機会に県立の看護大学を新たに設置する必要があると考えますが、知事の所見をお伺いします。

 以上をもちまして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。

 

 

6月議会で質問に立つ!

2014年06月21日 更新

6月定例議会での質問内容(要旨と詳細)を掲載しましたので、よろしくお願いします。

 

●平成26年6月定例議会一般質問要旨

 

人口減少問題などについて質しましたので、掲載いたします。

また、質問した内容についても、今回掲載しますので、読んでいただければ幸いです。

 

問1 人口減少問題について

 

(1)県として人口減少問題に取り組んでいくにあたり、将来人口推計どおりに人口が減少した場合の具体的な県民生活への影響に関するシミュレーションを行い、早急に県内市町村と課題認識を共有のうえ、議論を開始する必要があると考えるが、所見を問う。

 人口減少問題に適切に対応していくためには、先ず、県内の各行政主体において現状を冷静に分析・把握したうえ、将来想定される課題に対し、県民とともに危機感を共有しながら、率直に向き合うことから始める必要があると考える。

 

(2)将来にわたって県民生活の基盤を維持していくため、人口減少社会を見据えた都市計画を行っていくことが重要であり、県が担う広域調整の役割もより重要となってくるものと考えるが、今後どのように対応していくのか、問う。

 各市町村が主体となってまちづくりを進めることは当然必要だが、先般、大型商業施設の立地を契機として都市計画のあり方に関する議論もあったところ。法的な限界もあるが、県がビジョンを示して主体的に広域調整に取り組むべきと考える。

 

(3)国全体で人口減少が進む中、本県の若者が大都市圏に流出することによる社会減は依然として大きい。この流出を食い止めるためには、若者にとって魅力ある県づくりやまちづくりが重要だが、どのようなビジョンを描いているのか、問う。

 

(4)児童養護施設に関し、国においては、施設のケア単位の小規模化、里親やファミリーホームなどの形態を推進する方針とのことだが、本県における対応と今後の取組み方針について問う。

 親の虐待等により、児童養護施設に入所せざるを得ない子どもたちが増えているが、人数の多い施設での養育には、情緒面でのケア等において限界もあると聞いている。

 

(5)本県における過去5年間の児童養護施設退所者数と退所後の生活実態の把握状況はどうか、問う。

 児童養護施設は原則18歳未満の子どもたちしか入所できない。退所に伴い就職支援を行っているとのことだが、早期に離職したり、音信不通となってしまうケースが多いと聞いている。

 

 

 

(6)児童養護施設等を退所し、就職する児童等の社会的自立を促進するため、自立援助ホームの設置を検討してはどうかと考えるが、所見を問う。

国では、家庭等の支援を受けられず、なお援助が必要な児童養護施設退所児童等に対し、就労相談、日常生活援助や生活指導等を行う施設として、自立援助ホームの設置を促しているが、本県は未設置である。

 

問2 公共交通対策等について

 

(1)県内における公共交通機関の乗り継ぎなどを調整する機関として、「公共交通協議会」を立ち上げ、利便性の向上に取り組んではどうかと考えるが、所見を問う。

ドイツには、乗客の利便性をより高めるよう、乗継料金やダイヤ編成等を検討し、交通事業者に対して調整・実施を求める組織があり、その効果によって生じた利益を交通事業者間で再配分するといった仕組みがある。

 

(2)並行在来線経営安定基金の造成を含め、地域公共交通の活性化に向けた施策に対して、宝くじから得られる市町村収益金を充ててもらえばどうかと考えるが、所見を問う。

 並行在来線に係る枝線交通網も含め、地域公共交通を県全体で維持していくため、地域公共交通施策を市町村の共同事業と位置付け、宝くじ収益金を管理する市町村振興協会から財源を捻出してもらう方法を提案したい。

 

(3)3つの新幹線駅を中心とした、バス・電車などの地域公共交通計画が確立されていないように感じるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。

 

(4)富山駅と東富山駅との間における並行在来線新駅の設置に関し、新駅へのアクセス道路の整備方針について、早急に詰める必要があると考えるが、所見を問う。

 富山大沢野線からのアクセスはもちろんのこと、国道8号から直接アクセスする道路についても検討すべき。道路利便は周辺開発にも大きな影響を及ぼすことから、機を逸することのないよう、早急な対応が求められる。

 

