中川ただあき|富山県議会議員|自民党

平成最後の県議会2月定例会

2019年03月05日 更新

一般質問に立つ  (平成31年3月1日)

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防災対策、道路整備の社会資本整備について、人手不足対策、水橋地区国営事業の推進、立山砂防の世界遺産登録、県営武道館の建設などについて質しました。
以下、質問要旨、並びに全文を掲載します。

問1 社会資本整備について

(1)防災・減災対策をはじめ、道路舗装や橋りょうの架け替えなど社会資本整備に係る予算の確保に向けた決意と取組み方針について、新年度における河川改修や砂防事業など災害に強い県土づくりへの取組みと併せて、問う。
 大災害による被害は甚大であり、復興にも長い歳月がかかることを考えれば、防災対策にもっと予算をかける必要がある。国の3か年の緊急対策に合わせ、予算を増額しているが、3年間に限定せずに、必要であればその後も事業費の確保に努めるべき。

(2)北陸自動車道富山インターでの渋滞対策として、交通量調査を行った上で、国道41号へのスムーズなアクセス方法や、流杉スマートインターや富山西インターから富山市内への分散したアクセスも視野に入れた道路網の形成を検討すべきと考えるが、問う。
 現在でも富山インターで降りる際に渋滞が頻繁に起こっており、今後、東海北陸自動車道の全線4車線化も見据えると今のうちから対策を行う必要がある。

(3)草島東線では交通量増に伴う渋滞が恒常的に発生しており、富山市東部地域や上市町、立山町から市内中心部へのアクセス改善には、富山環状線の整備、特に国道41号への接続が大きな課題となっているが、今後どのように取り組むのか、問う。
 現在進めている交差点改良等を評価するが、下堀交差点から国道41号へのアクセスについては、住宅地に自動車が入り込み危険な状況にある。

(4)社会資本整備にあたり、建設業等の労働力不足が顕著となっている中で、特に新年度は事業費が大幅増となっているため、平準化や受注しやすい工区の切り分けなど、発注に工夫が必要だと考えるが、どのように対応するのか、問う。
 予算額を努力して確保しても、それを消化できないと、財務省から地方では事業を受ける力がないとみなされ、次年度以降の予算縮小につながるおそれもある。

問2 人手不足対策について

(1)依然として求人倍率が高く、充足率の改善のきざしが見られないが、この1年間、どのような対策を講じ、どのような成果があったのか、問う。
 昨年の2月議会で、人手不足の窮状を県民に知らせ、緊急雇用確保対策本部の立上げなどを提案した際には、今後、全庁を挙げてこの課題に取り組むとされていたが、この間の成果について、数値などで具体的に示して欲しい。

(2)若者や女性、高齢者などを含めた就職に関する窓口を一本化した人材活躍推進センターが創設されるが、どのような背景から創設に至ったのか、また、どのような目的、具体的な成果を目指しているのか、問う。
子どもの生まれる数は減り続けており、今後も人材確保については厳しい課題が待ち受けている。また、新年度に移住施策を拡大することは評価するが、移住された方がどのような職業について活躍されるのかも大きな課題だと考える。

問3 農業問題について

(1)国営緊急農地再編整備事業「水橋地区」については、北陸初の大型ほ場整備事業であり、全国からも注目を集めているが、この地域での農業経営について、どのような姿を描き、県として支援していくのか、問う。
 2021年の工事開始に向け、作付け体系も含めた営農計画や水田規模のさらなる大区画化による生産性向上、流通体制の整備等を検討し、全国のモデルとなるように関係機関が一体となったプロジェクトチームを設置して支援すべき。

(2)水橋地区では、水田としての機能を保持しながら、高収益作物の導入を図っていくことが重要であり、白岩川水系への排水対策を講じながら水田の汎用化を図っていく必要があるが、どのように取り組むのか、問う。

(3)水橋地区について、今後、土地持ち非農家も増えることから、用排水路の管理について、土地改良区の在り方も問われるが、どのような管理体制を築いていくのか、県としてどのように指導を行っていくのか、問う。
 3つの土地改良区の合併も視野に入れて、考えていく必要があるのではないか。

(4)今後、測量・設計や工事を行う際には、将来の維持管理や地元経済の発展のためにも県内企業が参入することが重要であり、国に強く働きかけるべきと考えるが、今後の取組みについて、問う。

(5)今後整備される水橋地区をはじめ、生産性や付加価値の高い農業を確立するためには、栽培技術や土壌改良などの指導を行う普及指導員の増員を図るべきと考えるが、問う。

(6)「富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針」の重点品目に、海外での和食ブームも考慮し、醤油・味噌などの醸造品を追加できないか、問う。
現状は、コメ・コメ加工品、日本酒、水産物・水産加工品となっているが、醤油や味噌といった醸造品を付け加えることによって、コメの生産振興にもつながる。

問4 立山砂防の世界遺産登録について

立山砂防の世界遺産登録に向けて、立山カルデラ砂防博物館を拠点とし、ガイドを充実させるなど、国内外や流域住民により多く来てもらい、その価値や役割をもっと認識してもらうべきと考えるが、シンポジウムでの新たな関係者の取り込み方策と併せて、問う。
登録に向けた課題として、①国内外のより多くの方々に現地に来てもらい、その価値を認識してもらうこと、②毎年のシンポジウムにおいて新たなつながりや関係者を広げていくこと、③流域住民の方に立山砂防のおかげで安心して暮らせているという認識を持ってもらうことが挙げられる。

問5 人づくりについて

(1)総合計画の「人づくり」において、「家族や地域の絆、ふるさとを大切にする子どもの育成」という政策を掲げているが、具体的にどのように子どもに家族や地域の絆の大切さを教えているのか、問う。
児童虐待や家庭内暴力など痛ましい事件が多いが、一因として自己中心的な考えが親や子どもにまん延していることにより、国家の基本的共同体組織である家族が崩壊し、機能が損なわれているのではないか。

(2)グローバル化が進展する中で、外国人と信頼関係を結んで付き合っていくには、自らのアイデンティティについて、自信をもって答えられることが重要であるが、どのような教育を行っているのか、問う。
外国人は、「ふるさとのこと、日本がどうやってできたのか、自らの宗教は何なのか」などの問いに対して、堂々と自信をもって応えなければ、人として信頼できないとされ、付き合ってもらえないと言われている。

(3)武道精神の涵養の場として、また、富山県教育のシンボルとしての「人づくり」を進めるためにも県営武道館を新設すべきと考えるが、所見を問う。
人を思いやって行動することを武技の稽古を通じて学び、人格を磨き、地域社会に貢献できる人を育てる武道精神が重要。武道館の新設には11万人を超える署名が集まったことを重く受け止めてもらいたい。


(質問全文)
平成の御代から新しい御代に。平成の三十年間を振り返り、印象深いのは、本県では、北陸新幹線が開業したことであり、全国的には、自然災害が非常に多かったこと、潜在成長率が、右肩上がりから右肩下がりに下落し続けていること、そして、日本の信頼を揺るがせる事件が多かったこと、などでありますが、若者があらゆるスポーツに果敢に挑戦し国民に夢と感動、勇気を与えたことであります。
本県はご承知のとおり、明治16年に石川県から独立しました。その理由は毎年のように洪水に見舞われ、石川県側から予算が来ず、その復旧が進まなかったためです。独立した当時は、予算の大半をつぎ込んで復旧復興を図り、県民が安心して暮らせる県土づくりの発端となったのであります。
今日あるのも、そうした先人の努力と精神があったからこそ、災害の比較的少ない県になっているのであります。
一度大災害が起きると甚大な被害が発生し、元に戻すには莫大な費用と歳月がかかるために、先手を打って災害を減らすことが肝心であります。
ところが、国では、財政健全化という名のもと、社会資本整備への投資は年々減少し、防災予算も年々減少傾向、これでは一度災害が起きれば国土、県土が復旧できるどころか、そのまま放置せざるを得ないみすぼらしい状況になるのは目に見えています。ですから、防災減災対策にもっと予算をかける必要があるのであります。国では、今回はじめて3か年の防災緊急対策として、補正予算及び31年度予算で増額しましたが、3か年に限定せずに、その後も事業費の確保に努めるべきであります。
経済財政諮問会議で、地方の社会資本整備は概成しているという認識ですが、防災減災対策予算が非常に不十分であると同時に、道路舗装や橋梁の架け替えなどまだまだ社会資本の整備が必要であり、我々も必要性を国に向かって、特に財務省に向かって言い続けますが、知事には先頭に立って必要性を訴えていただき、予算の確保に一層の努力をしていただきたいのでありますが、その決意と取組み方針について、石井知事にご所見をお伺いいたします。
あわせて、平成三十一年度における河川改修や砂防事業などの災害に強い県土づくりにどのように取り組むのか、お伺いたします。
次に、道路関係について伺います。東海北陸自動車道の早期の4車線化は本県経済の発展のためには、絶対に必要でありますが、北陸自動車道の富山インターチェンジでの降りる際の渋滞が頻繁に起きています。その待ち時間も15~30分ぐらいになることもあります。これでは折角高速自動車道を使って早く来たかいがありません。
そこで、交通量を調査し、41号線へのスムーズなアクセス方法や流杉スマートインターと、富山西インターからの富山市内への分散したアクセスも視野に入れた道路網の検討を開始すべきと考えますが、水口土木部長に伺います。
また、草島東線の交通量増に伴う渋滞が恒常的に発生していることから、富山市東部地域や上市町、立山町から市内中心部へのアクセス改善には、富山環状線の整備が重要となっており、現在、3つの交差点改良、拡幅工事をプロジェクト並みに同時に進めていただいており、大変感謝しております。しかしながら、特に、下堀交差点から国道41号へのアクセス道路がないために、住宅地に自動車が入り込み大変危険な状況におかれています。
そこで、国道41号への接続が大きな課題となってきており、今後どのように取り組むのか、土木部長に伺います。
さて、近年、社会資本整備事業の激減と発注時期の集中から建設業の安定した経営が成り立たなくなってきています。国からの予算額を努力して確保しても、それを消化できないと、財務省から地方では事業を受ける力がないとみなされ、次年度以降の予算縮小につながる恐れがあります。
そこで、社会資本整備にあたって、建設業等の労働力不足が顕著となっている中で、特に、新年度は事業費が大幅増となっているため、平準化や受注しやすい工区の切り分けなど、発注に工夫が必要であると考えますが、どのように対応していくのか、土木部長に伺います。

次に、人手不足対策について伺います。
平成29年の有効求人倍率は1.7~1.8台で推移していましたが、平成30年1月から1.98倍と跳ね上がり、現時点でも、依然として有効求人倍率が高い状況が続いており、あらゆる職種で充足率の改善の兆しがないのであります。昨年の2月議会で、人手不足の窮状を県民の皆さんに知っていただいて、緊急雇用確保対策本部などを立ち上げて対応すべきと提案しましたところ、この課題に対して、全庁挙げて取り組むと答弁されておりましたが、
この1年間、これまでどのような対策を講じ、どれくらいの成果があったのか、数値など具体的に示していただきたいのであります。伍島商工労働部長に伺います。
国難ともゆうべき人口減少問題、本県でもまさにその通りであり、いかにして持続発展できるのか大きな課題であります。昭和22年生まれが約41,000人いましたが、その後どんどん下降し、昨年生まれた子供は、速報値によれば、ついに7,000人を割りました。この少人数でどのように日本や本県を担っていくのか大変厳し課題が待ち受けています。
本県の平成31年度当初予算案は人材の確保に重点をおいたものであり、東京からの移住拡大を狙う、特に移住支援交付金事業など積極的な取組みを評価したいと思いますが、移住された方々がどのような職業について活躍をされるのかも大きな課題であると思います。
そこで、今回、若者や女性、高齢者などを含めた就職に関する窓口を一本化した人材活躍推進センターが創設されますが、どのような背景から創設に至ったのか、また、どのような目的で、具体的な成果を目指しているのか、知事にお伺いいたします。

次に、農業問題について伺います。
国営緊急農地再編整備事業「水橋地区」の地区調査の採択が間もなく正式に決まりますが、これまでの知事を先頭に立った県のご尽力に心から感謝いたします。また、さる2月21日には水橋地区国営土地改良事業促進協議会設立総会が、石井知事、堂故参議院議員、奥田北陸農政局長出席のもと開催され、知事からは「成長型の農業モデルとしたい」との力強い言葉もあり、地元関係者は将来への期待と早期完成を願わずにはいられませんでした。
この水橋地域は大正から昭和の初めにかけて全国でも先駆けの区画整理(10a)に取り組んだところであり、それ以来1世紀ぶりに今回の1ha~1.5haの圃場整備に取り組むことになります。県営事業で取り組む面積を合わせれば約800haの大きな団地となり、あらゆる面から先進的かつ生産性の上がるモデル地域として取り組む必要があると考えるのであります。
そのために、2021年の工事開始に向けて、作付け体系も含めた営農計画や水田規模のさらなる大区画化による生産性の向上、流通体制の整備などを検討し、全国のモデルとなるように関係機関が一体となったプロジェクトチームを設置し支援すべきと考えます。
そこで、水橋地区については、北陸初の大型ほ場整備事業であり、全国からも注目を集めていますが、この地域での農業経営についてどのような姿を描き、県として支援していくのか、知事にお伺いいたします。
また、水田として機能を保持しながら、高収益作物の導入を図っていくことが重要であり、白岩川水系への排水対策を講じながら水田の汎用化を図っていく必要がありますが、どのように取り組むのか、芝田農林水産部長に伺います。
さらに、今後、土地持ち非農家も増えることから、用排水路の管理について土地改良区の在り方も問われますが、3つの土地改良区の合併も視野に入れて考えていく必要があるのではないかと思うのであります。そこで、どのように管理体制を築いていくのか、県としてどのように指導していくのか、農林水産部長に伺います。
また、今後、換地や工事を実施するには測量設計業者が、工事実施には建設業者が必要でありますが、将来の維持管理や地元経済の発展のためにも地元である県内企業が参入していくことが極めて重要なことであります。このことを、国に強く働きかけるべきと考えますが、今後の取組みについて、農林水産部長に伺います。
次に、農業普及指導員についてであります。監査でも毎年申し上げ、農業普及指導員の増加を求めていますが、毎年減少していることは非常に残念であります。作物を栽培するには、土壌や作物の性質、天候などあらゆる要素を知ったうえで品質の良いものが栽培できるのであります。AIや情報技術が進んだからと言って農業普及指導員を減らすのではなく、今後整備される水橋地区をはじめ、生産性や付加価値の高い農業を確立していくためには、栽培技術や土壌改良の指導を行う農業普及指導員の増員を図るべきと考えますが、農林水産部長に伺います。
次に、農林水産物の輸出について伺います。
平成29年度に策定された「富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針」に基づいた「重点品目」にコメ・コメ加工品、日本酒、水産物・水産加工品がありますが、和食(日本食)ブームもあり、醤油・みそといった醸造品も付け加えることによって、米などの生産振興にもつながると考えられることから追加することはできないのか、農林水産部長に伺うものであります。

次に、立山砂防の世界遺産登録について伺います。
昨年9月30日、富山国際会議場で「日本固有の防災遺産、立山砂防の防災システムを世界遺産に」をテーマに世界遺産登録推進シンポジウム2018「立山砂防シンポジウム」が開催されました。
シンポジウムでは、立山砂防について、次のような意見がありました。
流域全体の水系一貫管理の優れた事例であり、砂防の技術者や環境、地質などの専門家が学際的にチームとして成し遂げたもの。
流域の住民の生命、福祉をいかに守るかという役割からも世界的にも重要な文化遺産である。
流域の降水量の多さや人口密度の高さを考えると、立山砂防は世界的にも桁外れの規模、傑出した防災施設だ。自然災害、特に洪水との闘いは重要でありまさに人間の強靭性を表している。世界の防災施設を見ても持続可能で安全なものはなかなかありませんが、立山砂防は自然災害のリスク軽減、自然と社会の共生、生物多様性を証明している。自然災害と共に生きるには、立山砂防技術が世界で役立つ。など絶賛の意見が多く出ました。
今後の課題については、「砂防」という言葉が世界ではあまり知られていない。立山アンバサダー、親善大使が必要だ。自然災害が世界中で起こっている中、立山の傑出した遺産の強いシグナルを世界発信しなければならない。立山は神聖な山であり、景観は素晴らしい。技術面の価値だけでなく、歴史や伝統的な価値、文化的景観をもっと評価すべきであるなどと貴重なアドバイスが得られました。
 このようなことを踏まえ、昨年11月の決算特別委員会でも知事に強く申し上げましたが、特に以下の3点が課題だと考えられます。
1点目は、毎年、シンポジウムを開催されていますが、毎年同じ人が集まっているように思えるので、新たなつながり、関係者を広げていくような取組みが重要ではないか。
2点目として、国内外の多くの方々に実際に現地にきてもらい、説明を聞いてもらって、その価値を認識してもらうことが重要ですが、それにはガイドが足りていないのではないか。
3点目として、やはり県民、流域住民の方に、立山砂防に守ってもらっているおかげで安心して暮らせているという認識を持ってもらう、そのためには、現地に来て実際に見てもらう仕組みづくりが重要であると思うのであります。。
そこで、立山カルデラ砂防博物館を世界遺産登録に向けた拠点とし、ガイドも充実させた上で国内外や県民、流域住民に実際に来てもらい、その価値や役割をもっと認識してもらうようにすべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、シンポジウム等での新たな関係者の取り込み方策と併せて、知事にお伺い致します。

最後に人づくりについて伺います。
石井知事の最も重要な施策の一つに、「人づくり」があります。
中でも、将来を担う子供の育成方針として、「優れた知性、豊かな心、たくましい体を持った子どもの育成」、「チャレンジ精神あふれる、困難にくじけない子どもの育成」、「家族や地域の絆、ふるさとを大切にする子どもの育成」を掲げ各種施策を進めておられます。
しかしながら、最近では児童虐待、家庭内暴力、子供が家族を殺害するなど大変痛ましい事件が相次いで起きています。
学校では、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、などを配置し子どもの健全育成に努力されていますが、児童虐待相談件数が増加しているように、いつ事件が起きても不思議でない状況があります。
児童相談所など対応の充実を図ることはもちろん大事なことでありますが、何よりも、原因は何か、突き止め、対処することが最も重要なことであります。
原因はいくつもあると思いますが、余りにも自己中心的な考えが親にも子にも蔓延しているのではないかと思うのであります。そのことによって一人一人がバラバラで、国家の基本的共同体組織である家庭、家族というものが崩壊し、機能が損なわれているのだと思います。まさしく家族が機能を失えば、地域社会も崩壊し、国家も崩壊してしまうのであります。家族や地域の絆を大切にするとしていますが、どのように教えているのか渋谷教育長にお伺いいたします。
また、グローバルになればなるほど、外国人から「ふるさとのこと、日本がどうやってできたのか、自らの宗教は何なのか」など聞かれて、堂々と自信を持って応えられなければ、人間として信頼できない人であるとされ、まともに、付き合ってくれないと言われています。
そこで、グローバル化が進展する中で、外国人と信頼関係を結んで付き合っていくには、自らのアイデンティテイについて、自信を持って応えることが重要でありますが、どのような教育を行っているのか、教育長にお伺いします。
日本は島国で昔から自然災害が多く、日本人は常に厳しい自然に畏怖を抱きながら謙虚に向き合いながら生きてきた民族でありますし、人間は一人では生きていくことができないことを一番よく知っている民族であります。るません。ですから自分の幸せ半分、相手の幸せ半分ということを常に考えて行動する精神を養うために、すなわち、人を思いやって行動することを武技の稽古を通じて学び、人格を磨き、そうして、地域社会に貢献できる人を育てる、これぞ正しく武道精神であります。この精神が失われてきているがために、自己中心的な考えの人が増えて家庭内が崩壊してきているのではないでしょうか。父親と母親が一緒になってわが子をいじめるなんて昔はあり得なかった。隣近所で虐待が発生していても声さえかけられない、見て見ぬふり、これが現状です。何か、苦しいことがあれば、県民が振り向いて考えるシンボル、支えが必要であると思うのであります。
そこで、このような背景を胸に、新県営武道館を建設することによって、富山県教育のシンボルとして人づくりをしたいと、企業や団体、個人に呼び掛けたところ、11万人を超える署名が集まり、知事に昨年12月に要望したところであります。
知事にはこのことを重く受け止めていただき、武道精神の涵養の場として、また、富山県教育のシンボルとしての「人づくり」を進めるためにも県営武道館を新設すべきと考えますが、知事の所見をお伺いしまして、質問を終わります。

在職20年表彰いただきました

2018年11月30日 更新

11月定例議会初日11月26日、県議会議員として在職20年表彰をいただきました。
ここまでこれたのも多くの皆様のご支援のお陰です。
誠にありがとうございました。
初心を忘れずこれからも県民が幸せになれるよう頑張ってまいりまので何卒よろしくお願い申し上げます。

決算特別委員会で質問に立つ!!

2018年11月30日 更新

11月26日(月)決算特別委員会で自民党会派を代表し総括質疑に立ちました。
最近5年間の県予算をみると、当初予算額は伸ばしているものの歳出決算額が毎年減少している逆転現象がおきていることについて質しました。また、とやま自遊館への補助金が恒常的になっているので、もはや財団での運営ではなく、民間に移行すべきであると質しました。以下、質問要旨です。

問1 県財政の運営について

(1)予算現額と歳出決算額との差は、平成21年度は516億円だったが、増加傾向で平成29年度は784億円と、乖離が大きくなっている原因と理由は何か、問う。
繰越額は、平成24年度の623億円から年々下がって平成27年度は341億円となったが、再び増加傾向で平成29年度は479億円となり、また、不用額もここ4年間は300億円台で推移している。

(2)例年補正予算を編成しているにもかかわらず歳出決算額が当初予算すら下回っている現状を鑑みると、来年度当初予算編成時に予算規模を見直すべきと考えるがどうか、問う。
当初予算額と歳出決算額の伸び率が比例していない年度があり、特にここ5年は歳出決算額が当初予算を下回っている。

(3)平成29年度決算において、歳入歳出ともに8年連続で前年度決算を下回る結果となっていることを考えると、今後の安定的な財政運営や将来の富山県の発展のためにも、一般財源総額の確保に最大限の努力が必要と考えるが、どのように対応していくのか、問う。

問2 公共事業の執行体制について

公共事業は繰越しが恒常化しているが、発注の平準化への対応などを考えると、発注側の人員や委託体制などを検討し、計画的に事業を執行できる体制を構築すべきと考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
平成25年に258億円だった土木費の繰越額は、平成26年から平成28年までは150~200億円で推移していたが、平成29年に再び256億円と増加している。

問3 一般財団法人富山勤労総合福祉センターの運営について

とやま自遊館及び呉羽ハイツの運営について、民間への移管などを含めた対策が必要と考えるがどうか、問う。
毎年度、恒常的に多額の補助金や貸付金を計上していること自体問題である。

問4 交通安全対策について

県内の交通事故死者数が昨年同期を上回り、「交通死亡事故多発警報」が発令されたが、交通事故死者数が減少したこれまでの取組みから得た教訓を活用すべきと考えるが、交通安全対策に今後どのように取り組むのか、問う。
平成27年の交通事故死者数は、それまでの減少傾向から前年を大きく上回ったものの、平成28年以降、再び減少傾向となったが、減少に寄与した近年の有効な取組みが活かせるのではないか。

問5 農林水産物等の輸出の促進について

平成29年度に策定された「富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針」に基づき、輸出の促進が図られているが、これまでの成果や課題を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
例えば、「富山のさかな」を富山きときと空港から台湾へ実際に輸出する際には、産地証明の手続きや、冷蔵施設がないなどの課題があり、早急な対策が必要。

問6 立山砂防の世界文化遺産登録に向けた情報発信の強化について

立山砂防の世界文化遺産登録に向けて、立山カルデラ砂防博物館を取組みの拠点として位置付け、より積極的な情報発信が必要と考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
同博物館において、世界文化遺産登録に向けて、提案している内容を編集した映像の上映などを行っているが、県民や県外者に向けてその価値や魅力を伝えることが重要である。登録に向け県民を巻き込んだ活動とするためにも、情報発信の強化が必要。

平成30年9月議会 予算特別委員会質問

2018年10月30日 更新

平成30年9月定例議会、9月26日(水)の予算特別委員会で質問に立ちました。
今議会では、災害関連の質問が非常に多くありました。
私は、神通川の洪水対策が非常に悪い、また、一度災害が発生すると、生命財産がなくなると同時に経済活動が停止してしまい、雇用や税収が入ってこなくなること、観光客が来なくなることなど踏まえ、昨今の気候変動による災害を未然に防ぐことが重要である。後手後手の災害対策では日本全体が危機に見舞われるので、財政健全化だけを叫んでいると取り返しのつかない状況になるのではないか。知事に、河川整備などにもっと積極的に予算をつけるよう、国に働きかけるよう強く求めました。

また、富山羽田便の確保対策がなまぬるいこと、水橋高校など再編整備について県が積極的にかかわるよう求めました。
以下、質問要旨を掲載します。

問1 減災・防災対策について

(1)神通川の河川整備基本方針では、基本高水のピーク流量9700㎥/sに対し、河道への配分流量が7700㎥/s、洪水調節施設による調節流量が2000㎥/sとなっているにも関わらず、今後30年間の計画では洪水調節施設の検討がなされていないが、今後どのように取り組むのか、問う。
先の答弁で電力事業者の協力を得ることが困難とあったが、神通川本川には、洪水調節目的のダムがなく、発電用ダムの活用が必須。人命を守る観点から河川管理者である国が責任を持って電力会社と協議するよう県としても働きかけるべき。
(知 事に)

(2)白岩川に注ぐ下条川、小出川、石割川について、白岩川の水位が高いため、内水排除ができない状況が続き、特に下条川について、上市川への放水路の設置ができないのであれば、代替案を検討するなど、抜本的な対策をどのように講じるのか、問う。
下条川は、住宅密集地帯を流下しているため、住民は浸水被害に怯えた生活を余儀なくされている。
(土木部長に)