(5)自転車に係る交通規制の考え方はどうか。また、県内における自転車利用の普及促進に向け、自転車走行が可能な歩道区間等に関する情報を利用者に対してしっかりと示すべきと考えるが、取組みの現状と今後の対応方針について問う。

標識設置や路面表示の充実、ルートマップの提示などにより、自転車に係る道路交通情報を利用者に対してわかりやすく提供すべき。

 

 

(6)自転車利用者が通行帯を迷うことのないよう、表示を工夫すべきと考えるが、どのように取り組むべきと考えているのか、所見を問う。

 自転車は原則車道通行であるが、歩道の中には自転車通行ができる区間もあり、利用者にとってはわかりにくく不便である。

 

(7)郊外の住宅地からまちなかの主要地点までの間など、自転車利用者の通行頻度が高いと思われる道路区間をモデルルートとし、自転車利用者の利便に着目した道路整備等を行ってはどうかと考えるが、所見を問う。

 例えば、幅員が狭い区間においては、一方通行処理をし、従前の片側一車線を自転車専用レーンとして確保する等の方法も視野に、一連区間を自転車利用者がストレスなく利用できるようなモデルルートを作ってはどうか。

 

問3 環境対策等について

 

(1)富士山で導入されることとなった「保全協力金」の仕組みを参考に、立山地域の自然環境保全を目的とした「自然環境保全協力金」の徴収を検討してはどうかと考えるが、所見を問う。

 ラムサール条約湿地登録や、立山における排ガス規制条例など、自然環境保全に向けた機運の高まりが見られるとともに、新幹線開業により観光客の増加が見込まれる一方で、自然環境保全に係る人材育成など費用面での問題が懸念される。

 

(2)新幹線の開業を機に、改めて県景観条例の理念を踏まえ、本県における景観のさらなるレベルアップに向けて取組みを強化する必要があるのではないかと考えるが、所見を問う。

本県では平成14年の景観条例制定以来、美しい景観づくりに取り組んでいるが、実際には倒壊の危険性のある空き家や集積された廃車などが目立つところもある。ドイツをはじめとしたヨーロッパの農村や都市景観は本当に美しい。

 

●質問詳細

 

平成二十六年六月定例会 六月十九日 一般質問      中川 忠昭

以下、読上げ原稿です。

 

人口減少問題とどう向き合っていくのか。これからの最大の課題であると思います。

本県の人口は、平成十年の百十二万六千人をピークに減少が始まり、現在は百七万人代です。このままいけば、毎年約一万人ずつ減少し、2040年には八十二万人となるとの推計がでています。

さらに、日本創生会議では、いずれ消滅して行く可能性のある自治体を発表し、本県では五市町が該当するという推計結果を出し、警鐘を鳴らしました。

人口が減少するとどうなるのか。税収が減り、社会保障や公共交通、学校などの行政サービスが維持できなくなる状況が先ず頭をよぎります。

例えば、北海道の夕張市を見ればわかります。一時は十ニ万人いましたが、今や1万3千人となっています。その結果、市民税や下水道使用料などは値上げされ、ゴミの収集も有料化、小中学校もそれぞれ統合され1校ずつに、図書館や美術館は休廃止され、市役所の出先機関も全て廃止。市職員も260人から100人となったそうです。

行政の在り方も大きく変わり、行政サービスもきめ細かく住民に届けることができなくなったために、街を集約化し、効率的な暮らしを基本とする「コンパクトシティー」を目指しているというよりも、目指さざるを得ない状況に陥ったということです。

本県でも、少子高齢化対策など、これまで種々、講じてきましたが、それでも現実は減り続けています。

誰もが自分の住んでいるところの人口が減少し、まちが縮んでいくことは望んでいません。だから、現実から目をそむける、厳しい実態について喋らないし、将来について想像もしない、というのが現状ではないでしょうか。

悲観し過ぎるのも、良くないでしょうが、「まあ、なんとかなる」という根拠のない楽観論は、より危険だと思います。

真の有効な対策を講じるには、先ず、行政と県民が冷静にその状況を認識することです。

先の、自民党の代表質問で、知事は、「子ども対策・人口減少対策本部(仮称)」を立ち上げ、部局を横断的して、その対策にあたることを言明されたことは、評価いたしますが、本県においては、人口減少に対する危機感がまだまだ不足していると思います。