(3)本県の物流を支える北陸自動車道、東海北陸自動車道、国道8号、国道41号について、県境を中心に気象状況で事前通行規制されるケースがあるため、抜本的な対策を講じるよう国に働きかけるべきと考えるが、どのように対応していくのか、問う。
大雨や大雪、強風からの影響を受けないための対策工事が必要であり、特に親不知では、北陸自動車道と国道8号の両方が足止めされることもある。
(土木部長に)

(4)平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するために物流上重要な道路として、国土交通大臣が指定する「重要物流道路」の指定に向け、県として現在どのように進めようとしているのか、問う。
物流面において、非常に大事なことであり、早期の指定が必要ではないか。
(土木部長に)

(5)大規模災害に対し、社会資本の充実が重要であるが、ここ数年の建設国債6兆円を財源とした公共事業予算では全く足りていないため、建設国債を倍増してでも対応すべきではないか、全国知事会とも連携し、国へ強力に働きかけてはどうか、問う。
災害で被害を受けると税収減により財政も打撃をこうむる結果、何もできなくなり、経済の大損失となる。県単独事業や国からの予算獲得への努力は分かるが、富山河川国道事務所管内の事業費が減少しており、国予算全体のパイを増やす取組みが重要である。
(知 事に)

問2 富山空港の活性化について

(1)飛騨高山との連携を深めるため、ANAの機内誌で富山きときと空港に飛騨高山が併記されることは評価するが、富山県のやる気を見せるためにも空港のネオンや空港内のサインにも飛騨高山と速やかに併記すべきではないか、問う。
(観光・交通・地域振興局長に)

(2)飛騨高山との連携にあたり、高山駅から神岡経由で富山空港を結ぶバスの接続利便性の向上や、使用するバス車両を快適なものに変更するなど、飛騨高山へ利用者を迎えに行くとの意識で取り組むべきと考えるが、所見を問う。
現状の時刻表では、羽田への往きも帰りの利用も接続時間が悪く、また高山駅まで長時間かかるにも関わらず、車両が古く快適に利用できない。
(観光・交通・地域振興局長に)

(3)羽田便の乗継利用や国際便の利用を増やすためには、パスポートの取得を促進すべきと考えるが、具体的にどのような促進策を考えているのか、問う。
9月補正予算でパスポート取得支援を計上しているが、羽田便経由での海外便利用者や取得率の低い新潟県や長野県も対象にすべき。また、例えば、どの年代層をターゲットにするのか、パスポート取得率を全国平均並みにするなど目標をもって取り組むべき。
(観光・交通・地域振興局長に)

(4)旅行代理店に対する羽田乗継便を利用した県民向け旅行商品や、県外や海外から羽田便を利用し来県してもらい、富山駅周辺を拠点に周遊観光してもらう旅行商品の造成に向け、県が主体性と戦略をもって取り組むべきと考えるが、所見を問う。
例えば、月ごとに乗継先を変えて売り込むなど的を絞ったセールスや、富山駅と空港間の無料バス運行により空港を利用して来県し、北陸新幹線を利用して近県観光をしてもらうなど、新幹線との競合から連携強化へと考え方を変えた取組みなどをできないか。
(知 事に)

(5)台北便について、夜間駐機の実施も含めて、富山県から利用しやすい運航時間設定の交渉ができないか、問う。
現在の時間設定だと富山県からの利用の場合、2泊3日の行程でも実質1日しか、3泊4日でも実質2日しか行動できないため、利便性を高める必要がある。まずは試験的な導入でもよいので何とか実施できないか。
(観光・交通・地域振興局長に)

問3 県立高校跡地の活用策について

県立高校跡地について、例えば、富山大学都市デザイン学部等のリサーチ・キャンパスとして、新素材開発の場については、ものづくり研究開発センターが近くにある高岡西高校、本体である都市デザイン学部の発展研究の場については、水橋高校を活用できないか提案するが、所見を問う。
これまで教育施設として親しまれてきたことから、教育や研究施設としての活用に県主体で取り組むことが必要だと考える。また、リサーチ・キャンパスは、近県大学で企業との産学協働で新製品等の開発を行っている例があり、これからのイノベーション創出や人材育成に効果があるのではないか。富山大学に対しては、有償または無償貸付や区分所有権方式での使用等が考えられる。
(総合政策局長に)

問4 水橋地区のほ場整備について

水橋地区のほ場整備について、国営事業としての採択に向け、地元や県などの調査体制やコメ以外の高収益作物を中心とした営農体系への転換などの課題があるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。
県による要望の結果、国の平成31年度予算の概算要求において、調査地区として要求されている。
(知 事に)

平成29年9月議会定例会にて、一般質問に立つ!      (平成29年9月14日)

2017年09月20日 更新

質問要旨と全文を掲載します。

 

★質問要旨

 

問1 とやま新時代について

 

 

(1)「新総合計画」については、目指すべき将来像や県づくりの視点が既に提示されているが、最も必要な基本理念(目標)が未提示であることから、早期に明確にするとともに、県民にわかりやすく示し、同じ方向性を持って進むべきと考えるがどうか、所見を問う。

地方では人口減少・高齢化が進むなかで、成長を実現していく鍵はイノベーションを産業や社会生活に取り入れることであり、本県でもソサエティ5.0の考えを大いに取り入れ果敢に対応すべき。また、社会情勢が現行計画策定時から大きく変化するなかで、何を強調し、どう変えていくのかを県民に明確に示し、人材育成とともに民間活力を引き出していくことが必要である。

 

(2)知事が就任してから策定された「とやま未来創生戦略」や「富山県経済・文化長期ビジョン」と「新総合計画」とはどのような関連があり、また、今後どのように取り扱うのか、問う。

 

(3)昨年3月に策定された「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものとするためには、委員自らが現場に足を運び、実際に公共交通の乗継ぎを経験するなど、机上での議論ではなく、現場を踏まえた議論がなされるべきと考えるが、所見を問う。

地域交通ビジョンのフォローアップや地域公共交通体系の構築に向け、関係者が幅広く協議する目的で富山県地域交通活性化推進会議や専門小委員会が設置されているが、現場の状況を踏まえない、単なる承認機関となっているのではないか。

 

(4)中山間地域や農村地域、街中での交通手段の確保が大きな課題となっていることから、県が主導し、大学、民間によるコンソーシアムにおいて、共同で人の移動システムの開発を進めるべきと考えるが、所見を問う。

県民の公共交通や自動車の利用実態をより細かく正確に把握・分析するとともに、AI等も活用して人の移動システムを構築し、その情報を交通事業者に提供することで、バス、電車等の乗り物を効率よく組み合わせることが可能となるのではないか。

 

(5)東京一極集中の傾向が継続していることから、東京一極集中是正の対策を緩めてはいけないと考えるが、政府関係機関の地方移転や本社機能等の移転・拡充について、本県のこれまでの取組みの成果はどうか、また、今後どのように取り組むのか、問う。

昨年の東京圏への転入超過数が約12万人となり、21年連続の転入超過となった。

 

 

問2 人材確保について

 

 

(1)県内には工業系の県立高等学校が7校あるが、ICTを活用した教育の実態はどうか、また、今後どのような方針で工業系の教育の充実を進めるのか、問う。

2020年にはICT人材が全国で約37万人不足するとされていることから、特に工業系・農業系で一層の集約化を図り、ICT教育はもとより、教育設備の一層の充実により、質の高い教育を行うべきである。

 

(2)県立中央農業高校を5年制程度の高等教育機関として位置付け、県内の農業教育機関を1箇所に集中することにより、農業教育のレベルアップを図るという発想により高校を再編すべきと考えるが、所見を問う。

現在は本当に農業をしたい、従事したいと思う生徒が学べる教育体制になっているのか。ICTを活用したスマート農業に移行していくなかで、これからの農業に携わる人材育成のための教育機関には程遠いと感じる。

 

(3)不二越の会長の発言後に、知事は直接会長にお会いになり真意を確かめるべきだったと思うが、これまでの本県における教育方針はどうであったか、また、今後どのように進めるべきと考えているのか、所見を問う。

不二越の会長の発言は非常に残念だったが、なぜそのような言葉が発せられたのか、真摯に冷静に分析する必要がある。

 

 

 問3 富山空港活性化策について

 

 

富山-台北便については、2012年の就航から初めて冬季ダイヤ全期間において週4便運航となったが、便数を維持するためにも、積極的にアウトバウンド対策を進める必要があると考えるがどうか、所見を問う。

高校生の修学旅行やスポーツ・文化団体の交流を一層促進することや冬季でも比較的温暖な台南・高雄方面のPR、スポーツ団体の台湾での合宿など、富山から台湾に行く乗客を増やすことが極めて重要である。

 

 

 

 問4 農業農村整備事業について

 

 

富山市水橋地域における未整備農地を対象としたほ場整備の要望への対応について、国営事業による対応を含め、早急に整備を進める方法について検討すべきと考えるが、現在の状況をどのように受け止め、また、今後どのように取り組むのか、問う。

今のペースで県営事業により対応した場合、完成までに約25年程度かかることになり、営農意欲の減退どころか耕作放棄地が出るのではないかと危惧している。

 

 

問5 水資源の活用等について

 

 

(1)企業局の水力発電について、地域の貴重な水資源を利活用していることを踏まえれば、売電単価を上げて、その収益を当該地域に還元すべきと考えるが、所見を問う。

企業局から県内6市3町と白川村に(国有資産等所在市町村)交付金が支払われているが、さらなる還元が必要ではないか。

 

(2)企業局の水力発電所の発電で得た固定価格買取制度による上乗せ利益については、「元気とやま未来創造基金」に積み増しされているが、使途を公共交通対策や定住対策等の地域振興にも支出すべきと考えるがどうか、所見を問う。

 

(3)最近、頻発する急激な豪雨対策として、県内の中小河川全体をしっかり調査し、計画的な維持管理が必要であると考えるが、実態をどのように捉えているのか、また、今後の取組方針について、問う。

地元からの要望だけでなく、河川管理者として計画的に浚渫や雑木の撤去などを行うべき。

 

 

★質問全文

 

石井知事は昨年十月二十三日に四期目に当選されて、まもなく通算十四年目を迎えようとしていますが、そうした中で、総合計画の見直しを進めておられます。

北陸新幹線開業と地方創生戦略の二つを追い風として最大限に活かしながら、社会経済情勢が変化する中、「とやま新時代」に相応しい県づくりの取組みを具体的に提示するものとして計画が策定中であります。

社会経済情勢がどう変わったのか、現在ある総合計画策定時と何が大きく変わったのか、それは、第四次産業革命による新たなイノベーションの発現であると思います。

今年6月9日に閣議決定されたソサエティ5.0。

これは、IoTで繋がったセンサーで集められたデーターが大量に蓄積され、ビッグデーターとなり、人工知能が解析し、新たな知恵が生まれる。この先には、無限に広がる世界が現れる。この世界が、まさしく、イノベーションにより社会課題を解決する試みであり、これがソサエティ5.0であります。具体的には、これまでは、製造業の生産管理や在庫管理をIoT(アイオティ)によって企業の枠組みを超えて最適化しようとする試みであるのに対して、これからは、製造業を超えて、モノとモノ、人と機械、人と技術、異なる企業と企業、世代を超えた人と人など、様々なものをつなげ新たな付加価値が創造できる産業社会(コネクテッドインダストリアル)を実現し、諸課題を解決してこうとするものであります。

地方では、人口減少とともに高齢化が進み、生産人口の減少が進む中、地域経済は縮小し始め、消費は成熟し、経済成長の余地も以前より限られてきていると言われています。

このような環境下で、力強さを欠いている地域経済を、打破し、成長を実現していく鍵は、イノベーションを産業や社会生活に取り入れていくことです。

 

今こそ、ソサエティ5.0の考えを大いに取り入れた取組が必要であり、本県でも果敢に対応・挑戦すべきであります。

また、ICT(情報通信技術)が進化すればするほど、人が人として互いに生きていく上でのルール、倫理感が希薄となっていく中で、武道精神などをいかした道徳教育をひとづくりの根幹に据え、ICTを活用した産業振興を進めるべきと考えます。

石井知事は、現総合計画策定時から、何が大きく変化し、何を強調したいのか、何をどう変えていくのか、県民に対しわかりやすく明確に示し、人材育成とともに民間活力を引き出していくことが必要であると考えます。

そこで、先ず、今回の新総合計画において、目指すべき将来像や県づくりの視点が既に提示されていますが、最も必要な基本理念(目標)が未提示であることから、石井知事は、早期に明確にし、県民にわかりやすく示し、同じ方向性を持って進むべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

また、石井知事が就任されてこれまで多くの計画ができておりますが、新しい総合計画とこれまでの、とやま未来創生戦略や富山県経済・文化長期ビジョンはどのような関連があり、今後どう取り扱われるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

総合計画が策定されても、その内容が確実に実現されなければ、何の意味もありません。そのために、これまで総合計画を基にさらに詳細な計画が策定され、実効性をあげるための各種会議が設置されています。

例えば、「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものにするため、昨年設置された「富山県地域交通活性化推進会議」、この会議の中にさらに二つの専門小委員会が設置されています。また、平成13年に設置された「富山県生活路線バス協議会」は公的支援の在り方やバス路線の廃止や維持確保するための計画など協議する場として設けられています。

この協議会では、これまで書面審査や、机上での協議が主で現地を見て判断するような機会がないと思われます。

これでは、現場の状況を踏まない、単なる承認機関となっているのではないでしょうか。

生活路線バスや電車に乗ってみて乗降客の動向や施設の状況、鉄道との乗り継ぎ実態など調査すべきと思います。

そこで、昨年3月に策定された「富山県地域交通ビジョン」を実効性のあるものとするためには、委員自らが現場に足を運び、実際に公共交通の乗継を経験するなど、机上の議論だけではなく、現場を踏まえた議論がなされるべきと考えますが、蔵堀観光交通地域振興局長に伺います。

国では、地方自治体と地方大学などによる産官学連携を後押しする交付金制度を来年度新たに創設する動きがあることから、本県では、くすりとアルミに関するコンソーシアムを支援対象として要望していますが、今後は人やモノの移動などにも、前向きに取り組む必要があると考え、今回は人の移動について提案するものです。

コンパクトな県、コンパクトシティの持続的発展の鍵は人の移動手段をどのように確保するのか。特に、高齢者、車を使えない、いわゆる移動弱者対策をどうするのか。中山間地域、農村地域で、あるいは街中で人が住み続けれられるための交通手段、買い物や医療機関、公共施設への交通手段をどのようにするのか、大きな課題であります。

そのためには、何よりも地域交通ネットワークの維持・確保の基になる仕組みを示すことが必要であります。

そこで、県民の公共交通利用実態、自動車利用実態をより細かく正確に把握、データーを蓄積し、分析し、AIでヒトの移動システムを構築し、その情報を交通事業者に提供することによって、バス、電車などの乗り物を効率よく組み合わせすることが可能となると思います。

県が主導し、大学、民間によるコンソーシアムにおいて共同で人の移動システム開発を進めるべきと考えますが、観光・交通・地域振興局長に伺います。

ところで、平成28年の東京圏への転入超過数が約12万人となり21年連続の転入超過を記録するなど、東京一極集中の傾向が継続しており、東京一極集中是正対策を緩めるわけにはいきません。政府関係機関の地方移転や本社機能の移転・拡充について、本県の取組の成果と今後どう取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、人材確保について伺います。

第4次産業革命を推し進めるには、個人の能力・スキルアップとともに、ICT人材が必要であり、ICT産業に限らず、すべての産業に及ぶとされ、ICT人材が2020年には約37万人不足すると言われています。いずれにしてもさらに多くの人材がICTを使いこなす能力を身に着けていくことが必要となるわけであります。

先日発表された、県立高校再編の基本方針の冒頭では、「IoT,ビッグデータ、AI等の活用による第4次産業革命の進展など、時代の変化に対応した人材育成が進められている中、本県においても、今後、さらに教育活動の充実や教育形態の改善など進め、高校教育の充実に努める」と述べられています。

しかし、残念なことに、これまで学級数だけの議論が中心であったので、どうしたら、さらにレベルアップが図られるのかという視点で再編統合を進めてもらいたいものであります。

特に、工業系・農業系で一層の集約化を図り、ICT教育は勿論のこと、教育設備も

一層充実し、質の高い教育をすべきと考えるのであります。

そこで、工業系の高等学校が県内には7校ありますが、ICTを活用した教育の実態と今後どのような方針で工業系の教育の充実を進めようとしているのか、渋谷教育長に伺います。

また、農業は、今後、農地集積による法人経営、集落営農に集約されていく中で、土づくり、栽培技術、水管理、農業機械、ほ場管理などあらゆる分野でICTなど使ったスマート農業へ移行し、生産現場と生産物の移動・販売も一層IT化が進むことは間違いありません。農業においてICTを駆使できる人材をどのように育成していくのか、大きな課題であります。

本県では、農業を学ぶ教育機関は、中央農業高校を中心にいくつかありますが、本当に農業をしたい、従事したいと思う生徒が学べる教育体制になっているのでしょうか。

進学状況・就職状況を見ると、私は、とてもこれからの農業に携わる人材育成の教育機関・体制には、ほど遠いと感じていますし、これからの富山県農業を担う若者を育てようという気概が感じられません。

現在、高校再編が進められようとしていますが、県内に農業教育機関を1箇所に集中する、例えば、中央農業高校を5年制程度の高等教育機関と位置づけをして、農業教育のレベルアップを図る発想でもって高校再編をすべきと考えますがどうか、教育長に伺います。

 

さて、本県を発展させる原動力は人であり、人づくりであります。義務教育から高校まで本県の教育方針に従い、教育を受けた人材を採用しないとした、株式会社不二越の会長発言は非常に残念でなりません。

しかし、なぜ、そのような言葉が発せられたのか、真摯に冷静に分析する必要があると思います。

本県の教育大綱には、基本理念として、「ふるさと富山に誇りと愛着を持ち、地域社会や全国、世界で活躍し、未来を切り拓く人材の育成を図る」、としており、知事も、教育長もグローバル人材を育成することを強調されております。

しかし、現場では本当に趣旨が伝わって教育がされているのでしょうか。

私は、3月議会で、県立大学においては、学生には発表能力だけではなく、企業に入っても論争ができる、売り込む能力を身に着ける英語教育が必要であり、特に、TOEIC、TOEFLを受験させて磨く必要がある。また、海外留学をもっとするべきと、提案もしてきました。

しかし、県内大学の一部に、そのような英語を身につけさせて、留学したら戻ってこなくなるから意味ないことだという先生がいるというから、情けないとしか、言いようがありません。

とにかく、本腰を入れて取り組んでもらいたいと思うのであります。

そこで、知事は直接不二越の本間会長にお会いになり真意を確かめるべきであったと思いますが、これまでの本県における教育方針がどうであったのか、また、今後どのように進めるべきと考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 

次に、富山空港活性化策について伺います。

これまでも東京便を確保しながら、チャーター便、海外路線の大連、上海、台北便などその維持、拡大について、いろいろと対応されてきました。しかしながら厳しい状況が続いておりソフト、ハード対策を少しでも緩めれば、撤退という事態を招きかねません。

このような状況下で、チャイナエアラインの富山台北便が、2012年の就航以来初めてとなる、10月末から来年3月末までの冬季ダイヤ全期間で、週四便で運行されることになったことは、誠に嬉しい限りであります。

これは、知事を先頭に富山の冬の観光の魅力をPRしてきた結果であると思うのであります。台湾から富山に来てもらっても、富山から台湾に行くことが何よりも必要なことであります。これまでも、誘致のたびに、チャイナエアライン側から台湾人乗客3に対して富山から乗客1の割合では定期便の就航は難しいと何度も指摘されてきました。

このことを考えると、今回はじめてとなる冬季の週4便を存続するためにも、富山から台湾に行く客を増やすことが極めて重要であると考えます。先ほど、薮田議員の知事答弁もありましたが、

例えば、高校生の修学旅行、スポーツ・文化団体の交流を一層促すことを考えなければなりません。また、冬季でも比較的温暖な台南・高雄方面へのPRや、県議会野球部大野監督へも台湾で強化合宿するよう強く要請しておりますが、スポーツなどの合宿を台湾でしてもらうとか、積極的にアウトバウンド対策を進める必要がありますが、どのように進めるのか、観光・交通・地域振興局長に伺います。

 

次に、農業農村整備事業について伺います。

本県の農業用排水路、ほ場整備については昭和30年代を中心に積極的に進められ、その施設も老朽化し更新時期を迎えており、大変国の厳しい予算事情ではありますが、知事を先頭に予算確保をしていただき、何とか推進されているのが現状であります。本県では

30a以上の整備率は高いものの大正から昭和の初期にかけて整備された10a区画の圃場が富山市水橋地域に約600haが存在し、現在、地元の申請により県による整備が始まったところであります。

また、農業者の高齢化に加え、担い手が少なくなってきていることから、意欲的な若い担い手が出てきていますが、圃場の狭さに加え、農道が狭かったり、土水路の農業用水であったりとかで、とても大型機械による営農ができる状況でないことから、一気に500haにも及ぶ大型ほ場整備の機運が出てきております。

しかし、現状の予算規模ではすべて完成するまでに約25年以上もかかることになります。これでは、営農意欲どころか、耕作放棄地がでてしまうのではと危惧しているところであります。

そこで、富山市水橋地域における未整備農地を対象としたほ場整備の要望への対応について、10年間ぐらいで整備できるよう願っておりますが、国営事業による対応を含め、

早急に整備を進める方法について検討すべきと考えますが、現在の状況をどのように受け止め、また、今後どのように取り組もうとしているのか、知事にお伺いいたします。

 

次に、水資源の活用等について伺います。

県企業局では、富山の恵まれた自然を生かしながら、地方公営企業法に基づき、電気、水道、工業用水、地域開発事業の4事業を運営していますが、事業に共通しているのは、「水」であります。

この「水」は、中山間地域や農村地域において農林業を営む者が、森林や農地をこれまで大変な思いでしっかり管理してきているから持続的に循環しているのであります。しかしながら、農林業を営む者がどんどん減少し高齢化も進み、大変な危機が迫っており、その対策に大変苦慮しているのが現状であります。

企業局では、地元市町村へ固定資産税に相当する交付金を支払うことによって地域貢献してきており、今後とも、各事業が県政の一翼を担っているとの認識のもと地域の振興に最大限貢献するよう努めていくこととしています。

ちなみに、市町村への交付金は、平成29年度は県内6市3町と岐阜県白川村に対して4億1千百万円あまりであり、売電料収入約40億円の約1割相当であります。売電単価は7円50銭。一般の家庭に届く電力料金20円以上であります。もちろん発電所から、変圧所、配電所、送電設備等もあり上乗せされ一概には安いとは言えないかもしれませんが、企業局の水力発電については、地域の貴重な水資源を利活用していることを踏まえれば、一層努力して、売電単価を上げ、その収益を当該地域に還元すべきと考えますがどうか。須沼公営企業管理者に伺います。

さらに、県では、最近できた水力発電で得た固定価格買取制度適用による上乗せ利益については「元気とやま未来創造基金」に、積み増しされていますが、使途を公共交通対策や定住対策等の地域振興にも支出すべきと考えますが、滝形成管理部長に、伺います。

 

最後に、最近、気象状況の変化も激しく、時間雨量も50mmを超える回数も増えるなど、日ごろは何の問題もなく流れている河川も、このような豪雨がふれば、増水、破堤の心配が絶えないのは中小河川であります。計画洪水量をレベルアップして河川改修すれば良いわけですが、先ずは現況河川でスムーズに排水することが大事なことであります。そのためには、浚渫、雑木の撤去が欠かせません。

今回も主要県単事業で計上されていますが、この予算ではまだまだ不足であります。

そこで、最近、頻発する急激な豪雨対策として、県内の中小河川全体をしっかり調査し、地元からの要望だけではなく、河川管理者として計画的な維持管理が必要であると考えますが、実態をどのように捉え、今後の取組み方針はどのように考えているのか、加藤土木部長にお伺いし質問を終わります。

 

平成29年定例2月議会 予算特別委員会で質問に立つ! (平成29年3月17日)

2017年08月05日 更新

質問要旨を掲載します。答弁内容は富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

 

問1 人づくりについて

 

 

(1)富山藩校広徳館の理念とは何か、問う。

昨年9月に策定された「富山県経済・文化長期ビジョン」においては、「経済」と「文化」が相互に作用して新たな価値を創出することが大事であり、それを創り出す「人づくり」が大切であるとしている。ビジョンにはかつての富山藩校広徳館の理念を引き継ぐとあるが、具体的にどのような趣旨か。

 

 

(2)広徳館の理念は、本県教育の基本的方針を定めた「富山県教育大綱」にはどのように活かされているのか、問う。

 

 

(3)富山藩校広徳館の理念を広く理解してもらい、児童生徒に伝えるため、広徳館の創設から教育方針、学んだ人物などを記録した副読本を作成してはどうか、問う。

「高校生のためのふるさと富山」には広徳館のことは掲載されておらず、「ふるさととやまの人物ものがたり」には、広徳館の先生だった岡田呉陽が掲載されているのみである。

 

 

(4)新しい県営武道館を整備し、富山県教育のシンボルにすべきと考えるがどうか、問う。

バランスのとれた人間教育の必要性が高まる中、文武両道を目指す教育が必要である。富山の人づくりの原点は広徳館にあるのであれば、その精神を引き継ぎ、徳育・体育の振興拠点となる新しい県営武道館を建設し、目指すべき方向を県民に分かりやすく示すべきと考える。

 

 

(5)「富山県経済・文化長期ビジョン」に掲げる構想の一つに、「郷土を学び英語で伝えるコミュニケーション能力の養成」とあるが、具体的にはどのような英語教育を進めようとしているのか、問う。

広徳館では、英語教育が行われ、その伝統が旧制富山高等学校に引き継がれ、全国的にも英語教育のレベルが高かったと言われている。しかし、どこかの時点で引き継がれなくなってしまった。

 

 

(6)県立大学とオレゴン州立大学との連携を図り、学生に積極的に留学させることも重要だと考えるがどうか、所見を問う。

友好提携しているオレゴン州の州立大学には、工学部や薬学部もあり、県立大学との連携強化も効果的だと考える。

 

 

(7)学生のグローバルな視点を高めるために、県内の各大学に呼びかけ、合同で英語教育を行うことも効果的と考えるがどうか、問う。

 

 