人口が減少すると、空き家が増え、人通りが途絶え、公的病院や公共施設などの利用者も減り、小中高校には施設に見合わぬ、少人数の児童生徒しかいないなど、様々な影響が生ずることが想像されます。

人口減少社会においては公共施設が果たしてどのように維持されていくのか、大変大きな課題です。

これから更新時期を迎える公共施設が順次増えると思われますが、公共施設の改廃などの問題に関しては、人口減少社会に対応したまちづくりを原点に立ち返って見直し、判断を下す必要が生じてくるものと想定されます。

こうしたことから、本県のようなコンパクトな県において、人口減少社会に対応していくにあたり、市町村と共通の認識に立つということが最も大事なことと考えます。

その上で、公共施設など更新時期を迎えた時の、

廃止か統合かといった意思決定を、県と市町村、県内市町村同志が連携協力して行う必要があると思うのであります。

その第一歩として、先ず、県内の各行政主体において現状を冷静に分析・把握したうえ、将来想定される課題に対して危機感を共有しながら、率直に向き合うことから始める必要があると考えます。

そこで、県として人口減少対策に取り組んでいくにあたり、将来人口推計どおりに人口が減少した場合の具体的な県民生活への影響に関するシミユレーションを行い、早急に県内市町村と課題認識を共有したうえ、議論を始める必要があると考えますが、石井知事のご所見をお伺いします。

 

また、まちづくりは、各市町村が主体となって進めることは当然必要なことですが、先般、大型商業施設の立地を契機として都市計画のあり方に関する議論もあったところです。 県としては法的な限界もありますが、

県がビジョンを示して主体的に広域調整に取り組むべきと思うのであります。

そこで、将来にわたって県民生活の基盤を維持していくために、人口減少社会を見据えた都市計画を行っていくことが必要であり、県が担う広域調整の役割もより重要となってくるものと考えますが、今後どのようにして対応して行くのか、知事に、ご所見をお伺いします。

 

また、地方の人口減少対策の要は、特に、若者の大都市圏への流出を止めることです。

そのためには、若者を呼び戻す魅力ある地域拠点都市をつくることが大切であり、東京一極集中から地方への多極集中政策に変えることが必要です。

若者を呼び戻す魅力的な都市とはどのような街か。

それは、働く環境が整っていることは当然として、コンパクトなまちづくりにより、若者を惹き付ける公共サービスが受けられる街をつくることではないかと考えます。

そのコンパクトな拠点同士を交通・情報ネットワークで結ぶことで、行政や医療・福祉、商業などのサービスの効率化や質の向上を図るとともに、コンパクト化によって生まれた新たな集積から、人・モノ・情報が活発に行きかい、新たな価値の創造やイノベーションに繋がって行くことが可能になると考えるのであります。

そこで、国全体で人口減少が進む中、本県の若者が大都市圏に流出することによる社会減は依然として大きいので、この流出を食い止めるためには、若者にとって魅力ある県づくり、まちづくりが重要と考えますが、知事はどのようなビジョンを描いておられるのか、ご所見をお伺いします。

 

つぎに、こども対策について伺います。

せっかく子供が生まれても親が親としての責任と役割を果たすことができず、親の虐待、特に保護の怠慢・拒否によって、健全に育つことができない子供たちが多くなっている実態があります。

その子供たちは、児童養護施設に入所し養育を受けざるを得ない状況になりますが、人数の多い施設での養育には、実母から注がれる愛情にまで至らないとか、情緒面でのケア等において限界もあると聞いています。なんとか、健全に育って社会に送り出したいと思うのであります。

そこで、児童養護施設に関し、国においては、施設のケア単位の小規模化、里親やファミリーホームなどの形態を推進する方針でありますが、本県での対応と、今後の取組み方針について、山崎厚生部長にお伺いします。

 

また、児童養護施設には原則十八歳未満までしか入所することができません。

退所の際には、就職支援を行っているとのことでありますが、早期に離職したり、音信不通となってしまうケースが多いと聞いております。

中学や高校を卒業したばかりで、いきなり、就職、しかも外で一人きりで生活しなければなりませんし、相談相手もいない状況というのは、大変不安なものだろうと推察します。

そこで、本県における過去五年間の児童養護施設退所者数と退所後の生活実態の把握状況はどのようになっているのか、厚生部長にお伺いします。

 