(8)海外進出している県内企業の協力による県内大学生の海外留学の促進や、県内企業の在職者への留学支援により、企業におけるグローバルな視点を持った人材確保・育成を行うことが必要だと考えるがどうか、所見を問う。

海外進出している県内企業の現地社員などと連携し、留学生を受入れ・支援する「とやま村」を構築することも効果的だと考える。

 

 

(9)台湾の県や市等と友好提携を締結するなどにより、県内高校生の台湾への修学旅行に積極的に取り組むべきと考えるがどうか、問う。

台湾から多く来県されているものの、富山県から台湾へ訪れる者が少ない。高校生の海外経験の第一歩として修学旅行を行うことはどうか。

 

 

(10)本年11月の「第38回全国歯科保健大会」の開催を契機に、健康寿命を延ばすためには歯の健康が不可欠であることを、広く県民に対しPRすべきと考えるがどうか、問う。

全国から多くの歯科関係者が集い、北陸三県では初めてとなる大会の開催を契機に「8020運動」のPRなどを行うことが効果的と考える。

 

 

(11)休日における歯科診療や、心身障害児(者)の歯科診療を実施している「富山県歯科保健医療総合センター」の設備更新等に対し、どのように支援していくのか、問う。

現在のセンターは設置から22年が経過しているなか、受診者数は年々増加している。

 

 

 

問2 農林水産業の振興等について

 

 

(1)昨年産の富山米「コシヒカリ」が特Aにならなかった原因と、今後の対策をどのように考えているのか、問う。

 

 

(2)食品を安全に製造する衛生管理手法であるHACCP導入に向け、県内の食品製造業が行う施設整備に対して何らかの支援が必要だと考えるがどうか、問う。

 

 

平成28年定例9月議会にて代表質問に立つ!    (平成28年9月13日)

2017年08月04日 更新

質問全文を掲載します。

 

私は、自由民主党を代表して、今定例会に提出された諸案件並びに当面する県政の諸問題について質問いたします。

質問に先立ち、一言申し上げます。

始めに、矢後 元議員の政務活動費不正請求の不祥事につきましては、多くの県民の皆さまからご批判をいただきました。県民からの信頼を失墜させるものであり、極めて遺憾であります。

ここに、重ねて県民の皆さまに深くお詫び申し上げます。

 

 

自民党議員会において、7月末に設置した政務活動費適性運用対策検討プロジェクトチームにおいて再発防止策を取りまとめ、チェック体制を強化することといたしました。

議員自身が襟を正し、綱紀粛正を図って活動することはもとより、信頼回復に向け、責任を果たしてまいる決意であります。

次に、先の参議院選挙では、富山選挙区において、我が自由民主党公認の野上浩太郎さんが、全国の選挙区当選者の中でトップの得票率69.2%という圧倒的な御支持を得て3選を果たし、先の内閣改造により内閣官房副長官に就任されました。

新内閣には、日本の命運をかけた政権運営が求められる中、いかなる厳しい課題も先送りせず、状勢の変化への迅速な対応と将来を見据えた成長戦略の推進、地方経済の底上げを一気に加速させることを期待するものであります。

また、昨日(12日)、リオ・オリンピックにおいて金メダルを獲得された、田知本選手と登坂選手に富山県民栄誉賞が贈呈されました。誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

両選手の活躍は、県民はもとより国民に感動を、子どもたちには夢と希望を与えました。お二人には、今後、ますますの活躍を願ってやみません。

 

私たち自由民主党議員会は、政権与党として、県民の皆さまとの対話を基に県政の今日的課題に引き続き全力で取り組み、県民の幸せと魅力ある富山県づくりに邁進する決意であることを申し上げ、以下質問に入ります。

 

はじめに、行財政運営について質問します。

 

まず、9月補正予算案の編成方針について伺います。

 

政府は、8月2日、事業規模で「28兆円を上回る」大規模な経済対策を閣議決定しました。

これまでの経済政策の効果によって雇用や所得環境は改善しているものの、少子高齢化の進展などの構造的課題を背景に個人消費や民間投資は力強さを欠くと指摘し、金融政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速することで、長年続いたデフレから完全に脱却を図り、「未来への投資を実現する経済対策によって、その力強いスタートを切っていく」との基本姿勢が示されています。

本県においても、県内経済の状況を的確にとらえ、国の経済対策にも適時適切に対応し、県内経済の好循環につながる実効性の高い施策にスピード感をもって取り組んでいく必要があると考えます。そこで、どのような方針で9月補正予算案を編成されたのか、また、国の経済対策に対し、どのように対応していかれるのか、知事の所見を伺います。

 

次に、地方財源の確保について伺います。

 

安倍首相は、今年6月、来年4月に予定していた消費税率の10%への引上げを平成31年10月まで、2年半延長することを表明されました。

この消費税率の引上げは、平成24年に3党合意による「社会保障と税の一体改革」に基づくものであり、消費税率を10%に引き上げ、財源を調達したうえで、社会保障の安定・充実を進めていくというものであったことから、消費税率の引上げ再延期により、社会保障関係費の確保に必要な財源が不足するのではないかと懸念されています。

知事は、去る7月、全国知事会の地方税財政常任委員会委員長として、消費税率引上げ再延期に伴い、社会保障関係費が滞らないよう地方財源の確保を強く国に求める提言を行われました。

そこで、この消費税率引上げ再延期に対し、社会保障関係費に充てる予算をはじめとした地方財源の確保に向け、地方消費税収の都市部への偏在是正も含め、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、とやまの未来創生を深化させる取組みについて質問します。

 

まず、北陸新幹線開業効果の拡大について伺います。

 

北陸新幹線が開業してから、1年半が経過しました。この間利用者数は、JRの当初の見込みを上回るなど、順調に推移しており、北陸経済研究所の調査によれば、新幹線開業後1年間の県内への経済波及効果が421億円との推計が出されています。

しかし、現在のところ、経済波及効果は主に観光分野、それも特定の地域に偏っているとの指摘もあることから、いかにして広く他の分野や地域に経済波及効果を拡大していくかが課題であると考えます。

そこで、新幹線開業効果をより詳細に分析するとともに、これまで波及効果が及んでいない分野や地域にも浸透させ、地域経済の好循環の拡大に向け、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、総合的な地域交通体系の構築について伺います。

 

今年2月、平成37年度の達成目標を盛り込んだ富山県地域交通ビジョンが取りまとめられました。

このビジョンには、デマンド交通による公共交通不便地域の利便性の確保、地域間を結ぶ交通の利便性を考慮した等間隔ダイヤの実現や全国相互利用可能なICカードの導入促進などが掲げられていますが、今後は、ビジョンに盛り込まれた取組み内容の実効性の確保が重要であります。

しかし、あいの風とやま鉄道をはじめ、地域交通の運営会社においては、経営上の問題もあり、ビジョンに掲げる取組みを独自に進められない場合も考えられることから、地域公共交通ネットワークの強化を推進する必要があると考えます。

さらに、通勤、通学、高齢者などの利用を考えた場合、どこまでビジョンの実現が可能なのかを見据えるべきであります。

そこで、県民の日常生活、観光やビジネス等の産業を支える総合的な地域公共交通ネットワーク強化に向け、県が牽引する協議の場・組織を創設して取り組む必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

併せて、今後、完全自動運転車の開発が進められている状況も踏まえた新たな発想により、将来を見据えた交通対策を講ずるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、富山きときと空港の利用促進について伺います。

 

全日空富山―羽田便は今年3月のダイヤ改正から1日4往復に減便され、海外路線については、ソウル便が、運航するアシアナ航空が収益の悪化を理由に10月末にも運航をLCC(いわゆる格安航空会社)のエアソウルに移管するとし、エアソウルでは安定した需要が見込めないとして、冬季は運休する方針を示しています。

富山空港の存続に向け、今後とも羽田便をはじめとした既存路線の利用促進策はもちろん、新規路線の開拓やチャーター便の運航に引き続き取り組むとともに、空港施設の整備促進など、空港の魅力を高める攻めの姿勢も必要であると考えます。

さらに、富山空港と富山駅やホテル、体育館、美術館、温泉地などの施設へのアクセスの利便性を考える必要があります。

また、当然、国内外に認知度の高い高山なども視野に入れ、空港からの二次交通対策に取り組むとともに、オールジャパンで通用する「富山・高山空港」に名称を変更することも必要であると考えます。

そこで、空港の生き残りをかけ空港の魅力向上とアクセスの利便性にどのように取り組んでいくのか、併せて、空港の名称の見直しも検討すべきと考えますが、新田知事政策局長の所見を伺います。

 

次に、とやまの未来創生を深化させる取組みについて質問します。

 

まず、富山湾を活用した施策について伺います。

 

富山湾の世界で最も美しい湾クラブ加盟を契機に、昨年、美しい富山湾クラブが設立されましたが、県民総ぐるみで富山湾を誇りに思い、守り育てていく機運の醸成につながるものであり、多くの県民に関心を持ってもらえるよう、幅広い活動の展開が期待されます。

また、富山湾を活用したヨットレース、美しい景観を堪能できるマラソンや湾岸サイクリングなどのスポーツイベントが実施されています。

今後は、我々、富山県民の誇りで宝である、この美しい富山湾を活用して、新湊マリーナを利用する船舶オーナーの誘致や、海上から立山連峰を中心とした立山黒部ジオパークの大パノラマが一望できる湾岸クルージングなど、富山湾を活用した滞在型観光の振興などを図り、世界に向けて富山の魅力を発信する必要があると考えます。

そこで、富山湾を活用して、観光振興のみならず地域経済の活性化、産業振興にも結びつけ、その経済効果ともいうべき「富山湾GDP」の拡大を図るため、総合的なプランを策定し、県民総参加でプランの実現を目指す必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、スポーツ都市戦略について伺います。

 

先月5日、東京オリンピックの「キャンプ地候補ガイド」の第一弾に、県総合体育センターと高岡の竹平記念体育館が掲載されましたが、世界へのアピールを一過性のもので終わらせてはなりません。

これまでも、本県では、プロスポーツへの支援・連携や富山マラソンの開催などを通じてスポーツによる地域振興が図られてきましたが、2020年に向け、スポーツを通じたまちづくり、地域づくりの取組みとして、スポーツコミッションを設立するなど、ポスト五輪を意識したスポーツ都市戦略を推進していく必要があると考えます。

これは、オリンピックに参加するために海外から来るアスリートや大会関係者を「スポーツツーリスト」と考え、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、バリアフリーや移動手段の整備といったハード面、ボランティアの養成といったソフト面から、スポーツ都市環境を整備していくものであり、さいたま市スポーツコミッションが誘致した自転車競技大会「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」には、10万人以上の観戦者が集い、30億円近い経済効果をもたらしました。

そこで、本県においても、東京オリンピックの各国選手団の合宿誘致にとどまらず、オリンピック後も見据えたスポーツ都市戦略を推進し、地域経済の活性化を図る必要があると考えますが、新田知事政策局長に伺います。

 

次に、県内への移住者増の取組みについて質問します。

 

とやまの地方創生の最重要課題は人口減少対策であり、大都市圏から富山への新しい「ひと」の流れをつくり、人口の社会増を図る必要があります。

先月末に開催された「くらしたい国、富山」推進本部会議で、平成27年度に富山に移り住んだ人は過去最多の462人で、世帯主の年齢は20代が36.8%、30代が35.4%、40代が12.5%と続き、定年後の世代より若い世代が増える傾向にあることが報告されました。

昨今、生活の質や豊かさへの志向の高まりを背景として、豊かな自然環境や歴史、文化に恵まれた地域で生活することや地域社会への貢献について、団塊の世代のみならず若年層も含めて、都市住民のニーズが高まっているとの指摘もあり、地方への移住志向の主役が中高年層から若年層にシフトしている状況もみられます。

そこで、これまでの移住者の増に向けた取組みをどのように評価しているのか、併せて、「とやま版CCRC」の推進をはじめとする、若年層、現役世代、高齢者の各層をターゲットとした地方回帰策が必要であると考えますが、どのように取り組んでいくのか、亀井観光・地域振興局長に伺います。

 

次に、地域経済の活性化について質問します。

 

まず、県内企業における若手人材の育成・確保について伺います。

 

本県では、当分の間、15歳から64歳までの生産年齢人口が毎年1万人を超えて減り、人手不足が続く傾向にあります。

北陸経済研究所の調査によれば、正社員の人手不足感は引き続き深刻な状況であり、また、不足している年代層は、製造業・非製造業ともに、若年層、特に20代が不足している状況にあります。

高校生、大学生などの若年層、そしてその保護者は、大手企業に目が向く傾向があります。

本県中小企業に目を向ける仕組みづくりを強化し、本県出身か否かを問わず、県内の大学生に県内企業へ就職してもらえるよう、本人はもとより保護者に対し、企業の魅力を伝える施策が必要であり、本県経済の活性化と持続的な成長のために、地域の中小企業が求める人材を十分確保することは、喫緊の課題であります。

また、県内企業の海外進出が進む中、富山県の将来を担い、グローバル化を推進する人材の育成・確保も重要であり、海外進出している県内企業の協力のもと、県内大学生の海外留学を促進し、国際的に活躍できる人材を育成していく必要があると考えます。

そこで、高校生、大学生とその保護者への県内中小企業のPR方策を含め、県内中小企業の若手人材の確保にどのように取り組むのか、併せて、国際的に活躍できる人材の育成に向け、県内大学生の海外留学の促進にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、IoT(アイオーティー)を活用した県内産業振興について伺います。

 

IoTは、「日本再興戦略2016」でも重要なキーワードとして取り上げられ、その活用によって、「県内ものづくり中小企業の生産設備をつなぎ、共同受注システムを構築する」など生産性の向上はもとより、新たなサービス・製品の創出といった付加価値の増大につながることが期待されています。

しかしながら、県内企業のIoTに関する取組みは、先進的な企業がある一方、多くの企業では、導入に要する費用の増加、効果の不透明さ、人材の不足などから、十分には進んでいない状況にあり、IoTの活用効果のPRを強いおT化し、活用を推進する必要があると考えます。

そこで、本県の経済を支え、県内企業の大部分を占める中小企業の生産性向上と本県の経済成長のカギを握ると考えますが、説明会や講習会の開催も含め、IoTの活用にどのように取り組んでいくのか、大坪商工労働部長に伺います。

 

次に、社会資本整備の推進について伺います。

 

民間調査会社の調査によると、富山県内における今年度8月末現在の県発注の公共事業請負額は、前年度比104%に止まっており、事業量については、新幹線開業前の平成26年度と比較した場合、29%の減と依然、低迷しています。

また、発注率については、国から上半期の発注目標を8割とする方針が示されていますが、今年度の8月末現在の発注率は65.3%と低迷し、平準化が図られていない状態であり、建設業にとっては、深刻な状況が続いています。

社会資本の整備、地域の安全・安心を担い経済成長を支える建設業が、中・長期的に現場の担い手・技能人材を確保・育成していくためには、雇用を継続していけるだけの事業量の確保、年間を通じた切れ目のない工事発注・平準化、安定的・持続的な公共投資の見通しが不可欠であります。

そこで、県内の建設業の現状をどのように認識しているのか、併せて、地元建設業が生産性を上げ健全に発展する経営環境を築く必要があると考えますが、社会資本整備の推進にどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、土地改良事業及び防災・安全対策の推進について伺います。

 

土地改良事業については、水田等の大区画化・汎用化による収益力の向上、耐用年数を迎えた農業水利施設の更新、災害リスクに備えた耐震対策の強化など課題が山積しています。

しかしながら、国の土地改良事業予算額は、民主党政権下の平成22年度に6割削減され、その後徐々に回復したものの、28年度の当初予算ベースでも以前の66.2%の水準にとどまっており、新規事業の着手や既存事業の完了に遅れが生じています。

こうした中、国では、今後5年間の予算付けの重要な指針となる新たな土地改良長期計画をこの8月末に閣議決定したところであり、本県においても成果指標等を明確にしつつ、土地改良事業を戦略的に推進する必要があると考えます。

また、去る6月には、砺波市の農業用ため池において悼ましい事故が発生しました。

県内1,900箇所を超えるため池のほとんどで安全対策が不十分であり、県民の尊い生命を守る観点から、転落防止柵等の安全施設整備を計画的に進めなければなりません。

そこで、土地改良事業予算を増額確保し、農業の高付加価値化を図る圃場整備など、農業の競争力を強化し、農業者の所得向上の実現に向けた土地改良事業を促進する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

併せて、農地防災事業の一層の促進や、ため池の安全施設整備に係る農家負担のさらなる軽減を国に働きかけ、危険性と緊急度の高い箇所については早急に対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、県産農水産物の輸出促進について伺います。

 

「農政新時代」を迎え、解決すべき課題はますます増えており、顧客とマーケットを見つめ直す必要があることから、県産農水産物の輸出促進については、昨年11月に我が党の農業問題調査会が、中国を含むアジア富裕層への県産米の輸出拡大に向け、具体的な戦略を検討し、実施するよう知事に提言しました。

また、国では、去る5月に農林水産業の輸出強化戦略を取りまとめ、第2次補正予算案において輸出に必要なインフラ整備を積極的に進めることとしています。

また、「食品を安全に製造する衛生管理手法であるHACCP導入を、2020年までに、全ての事業者・食品に義務付ける方向で内容が検討されており、県産農水産物の輸出拡大に向け、県でHACCPの承認機関を設け、中小の事業者を支援するなど、県が牽引役となって海外への販路拡大を促進する必要があると考えます。

そこで、海外市場の綿密なマーケティング活動を行い、生産と販売手法に反映させる体制を構築するなど、重要な事項については県の来年度予算に反映させ、スピード感を持って取り組むべきと考えますが、併せて、HACCP導入に向け今後どのように取り組むのか、知事の所見を伺います。

 

次に、新たな富山のブランド米のマーケティング戦略等について伺います。

 

コシヒカリを超える富山オリジナルの新品種は、本年度内に品種登録が行われ、いよいよ市場投入に向けた第一歩を踏み出しますが、2年後の生産数量目標の廃止を控え、農業関係者は新品種のデビューに大きな期待を寄せております。

しかしながら、いま市場では産地間の競争がかつてない激しさを見せ、既に新興のブランド米が台頭、林立しています。

食味が特Aランクの産地品種銘柄は46と10年前の2.7倍に昇り、特Aのありがたみはもはや薄れています。

加えて、青森の「青天(せいてん)の霹靂(へきれき)」、岩手の「銀河のしずく」、新潟の「新之助」など、この1、2年の間に新たなブランド米の発表が相次いでいるほか、他の産地も今後、販売促進活動を強化してくると考えられます。

後発となる本県の新品種は、これらの間に存在が埋もれてしまうことのないよう、全国の消費者の心をつかむインパクトのある名称でなければなりません。

そこで、新たな富山のブランド米のマーケティング戦略等に関し、他産地のブランド米といかに明確な差別化を図り、知名度を高め、消費者の支持を獲得していくのか、伍嶋農林水産部長に伺います。

 

次に、中山間地域の農業の担い手対策について伺います。

 

中山間地域では、高齢化・過疎化の実態が極めて深刻で、農業の担い手不足に歯止めがかかっていません。

平均年齢が80歳を超え、各種補助事業の申請事務を行うことすら困難な集落があり、現に中山間地域等直接支払制度における県内の交付面積、集落協定数は平成27年度から減少に転じています。

このままでは補助事業があってもその利用が減少し、農地の荒廃を招くこととなり、複数集落による連携や小規模集落を近隣が支えるだけでなく、さらに一歩踏み込んで対応すべき時期にきていると考えます。

南砺市では、五箇山農業公社が農作業の受託、農用地の保全、特産作物の開発・研究等の事業を行うとともに、国家戦略特区に指定されている兵庫県養父市(やぶし)における企業の農業参入を可能とするモデル地域の取組みのメリットデメリットを検証することも必要であります。

そこで、中山間地域の農業の担い手について、農地が将来にわたって持続的に活用されるよう、公益法人の活用など、とやま型の広域的な営農を早急に検討し、導入に取り組んでいく必要があると考えますが、伍嶋農林水産部長に伺います。

 

次に、安全・安心な暮らしの実現について質問します。

 

まず、高度・先進医療の推進について伺います。

県立中央病院で整備が進められていた、先端医療棟が9月4日に完成し、今後、ドクターヘリとの連携により、本県のがん医療、高度救急医療の拠点としての役割が期待されます。

知事はこれまで、ドクターヘリの導入やリハビリテーション病院・こども支援センターの開設など、高度救急医療、周産期医療、リハビリテーション医療や災害医療など医療提供体制の充実に取り組んできており、県立中央病院の先端医療棟の運用開始により、県民が身近なところで、質の高い医療を受けられる体制が概ね整ってきたものと考えます。

そこで、これまでの高度・先進医療の提供体制整備の取り組みをどのように評価しているのか、併せて、県民皆が高度・先進医療を等しく享受できるよう、地域における医療機関の連携や、それを支える医療従事者の確保に取り組む必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、保育・介護人材の処遇改善等について伺います。

 

去る8月2日に閣議決定された国の経済対策において、「保育の受け皿整備、介護の受け皿の前倒し整備、保育・介護サービスを提供する人材の確保に向けた処遇改善等の実現」が打ち出されました。

こうした情勢の中、高齢者人口が増え、生産年齢人口がそれ以上の割合で減少する状況に対応した対策が肝要であります。

保育・介護人材の賃金引き上げ措置だけでは政策効果に限界があり、若い世代の新規就業促進、現場から離れた人材の復職と併せて、保育・介護職場における労働生産性の向上が重要であり、身体的負担を軽減するロボットスーツや介護機器の活用、働きやすい短時間勤務の導入など、総合的に職場環境の改善を図り、保育・介護人材の離職防止・定着促進対策をより一層推進する必要があると考えます。

そこで、国の経済対策を踏まえ、本県における保育・介護人材の処遇改善と保育・介護職場の働きやすい労働環境づくりにどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。

 

次に、地域医療構想について伺います。

 

地域医療構想は、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年に向け、医療機能ごとに医療需要と病床の必要量を推計するものであり、今年度中の策定に向けて、医療審議会や医療圏毎の会議などにおいて検討が進められています。

検討当初、医療関係者からは、国が示した「3割を超える病床の削減が必要」との推計に対し、「病床削減ありきの構想ではないか。

急激な病床の削減は、地域における救急医療の破たんにつながる。現状では地域での医療提供体制にバラつきがあり、地域によっては患者の切り捨てにつながる。」といった懸念が示されていましたが、関係者との協議や調査が進む中で、意見の整理がなされてきたのではないかと考えます。

そこで、地域医療構想策定について、現状及び課題の検討状況と今後の施策の方向性について、蔵堀厚生部長に伺います。

 

次に、障害者支援施設における殺傷事件を踏まえた対応について伺います。

 

7月26日に相模原市の障害者支援施設において、19人が刺殺され、27人が負傷する凶悪な事件が発生しました。

事件後、施設の安全管理対策には具体的な国の規定は無く、警備の強化は施設の判断に任されていることが明らかとなっており、「襲撃予告があった」との情報を得たときに、徹底した事前対策を取ることが必要ではなかったか。

また、「障害者は死んだ方がいい」という理由で犯罪に及んだという容疑者の異常性が強調されますが、今年4月に障害者差別解消法が施行され、インクルーシブ(包摂的)な社会づくりが進められる中、これまで日本社会全体で 営々と努力されてきたことが揺らぎ始め、今の社会が抱えている排外的な深い闇の部分が吹き出したようにも見えます。

そこで、今回の殺傷事件を踏まえて、福祉施設における安全管理のあり方や警察等の関係機関との情報共有のあり方等と併せ、障害者の尊厳に理解を深め、差別解消の取り組みを強化する必要があると考えますが、知事の所見を伺います。

 

次に、犯罪被害者等支援の推進について伺います。

 

我が党は、昨年から、議員提案条例として「犯罪被害者等支援条例案」を検討して来ました。

昨日(12日)から、パブリックコメントを実施しており、次の11月定例会に条例案を提出することとしております。

昨日、自民党議員会から、石井知事に条例案をベースとする「犯罪被害者等支援に関する要望書」を提出しました。

思いもかけない犯罪行為に巻き込まれた犯罪被害者あるいはその家族や遺族の生活は一変し、犯罪による直接的な被害にとどまらず、心身の不調や経済的な問題、さらには、周囲の無理解や心ない言動等の二次的な被害に直面しているのであります。

また、性犯罪など、被害の態様によっては、自ら被害を訴えることが困難で、支援の手が行き届いていない被害者も存在しているのであります。

このような状況にある犯罪被害者やその家族が、平穏な生活を取り戻すため、県が市町村や関係機関の牽引役となり犯罪被害者の支援を推進していく必要があると考えます。

そこで、我が党からの犯罪被害者等の支援に関する要望・提言をどのように受け止められたのか、併せて、今後の犯罪被害者等の支援の積極的な取組みについて、知事の所見を伺います。

 

次に、富山市内警察署の再編について伺います。

 

平成25年8月に策定された富山市内警察署再編計画においては、第一の目標として「富山中央、富山西、富山北、富山南の4警察署体制から、署員100人か120人程度の3警察署体制への、再編と管轄区域の見直しによる治安維持体制と施設の整備」、第二に「これにより構築された組織体制を骨格としながら、北陸新幹線開業後の治安情勢の変化に的確に対応しうる治安基盤を作ること」が示されています。

平成21年に富山西警察署を新築し、続く富山中央警察署の建設工事が、今年度末、竣工予定でありますが、残る富山南警察署の建設スケジュールは未だ示されておらず、富山市内の警察署の再編と管轄区域の見直しが遅れています。

そこで、富山南警察署の建設を早急に進め、富山市内警察署の再編を一日も早く完了させ、新幹線開業後の治安情勢の変化に迅速かつ的確に対応しうる体制を整え、県民の安全・安心をしっかり確保すべきであると考えますが、白井警察本部長の所見を伺います。

 

次に、明日を拓く人づくりについて質問します。

 

まず、次期学習指導要領について伺います。

先月26日に中央教育審議会の教育課程部会において、先に公表されていた「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ案」が了承されました。

案に示された「アクティブ・ラーニング」は、児童生徒が「主体的・対話的で深い学びの視点から学習過程を改善する」ものであり、これまでとは質の異なる技量を求められ惑う教員が多いことや、授業のやり方、教材作りなどを大きく変える必要があるため、現在でさえ多忙な教員が、新たな課題への対応を求められることが危惧されます。