また、国では、義務教育を終了して、児童養護施設を退所して就業する二十歳未満の児童で、家庭等の支援を受けられず、なお援助が必要な児童に、就労等に関する相談、日常生活上の援助や生活指導などを行う施設として、児童自立生活援助事業、いわゆる自立援助ホームの設置を促していますが、本県では未設置であります。

そこで、児童養護施設を退所し、就職する児童等の社会的自立を促進するため、自立援助ホームの設置を検討すべきと考えますが、厚生部長にお伺いします。

 

次に公共交通対策等について伺います。

今後の本県の公共交通は、並行在来線、JR線、ライトレール、万葉線、地鉄線、さらにバス路線など様々な交通事業者が複合的に担っていくことになるものと想像されますが、

これらの地域公共交通を将来にわたって維持していくための一番の課題は乗り継ぎや料金体系を便利にし、利用者の利便を図ることで利用度を高め、安定的な運行収入を確保することであります。

 

先般、ドイツを視察した際、乗客の利便性がより高くなるように、乗継料金やダイヤ編成等を検討し、交通事業者に対して調整・実施を求める組織があり、その効果によって生じた利益を交通事業者間で配分すると言った仕組がありました。

そこで、本県で、県内における公共交通機関の乗り継ぎなどを調整する機関として「公共交通協議会」を立ち上げ、利便性の向上に取り組んではどうかと考えますが、日吉知事政策局長に所見をお伺いします。

 

また、いよいよ来年三月には新幹線が開業し、並行在来線も、あいの風鉄道により運行されますが、県民の足として、安定・持続的な経営が求められているところです。

経営の安定化に向け、並行在来線の開業後の安全対策への投資、運賃値上げの一定程度の抑制、利用促進対策等の取組みを支援するため、県、市町村、民間企業からの拠出と寄附により「経営安定基金」が設置されることになっており、その拠出額は県30億円、市町村30億円とし、加えて民間からの寄付を5億円程度見込み、総額65億円を確保する計画で、そのうち県と市町村の拠出額については、毎年度計画的に拠出することになっていると聞いています。

県内市町村の中には、並行在来線が通っていないところもあるわけですが、公共交通網を県全体で面的に維持していく重要性・必要性を各市町村が理解された結果、こうした計画となったものと認識しています。公共交通施策に関しては、県内自治体は運命共同体であり、その維持に向け、力を併せて取り組んでいかねばならないとの気持ちが、まさに形になったものではないかと考えます。

その市町村別の拠出額については、出資割合、新幹線駅の整備、新幹線の増収等を参考に決めることとなっていますが、この際、宝くじから得られる市町村収益金を有効に活用してもらってはどうかと考えます。

また、並行在来線に係る枝線交通網も含め、地域公共交通を県全体で維持していくため、交通施策を市町村の共同事業と位置付けたうえ、今後の経営安定基金の造成を含めた地域公共交通の活性化に向け、宝くじから得られる市町村収益金を市町村振興協会から施策財源として捻出してもらうことを提案いたしますが、こうした考え方に対する所見を知事政策局長にお伺いします。

 

次に、新幹線開業に伴い、乗客数の増加と、3つの新幹線駅に集中されることが予想されるので、その3駅を中心にしたバスや電車の運行が当然利便性を増すダイヤ編成にしなければなりません。

しかしながら、新幹線の三駅を中心にしたバス・電車などの地域公共交通計画が未だに確立されていないように感じますが、今後どのように取り組んで行くのか、知事政策局長にお伺いします

 

次に、富山駅と東富山駅間の新駅設置場所が決まり、一日も早い開設を期待するものでありますが、アクセス道路について質問します。

今のところ、県道富山大沢野線から新駅にアクセスする道路だけが考えられているようですが、この県道は今でも朝夕は渋滞が恒常化していることも十分念頭に置いて新駅利用者の利便性を考える必要があります。

新駅へのアクセス道路は、周辺地の利便性を左右し、駅新設後の周辺開発にも大きな影響を及ぼす重要な問題であり、円滑な周辺開発を促すためにも、機を逸することなく、早急に方針を示す必要があると考えます。また、その検討にあたっては、その利用者の利便に配慮し、県道富山大沢野線からのアクセスはもちろんのこと、国道8号線から直接アクセスできる道路の整備についても検討すべきと考えますが、林土木部長にお伺いします。

 

次に、自転車の通行について伺います。

これも、ドイツの視察の際の話ですが、現地では自転車の普及がかなり進んでおり、自転車専用道がキチンと整備されていることに、驚きました。

自転車の普及は、健康面、環境面からも促進していく必要があると考えますが、日本では、道路構造等において自転車の通行環境の差に大きな課題があると感じています。

日本では、自転車が通行できるのは、原則として、車道で、歩道は例外であり、歩道で通行できるのは、「自転車歩道通行可」の標識等があるところ、とのことです。

そこで、私も自宅から自転車で市街地まで実際に通行してみましたが、歩道の路面に自転車マークのあるところ、ないところ、急に歩道が狭くなるところ、段差があらわれるところ、小路と交差するところなど、難所が多く、大変厄介に感じました。また、道路を横断するところでは、「自動車が来るのではないか」と、注意しながら通行するものの、大変危険が多いと実感しました。なるべく原則通り車道を通行しようと心がけても、どこから歩道通行がダメなのかもわからない、ような、状況でありました。

そこで、まず、自転車に係る基本的な交通規制の考え方はどのようになっているのか。

また、自転車通行に関する標識設置や路面表示の充実を図ることや、自転車が通行可能な歩道がある区間をルートマップで提示するなど、自転車に係る道路交通情報を利用者に対して、わかりやすく提供すべきと考えますが、これまでの取組みの現状と今後の対応方針について、桜澤警察本部長にお伺いします。

 

また、先ほど述べた通り、実際に通行帯を意識しながら自転車に乗っても、どこを通ればよいのか迷ってしまうのが実態です。

自転車は原則、車道通行といっても、歩道でも自転車が通行可能な区間もあり、利用者にとってはわかりにくく不便であります。

そこで、自転車利用者が通行帯を迷うことのないような表示を工夫すべきと考えますが、どのように取り組むべきと考えておられるのか、警察本部長にお伺いします。

 

また、本来は安全確保の為、歩道、自転車道、車道がしっかりと区分された道路が理想的だと考えますが、道路幅員が狭い場合も多く、自転車レーンの確保は物理的に難しいのが実態だろうと思います。私は、幅員が狭い区間においては、現道を一方通行処理し、従前の片側一車線を自転車専用レーンとして確保する等の方法も有効ではないかと考えます。ただし、車の通行への悪影響等が懸念され、全域での導入は非現実的でしょう。

そこでせめて、郊外の住宅地からまちなかの主要地点までの間など、自転車利用者の通行頻度が高いと思われる道路区間をモデルルートとし、自転車利用者がストレスなく利用できるような道路整備を行ってはどうかと考えますが、土木部長にお伺いします。

 

最後に、環境対策等について伺います

最近、立山地域では、立山連峰の万年雪が日本初の氷河として確認されたり、弥陀ヶ原・大日平の湿原がラムサール条約の湿地に登録されたり、雷鳥の生息数も増えるなど自然環境のすばらしも増している中で、今議会でバスの排気ガスの規制をする条例が提案されるなど、自然環境保全に向けた機運が高まってきております。

こうした中、来年の新幹線開業に伴い、立山地域への観光客も増加が見込まれます。しかし、何よりも自然環境があっての観光客であり、しっかりと立山の貴重な自然環境や景観を維持・保全していくことが一番大切なことであります。

そのため、自然環境保全に係る人材育成など、さまざまな費用面での問題も懸念されます。

そこで、富士山で導入されることとなった「保全協力金」の仕組みを参考に、立山地域の自然環境保全を目的とした「自然環境保全協力金」の徴収を検討してはどうかと考えますが、村椿生活環境文化部長に所見をお伺いします。

 

また、県全体の自然環境は素晴らしいが、実際に歩くと課題もあります。これからは、ゴミのない、美しい景観が訪れる人にとって極めて大切なポイントであると思います。

本県では平成十四年の景観条例制定以来、美しい景観づくりに取り組んでいますが、

農業集落に近づくと壊れた農機具が放置してある、あるいは空き家が壊れそうになっている。廃車が山積みされたまま放置されている、ゴミが放置されているなどまだまだ本当に美しいとは言えない状況がたくさんあります。

ドイツをはじめヨーロッパの景観、農業集落などは歩いてみても本当に綺麗で美しいのであります。

そこで、新幹線の開業を機に、改めて県景観条例の理念を踏まえ、本県における景観のさらなるレベルアップに向けて取組みを強化する必要があるのではないかと考えますが、土木部長に所見をお伺いしまして、私の質問を終わります。

 

 

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