また、案では、小学校5・6年生で英語の教科化や、小・中学校、高校におけるプログラミング教育の必修化により、より多くの教員や授業時間の確保が必要となり、教員がいかに知識や技術を習得するかが大きな課題と考えます。

そこで、中教審が示した次期学習指導要領のまとめ案をどのように受けとめているのか、また、教員定数の増員や、教員が授業に専念できる環境整備に、どのように取り組んでいくのか渋谷教育長の所見を伺います。

 

次に、投票率の向上と主権者教育の推進について伺います。

 

7月に実施された参議院選挙では、改正公職選挙法施行により選挙権を得た18歳、19歳の若者が初めて投票に参加しました。

本県では、18歳が47.3%、19歳が35.1%の投票率が公表されましたが、いずれも全国平均を下回っています。

県全体の平均投票率の55.6%は下回るものの、20歳から24歳までの投票率33.5%を上回る数値であり、高校などにおける主権者教育に一定の成果があったものと考えられますが、全国平均を下回っていることから一層の工夫した取り組みが必要であると考えます。

また、今回の参議院選挙で可能となった共通投票所や期日前投票所の増設なども、投票率の向上に有効であると考えます。

そこで、先の参議院選挙における若年者の投票率をどのように分析し評価しているのか、併せて今後、投票率の向上にどのように取り組んでいくのか、山崎経営管理部長に伺います。

 

最後に、今任期4年間の成果と今後の課題について、知事にお伺いします。

 

石井知事におかれては、6月議会の我が党の代表質問に対し、来る知事選への出馬を表明されました。

我が党としては、これを受け、石井知事に引き続き県政を担っていただくため、一丸となって支援することとしております。

県政の重要な局面にあるこの期に、県内市町村、県職員、そして県議会が一丸となって連携、補完し合い、県民の夢や希望に結びつく施策を推進されるよう期待するものであります。

県政を実行していく上で核となるのは、経済や文化に限らず県政全般、インフラ整備や福祉なども含め、すべての県民が幸せになり、富山県が将来にわたって活力を持てる総合的な県づくりであると考えます。また、総合計画についても、これまでの4年間を振り返り、何ができて何ができなかったのか、成果と課題を明らかにし、これからの富山を創る若者に対するアンケート調査等に着手することも必要かと考えます。

そこで、知事には、この4年間を振り返って、県民のために何を成し遂げ、成果があったと考えておられるのか。

併せて、今後、富山県が発展、飛躍していくための課題を検証し、次なるステップにつなぐ必要があると考えますが、知事の所見をお伺いして、自由民主党を代表しての私の質問を終わります。

平成28年2月議会、予算特別委員会に立つ! (平成28年3月15日)

2017年08月03日 更新

大先輩の高平公嗣先生が3月8日に急逝され、先生が問い質そうとしたことを受け継ぎ質問をさせていただきました。

答弁内容は富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 特別支援教育について

 

 

(1)特別支援を必要とする児童生徒が増加している中、各学校には保護者からの相談や要望への対応が求められているが、今後、県としてどのように支援していくのか、問う。

県教育委員会では今年度、特別支援教育推進協議会において検討を進め、今般、取り組むべき施策の柱が取りまとめられたと仄聞している。障害者差別解消法や県条例の施行も予定されており、保護者や学校現場の方々の関心も高い。

 

 

(2)通級指導教室について

ア)これまでの通級指導教室の開設状況の推移と現在の教員の配置状況はどうか、問う。

通常の学級に在籍するも、発達障害の可能性があり教育的支援を必要とする児童生徒が6.5%いるとのデータもあり、通級指導教室へのニーズが高まっている。議論の前提として確認する。

 

イ)小・中学校における通級指導教室の開設に必要な教員が十分に配置できるよう努めるべきと考えるが、所見を問う。

通級指導教室開設の必要性判断は市町村教育委員会が行うものであるが、できる限り教育現場のニーズに応えられるよう措置すべき。

 

 

(3)特別支援教育に関する教員資質の向上が必要であると考えるが、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、問う。

特別支援学校や通級指導教室を担当する教員はもとより、普通学級を担当する教員も特別支援教育のための知識・技能を習得する必要があると考える。

 

 

(4)特別支援教育に対する現場の専門性を高めていくためには、採用の段階において、高い知識や技能をもつ人材を確保することや、外部人材を有効に活用することが大切と考えるが、特別支援教育に携わる人材の確保にどのように取り組んでいくのか、問う。

 

 

(5)生徒の社会的・職業的自立を目的とした富山高等支援学校、高岡高等支援学校が開校して3年が経過するが、これまでの教育内容や就職に向けた取組みについて、その成果と評価について問う。

北陸初の高等特別支援学校として開校されたが、今後、各学校の担う役割は、ますます大きくなっているものと考えられる。

 

 

 

問2 「立山」をめぐる諸問題について

 

 

(1)立山温泉地域における地熱発電開発について、電源開発はもとより、農業や観光などにも資する地域振興プロジェクトとして、幅広な視点で取り組むことを検討してはどうかと考えるが、所見を問う。

計画地である立山温泉周辺は、かつては湯治客と砂防工事関係者で栄えていた地域である。是非、往時の賑わいの復活に繋がるような、夢のある事業として取り組んでいただきたい。

 

 

(2)「立山・黒部」については、世界文化遺産登録候補として平成19年度に文化庁に提案され、現在は世界遺産暫定一覧表候補の文化遺産と位置づけられているが、文化庁から示された課題に対するこれまでの取組みの成果を問う。

当初提案時の文化庁への提案では、「信仰・砂防・発電」がテーマとなっていたが、その後有識者からのアドバイス等を受け、砂防に焦点を絞るとともに、提案の内容が世界史的・国際的な評価がなされるよう磨き上げを図ってきたものと認識している。

 

(3)立山砂防に関し、世界の防災専門家が参加する国際防災学会が平成30年度に富山県において開催されることになったが、その意義と開催に向けた今後の取組みについて問う。

「立山・黒部」の世界文化遺産登録に向けて、立山砂防を防災遺産として提案しようとするこれまでの調査・研究が評価されたものと聞いており、本県での開催は世界に世界遺産登録に向けた取組みや立山砂防の重要性をアピールする絶好の機会と考える。

 

 

(4)立山火山対策について

 

ア)立山弥陀ヶ原における火山防災対策について、今後新たに火山防災協議会を組織することとなるが、具体的にどのように取り組むのか、今後のスケジュールと併せて問う。

火山防災に係る地域防災計画や避難確保計画等を十分機能するものにするためには、周辺の関係自治体の広域的な連携が必要であり、県が果たす役割は重要と考える。

 

イ)万が一に備え、退避施設等の整備を行っていく必要があると考えるが、今後どのように取り組んでいくのか、問う。

山小屋の屋根を強化繊維で補強する方法が有効だが経営面の問題から公的な支援が必要との声があるほか、強化プラスチック素材を使った退避施設を整備する場合には国立公園内であることから制限がかかるなど、課題も多いと聞く。

 

ウ)自治体の現場において火山防災に携わる専任職員の確保についてどのように考えているのか、問う。

火山監視等の業務に携わる国の火山専任職員の増強が図られるとのことだが、火山防災の専門家は不足している。早急な育成にも限界があり、どのように確保していくのかが課題。

 

エ)立山室堂周辺において、スマートフォンで防災・観光情報を提供するツールの実証実験が予定されていると聞くが、その概要について問う。

早期の事業化を期待している。また、多くの外国人が訪れることから、多言語による情報提供についても検討すべきと考える。

 

 

(5)立山地域におけるライチョウの保護について、県内生息数の安定的な維持に向け、今後どのように取り組んでいくのか、問う。

南アルプスなどでは数を減らしており、国が中心となってライチョウの人工飼育などにも取り組まれているが、本県では今後とも域内保護に積極的に取り組むべき。

平成27年11月議会、予算特別委員会にて質問に立つ! (平成27年12月10日)

2017年08月03日 更新

以下は質問要旨です。

答弁内容は、富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 国政のあり方について

 

参議院議員選挙区の合区は、国政の大都市偏重につながりかねないことから、参議院を明確に「地方の府」と位置づけ、都道府県単位の代表が国政に参加する仕組みとすべきと考えるが、所見を問う。

地方創生の観点からも逆風となりかねず、憲法を改正して対応すべき時期に来ているのではないかと考える。

 

 

問2 農林水産物の市場開拓について

 

農林水産物の市場開拓を進めていくために必要な人材を県全体としてどのように育成・確保していくのか、問う。

まず、県庁内に専任室課を新たに設置し、マーケティング体制の構築と農産品の輸出拡大に向けた戦略的な取組みを強力に推進すべき。民間やNPO法人にもこうした動きがあることから、立ち上がりの運営費助成などによる支援も含めて検討すべき。

 

 

問3 インド・アンドラプラデシュ州との交流について

 

本県の経済発展や地域の活性化に向け、今後、経済成長が著しいインドとの関係を強化することは重要であり、この際、高い発展可能性をもったアンドラプラデシュ州との交流協定を速やかに締結し、様々な分野で交流を推進すべきと考えるが、所見を問う。

インド・アンドラプラデシュ州との交流に関し、先の代表質問において、同州の将来的な発展可能性を踏まえると本県にとっても相当のメリットがあるとの知事答弁があった。

 

 

問4 台湾便について

 

富山-台北便について、富山から台湾へのアウトバウンド旅客の増加が課題とされているが、冬季の増便期間中の利用促進についてどのように取り組むのか、問う。

 

 

問5 企業誘致と用地確保について

 

新幹線の開業を受け、今後、企業誘致を進めていくにあたり、県内における企業用地の確保の必要性についてどのように認識しているのか、県内企業団地の充足状況とあわせて問う。

都市計画の線引き見直しのタイミングでもあり、県として企業誘致のための用地確保に向けて積極的に取り組むべき。また、用地のニーズは製造業が多いが、若い女性の県内定着のためには、オフィスビル等の立地への配慮も必要。

 

 

問6 交通事故防止対策について

 

これまで、どのようにして交通安全に関する注意喚起を行ってきたのか、その事業効果に対する評価とあわせて問う。

交通事故の問題は今議会で何度も議論されてきたところであるが、テレビ、ラジオ、チラシ、交通安全協会による教室開催など、様々な啓発活動が行われてきたにもかかわらず交通死亡事故は増加している。啓発活動の抜本的な見直しが必要なのではないか。

 

 

問7 県庁の職場環境について

 

(1)現場重視、スピード重視の県政を推進するとともに、県庁職員の時間外勤務を縮減するため、資料作りや意思決定のプロセスなど、仕事の進め方を基本から点検し、改善を図るべきではないかと考えるが、所見を問う。

資料の作り込みにばかり精力が注がれ、現場における対応が疎かになることを危惧している。また、意思決定を簡便化・迅速化することにより、相当の時間外縮減が図れるのではないかと考える。

 

(2)県庁においてしっかりと目標を立てて職場環境の改善などを実施し、本県全体の合計特殊出生率の向上に向け、先導的な役割を果たしていくべきではないかと考えるが、所見を問う。

 

 

問8 市町村との連携について

 

(1)一般論として、地域公共交通の整備に関する市町村や交通事業者との役割分担や連携の考え方については、どのように整理されているのか、地域交通ビジョン策定への各主体の関わり方とあわせて問う。

具体的な施策、事業の実施については、一義的に誰が責任を持って進めることとされているのか。今後は、路線バス等のより日常的な県民の足の確保へのニーズが増し、市町村の役割が重要となると考える。

 

(2)富山県人口ビジョンに即して定住・半定住施策を進めていくにあたり、具体的にどの市町村や集落に何人を誘導するといった、個別の目標を設定して取り組んでいくべきと考えるが、どのように市町村と連携していくのか、問う。

市町村と密接に連携し、コミュニティの維持に必要な人口を確保していくという観点から、よりきめ細かな施策展開を進めていく必要があるのではないか。

 

(3)地域医療ビジョンの議論を進めていくにあたり、市町村の意向をどのように反映させていくのか、問う。

地域医療ビジョンの策定にあたっては、市町村自らが設置する公立病院はもとより、公的病院等の状況も踏まえ、総合的な医療提供体制の将来像を示したうえで、市町村の意見も十分に汲み取りながら議論を進めていくべきと考える。

 

(4)県内の各種の公共施設について、市町村との連携・調整を進め、その集約・整理について検討していく必要があるのではないかと考えるが、所見を問う。

県内市町村において公共施設等総合管理計画の策定に向けた動きが見られる中、将来の人口減少も見据え、県・市町村の枠にとらわれることなく、住民利便を最優先に検討を進める必要がある。

 

(5)県政を進めていくにあたり、市町村との連携のあり方について、どのようにあるべきと考えているのか、所見を問う。

リーダーシップは誰がとるべきと考えているのか。

 

改選後初議会、6月定例県議会にて代表質問に立つ! (平成27年6月12日)

2017年08月03日 更新

改選後初議会にて代表質問に立ちました。その要旨は以下の通りであり、答弁内容は、富山県議会HPをご覧になっていただければ幸いです。

 

 

問1 北陸新幹線開業効果の活用・持続について

 

 

(1) 北陸新幹線開業後の検証について

 

ア)開業からまもなく3箇月を迎え、これまでの県内の概況についてどのように受けとめているのか、また新幹線開業効果の県内全域への波及と、持続的な地域経済の好循環につなげるため、今後開業効果の持続をどのように後押ししていくのか、所見を問う。

新幹線開業効果の実感が広がってきており地域経済の好循環につなげたい。また、開業直後の賑わいをブームに終わらせることなく、効果を最大化し持続させていくには、観光客の流れや消費動向、県内全域への波及状況、2次交通機関の利用状況など、変化の実相を正確に検証・分析し、迅速に手を打つことが必要。

 

 イ)富山駅の周辺整備について、開業後に明らかになった諸課題について、どのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

富山駅から一歩出ると未整備エリアが目に付き、また、駐車場も不足するなど不評であり、遠来客に与えるマイナスの印象を最小限にとどめる改善策を講じることが大切。関係市・機関などとさらに連携を強化し、対応する必要がある。

 

ウ)県民の足でもあり、新幹線の2次交通でもあるあいの風とやま鉄道をはじめ、県内で運行する2次交通の利便性の向上に今後どのように取り組んでいくのか、所見を問う。

JR時代のサービス水準を低下させず、安全で安心な県民の足としての利便性の確保・向上、関西方面へのビジネス客の利便性の向上に努めることが求められている。また、2次交通についても、高齢者が増えることから、増便・増発や新しい路線の開拓による利便性、さらには安全・安心に配慮した快適性が求められており、老朽車両等の更新のほか、鉄軌道の橋りょう等の施設・設備の修繕、維持管理費を支援する必要がある。

 

(2) 富山きときと空港について

 

全国や海外につながる空の玄関口の維持・存続を図るため、新たな路線の開拓も含め、今後どのように空港利用を促進するのか、所見を問う。

全日空は全便を小型化して座席数を大幅に減らしたが、搭乗率は7割を下回るなど4月以降も富山-羽田便は厳しい状況が続いており、基幹路線の存続は、空港の運営そのものを左右する問題。県は、富山県民だけが利用するという認識ではなく、岐阜県、石川県や長野県を含む近隣県からの富山空港の利用促進に強力に取り組むべき。

 

 

問2 とやまの未来創生と産業振興について

 

 

(1)富山県版の総合戦略の策定について

 

ア)富山県版の地方総合戦略「とやまの未来創生戦略(仮称)」の策定方針、スケジュール、効果検証に耐えうる実効性のある戦略づくりについて、所見を問う。

地域の実情にあった人口ビジョンを自ら探り出す作業と県内産業の形成と雇用機能の確保、そして両者の連関構造など、県内の経済構造を精緻に分析するとともに、広く県民の意見を踏まえた地方創生・人口減少対策に関する実効性のある戦略とすべきである。さらに市町村との役割分担も含めた連携を図りつつ、効果的な戦略とすることが肝要。

 

イ)こうした動きとは別に、ポスト新幹線もにらみつつ、今後の富山県の中長期的なビジョンについても幅広く検討を進めるべきと考えるが、所見を問う。

 

(2)移住支援拠点の開設を機に、新幹線開業と地方創生という二つの追い風を活かし、今後どのように県内への移住支援に取り組むのか、所見を問う。

有楽町のふるさと回帰支援センターに「富山くらし・しごと支援センター」の相談窓口が新設された。県内への移住者は増加傾向にあり、ここ数年は子育て世代の移住が増え、昨年は20~30代が全体の64.5%を占めた。東日本大震災後、若い世代は安全安心な暮らしを求めて移住する傾向が強まっていると聞いており、新幹線開業で首都圏との時間距離が縮まったことも追い風となっている。

 

(3)県内においては、人材確保に緊急を要する状況だが、今後、どのように取り組むのか、所見を問う。

県内の有効求人倍率が全国平均を超えて上昇を続け、雇用情勢は改善を続けているが、宿泊、飲食などのサービス業や販売業、製造業、建設業においては人手不足が目立つ。県内の潜在的な労働者の発掘はもとより、UIJターンなどに力を入れ、県外から人材を獲得すべき。

 

(4)観光振興や地域経済の活性化ひいては産業振興にも結びつく、今後の富山湾を活かした取組みについて、所見を問う。

民間の応援組織である「美しい富山湾クラブ」が設立された。7月には「タモリカップ」、10月には「全国豊かな海づくり大会」、11月には「富山マラソン2015」が開催され富山湾の注目度が飛躍的に高まる絶好の機会。また、日本海をめぐるクルーズの定番寄港地として伏木富山港のネームバリューを押し上げるなど、世界に誇れる地域資源として一層アピールし、富山湾の多彩な魅力を守り育てる取組みを推進することが期待される。

 

(5)新県立近代美術館(仮称)の運営の情報収集のため、先月、富山県経済・文化調査団がニューヨークのアート・アンド・デザイン美術館などを視察したが、その成果を新しい近代美術館の運営にどのように活かすのか、運営方針の決定時期と併せて、所見を問う。

先月25日には起工式が行われ、平成29年の完成に向け、スケジュールが見えてきたところだが、具体的な運営方針等については、まだ決まってないようであり、県がしっかりと考えを発信する時期が来ているのではないか。

 

(6)中小企業を強くアピールする方法の一つとし、新たな商機が生まれるきっかけづくりとするため、県の公共施設を整備するにあたり、資材や技術、製品などすべてを、県内中小企業から調達する取組みが必要であると考えるが、所見を問う。

人口減少対策には、雇用を増やすこと、すなわち、県内中小企業を後押しし産業基盤を強化することが極めて重要であるが、富山県は、中小企業が県内企業の99.8%を占め本県経済の基盤を成している。中小企業支援施策の着実な実行はもとより、県が率先して、県内中小企業の技術や製品を大いに活用し、企業を発展させていくという視点も必要だと考える。

 

(7)第32回伝統的工芸品月間国民会議全国大会を一過性のものとすることなく、大会を機に、県内の伝統的工芸品産業が発展するよう施策を展開していく必要があると考えるが、大会成功への意気込みと今後の伝統的工芸品産業の海外市場開拓、育成策について、所見を問う。

開催時期が、「北陸デスティネーションキャンペーン」と重なることから、業界関係者だけでなく、一般愛好者の来場も期待できるので、富山の伝統的工芸品の良さを随所に感じられる大会にしてほしい。また、先月、ニューヨーク市内で「とやま伝統工芸PR展示会」が開催されたが、今後の海外展開の可能性が感じられたと聞いている。

 

(8)「1億円産地づくり支援事業」に関し、販売額が伸び悩んでいる戦略品目について、その原因・課題をどう認識し、大規模な園芸産地のさらなる育成と販売額目標の着実な達成に向けて、県の取組みをどう強化するのか、所見を問う。

15の農協が主導し、23の戦略品目について園芸産地づくりに取り組んできたが、5年が経過し、その成果に差が生じ始めている。米政策が見直される中、園芸生産を拡大する必要性はますます高まっており、「新・元気とやま創造計画」で設定された販売額の目標を着実に実現することが必要。

 

 (9)農商工連携を含めた農林漁業の6次産業化とその販路拡大に関する中期計画を策定するとともに、検証可能な成果目標を設定するなど、適切な進捗管理を行いながら施策を推進していくことが肝要と考えるが、所見を問う。

本県においても、これまで以上に力を入れていくべきだが、農協・生産者においては、販売を強化する視点・意識が希薄に感じられ、公的な支援は様々あるものの効果を発揮していないのが現状。また、「新・とやま地産地消推進戦略」において販売金額を5倍以上とする目標が新たに設けられたところであり、県が、その達成の道筋を明らかにしつつ、独力で販路を広げることが困難な事業者と県外、国外の小売業者、消費者とをつなぐ取組を強化することが必要。

 

(10)マイナンバー制度の導入、利活用を図るための県の体制整備及び取組状況と、国民一人ひとりへのマイナンバーの通知を今年10月に控え、本制度の認知度向上にどのように取り組むのか、所見を問う。

内閣府が今年1月に行った調査では、制度の内容を「知らない」とした人が7割にものぼるなど制度の認知度は極めて低く、企業の取組みも遅れている。マイナンバー制度は国家的な社会基盤として、適切に運用されればプラス面が大きい制度だが、法制定時から、個人情報の流出や情報の不正利用などリスクを懸念する声もある。

 

 

 

問3 安全・安心な暮らしの実現について

 

 

 

(1)がん診療連携拠点病院について、高齢化に伴うがん患者の増加、拠点病院間に生じている診療実績等の格差、がん医療の高度化への対応など、本県のがん診療体制に関わる重要課題について、県が主導してその解決を図るべきと考えるが、どのように取り組むのか、所見を問う。

今後のがん診療体制に関しては、昨年のがん対策推進協議会でも「将来的にいくつもの課題がある」と認識されており、がん診療体制の今後のあり方を左右する様々な課題が、いまなお残されたままとなっている。これらは拠点病院の個々の努力やがん診療連携協議会の取組みだけでは解決困難なものばかりである。

 

(2)地域医療構想の策定にあたり、病床数削減や医療費抑制のみを目指すのではなく、医療・介護施設の整備や医療従事者等の確保・養成も含め、混乱をきたすことなく、実効性のある構想とする必要があると考えるが、策定方針について、所見を問う。

構想は平成27年度中に策定することとされており、地域毎の医療需要を推計し、それに見合った医療機能別の必要病床数などの整備目標を定め、その実現に向けた施策を盛り込むものとされている。また、国は、平成30年度に国民健康保険の財政運営責任を市町村から都道府県に移行する改革も実施することとしており、医療供給体制と医療費の適正化という両面から、県はこれまで以上に大きな責任と役割を担うこととなる。

 

(3)ドクターヘリの運航開始の準備状況及び円滑な運航、本県の救急医療体制の充実に向け、どのように取り組むのか、所見を問う。

今年夏頃の運航開始に向け、県立中央病院の施設、設備の整備や搭乗する医師等の養成、運航ルールの作成など準備が進められている。診療開始までの時間の短縮等により予後の改善効果が期待でき、本県の高度救急医療体制が全国に誇れるものとなることを期待している。また、救急の現場では厳しい勤務状況が続いていることから、これまでの通常の救急搬送にも十分に配慮した運用が必要であり、医師の育成・確保に積極的に取り組み、県全体の救急医療体制を充実させる必要がある。

 

(4)高齢者人口が増加することを踏まえ、これまでの交通安全対策を検証した上で、交通弱者や県内を訪れる観光客への交通安全対策を講じる必要があると考えるが、所見を問う。

連休明けの1週間で5件5人の交通死亡事故が相次いだことを受け、交通死亡事故多発警報が発令された。依然として、県内の交通事故は高齢者が犠牲になる割合が高く、「交通弱者」に対する安全対策を一層推進する必要がある。また、新幹線開業後、県外の観光客がレンタカーなどを利用して、慣れない道を走行し、県民や県内の車両、路面電車と衝突する事故が発生する可能性も否定できない。

 

 

 

問4 未来を創る教育の充実について

 

 

 

(1)先般、総合衛生学院を改組し、県立の4年制看護大学を設置すべきとの方向性が示されたが、富山県立大学の中に学部を新設するなどスピード感をもって整備を進めるべきと考えるがどうか、県内大学における土木・建設、農業系の学部・学科の新設・拡充の考え方と併せて、所見を問う。

本県においては、土木・建設、看護・薬業の学部・学科の定数が少ないことや農業系がないことから、この分野へ進学を希望する学生が県外に流出しており、県内学生の定着を促進し、地域産業を担う専門的知識を有する人材を育成する必要がある。

 

(2)富山県立大学の学科新設・拡充について、県内産業への人材供給、若年人口の増大といった地方創生の観点からも検討を急ぐべきだと考えるがどうか、県内製薬企業などの産業ニーズを踏まえた医薬品の製造開発に係る人材を育成する新しい学科設置の考え方と併せて、所見を問う。

2月定例会での知事の答弁では、本年4月からの公立大学法人化にあたり、5学科すべての入学定員の増員を目指し、機械システム工学科と知能デザイン工学科については、先行して平成28年4月からの増員を検討するとのことであった。

 

(3)教育大綱の策定について、どのような基本理念やスケジュール感を持って大綱を策定していくのか、所見を問う。

先般開催された「総合教育会議」において、今年度中に教育や学術、文化の振興に係る総合的施策の指針となる大綱を策定する方針が確認されたところであり、知事、新教育長及び教育委員等が相互連携し、諸施策の検討や教育課題を克服していくことが必要。また、県民に対して「新・元気とやま創造計画」や県教育振興基本計画と本大綱との差異を明確に説明するなど、二重行政とのそしりを招かぬよう備えるべき。

 

(4)県立高校の後期再編について、地域の特性、地域の人材育成拠点としての位置付け、高校再編後の跡地活用や通学の交通機関の確保など複合的な観点から、早急に検討を行うべきであると考えるが、所見を問う。

後期再編計画では、前期になかった「市町」を横断する再編の検討が不可避であり、若者の都会への流出、消滅可能性都市が発表されるなど、将来への危機感が高まるなか、地元の高校がなくなるおそれがある地域では学生や保護者だけでなく、地元の方々からの反発も予想される。

 

 

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